2016年01月31日

クリード チャンプを継ぐ男/CREED

 今回のアカデミー賞に助演男優賞にノミネートされたシルヴェスタ・スタローン。
 『ロッキー』でアカデミー賞を制覇しているが、その後は筋肉アクションスターとして売れたけれど演技力は評価してもらえず、アクションを封印して人間ドラマに取り組んだけれどやっぱり評価してもらえず(あたしは『コップランド』、好きでしたけどね)、『エクスペンダブルズ』シリーズで開き直ったと思ったら、再び老いたロッキーとしてアカデミー賞ノミネート。 なんとも複雑で、彼がそう望んだわけではないだろうけど、「力は正義だ」というある時期のアメリカンドリームの悲しい宿命を背負わされた役者なんだな、スタローンって、と思わずにはいられない。
 ちなみにボクシングという競技はそんなに好きではないあたしですが(だって痛そうだから)、『ロッキー』シリーズは1から4まで金曜ロードショーでしっかり見ています。
 『クリード』って何のことだろうって思っていたけれど、それがアポロの名字だと知って合点! アポロはいい人だったよ! ちゃんと覚えてる!
 『ロッキー・ザ・ファイナル』は観ていませんが、今回の主役はアポロの息子だということが観に行くきっかけになりました。

  クリードP.jpg 「ロッキー」新章、始まる。

 アドニス・ジョンソンは父を知らず、柄の悪い地域で育つ少年の道をストレートに歩んでいた。 施設に収容されているところに、メアリー・アン・クリード(フィリシア・ラシャド)が会いに行く。 「あなたのお父さんの妻よ」と。
 アドニスはボクシングのヘビー級チャンピオンであったアポロ・クリードの愛人の息子で、彼が生まれたときはもうアポロは倒れたあとだった。 父を知らないアドニスはメアリーの申し出を受け一緒に暮らすことになり、その後は何不自由ない生活を送れるようになる。
 成長したアドニス(マイケル・B・ジョーダン)はエリートとして働いていたが心の渇望はいかんともしがたく、仕事を辞め、父の親友ロッキー(シルヴェスタ・スタローン)を訪ねてトレーナーになってほしいと申し出る・・・という話。
 アドニス(愛称ドニー)を突き動かしているのは、「自分は過ちではなかった」(自分はいらない子供ではない・間違って生まれてしまったのではない)という気持ち。 アポロの未亡人メアリーとの関係は良好だし、メアリーはダニーを息子のように思ってはいるが、メアリーに出会う前からダニーの心に巣くっているその思いを消すためにはボクシングで父のようになるしかない。 状況は違えども、「強くなりたい」という想いは『ロッキー』の若きロッキーが持っていた気持ちと同じ。
 シリーズをまったく新しく塗り替えるとも、シリーズの持つ魂は同じ、というところがこの映画の評価の高さを表しているのではないか、と思ったり。

  クリード1.jpg どっかで見たことあるなぁ、と思っていたけれど、ダニー役は『フルートベール駅で』の彼ではないか! すっかり身体が筋肉質に素晴らしく出来上がっているので気がつかなかったよ!
 またメアリーもすごくいい人だし(ヘビー級チャンピオンの未亡人だけあって肝の座り方が違う)、ドニーの彼女が難聴を患う歌手ビアンカ(テッサ・トンプソン)だったりとサイドの人物配置もなかなか考えられていて、弱者的立場をあざとく描いていないところもいい感じ。
 そしてなにより、老いたロッキー。 自分の願いは一日でも早くエイドリアンの側に行くこと、と言いながらアポロの面影をドニーに見てしまったら後には引けず。 『ロッキー4/炎の友情』以降ずっと彼を苦しめてきたであろうアポロへの悔恨と贖罪の気持ちがダニーに向かう姿は、多分このシリーズ大好きな人たちにとってはすごく感涙ものではないだろうか。 かつてのミッキーとは違う、歳月を経たロッキーだからこそ言えるトレーナーとしての発言に時間の流れを感じます。

  クリード2.jpg ほんとに助演ですか?、というほどに出番多いよ。 ダブル主演といっても過言ではない。
 日々の厳しいトレーニング、一歩ずつ勝ち上がっていくドニー、とスポ根要素をきっちり踏まえつつ、『ロッキー』シリーズ長年の歴史も押さえつつ、しかしやりすぎないという難しいことを見事に成し遂げたライアン・クーグラー監督はすごい!
 音楽も「ここぞ!」というところでだけあのテーマを使うなど、ツボを心得ている感じで(あたしはそこで泣いてしまいました・・・)。
 きっちりバトンは交代され、ドニーが主役のシリーズが続いても何の問題もない出来栄え。
 人気シリーズの焼き直しはよくあっても、こうやってきれいに生まれ変わる瞬間に立ち会えることって、もしかしたらそうないのでは?
 ギリギリだったけど観てよかったな(そして『ロッキー』も1から4まで観ていてよかった。 観てなくても大丈夫だけど−なにしろドニー自身が現役時代のアポロを知らないんだから−でも観ている方がもっと楽しめる)。

ラベル:映画館 外国映画
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2016年01月30日

王妃マルゴ 4/萩尾望都

 『王妃マルゴ』もいつの間にやら4冊目。 一年に一冊出るかどうかのペースだから、1巻目が出てからもう3年ぐらいになるのか、ということに驚く。 作中では、もっと時間が流れているので特に違和感はないのですが。

  王妃マルゴ04.jpg 今回の表紙はアンジュー公アンリですかね。 <愛蔵版コミックス>という分類のため、価格は少々お高いですがカバーの手ざわりや発色は素晴らしいものが。

 “萩尾望都、初の歴史物!”、というふれこみで始まったこの物語、実際は「こんなにも自分が“女”であることに疑いをもたず、本能のままに行動するヒロインがこれまでの萩尾望都作品にいただろうか!」というほうが長年の読者としては驚きで、マルゴという人物をとてもハラハラしながら見てきたのですが、<運命の恋>に目覚めてからの彼女は一途な萩尾キャラらしくなり、しかし歴史の流れはその一途さを許さず、昔からのテーマである<母と娘>についてが際立って浮かび上がってくる仕掛け。
 でもそのために“歴史”を背景としてただ借りてきたわけではなく、歴史の流れそのものもきっちりと過不足なく描き出す。 このバランス感覚、さすがです。
 ちょうど『サラディナーサ』(これはスペインがメイン)で描かれていたほぼ同じ時代、フランスではどうだったのかがこれを読んでわかる!、というあたしのような世界史音痴にも大変ありがたい作品です。 カトリックとプロテスタントとの対立がだんだん明白になっていくところも非常に今日的というか。
 マルゴをめぐる3人のアンリのうち、あたしはナヴァルのアンリが結構好きなんだけど・・・悲劇の予感で幕を閉じてしまった。
 あぁ、早く続きを!

ラベル:新刊 マンガ
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2016年01月29日

不安定な天候のせいで

 今朝はあまりにしんどくて、起きれないかと思った・・・。
 しかし月末、そして同期のEさんが退職するので最終出勤日。 それこそ這いずってでも行かねばならない日である。
 すでに水曜日あたりから調子が悪かった。 今週、ずっと残業であるというつかれも当然あるが、やはり原因は急激な気圧変化であろう。
 ドクターにはよく、「なんというか、季節とか環境の変化に敏感だよね〜」と褒め言葉とも揶揄ともつかないことを言われるのだが、北東北の冬ってそんなに大きな変動はないのだ。
 シベリア寒気団が来ればしばらく居座るし、安定して低気圧・安定して低温。 日光だってたまにしか出ないし、だいたい雪雲が空を覆っているような状態(「わーっ、今日は雲がないなぁ」ってことで驚く、という日常なので・・・)。
 まぁ、自分の貧血時期と重なったせいもありますが、とにかく頭が痛い・身体が重い・更に耳鳴りがする。 鎮痛剤の効きがいつもよりはるかに悪いので倍量のんじゃった(それでちょっとましになったかと思ったら、効き目が切れるのも早い・・・)。
 仕事に集中できないので、数字関係のものは来週に回す(請求書などは事前に作成してあったので送るだけ。 口座の入出金確認や会計ソフトへの入力はミスがあったら怖いのでやったとしてもどうせチェックし直すことになるし)。 Eさんとの引き継ぎもなんだかなおざり(彼女はかっちりマニュアルつくる派なので、あとで必要な時に読めばいいと思った)。
 ほんとはもっとやりたいことがあったのだが、「必要最低限のことはしたよな!」と一時間の残業で限界、帰りました・・・。
 来週が大変ですが、その頃には体調が今日よりましになっているはず。
 今日、ほんとに金曜日だよね? 明日土曜日だから休んでいいんだよね?
 それでもなんだか、明日も仕事に行かなきゃいけないような・・・不完全燃焼感。

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2016年01月27日

メールが届かない・・・

 最近、コメント欄承認は比較的うまくいっています。
 でも<アクセス状況>が真っ白・・・ということが増えてきました。

 が、なにより問題なのはzaqアドレスのメールが2日以上遅れて届くこと!
 (なのでコメントやトラックバックの有無はここの管理画面から確認しています)
 え? メールとインターネットはサービス廃止対象外ですよね?
 この原因はなんなの? いろいろ調べている時間が今はないよ〜。

2016年01月26日

海難1890

 これも、「なんで今、この題材?」と疑問のわいた映画。
 エルトゥールル号のことはそれこそ1985年に大きく話題になったし、「むしろ現代の多くの日本人が知らない出来事をトルコの人々は教科書に載せて語り継いでくれている」ということが感動的だったエピソード。 舞台となった現・和歌山県の串本町では慰霊碑的なものがあり、その地域に住む人たちは忘れていないわけで、日本人がずっとまったく知らないままだった、というわけでもない。
 でも実話に弱いので・・・観てしまいましたが。

  海難P.jpg 1890年9月16日未明 全てはここから始まった――

 日本の天皇への親書を携えたオスマン帝国からの使節団は軍艦エルトゥールル号で危険を承知の長旅に出た。 一方、紀伊半島先端に位置する樫野の村では漁業を中心に村人たちは貧しいながらも懸命に生きていた。 西洋に留学経験のある医師・田村(内野聖陽)はそんな善良な村人の姿に心洗われながら、治療費の代わりに食料などを受け取りながら独自の勉学に励んでいた。
 決して交わることがないと思われていたこの二者が、稀に見る悪天候(台風と思われる)のため、樫野のすぐ先の沖で帰路を辿るエルトゥールル号が座礁・転覆することで接点を持つことに。 村人総出で捜索・救助に当たるも、生き残ったのは69名。 死者・行方不明者500名以上という大惨事だった。

  海難4.jpg このあたりのビジュアルはなかなかの迫力。
 基本、漁師の方々なので海で困っていたらなにをおいても助ける、という思想というか習慣が一貫しているところが観ていて気持ちがよい。 お金はないけどできるだけのことはしてやりたい!、という熱意は日本人なら大概共感できる部分なのではないだろうか。
 だからこそ、ある程度の事情を知っておきながらどれだけ手を打っているのかわからない明治政府や日本の海軍の動きに大変いらだつことに。
 生き残った一人、オスマン帝国海軍機関大尉ムスタファ(ケナン・エジェ)にもイラつかせられるが、彼はエリート出身というバックボーンが描かれているし、すぐ反省してくれるので「ま、いいか」という気になる。 1890年のパートが映画本編の7割以上を占めており、正直ここだけで十分だったんじゃないかな、と思えた。 1985年パートを観たあとは。
 その後、時代は飛んで1895年。 イラン・イラク戦争中のテヘラン、サダム・フセインが48時間後に無差別攻撃を開始すると発表した。 テヘラン日本人学校の教師・春海(忽那汐里)は生徒たちとその家族を脱出させるために懸命に働き掛けていたが、日本からは救援機が来ないことがわかり、日本人の間に絶望感が広がる。 そこへ、トルコが救いの手を差し伸べる・・・。

  海難2.jpg でもさぁ、テヘランが不安定な情勢だってことわかってるはずよね。 それなのに危機感のない旅行に来ただけ、的な日本人を描かれるとがっかり来ちゃう。 宅間孝行あまり好きじゃないから、すっごい無責任な役をやられて余計に腹が立つ。

 1985年パートのダメなところは、トルコを立てようとするあまりに日本人がものすごくダメダメに描かれている点。 そしてエルトゥールル号についてまったく言及されない点。 トルコ大使館職員としてケナン・エジェが再登場し、1890年パートにも医療助手として出ていた忽那汐里と“運命の再会”を果たしているんだけど、時間ないのに(「無差別攻撃まであと○時間」とタイムリミットを示す字幕何度も出るのに)、そこで見つめ合ってる場合か!、とツッコミを入れたくなってしまう。

  海難5.jpg そういう恋物語、いりません。
 実際、トルコ側は「恩返し」として政府判断だけではなく国民の後押しもあって救援機をもう一機出してくれたはず。 それには当時トルコに駐留していた商社マンの力もあったはず(勿論、そういうことになったいちばんの原因は当時のJALが組合のごたごたを含め機長も機体も出さなかったことにあるのだが)。 そのあたりのことは一切スルー。
 実話もので自分の知らないことが出てこない(むしろ、知っていることすら出てこない)映画って初めてかも!
 勿論、トルコの善意を疑うわけではないが、あのとき、相手が日本だから助けてくれたんじゃなかったんですか(トルコが親日なのはエルトゥールル号のことがあったから、と聞いていますが)。 まるで、どこの国の人であろうと困っている人を助けるのが人道的に当然、という描写にすり替わっており、「エルトゥールル号の縁は?」と何度も尋ねたくなってしまうスルーぶり。

  海難1.jpg 前半の懸命な救助作業が懐かしく思えてくる・・・。
 映画終了後、突然トルコのエルドアン大統領の談話が映されてあっけにとられる。
 これって、トルコの宣伝映画だったのか!

ラベル:映画館 日本映画
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2016年01月25日

オルガンが消えた!

 残業でつかれた身体を引きずるようにして帰る。
 それでもタワーレコードには寄る。 が、ゲイリーのアルバムどころか、彼の名前のプレートすら置かれていなかった・・・怒りを通り越して、一瞬殺意を覚える。
 寒いことだし、あったかいお茶でも飲みたいなぁ、でももうラストオーダーの時間を過ぎちゃったよなぁ、と『オルガン』のそばを通る。 旧マドマド同様マヒ―シャ系列のお店で、結構隠れ家的穴場。 旧マドマドのほうが行く回数は多いですが、オルガンにもちょこちょこ行っているあたしです(紅茶メニューはだいたい同じでも、スコーンやケーキの種類が全然違うから)。
 シャッターが閉まっている。 やっぱり遅かったか、それとも定休日だっけ?、とあたしはシャッターに貼られた紙の文字を近付いていって読む。

  オルガンは2015年12月26日で閉店いたしました。
  スタッフはマヒーシャ元町店で働いておりますので是非お立ち寄りください。

 えっ! あたし、12月のいつだかにこの店来たけどなんにもそんな素振りなかったよ!
 ・・・でもそういえば、旧マドマド(現マヒ―シャ元町店)のカウンター横にメニューにないケーキがホールでいくつか置かれていて、「あ、オルガンのケーキみたい」って思ったことがあったような・・・あれはオルガンのケーキをこっちでも焼けるか、という練習だったのであろうか。
 というわけで、あたしの愛用する隠れ家カフェが一軒消滅。
 気づくのに約一ヶ月かかったことにもショックを受ける。

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2016年01月24日

V/Take That

 テイク・ザットが新作を出してたなんて、全然知らなかった〜っ!
 イギリスでは大ニュースのはずなのに、そして大ヒットしているはずなのに、日本にその知らせが入ってこないのは何故?
 勿論、あたしがマメに情報をチェックしていないのが悪いのですが、アデルのことは音楽メインじゃない媒体にも載っていたというのに・・・アメリカでも売れてなきゃダメなんですか!?

  Take That 3.JPG 手に入れて、でもなかなか聴く時間がなく・・・ようやく、通して全部聴けました。

 ロビー・ウィリアムスが戻ってきてフルメンバーが揃った前作から4年後に発表されたこちら、多分ロビーはまた出ていくんだろうなぁと予測はしていましたが・・・ジェイソンまで脱退したとは! なのでジャケットビジュアルもタイトルも、「3人でやってます」の表現だったのですね(再結成してからアルバムは4枚目だし)。
 とはいえ、あたしはゲイリーのファンなので、自分勝手なことを言わせていただければ彼の声が聴ければそれでいい!、という部分もありまして。 そういう意味では満足です。
 いきなり直球のUKエレポップ路線でたたみかけてくるこのアルバムは、まさに「歌って踊れる」がコンセプト? 3人になった分、ハーモニーが若干薄まった感じはあれど、でも決して手は抜かず、たりない分をお互いでカバーしようという迫力を感じるし、それが楽曲のパワーになっているように感じる。
 “patient”“The Flood”のような絶対的キラーチューンはないけれど、全曲ほぼ同等のクォリティで全15曲を57分52秒で駆け抜ける。
 あぁ、この疾走感こそ、テイク・ザットです。
 ちなみに・・・このアルバムと近い時期にゲイリーがソロアルバムを出していたこともわかって、それも知らなかったあたしは大変ショックを受けておりますが、明日仕事帰りにタワレコ寄って探してやる! 見つからなかったらアマゾンで注文してやる!
 もうCDはあまり買わないようにしようかなと思っていたりもしたのですが、一枚買うと次が見つかる。 完全に買わない、というのはどうも無理なようです。

ラベル:洋楽
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2016年01月23日

今日は6冊。

 一月後半の新刊ラッシュも、これでひと段落かな?

  アルモニカ・デアボリカ.jpg アルモニカ・ディアボリカ/皆川博子
 『開かせていただき光栄です』の続編。 皆川博子は基本的に続編を書かない人、というイメージがあったのですが、それだけあのお弟子さんたちのキャラ立ち具合、そして盲目の判事という渋すぎる探偵役といい、愛着がおありだったのではないだろうか。
 だって、読者としても彼らにまた会えるなんてうれしすぎるもの!

  オータムタイガー.jpg オータム・タイガー【新装版】/ボブ・ラングレー
 これもジャンルとしては冒険小説でしょうか。
 でも以前、同じ作者による『北壁の死闘』を読んだらすごく面白かったんですよね(あのときは山岳小説として読んだつもり、訳も海津正彦さんだったし)! しかも今回の翻訳は東江一紀だ! ボブ・ラングレーの本領、見せていただきましょう。

  血の極点.jpg 血の極点/ジェイムズ・トンプソン
 『極夜<カーモス>』から続くフィンランド・ミステリ<カリ・ヴァーラ警部>シリーズ4作目にして最終巻。 最終巻なのは作者急逝のため。
 5作目が途中まで執筆されているらしいんだけど・・・そういう終わり方ってひどいよ。
 これも『ミレニアム』みたいに誰かが後を引き継いだりするのかなぁ・・・。

  霜の降りる前に1.jpg霜の降りる前に2.jpg 霜の降りる前に/ヘニング・マンケル
 こちらも昨年急逝したへニング・マンケルの代表作<ヴァランダー警部>シリーズの9作目にして日本における最新刊。 へニング・マンケルの未邦訳作品はまだまだあるし、闘病生活と創作について綴ったエッセイ集的なものも今後東京創元社から発売予定らしいので、<ヘニング・マンケル・ロス>はその頃にやってくるのかもしれない。
 なにしろ彼が、北欧ミステリブームにあたしを引きずりこんだ張本人なのだから。

  ヨシツネ.jpg 遠藤淑子作品集 ヨシツネ/遠藤淑子
 特にこれがメインってわけじゃないけど、短編が一冊分たまったので出しときますか、的な感じですかね? でもほのぼのしみじみ系エンドウ節は、つかれているときにはとてもありがたい。
 はい、あたし、とてもつかれています。

ラベル:新刊
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2016年01月22日

007 スペクター/SPECTRE

 今作がダニエル・クレイグ最後のボンドになるかもしれない、ともっぱらの噂だし、『カジノロワイヤル』からこのシリーズずっと観ている身としてはやはりはずせないです。
 『スカイフォール』のあとどうなってるのか気になるし、しかも『スペクター』だし、原点回帰の先には何が待っているのか!
 実際、集大成であるかのようにオープニング映像には『カジノロワイヤル』以来歴代の悪役たちの顔が順を追って現れ、ついには前のMも。 これまで歩んできたダニエル・クレイグ・ボンドの道筋が自然に辿れるようになっていて、「やはりこれが最後ってことなのかしら!」と思わされる。 でも予想してなかったので、数秒とはいえ見られたマッツ・ミケルセンやマチュー・アマルリックの姿に「きゃーっ!」と心の中で歓声をあげてしまったのはあたしだけではあるまい、きっと。

  スペクターP2.jpg キャッチコピーはありません。 ボンドの姿だけで十分と思われてる!

 『スカイフォール』事件後、MI6は爆破され廃墟となった元のオフィスから別のビルに移り、新しいM(レイフ・ファインズ)とともに新体制がスタートしていた。 が、ジェイムズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は焼け残った写真の謎を解くため単独行動に出る・・・という話。
 オープニング、いきなりメキシコの<死者の日>のイベントから始まるド派手ぶりは、アクション的にもとても盛り上がるんだけど「でも絶対、一般人に迷惑かけてるよね? ダブルオー要員としてそんなに人目を引く行動はどうなの?」と観る側に風紀委員ばりの厳しさをもたせてしまうほど。 人がいないところでやるのはいくらでも構わないんですけど。
 とはいえ、ダニエル・クレイグ・ボンド、なんだかすごく老けこんでいるように見える!
 まだこれで4作目でしょ? 『カジノロワイヤル』のときの若さ故の粗削り感、どこへ? それくらい『スカイフォール』が心労だったの?、と心配してしまうほど。 だからQくん(ベン・ウィショー)との会話シーンはなんだかなごみます。

  スペクター1.jpg Qくんの出番が結構多かったのもうれしかったなぁ。

 さて、今回の悪役はクリストフ・ヴァルツなんだけれども、「またあなたですか!?」と予告の段階で思ってしまったことをお許しください。 意外にも?、静かで淡々とした抑え目な演技でずっといってくれたのでとてもよかったです(どうも彼には最近、やり過ぎ感の印象が強くて)。 さすが悪の組織・スペクターのドン!の割には手抜かりが多くて笑ってしまいそうなところもあったんだけど、彼がのちにアイパッチをする理由もわかったし、組織としてはこれから成長していく過程だったのでしょう(そうでなければアジトがあまりにしょぼすぎるよ)。
 そう、ダニエル・ボンド過去作の歴史を踏まえつつ、ショーン・コネリー時代のボンドを中心にいろんなオマージュが仕掛けてあり、シリーズすべてにはまっている人ほどいろいろ気づくことがあってわくわくしてしまったのではないだろうか(あたしは主に金曜ロードショーで放送していた時代の作品の記憶がかなり残ってて、日曜洋画劇場に移ってからはあまり見てないかなぁ。 『ワールド・イズ・ノット・イナフ』は悪役がロバート・カーライルだったからそれは映画館に行ったんですけど)。

   スペクター2.jpg マドレーヌさん、一体それだけの服をどこに入れてるの?

 そしてマドレーヌ(レア・セドゥ)との恋愛は、「あぁ、そうだ、この人は激情家だった。 女と寝ることはあってもそれはあくまで任務であって、愛してしまったらそれは別次元なのだわ!」ということも思い出させてもらいました。
 だからあのラストシーンは、ダニエル・クレイグ最後の出演作としては必然。
 でも過去作の流れを考えれば続けようと思えば続けられる、という絶妙な選択で、「ダニエル・クレイグ、こりゃもう帰ってきちゃダメじゃん」という気持ちにあたしはなってしまいましたよ(感情移入しすぎ?)。
 しかしスペクター的にはこれから盛り上がっていくところだし・・・ボンド役者が変わってもクリストフ・ヴァルツでいくのはありですか?
 余韻に浸るエンドロールで、ボンド着用スーツはトム・フォードという表記を見てしまい、一体撮影中にトム・フォードのスーツは何十着(もっと?)ダメになったんだろう・・・と違う種類のため息が出た。
 そして毎回話題となるオープニングテーマ、今回はサム・スミスで、オープニングではいまいちピンとこなかったのだけれど、映画を観終わってからもう一度聴いてみれば・・・あっ、映画全体のことを歌っている!、と気づく。 これ、エンディングに流れたほうが感動した・・・でも007の様式美としてはテーマソングはオープニングだもんなぁ。 なんかもったいなかった。

ラベル:映画館
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2016年01月21日

今日は、あと5冊。

 あとはいつもの通り、新刊コーナーを流してみてのチョイス。

  ちはやふる30.jpg ちはやふる 30/末次由紀
 『ちはやふる』もついに30巻。 でも、なんだかあたし的には盛り上がりに欠けたかな・・・まだ大会の途中だし、誰かが大きく決心したということもないし、読んでいるあたし自身に余裕が足りてないからかもしれないけど。 29巻から続けて読めばまた違うかも、そして31巻も出ればまた変わるかも。 大河の流れの中のほんの一部だけでは、なにも見えないときだってある。

  ゴブリンズライ.jpg ゴブリンズ・ライ〜変人探偵エム〜/坂田靖子
 おぉ、変人探偵エムがシリーズ化するとは!! 前作『サタニック・ブランチ』だけかと思っていたよ(だってあれ出たのもう2年以上前だったし)。
 探偵を名乗りつつも、変人と呼ばれるだけあって彼の解決法は常人には理解しがたく、狂言回しとなる家具屋の友人が結局いちばん苦労する、みたいな感じの連作短編ですが、振り回される家具屋さんがなんだかんだいっていちばん楽しそうだったりするのが坂田節。 エム一人でも事件(?)は解決するんだろうけれど、それだとちょっと無味乾燥というか、クールすぎちゃうんだろうなぁ。

  アラスカ戦線.jpg アラスカ戦線【新版】/ハンス=オットー・マイスナー
 子供の頃から純粋推理(ときどき変格)ばかり読んできたので、いわゆる<冒険小説>と呼ばれるジャンルはなんとなく敬遠(同様に<スパイ小説>というジャンルも)。
 しかし『十五少年漂流記』『宝島』は冒険小説ではなかったか?
 そしていわゆる冒険小説ジャンルでも名作と呼ばれる者はやはり面白いのです!
 自分が読む者はジャンル関係ないくせに、手に取る前にがっちりジャンル分けされているとなかなか読めない、という自分の欠点が今更ですが最近わかりました。
 これも過去の名作が復刻、のハヤカワ補完計画の中の一冊。
 日本軍とアメリカ軍の精鋭部隊がアラスカで激突という話、しかも作者はドイツ人、というわけのわからなさに惹かれて。

  ブラウン神父の知恵ちくま文庫版.jpg ブラウン神父の知恵【新訳】ちくま文庫版/G・K・チェスタトン
 『超少女明日香』、一作目の冒頭にここからある一節が引用されている。 今更だけど探してみようかな、と思ったりして(『ブラウン神父』シリーズはそれこそ昔、創元推理文庫旧版のを古本屋で手に入れてきましたが、全部は揃わないんですね、それがまた)。
 今回はいかにもそれっぽい表紙絵にも好印象。

  奥の部屋.jpg 奥の部屋/ロバート・エイクマン短編集
 おぉっ、<私は私自身に扉を閉ざす>ではないか!
 このように、表紙や装丁にあたしの好きな画家の絵が使われていたりするとそれだけで無条件に買ってしまう・・・。
 ロバート・エイクマン、名前は聞いたことありますが読んだことはない、多分。 幽霊不在時代に新しい恐怖小説を確立しようとした<奇妙な味>志向の作家のようです。

ラベル:新刊 マンガ
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2016年01月20日

レベレーション<啓示> 1/山岸涼子

 久し振りにあてなく本屋をうろうろできる時間があった(これまでは、本屋に行っても買う本がすでに決まっていたり、文庫新刊コーナーを流すぐらいしか時間がなかった)。 本屋に足を運ばないよりはまし、と思っていたのだが、やはりむやみにうろうろすることも必要だな、と実感。 何故ならば、これを見つけてしまったから。

  レベレーション1.jpg 山岸涼子、ジャンヌ・ダルクを描く!

 この表紙に、少女の目ヂカラに「おぉっ!」と心を打ち抜かれた気持ちに。
 帯を見て、ジャンヌ・ダルクの物語だとわかって深く納得。
 なにしろあたしは高校では日本史選択だったので、ジャンヌ・ダルクのことは一般に流布するイメージ以上のことは知らない。 勿論、詳細な歴史的背景についても(基本、あたしはマンガで歴史を学んでおります)。
 そして今作は、刑場に引き立てられていくジャンヌが、「どうしてこうなってしまったのか」と回想するシーンから始まる、という否応なく緊迫する構成で(途中でもたびたび<現在のジャンヌ>の内省が挟み込まれる)。
 そこにあるのは“英雄”として軍の先頭に立った雄々しき姿ではなく、「神の啓示のもと、求められるままにここに来た」という<神と自分との対話>。
 ついにキリスト教にまで切り込んできたか、という驚き(著者は相当資料を読みこみ、時代背景とともに完全に理解したうえでの覚悟の執筆、という感じがする)。
 13歳のジャンヌはまだ文盲で、社会的に弱すぎる女性の立場についてもはっきり言及できるほど賢くはない。 むしろ、他者から「思い込みが激しい」と見られることもある信心深い愚かな少女がこの先どうなっていくのか、ということにすでにあたしは心をえぐられている。
 まだ1巻、物語はまだ始まったばかり。 あぁ、続きが楽しみなマンガにまた出会えたぞ!

ラベル:新刊 マンガ
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2016年01月19日

クリムゾン・ピーク/CRIMSON PEAK

 ギレルモ・デル・トロ最新作、というだけで自然と期待値は上がるのに、正統派ゴシック・ロマンでゴースト・ストーリーなミステリーホラー、しかも主演はミア・ワシコウスカ、おまけにタイトルに<クリムゾン:深紅>という単語があるとなれば、もうこれは間違いなくあたしのツボ! 見逃すわけにはまいりません。
 しかしそこまであたし好みの路線ということは当然観客も選ぶわけで、早く終わってしまうかもしれない! 早々にレイトショーに駆け込む。 もしかして、多分同志、なのだろうか。 レイトショーの割にお客はそんなに少なくなく(多くもないけど)、ほぼ一人客ばかり。

   クリムゾンピークP.jpg 絢爛豪華な心霊屋敷が、人の心を狂わせる。

 イーディス(ミア・ワシコウスカ)の母が死んだのは彼女が10歳のとき。 葬儀の後、死んだ母の幽霊を見た彼女は、それ以来亡霊が見えるようになる。 成長したイーディスは小説家志望でゴーストストーリーを描くが、出版社は「女性ならば恋愛ものを」と原稿を引き受けてはくれない。 イーディスは実業家の娘なので生活に不自由はないが、時代的にその年代の女性は結婚しているか婚約者がいるのが当たり前なので社交界での彼女への風当たりは強い。 ある日、イギリスから貴族のトーマス(トム・ヒドルストン)がやってきて、イーディスの父に事業協力を求める。 高貴な物腰とその美貌、そして漂う憂いを秘めたトーマスはたちまち社交界の花形となるが、彼が求めたのはイーディスだった。 結婚し、トーマスの姉ルシール(ジェシカ・チャステイン)と共にイギリスの彼の領地に移り住むことに決めたイーディスだが、その土地が<クリムゾン・ピーク>と呼ばれていることを知り愕然とする。 母の幽霊がいっていた言葉、それは「クリムゾン・ピークに気をつけて」だった・・・という話。

  クリムゾンピーク2.jpg 髪をアップにしていれば、サラ・ウォーターズが描くところの<老嬢>とはこういう感じか、と思わせておきながら・・・。

  クリムゾンピーク1.jpg 髪をおろすと一気に“少女”になってしまうその姿はなんなんですか! 年齢不詳すぎるぞ、ミア・ワシコウスカ!

 正直なところ、話は結構スタンダードというか、特別新しいものは何もない(だから話の展開は予想通りに進んでしまう)。
 だが、なんだろう。 この尋常ではない美しさ。 臆面もなく構築される直球のゴシック・ロマン。 細部まで作りこまれた映像美と、それに違和感も不自然さもかけらも抱かせることないキャスティングの勝利。
 あぁ、と、ただひたすらに、ため息。
 少女から大人への通過儀礼、という『パンズ・ラビリンス』にもあったテーマを読み取ることは勿論できるし、ゴシック・ロマンにしてはヒロインの行動が現代的過ぎるかもしれない(なにしろ男に頼ってばかりではなく、自ら戦うヒロインだから)。
 だからなんだというのだろう、美しいんだからそれでいいではないか!
 ネグリジェのいささか大きすぎるパフスリーブが彼女をまるで蜘蛛の巣の網にかかった蝶のように見せようとも、彼女は自ら燭台を手に持ち屋敷をさまよう。 たとえ崩れかけた身体を引きずるような全身真っ赤であまりにも見た目が怖すぎるゴーストたちに遭遇しても。
 あ、ちょっと残念だったのは音で驚かす演出が多かったことかな。 音でゴーストが出てくることが事前にわかってしまったから。

  クリムゾンピーク5.jpg 鉄の門の内側の錆具合とか、もうディテールがたまらない!

 白一色だった雪原が、地面から染み出た赤粘土のためにまさに深紅の血に染まったようにみえる、というのが<クリムゾン・ピーク>の名の由来。 上から飛び散ったのではなく、実は下からじわじわ広がってくる、という図は、あたかも人の心の中に巣くった何物かがその人の表面に徐々に漂いだしてくるような比喩であろうか。

  クリムゾンピーク3.jpg この姉弟、絶対あやしいのはわかるのに。 トーマス役のトム・ヒドルトンは『マイティ・ソー』のロキさんですが、最初は全然気づかなかった。 ヘンなコスチューム着なくても、この時代の正装をしている方が男前度は上! 姉がジェシカ・チャステインでも違和感なし!

 後半は玄関ホールの天井に穴が開いていて雪が降り積もっていくような、絶対に普通は住まない城(というかイギリス地方のカントリーハウスというか)を舞台にしながらも、「それはおかしい」と思わせない絵力というか、比喩を情景とうまくマッチィングしているところ、しかもそれをすぐには悟らせないところが粋(別に気付かなくても支障はないし〜)。 それでも、コピーの“絢爛豪華な屋敷”に偽りはない気がするし。
 普通は見かけたらギョッとしそうな大きな蛾(マイマイガではない。 羽が多少グレーがかりつつも透き通っているので、気持ち悪さはやわらいでいる)にもひるまない、そしてさっきので足の骨が折れたはずでは?、とは思えない行動力を発揮する、けれどそれでも雰囲気にはかなさをも漂わせてしまうイーディスに、ひたすら見惚れて。

  クリムゾンピーク4.jpg そりゃ、イーディスの幼馴染アラン(チャーリー・ハナム)も新事実が判明したら、彼女のことが心配になって追いかけてきちゃうよね。

 ミステリ要素はありますが、謎解きは期待しないでください。
 ホラー要素もありますが、怖くはありません。
 それでも、“ゴシック”という言葉に惹かれてしまう人ならば、間違いなく満足できることを保証します。 この映画を観ている間、あたしは完全に現実を忘れました。
 これぞ至福の時。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月18日

第88回アカデミー賞ノミネーション

 うっかりしておりましたが、アカデミーショーのノミネーションが発表されました。
 今回初めてWOWOWがノミネーション発表の模様を生中継!、ということで(あたしはリアルタイムでは見られなかったので番組を録画してましたが)、でも同時通訳や字幕等まったく準備していない感が逆にリアルだったのかしら(ノミネーション発表はハイスピードで進むので準備してても意味なかったかも)。
 全ジャンルご紹介すると長くなるので、あたしの興味ある部門をピックアップします。

<作品賞>
  『マネー・ショート 華麗なる大逆転』/The Big Short
  『ブリッジ・オブ・スパイ』/Bridge of Spies
  『ブルックリン』/Brooklyn
  『マッドマックス 怒りのデス・ロード』/Mad Max:Fury Road
  『オデッセイ』/The Martian
  『レヴェナント:蘇えりし者』/The Revenant
  『ルーム』/Room
  『スポットライト 世紀のスクープ』/Spotlight

 最大10作品まで選ばれることが可能になった作品賞、今回は8作品。
 意外にも、すでに日本で公開済みのもの・公開が予定されているものが多い、ということ。 でもまさか『マッドマックス』がね〜。 そして『キャロル』がないのがとても悲しい・・・。
 で、やっぱり邦題『オデッセイ』は大袈裟すぎるような気がする・・・。

<主演男優賞>
  ブライアン・クランストン  『トランボ(原題)』
  マット・デイモン  『オデッセイ』
  レオナルド・ディカプリオ  『レヴェナント:蘇えりし者』
  マイケル・ファスベンダー  『スティーブ・ジョブズ』
  エディ・レッドメイン  『リリーのすべて』

 ビッグネーム揃いの主演男優賞、やはりここはディカプリオに注目か(『レヴェナント:蘇えりし者』のチラシを見たときの彼の姿は、『インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア』のときのトム・クルーズのような衝撃がありましたよ)。 でも地味ながら毎回印象を変えてくるブライアン・クランストンも応援したいぜ(『ブレイキング・バッド』の道を外れた化学教師でもあり、ハリウッド新作『Godzilla』の孤独に真相を究明する科学者でもある)。

<主演女優賞>
  ケイト・ブランシェット  『キャロル』
  ブリー・ラーソン  『ルーム』
  ジェニファー・ローレンス  『ジョイ(原題)』
  シャーロット・ランプリング  『さざなみ』
  シアーシャ・ローナン  『ブルックリン』

 『キャロル』は原作では語り手はルーニー・マーラのほうなんだけど、ここでケイト・ブランシェットのほうが主演なのはタイトルロールだから? それとも女優としての格(キャリア)?
 シャーロット・ランプリングの『さざなみ』はつい最近シネリーブルでチラシをもらってきたけど、あの『まぼろし』ばりの印象!

<助演男優賞>
  クリスチャン・ベイル  『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
  トム・ハーディ  『レヴェナント:蘇えりし者』
  マーク・ラファロ  『スポットライト 世紀のスクープ』
  マーク・ライランス  『ブリッジ・オブ・スパイ』
  シルヴェスター・スタローン  『クリード チャンプを継ぐ男』

 毎年、「今年は激戦区です」と言われる助演男優賞カテゴリー。 それだけ、数が多いということもあるでしょうし(一本の映画の主役は一人でも、脇役は複数)、脇で光る役者こそ目に入りやすいということもあるし。 でも、トム・ハーディは『マッドマックス』ではないんだね・・・。 ところで、『クリード チャンプを継ぐ男』『ロッキー』シリーズの続編であることはちゃんと伝わっているのだろうか。
 はっ!、『完全なるチェックメイト』がスルーされているわ!
 今回の時期ではなかったんだろうか(だとしても、去年もスルーされてるわ、がっかり)。

<助演女優賞>
  ジェニファー・ジェイソン・リー  『ヘイトフル・エイト』
  ルーニー・マーラ  『キャロル』
  レイチェル・マクアダムス  『スポットライト 世紀のスクープ』
  アリシア・ヴィカンダー  『リリーのすべて』
  ケイト・ウィンスレット  『スティーブ・ジョブズ』

 ここは観てない作品ばかりなのでまったくわからない。 ケイト・ウィンスレットはようやくもらったばかりだし、待たされた分すぐもらってもいい気もするけど・・・こればっかりは観ないとわからないわ。

<監督賞>
  アダム・マッケイ  『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
  ジョージ・ミラー  『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
  アレハンドロ・G・イニャリトゥ  『レヴェナント:蘇えりし者』
  レニー・アブラハムソン  『ルーム』
  トム・マッカーシー  『スポットライト 世紀のスクープ』

 まさかジョージ・ミラーが監督賞にノミネートされる日が来るなんて・・・B級アクション映画も陽の目を見た、という感じ。 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が二年連続!、とかだったらそれはそれでアメリカ映画界大丈夫?、という気がするし。 『キャロル』のトッド・ヘインズ監督もノミネートされてないなぁ。 『ブリッジ・オブ・スパイ』は作品賞候補なのに、監督も主演もノミネートされていないということは・・・スピルバーグ&トム・ハンクスのコンビにはわざわざ何も言う必要がない、ということなのか?

<脚本賞>
  『ブリッジ・オブ・スパイ』
  『エクス・マキナ(原題)』
  『インサイド・ヘッド』
  『スポットライト 世紀のスクープ』
  『ストレイト・アウタ・コンプトン』

 あ、『ブリッジ・オブ・スパイ』、ここにあった。 ということはコーエン兄弟への評価なのかしら? 『ストレイト・アウタ・コンプトン』はかなりヒットしたようだし、評判もよかったみたいなのにここどまりってのが、「今年のオスカーはひときわ白人至上主義」の根拠なのかもしれず。 でもラップ・ヒップホップにあまり惹かれておらず、ストリートギャングカルチャーもよくわからない(ていうか怖いっすよ)あたしは、進んで観たいとは思わない・・・ソウルやR&Bだったらまた違ったかも。 でもアメリカ人なら現実を見るべき、という意見は理解できる。
 『エクス・マキナ(原題)』は低予算SFスリラーだという噂だけ聞こえてきますが、とても観てみたいです。

<脚色賞>
  『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
  『ブルックリン』
  『キャロル』
  『オデッセイ』
  『ルーム』

 個人的に原作を買っているのは『オデッセイ』(『火星の人』ね)と『キャロル』だけなので・・・映画の前に原作を読んでしまわなきゃ! どう変わっているのか確認したいもの。


<外国語映画賞>
  『大河の抱擁』    製作国:コロンビア
  『裸足の季節』    製作国:フランス
  『サウルの息子』   製作国:ハンガリー
  『ディーブ』      製作国:ヨルダン
  『ア・ウォー(原題)』  製作国:デンマーク

 またデンマークだよ! 強いなぁ。
 個人的にはコロンビアとヨルダンの作品が気になりますよ。

<長編アニメ映画賞>
  『アノマリサ(原題)』
  『父を探して』
  『インサイド・ヘッド』
  『映画 ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜』
  『思い出のマーニー』

 えっ、『思い出のマーニー』なんてありえない! ジブリというブランドだけで投票してないか? 日本では『バケモノの子』のほうが有力と見なされていたのに・・・。
 個人的には『映画 ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜』が選ばれたのはうれしいですが、バードマンスタジオも常連といえば常連だしね・・・。 多分『インサイド・ヘッド』なんでしょうけど、日本では『脳内ポイズンベリー』のほうがずっと先だからアイディア的に二番煎じ感は否めない(『ジャングル大帝レオ』『ライオン・キング』みたいな関係?)。

 授賞式は日本時間で2月29日午前10時から。
 うおっ、月末じゃないか! 仕事休めるかな・・・。

ラベル:アカデミー賞
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画関連情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月16日

失踪/ドン・ウィンズロウ

 そんなわけで、イベント会場まで電車で移動があったため、まとまった時間があっていつもより集中して本を読むことができた。 おかげで、こちらを読了。 430ページ強というほどよい量とシンプルなプロット故、思いのほか早く読み終われました。

  ドンウィンズロウ失踪.jpg シリーズ物でもなかったしね。

 舞台はアメリカ中西部のネブラスカ州リンカーン市。 ある日突然、5歳の少女ヘイリー・ハンセンが行方不明になる。 担当刑事のフランク・デッカーはヘイリーの母親に彼女を必ず見つけ出すと約束するが、捜査関係者をあざ笑うようにもう一人の少女がいなくなる。
 ヘイリーを見つけ出せないまま事件の幕引きをすることにどうしても折り合えないデッカーは職を辞し、わずかな手掛かりを頼りにヘイリーを探して国内を探しまわり、ついにNYに辿り着いたが・・・という話。
 デッカーの一人称なので余計読みやすかったということもあるかも。
 テンポのよい、反復と省略を効果的に使った文体も心地よく、デッカーの皮肉過ぎず、乾ききっていない穏やかなユーモア精神と相まって、次第に暴かれていく事件の内容はひどいものなのだけれど、読者としてそこまで陰惨な気分にならずにいられた。
 そう、たとえるならばデッカーは『ストリート・キッズ』のニール・ケアリーがもしコメディ路線に行かず、最愛の彼女とも出会わず、“おやじさん”とも早くに別れることになったらこんな人になったのではないだろうか、というような<面影>を読みとってしまったので、余計にそう思ったのかもしれない。 デッカーを主役にシリーズ化してほしい気もするけど、そうすると彼がまたつらい目に遭うのか・・・と思うと躊躇する。
 イタリアン・マフィアのボスが登場しても昔堅気の仁義を大事にする人だったりと、善悪を白黒で分けないのもまたウィンズロウ的であり、そこに救われてしまうという複雑な心境もありで、あっさりテイストでありながらも(それでもツイスト要素もちゃんとあります)十分に満足できました。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月15日

やっと、ひと段落。

 仕事場におけるお取引様相手の新年のイベントが、やっと終わる。
 もともと大したことはしていないのだが・・・実行側のメンバーに組み込まれてしまったためになんやかんやと気ぜわしく。 直前キャンセルの対応やら資料チェックやら、ひとつひとつは細かい大したことがない手間でも、ひとつミスれば全体に響く、と思えば気を遣う。 おかげで更新も遅れ気味、引っ越し先を探す余裕もない有様(デヴィッド・ボウイとアラン・リックマンの訃報も携帯電話のニュースで知る始末。 ガラケーなのでそれ以上追いかけられない・・・)。
 が、なんとかトラブルもなく、無事終了。
 普段オフィスカジュアルなあたしがスーツをびしっと着なければならない数少ない機会でもあるので、やっぱりつかれました。
 これで今月はあと楽かな・・・と思ったけど、来週後半にまた別の山があることに気づく。
 あぁ、仕事に終わりはないねぇ。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする