2015年12月03日

1001グラム ハカリしれない愛のこと/1001 GRAM

 しばらく前から、シネ・リーブル神戸の上映時間が自分の行動時間とずれが生じている、と感じてはいた。 仕事のせいかと思っていたが、いきなり気づく。 はっ、閑散期に入ったのか! つまり、はっきり夏は終わったのだ。
 おかげで観たかった映画を結構逃している。 20時以降の上映時間がなくなったので、だいたい一時間以上繰り下がっている(普通に仕事していて平日16時台〜17時台前半の上映に間に合うわけがないだろう)。 しかし作品数は多いので上映時間が午前中だけで終わったりとか・・・平日20時以降にはそんなに人が入らないんだろうが、それが頼りの人間もいるんです。 ま、ルミナリエが始まればまた少し時間が遅くなり、2月ぐらいからまた時間が早まるんだろうけど(毎年のことなのに、あたしも何故忘れてしまうのだろう。 多分、OSミントとハーバーランドが年間ずっとレイトショー枠を設定してくれているせいだ)。
 しかしこの映画はうまいこと観られてよかった。 まずポスターイメージがよかったし、『ホルテンさんのはじめての冒険』ベント・ハーメル監督最新作だというんだもの。

  1001グラムP.jpg ノルウェーからパリへ ≪不思議なオモリ≫と旅するマリエが新たに見つけた幸せの基準とは?

 ノルウェー国立計量研究所に勤めるマリエ(アーネ・ダール・トルプ)は、ありとあらゆる物質の計測のエキスパート。 すべてを規格通りに進めたい彼女だが、結婚生活はその通りにはいかず、離婚手続中。 そんなとき、病に倒れた父の代わりに、パリで行われる重さの単位についての国際セミナーに出席することになり、ノルウェーが自国として唯一持つ“キログラム原器”を預かって旅立つことに。 1キログラムの新しい定義をめぐっての議論が交わされ、充実した時間を過ごすマリエはひとりの男性と出会うのだが、帰国後、自宅への帰り道で起こったアクシデントで彼女の人生は大きく動き出すことになる・・・という話。

  1001グラム1.jpg ある意味、ノルウェー版・リケジョの物語。
    マリエの父親がこの研究所の所長だけど、正確さや精密さ、厳密さを愛する彼女にとっては天職でしょう。

 「理系だから感情表現が上手じゃない」というのはステロタイプだけど、わかりやすいしそこは仏頂面ヒロインに感情移入しやすくするポイントだろうか。 でも、マリエが乗っているくっきりしたブルーのEVがすごくかわいいんだよね! あたしもこんな車なら乗りたい!
 他にも私服のタンクトップとかキレイな青が結構出てきて、北欧の淡い空の色との対比もあるけど(この映画のイメージカラーでもあるのかも)、そういうのを選ぶマリエの女らしさ的なものを感じたんだけど、離婚する夫には通じなかったんだね・・・。

  1001グラム2.jpg これくらいの仏頂面だったら日本では十分許容範囲な気がしないでもないが。

 なにより、メートル法を愛する日本人として、ポンドやフィートが出てこないパリの国際セミナーでの会話がすごく楽しかった! 無機化学が大好きだったことを思い出しましたよ。
 監督にとって、今回初めて女性を主人公に据えた物語だそうだけど、『ホルテンさんのはじめての冒険』もそうだったように、<同じことを繰り返すような毎日に安心をおぼえる人物が、自分の意思とは無関係にトラブルに見舞われた結果、思わぬ出会いに遭遇して新たな価値観を知り、世界が広がる>という大筋は変わっていないのでした。

  1001グラム3.jpg だから彼女の表情筋も、徐々に動き出して(これでも一応)やわらかくなっていく。

 マリエを演じるアーネ・ダール・トルプさん、はじめはずっと無表情だったので気づかなかったけど、後半になって「あ、『私立探偵ヴァルグ』に出ていた人だ!」とわかった。 あのドラマではもっと若いイメージだったけど(吹替版だったせいもあるか)・・・ノーメイクもしくはメイクダウンで実年齢よりも上を演じたのかな?(彼女が実際はいくつなのかはわかりませんが)。
 北欧ミステリではハードな面をさらすノルウェーだけど、この監督の映画で描かれるノルウェーはなんだかほのぼので、のほほんとしている感じがなんだかいいのです。
 あと、何故か日本に対する言及がほんのちょっとしたところに出てくるのが不思議で。 意外にノルウェーでは日本は身近な存在なのかしら?
 でもラストシーンではがくっとひじが落ちそうになるので、「あぁ、やっぱり、そこは北欧(もしくはフランス?)・・・」と日本人との価値観の違いも思い知らされましたが。
 ちなみにタイトルの『1001グラム』は、ここでも“魂の重さ=21グラム”に関係しています。

ラベル:映画館
posted by かしこん at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする