2015年11月03日

ジョン・ウィック/JOHN WICK

 チラシやコピーに<キアヌ完全復活!>とか書かれてあったりするのですが、あたし的にはキアヌ・リーヴスがそんなに沈んでいた印象はないのですよね。
 『マトリックス』シリーズでもう一生働かなくていいくらいのお金を稼いだけどお姉さんがかかっていた病気のための基金を創設したり、金銭的に余裕があるからこそ実験的な作品(『スキャナー・ダークリー』とか)に出演したり、共演者につられたのか「おいおい」というB級映画(『フェイクシティ ある男のルール』とか)にも出てしまって役者としての挑戦はずっと続けているわけで。 ハンサムを捨てて悪役に徹するのも(『ザ・ウォッチャー』『ギフト』とか)、二枚目俳優が通る道ではあります。
 世間的には評判いまいちな『47Ronin』もあたしは評価してるんですけどね(キアヌと真田広之が出ていなかったらどんなことになったかは想像したくないですが)。
 でもアメリカでの興行成績的には『マトリックス』以来の大ヒットだそうなので、その物差しで測ったら「復活」ということになるのでしょうね。 実際、あたしがこの映画の存在を知ったのも<ハリウッド・エクスプレス>ででしたから(で、「日本公開決まるの早いなー」って思った)。

  ジョンウィックP2.jpg 見惚れるほどの、復讐。

 不治の病を抱えていた妻ヘレン(ブリジット・モイナハン)を看取り、心にぽっかりと穴が開いたジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)。 葬儀の場で親友のマーカス(ウィレム・デフォー)にしっかりしろと励まされても心ここにあらず。
 そんなとき、亡き妻から贈り物が。 生前に手配をしていたようで、「あなたは一人で生きちゃダメ。 車を相手にするだけじゃなく愛することを忘れないで」というメッセージとともに子犬が届く。 妻の想いに涙し、子犬に必要なものを買うために久し振りの外出をしたその日。 ジョンの車がアメリカのクラッシックカーであることに目をつけられ、ロシアンマフィアの若い一党どもに夜襲され、ジョンはぼこぼこにされ車は奪われ、子犬も・・・。
 ジョンの元から盗んだ車をもぐりの工場に持ち込んだやつら(実はリーダーはロシアンマフィアのドンのバカ息子)は、工場主(ジョン・レグイザモ)から、その車の持ち主は引退した伝説の殺し屋のものだと聞かされる。 そしてジョンは、かつてすべて封印した武器の数々を掘り起こし、復讐のために立ち上がる・・・という話。

  ジョンウィック3.jpg 穏やかな時間は長く続かない・・・。
 R+15だし、血みどろアクション映画だからどうなんだろうと思っていたけれど、行ってみたら結構お客さん入ってる! しかも私より年長の女性客、多し。 キアヌのファンってそれくらいの年齢層なの?(まぁ、『スピード』『マトリックス』から何年たっているのか思えばそういうことになりますかね)
 ただキアヌが出てる〜、くらいしか前知識のなかったあたしとしてはウィレム・デフォーが出てきて小躍りしたものの、なんとロシアン・マフィアのボス・ヴィゴがミカエル・ニクヴィストであることにも更に心躍らせ。 でもスウェーデン人なのに結局ロシアンマフィアか・・・もともとチャーミングな役者さんなのに(スウェーデン版『ミレニアム』三部作における“カッレくん”を見よ)、『ミッション:インポシブル/ゴースト・プロトコル』に続きまた強面の役かぁ、とがっかりしかけたらところどころでお茶目さを披露してくれて個人的にはバンザイなのでした。 しかもバカ息子のヨセフ(アルフィー・アレン)、どこか見覚えがあると思ったら『ゲーム・オブ・スローンズ』のシオン・グレイジョイ役の人で、「やっぱりバカで卑怯者の役、似合うな!」とキャスティングの素晴らしさにドキドキです(勿論、ジョンの親友であるマーカスは凄腕の殺し屋スナイパーです)。

  ジョンウィック5.jpg バカ親子の図。 ミカちゃんの赤過ぎるシャツもあたしの笑いを誘う。
 そんなわけで裏社会の人たちしか出てこない。 ニューヨークの裏社会とはこんなに精密なルールで構成された“もうひとつの社会”として存在するのか、という妙な面白さにもちょっと盛り上がり、<中立地帯>として機能するホテルや電話一本で駆けつける<掃除屋>のみなさんの働きぶりはプロの技だし、特にすべてを知り尽くしているようなホテルのフロントマンさんのかっこよさにはしびれる。
 で、キアヌです。 今作の監督は『マトリックス』シリーズでキアヌのスタントマンだった方だそうで、彼の動きを知り尽くしているご様子。 ガン・フー(ガンアクション+カンフー)という新しいアクションスタイルを確立し、あまりカット割りせずスローモーションを活かしながらジョン・ウィックの動きの美しさ(特に武器がナイフや銃の場合)を引き立たせているのは素晴らしい!

  ジョンウィック4.jpg そして立ち姿もキレイ。
 ただ、それが取っ組み合いとか肉弾戦になると効果が半減し、むしろジョンの動きがもたもたして見えてしまうという問題が・・・(いくら伝説的な殺し屋といえども引退してからブランクがあります、ということに対して説得力があるといえばあるけど)。
 「なにもそこまでしなくても・・・」と途中から思わないこともないのだけれど、奥さんと出会ったことで表社会で生きることを決めた・つまり裏社会を抜けるためにかなり犠牲を払ったジョンにしてみれば、結局自分は裏社会とのかかわりを断ち切れない人間なのか、という苦悩、だから妻は死んでしまったのかもしれないという自責(出会った時からすでに病気だったような描写もさらりとあるが、そこが割り切れないのは妻への愛故でしょう)、などなどジョンが抱える葛藤があってこそ。
 それはヴィゴやマーカスなどにも言えるんだけど、<因果応報>というやつです。
 仕事や自分自身を守るためとはいえ、人をさんざん殺してきたやつが幸せになれるのか・真っ当な人生を歩いていいのか、といううしろめたさのようなもの。 それがジョンを徹底的な復讐へと駆り立てている。
 でも妻の遺言は決して忘れないラストシーンは、映画として綺麗にまとまってすごくいい感じだったんだけれど、大ヒットを受けて続編決定だそうで・・・え、またジョンをひどい目に遭わすの? 裏社会に戻すの?、と気が気じゃない。
 そういう意味ではジョン・ウィック、確かに今のキアヌのはまり役です。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日は13冊! <その2>

 引き続き、購入したもの。

  火星の人.jpg 火星の人/アンディ・ウィアー
 セルフパブリッシング作品に対して懐疑的だったあたし、ずっと気になっていたこの作品を、先日の反省をもとに買いました!
 映画の公開よりは先に読み終わりたいなぁ。 けれど原題そのままの題名なのに、映画のタイトルは『オデッセイ』。 なんか壮大感を追加している?
 ちなみにこの作品は<ハードSF>と定義されている。 となるとあたしの思っていた<ハードSF>は範囲が狭すぎた! もしかして、なんか損してきたかも!

  彼女のいない飛行機.jpg 彼女のいない飛行機/ミシェル・ビュッシ
 フレンチミステリつながりで、平岡敦さん訳のこれを見つけました(今年の8月に発売なので正確には新刊ではありませんが、集英社文庫海外はチェック油断しがちです)。
 おまけに飛行機がらみなのが購入の決め手。

  イカロスの誕生日.jpg イカロスの誕生日/小川一水
 小川一水、ライトノベル時代の作品を加筆修正とのことで。
 やっぱりあたしは小川一水、好きなんだわ。 最近川端裕人が小説出さないから、その反動もあるかも。

  ハンナ16.jpg レッドベルベット・カップケーキが怯えている/ジョアン・フルーク
 毎年秋のお楽しみ、お菓子探偵ハンナシリーズ第16弾。
 数ヶ月毎に事件が起こっているとして・・・いつまでハンナはアラサーなのだ?

ラベル:新刊
posted by かしこん at 03:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする