2015年09月23日

その女アレックス/ピエール・ルメートル

 あぁ、あれだけあると思っていた休みももうおしまいである。
 いくら休みがあっても足りない!、のはなんでだろう。
 最後の2日にWOWOWが<『CSI:科学捜査班』ベストエピソード20>なんかを一挙放送するからだ!、とつい責任転嫁してしまう(なんで過去に見てるのに、またつい見てしまうのだろうか・・・)。
 とはいえ、合間を縫って本も読みました。

  その女アレックス.jpg そのうちの一冊。 「今更?!」と言われるのは承知の上。
 買ったのは、発売直後だったのですよ(それこそ去年の9月半ば)。
 でも積読本に置いているうちに年末のミステリランキングで軒並み海外編一位をとり、ベストセラーに。 そうなると「話題になってるから読んでるのかこいつ」と思われたくなくて(ということはつまり、あたし自身が人の読んでいる本を見てそう思うってことを炙り出してしまうわけですが)、通勤電車で読めず。
 そうこうしているうちに最初は絶賛の嵐だったのに、普段海外ミステリなんぞ読まない人も読んだりするから(それ自体はいいことなんですが)、「どこが面白いのかわからないんだけど」みたいな声も出てきて評価が二分していき、こっちはまっさらな気持ちで読みづらくなってきて、ますます積読本になってしまう、という悲しさ。
 仕事場のある人に、「あれ、すごく話題でまだ売れ続けてるみたいだけど、読んだ?」と聞かれ、「買ってるんだけどまだ読んでないんです」と忸怩たる思いで答えるに至って、このままではいかん!、と決心。 とっとと読み終わって、その人に貸さねば!
 しかしそんな決意が必要ないくらい、読み始めたら一気であった。
 ・・・面白い。
 いや、面白いといってしまってはどうよ、という内容ではあるのだが・・・「あぁ、そういうことか・・・」とわかってきても、読むのをやめられず。 最後までアレックスの生きざまを見届けたいと思わずにはいられなくて。
 そういう意味では、アレックスは『ミレニアム』三部作リスベット・サランデルに匹敵する強烈なキャラクター。 タイプ的にも表裏一体というか、根本的なところは似ているけれど発現した方向が違った、みたいな感じが。 彼女を探す刑事のカミーユさんも同じ気持ちになっている(というか、あたしがカミーユの心情に同化しているというべきか)。
 それにしても昨今のフレンチミステリにおいて、主役を張る刑事さんは過去にかなりひどい目に遭っていないといけないの? ← フランク・ティリエ作品と同じことが起こっていて、あたしはとてもびっくり。
 しかし悲惨な出来事をこれでもかと描きながら、どこかユーモアの風が吹いているのは、カミーユを囲む個性豊か過ぎる刑事さんたちのおかげであろうか。 だからラストシーン、「それなら法と正義って、何?」と思いながらもどこか爽快感さえ漂ってしまうのだろうか。でもあたしには、「男と女の間にはどこの国でも深くて長い河があるのね」、とも思えるエンディングだったんだけど。
 でもこれで、自信を持って人に貸せるぞ! 「一気読み、間違いなしです」と一言添えて。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする