2015年12月28日

ギヴァー 記憶を注ぐ者/THE GIVER

 これはなんか勢いで。 <世界的ベストセラーSF小説完全映画化!>とあたしの知らない作品なのに煽られるとまた『レフト・ビハインド』の悪夢がよみがえりますが、どうやら向こうの児童文学分野らしいと知ってちょっとほっとする。
 文明が荒廃した社会という過去の教訓から、人類は完全に平等で争いもない平和な理想郷を作り上げる。 その社会で生まれ育ち、若者たちにはそれ以前の<歴史>は教えられない。 唯一、次世代に記憶を伝える「記憶を受け継ぐ者:レシーヴァ―」のみが記憶を保持している共同体がこの物語の舞台。
 職業選択(という名の割り振られ)の儀式の日にジョナス(ブレントン・スウェイツ)は、ずっと任命された者がいなかった「記憶を受け継ぐ者」に指名される。 その日から「記憶を受け継ぐ者」(ジェフ・ブリッジス)は「記憶を注ぐ者:ザ・ギヴァー」となり、ジョナスに過去の記憶や人間の本能的な感情などについて伝え、教えていくが・・・という話。

  ギヴァーP.jpg 少年は世界を取り戻せるのか

 無菌状態で青年まで過ごしたジョナスは、まったく新しく「人類の記憶」を教えられたとて人を信じて疑うことを知らない<純粋まっすぐ君>なので「えっ、それ他の誰かに喋ったらダメって言われたじゃん!」ということもあっさり幼馴染に話してしまったりする。
 むしろ母親(ケイティ・ホームズ)のほうが、ほんとはすべて知っているのではないか、というほど猜疑心や嫉妬といった表情を見せていくのはどういうことか。 女の勘?
 おかげで父親(アレキサンダー・スカルスガルド)の存在感の薄さときたら半端ないわ! 結構すぎるまで誰だか気づかなかったもんね・・・ケイティ・ホームズの目力のほうが強すぎて。

  ギヴァー3.jpg 主席長老と<レシーヴァー>

 また、社会の秩序を守ることをいちばんの目的としている主席長老(メリル・ストリープ)の怖さもまた独特で、「現状維持を愛するのは女性のほう」というなにかの研究結果を思い出しましたよ。
 職業が決まる日は映画では17歳だったのですが、原作では11歳だそうで・・・あぁ、だったらなんか納得できたのに。 演じる俳優さんの都合でしょうが、17歳という設定でそれはあまりにも無理がある(逆に、徹底した管理社会の冷徹さを強調したかったのでしょうか)。
 封印された記憶を知るにつけ生まれた疑問に対してどうしていいかわからないジョナスの態度は遅れてきた反抗期のようでもあり、どうも<義憤>に見えにくい。 だからそこは11歳だからこそ成立する部分だったのでは。
 映画は最初、モノクロで始まりますが、それは共同体に住む人々が“色”を知らないから(色が差別を生んできた過去を踏まえて、色そのものをなくす方向に進んだらしい)。
 ギヴァーから教えてもらって“色”をジョナスが知ってからは画面はカラーになる。

  ギヴァー4.jpg そういう工夫は面白いのですが。

 何故かキーパーソンだけど一瞬しか出てこないレシーヴァー前任者としてテイラー・スウィフトが出てきたのもびっくりしました。
 エンドロールがOne Republicだったりとおいしいポイントはいろいろあるのに、なんか盛り上がり切れなかった・・・もったいない感じが全開。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする