2015年11月13日

レッドベルベット・カップケーキが怯えている/ジョアン・フルーク

 <お菓子探偵・ハンナ>シリーズ第16弾。
 あたしにとって、これぞコージーミステリ、というイメージそのもののシリーズです。 とはいえ、もう16作目だなんて・・・一年に一冊(だいたい9月から11月の間に発売)のペース、あたしがリアルタイムで買い始めたのが3作目『ブルーベリー・マフィンは復讐する』からだから、すでに12・3年は読んでいるってこと!? 時間の流れって恐ろしいわ。
 相変わらず舞台はミネソタ州の小さな町、レイク・エデン。 前作『シナモンロールは追跡する』から二カ月後の6月に次なる事件が起こります(今回珍しく、前作で解決しきれなかった謎があって、それが今作である程度明らかになるということも)。

  ハンナ16.jpg レッドベルベット・カップケーキはココアに酢やバターミルク(レモン汁が入ってます)を混ぜて焼くことで化学反応を利用して赤くさせるケーキ。 デビルズフードケーキもそんな感じではなかったか? でも最近は食紅で真っ赤にするパターンが多いようです。 いかにもアメリカン!

 今回は過去作でハンナをはじめノーマンなどなどにえらい迷惑をかけたドクター・ベヴが、町一番の大富豪の婚約者としてレイク・エデンに舞い戻ってきたからさあ大変!、という、いかにもなストーリー展開ですが、これもまた長寿シリーズならではのお楽しみという感じ。
 そんな中にシビアな殺人事件が起こるのがまたいいバランスです。
 そしてまたしても、ノーマンとマイクの間で結論を出さずに“両手に花”を楽しむハンナ。
 これ、コージーだからなんとかなってるけど、現実世界だったらどっちか迷っているうちに二人とも去っていくよ!、とハンナにはほんとに忠告したいレベルになってきた。 明らかにノーマンの方が人間的魅力に勝っているのに、ハンサムでセクシーだからという理由だけで無意識に男性優位視点の持ち主であるマイクに彼女自身幻滅することも増えているのに、何故さっさと引導を渡さないのか!
 だって、夜中に電話で「やあハンナ、今きみのアパートの下まで来てるんだけど、行ってもいいかな」なんて言われて人のいいハンナが断れると思うのか? おなかをへらした自分のために料理をつくってもらえるのが彼は当たり前だと思っている。 ハンナは自分のお店(“クッキー・ジャー”というクッキー&デザート&カフェテリア)を持っているので仕込みのために毎朝5時には起きる人なのに、そういうことはまったく気にしない男なんだぞ!
 それはやはり、ハンサムでセクシーな男性に自分がもてている、という状態をまだまだ手放したくない、ということなんでしょうね。 その感覚って若くて美しい女を連れて歩くことがヨロコビの年上の男性みたいにも思える。 アクセサリー代わり、みたいな。
 もしくは二人のうちどちらかを選んだらシリーズが終わっちゃう、ということなのかも。
 いつかボロぞうきんのように捨てられるマイクの姿をみられることを期待して、また来年、次作を待ちたいと思います。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする