2015年11月22日

マイ・インターン/THE INTERN

 予告編を観たとき、撫で付けられた白髪にめがね、きっちりとしたスーツ姿の男性をあたしは「あ、ロビン・ウィリアムスだ!」と思ったのでした。 え、まだこんな作品が残っていたの?!、と。 しかし実際はロバート・デ・ニーロ。
 それはそれで、意外! ということで観に行ってみると、『プラダを着た悪魔』の影響はまだ大きく残っていたようで、映画館はなかなかの混雑(実は観に行ったのは結構前なのですが、なかなかのロングランですよね)。 今の状況では洋画にはやっぱりオシャレなハッピー感が求められているのかしら、と思ってみたり。
 予告やCM的には主役はアン・ハサウェイのように見えましたが、実際のところ主役はデ・ニーロの方でした。

  マイインターンP.jpg アドバイスひとつで、人生は輝く
   すべてを手に入れたはずの彼女に訪れた試練。
   そこにやってきたのは、70歳の新人<インターン>だった――。

 仕事を引退し、悠々自適な日々を送っているはずのベン(ロバート・デ・ニーロ)だが、妻には先立たれ、現役時代にたまったマイルで世界中を回ってみてもどこかむなしい。 毎朝公園で太極拳をし、葬儀に参加することも増えてきた。 やはり自分は仕事人間、もう一度生きがいがほしいと思っていたところに、シニアインターン募集の広告を発見。 相手はファッション通販会社で、履歴書はいらないけど自己PRビデオをYouTubeにアップして、という応募規定に四苦八苦。 9歳の孫に「USB接続ってなんだ?」というところからのスタート。
 一方、その会社の若きCEOジュールズ(アン・ハサウェイ)は好きな仕事と自分を支えてくれる優しい夫にかわいい娘がいるという誰もがうらやむ状況にあるように見えるが、急成長してしまった会社の規模が実情に追い付かず、綱渡りの日々を送ってもいた。 そんな彼女のもとに、ベンがCEO専属のインターンとして配属されてきて・・・という話。
 とりあえずあたしは序盤のベンの自己PRビデオ収録にかぶせての日常カットの積み重ね部分でウルウルとしてしまい。 なんでしょう、そっち側の年代の人の気持ちがわかる年になってしまったということなのか、いやいやベンという人物を短い間にそれだけ深く描けていたということにしておこう。 多分ここまでのシークエンスのおかげで、誰もベンのことを嫌いにならないと思う。

  マイインターン1.jpg しかし社内を自転車で走り回るほどいそがしいジュールスは、「お年寄り(自分の親世代)は苦手なのよ」となかなか相手をしない。

 「用があればメールするわ」という言葉を信じ、ただひたすらじっと待つベン。 その間に席の近い人からPCの使い方を教えてもらったり、社内の人間関係を把握したり。 年の功で若者の人生相談にまで乗ってしまうように。 ジェネレーションギャップもお互い歩み寄ることで多少解消できるよ!、みたいなことを実践。 デ・ニーロが“実直だが基本、普通の人”というスタンスを崩さないので映画を見ている間はあまり気にならないのだが、こんな完璧すぎる70歳、めったにいないよ!
 でもこの話は基本、おとぎ話ですから。 こんな素敵過ぎる70歳、いてもいいのだ。
 だから人生に行き詰るジュールスに、優しい助言と勇気を与えてくれるのだ。

  マイインターン2.jpg 残業するジュールスからの指示を黙って待っているベンの姿に心打たれてからは、ジュールスはどんどんベンを頼りにするように。

 実の親とうまくいっていない人間は親と同じくらいの年の方々とうまくやれないのか?
 そんなことはない。 問題は年齢ではなくて個人的なことだから。 けれどそれを切り離して考えられないジュールスは性格的に問題ありということで、そこもまた彼女の生きづらさの要因のひとつ(あとは仕事における完璧主義とかね)。 しかしベンは彼女を否定しないし、ただひたすら肯定する。 こんな父親がいたら理想でしょうね!、というくらいの包容力で。 でも実際は、他人だからこそ言えることや、それを素直に受け止められるという効用もあるわけで。 ベンは再び社会に出て誰かの役に立つという生きがいを手に入れ(ついでに年齢様々の仕事仲間もできて)、ジュールスは信頼できる相談役を得る。 フィフティー・フィフティーではないですか。
 その過程を、ちょっとやりすぎなヒューマンコメディとして仕上げたのがこの映画。 
 『プラダを着た悪魔』に比べればファッションはリアルクローズだし、仕事に対する厳しさのようなものはあまり描かれていないけれど、とりあえずハッピーな気持ちで映画館を出られることは確かです。
 ところで、あたしは「この映画、そこそこヒットするだろうな」と思っていたのですが・・・実際、日本の映画配給業界的にはそんなに期待されていなかったようです。 なんで?、と逆に訊きたい感じ(その割には公開館は多い気がするのだが)。 イケメンが出ていないから? アクション超大作じゃないから?
 配給・宣伝側が読み違えているようでは、日本の洋画低調傾向は続いてしまうのではないだろうか? なにをどこで公開するかを決めるのは、その人たちなんだから。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする