2015年08月31日

人生スイッチ/RELATOS SALVAJES(WILD TALES)

 ペドロ・アルモドバルの名前につられましたが、製作総指揮とのこと。
 でもアルゼンチン映画歴代興行成績ナンバーワン!、と聞けば、気になりますよねぇ。
 長編ではなく、それぞれの繋がりのない短編6本のオムニバス映画。
 あえて言うならばブラックユーモアの強い『世にも奇妙な物語』みたいな感じか。

  人生スイッチP.jpg 押したら、さいご。

 “人生スイッチ”とは、“理性がぶちぎれる瞬間”というような意味合いかと。 それをあえて自分に許す、ということで「スイッチを押す」という表現になっているのかも。 でも実際は、当人たちにはそんな余裕はないんだろうなぁ。
 まず第一話『しかえし』からものすごいぶっ飛び具合。 さすがアルゼンチン、ラテンのノリ! ← あたしこういう感じ、大好きです。
 原作は筒井康隆です、と言われても納得の切れ味とブラックに行きつく笑い。 きっと時間的にはいちばん短いんだけど、その分インパクトがあるから冒頭に持ってきたのは大正解(公式サイトで『しかえし』が観られるようなので、興味のある方は是非)。
 あと、個人的に好きなのは第四話『ヒーローになるために』
 この邦題が適しているのかどうかいまいちわかりませんが、ごく普通っぽい人が、たたみかけてくる不運とタイミングの悪さについにぶちぎれる、という正統派の展開です。

  人生スイッチ3.jpg またその人物が、どうも見たことあるなぁ…としばらく考えていたのだけれど、『瞳の奥の秘密』のあの人じゃないか!
 あの映画でも「この人、うまいな・・・」と感じていただけに、文芸大作からこんな小品まで出てしまう幅の広さに敬服(日本でいえば役所広司的な位置づけの人なのかな?)。
 全体的に不条理の嵐なのですが、「そんなバカな」と笑いつつもよく考えたら実はそんなに笑えない(そこまで極端ではないにしろ、似たようなことはあるのではないか?、と自問自答することに)。 でもそれは映画を観終わったあとからじわじわやってくるもので、観ている最中ではラテンの(よくも悪くも)情熱的なパワーに圧倒されまくり。 個々の作品で好みは分かれると思いますが、「短編映画もやっぱりいいなぁ。 ショートショートフェスティバルにまた行きたい」という感覚を久し振りに思い出させてくれたので、あたし的には面白かったです。 アルゼンチン文化、まだまだ奥が深いな・・・ということも感じさせてくれるし(って、そんなに知らないんですけど)。 だからこそ、もっと知りたいと思う。 映画という文化的事業(?)の意味の重さをまた知る、みたいな。

ラベル:映画館 外国映画
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2015年08月30日

妊娠を病気と同じ扱いに!

 今日は昼間、友人とお茶をする約束。
 天気予報はよろしくないけど、なんとか雨は降らないですんだ。
 そんな彼女から、「妊娠しました」のご報告。
 ひっそりと不妊治療をしていたことは前から聞いていたので、大変よろこばしいお知らせ。 なんだか泣きそうになってしまったのは、自分でも驚いたけど。
 すごく大変だ、つらいとか泣き言を一切いわない人なので、その大変さをこっちが勝手に想像しちゃっていたのかもしれない。 がんばれば報われるんだねぇ、って思っちゃった。
 しかも安定期に入ってからのご報告だったので、それまでの葛藤とかも考えちゃいました。
 つわりがすごくつらかったこととか(なんでも症状が軽い人の話を聞いていたので、その落差にびっくりしたとか。 人によって違うから参考にしても意味ないですよとつっこんでおいた)、具体的な治療の話とかうかがいました。 最先端の治療はそこまで行ってるんだ、と驚きの連続でした。
 「妊娠は病気じゃないから」と言う人たちはいますが、そしてあたしは妊娠したことがありませんが、自分の身体が違うものになっていくという意味では病気と一緒だと思います。 特につわりがひどい人はその間ほぼなんにもできないし、食べれないし、病気扱いしてもいいと思う! ただ、一定時期が来れば落ち着く、というだけのこと(病気によっては終わりが見えない場合もありますから)。
 小さい子供を持つ方々にも、妊婦の方にも優しい社会でありたい。
 それが少子化対策へのいちばんの近道であるような。 だから「妊娠は病気と同じようなものなんだから、大事にして」って誰もが思う世の中になったらいいのにな、って思った。

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2015年08月29日

慟哭の海峡/門田隆将

 <アンパンマンとは、いったい誰なのですか>という帯コピーが印象に残っていて、でもハードカバーなので図書館から借り出した。 実はあたし、アンパンマンが苦手である。 アニメの方はそうでもないんだけれど、幼稚園の頃にクラスメイトが図書室で他の本を読んでいたあたしに「ねぇねぇ、これもおもしろいよ!」とアンパンマンの絵本を持ってきてくれたことがきっかけ。 はっきり言って、とてもこわかった。 薦めてくれたその子には「うん、おもしろかったよ」と伝えたのだが(その頃からあたしは人の好きなものを否定することができないやつだったのだなぁ)、他のアンパンマンシリーズを手に取ることはなかった。
 その答えが、この本にあったような気がする。

  慟哭の海峡.jpg タイトルが示すのは、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡のこと。

 太平洋戦争(大東亜戦争)中に、十万人以上の兵士が犠牲になったといわれる“輸送船の墓場”バシー海峡。 その場所に強い思いを抱いていた二人の男性、くしくもほぼ同時期に亡くなった二人の人生を描いたノンフィクション。 一人は、バシー海峡を航行中の玉津丸がアメリカの潜水艦に撃沈され、海を漂流し奇跡的に救出された中嶋秀次氏。 もう一人はただ一人の弟をバシー海峡で失ったやなせたかし氏である。 
 中嶋氏の漂流体験談は壮絶としか言いようがない。 多分、平成を生きるあたしたちでは誰ひとりとして生き残れないだろうと確信できるほど。 戦争には反対だけれども、そうやって戦った人々の生き方を、現在の価値観で断罪することはまったくもって失礼だと思わざるを得ない。 教科書には載らないエピソードをまとめ、残していくことこそ「もう戦争はしない」と誰もが考えるために意味があることではないだろうか。
 そして“アンパンマンの怖さ”は、その根底に戦争による飢えや戦死者の影を幼いあたしが感じ取っていたからなのかもしれない、と納得。 まだ若い弟を失い、自分も兵隊にとられてひどい目に遭った戦争への怒りや恨みももしかしたら。 勿論、当時はあたしも子供だったから理由を言語化できるほどよくわかっていなかったけれど、暗い執念のようなものが一見すかっとするヒーローものから漂っている、ということにあたしはおびえたのかもしれない。
 でも多くの人は「アンパンマンの自己犠牲の精神」に心打たれ、現在では日本を代表するキャラクターにまで成長したのだろう。
 詳細に書き込めばページがいくらあっても足りない、という事情もあるだろうし、詳しく知りたければ別の資料に、ということかもしれないし、筆者の想いは“バシー海峡への鎮魂の思い”を残すことのような気がするんだけど、すぐ読み終わってしまってなんとなく食い足りないのが物足りないといえば物足りない。
 更に残念なのが誤植が多いこと。 助詞間違いなどは他の出版社でもたまにはあるけど、そんなレベルじゃないから。 これは筆者の責任ではないので角川書店に文句を。
 あたしが読んだのは初版だったので、二刷以降は訂正されているとは思うのだけど、 <アンパンマン>を<アンマンパン>とどうしたら間違えられるのか・・・書き下ろし作品だそうなので、プロのノンフィクションライターがいまどき手書きってこともないだろうし、校閲や組版のシステムの見直しを提案したい。

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2015年08月28日

夏のリラックマ号@阪急電車

 ふと気づいたら、乗り換えた電車がリラックマ号だった!
 タイアップしているとは聞いていましたが、まさか自分が乗れるとは・・・。

  リラックマ電車3.JPG ドアのガラス部分にこれが貼ってあるのを見て気づく。
 これを見て、なんでリラックマとキイロイトリが仲悪いのか(というか、キイロイトリがリラックマを嫌っているのか)、初めて理由がわかりました・・・。

  リラックマ電車1.JPG 車体外側にはこんなプリント。
 他にも何パターンかあるんですけど、全部写真には撮れず・・・当然、先頭車両正面の丸プレートも動き始めたら無理。
 週末、仕事の疲れなどでぐったりだったけど、なんかなごんだ。
 さすがリラックマ。

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2015年08月27日

アイスカフェラテ@ローソン

 台風一過、今日は雲ひとつない青空。
 空の感じはすっかり秋なのに、そしてもう夜には虫が鳴いているというのに、太陽の陽射しはいまだ強力。 油断して、また日焼けをしてしまいました。
 「うわー、暑い!」というあたしに同僚Eさんはびっくり。
 「えっ、暑いの?! 私はなんか肌寒いんだけど」
 そういえばいつの間にかEさんはカーディガンを羽織っていました。 だって、地元の最高気温はこっちの最低気温なんだもの。 それに、冬でも太陽が出ていれば「今日はあったかいね!」と−3℃なのにダウンを脱いでしまう、という錯覚を起こしてしまうくらい、太陽の光が持つ熱には敏感なのです。
 というわけで、今日こそ挑戦、ローソンのアイスカフェラテ。

  CA3A1906.JPG アイスのカップのせいか、レインフォレストアライアンスのカエルマークはついていなかった・・・。
 コンビニカフェではファミマのしか飲んだことはありませんが、比べると見た目が「いかにもカフェラテっぽい」のはこっちかな、と思う。
 で、コーヒーとミルクのバランスがちょうどいいというか、どっちが勝ってるわけでもなく、いい感じでした(シロップ入れたら変わるかもしれないけれど、あたしは入れない派です)。
 しかし冷たいミルクで作っているせいか、とっても冷えていて、一口ぐぐっと吸ったら頭が痛くなった・・・。 やはりアイスの季節は終わりなのかもしれない。
 今度はホットに挑戦だ!

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2015年08月26日

セールの戦利品@マイケル・コース

 もう8月も終わりに近づき、おまけに台風も近づいてますが(もう通過したかな?)、この夏はやたら暑かった。 いつも暑いんだけど、今年は珍しく梅雨時期に雨らしい雨がまとまって降ったので、じめっとしていても雨のおかげで夜の風はひんやり、というときがあっただけに、短期集中的に一気に暑くなってからは(仕事がばたばたしてたということもあったけど)、いまいち記憶がはっきりしないのでした。
 そんな今シーズン、いつもセールらしきセールは狙っていったりしないんですが、たまたまグッドな出会いが(8月初頭の出来事なので、現在セールは終了しております)。
 神戸にマイケル・コースのフラッグシップストアができたのは今年のGW前ぐらいだったような気がするけれど・・・あの色と形がいいなぁ(ラズベリーピンクでマチが広めの2Wayタイプ)、と思ったカバンがあったのです。
 しかし定価で買うにはちょっと(結構)お高い。
 その後SALEの文字を見たときには「セールって言ったって、マイケル・コースでしょ、10%か20%OFFぐらいじゃないの」と疑心暗鬼になりつつもとりあえずのぞくだけのぞいてみようかと思ったところ、かなり値引きされていたんですよね! 半額まではいかなくとも、40%ぐらい。 これは大きいんじゃないですか〜(と、誰に言っているのか)。
 しかし残念ながらあたしが狙っていたかばんはすでに品切れ。
 形は同じで色違いはある、色は同じだけど違う形のかばんならある、という状況。
 でもやっぱりぱっと惹かれるのは色のほうなんですよねぇ(色違いのほうは薄いピンクなのだけれど、並べてみたらベージュにしか見えなくなってしまった)。

  CA3A1892.JPG よってこちらをセレクト。 あれ、もうちょっと色は濃い感じなんだけどなぁ。

 ラズベリーは発色が鮮やかで派手っぽいのではありますが、金具がシルバーなのでゴールドのものに比べればちょっとクールな感じが出る(逆にゴールドのもあるんですが、かなりゴージャス系になってしまいますのでクラッチバッグなどが多かったです)。
 さすが、アメリカで今いちばん成功しているデザイナーだけのことはある、『プロジェクト・ランウェイ』で長年審査員を務めていただけのことはある、わかってらっしゃる。
 と、暑さ故にそんな感じで思考がぐるぐるし、なんだかわけがわからなくなり、結局買ってしまったという・・・。
 <ATAO:ヴァレンティン・ボーダー>を使い倒しすぎて「さすがにこれはちょっと申し訳ない」と思っていたところもあり、多少の雨や汗染みもそれほど影響しない(けれど勿論、濡らしっぱなしはNG)、ということなので、秋になって雨や汗の影響が受けないようになればいい革のかばんにもご登場いただけるんだけど、それまではこちらにがんばっていただこうと思っております。

  CA3A1893.JPG 中はこんな感じでポケット充実。
 大きいポケットには厚めのスポンジが入っているのか!、というくらいクッション性があり、スマホやタブレットを入れるのにちょうどいいのかもしれません。 あたしが入れるとしたらキンドルか?
 A4サイズの書類をはさんだクリップボードごと楽々入るサイズもお仕事かばんとしては魅力ですし、上のジッパーを閉めればかなり嵩が減る印象(その分、量的には入らなくなるので、ジッパー開けっぱもしくは半分開けで使用すること多し)。 なんだかんだで外側にポケットあるのが大事です。

ラベル:カバン
posted by かしこん at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味・小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月25日

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション/MISSION:IMPOSSIBLE ROGUE NATION

 どうせ原題は切れてしまうので。 “MISSION:IMPOSSIBLE ROGUE NATION”
 あたしの夏祭り第二弾、『MI:』シリーズ最新作であるが、そもそもあたしはドラマ『新・スパイ大作戦』が大好きだったのである。 だから劇場版『T』は許せなかった(フェルプスくんの扱いがひどい!)。 トム・クルーズのためのようにシリアス重視に進んだ『U』もあんまり好きじゃないし、そもそもトム・クルーズ自体そんなに好きではなかったんですね、当時。 でも『V』でドラマ的なチーム路線への下地ができて、『W』である『ゴースト・プロトコル』から、「あぁ、これなら楽しめる!」となったのだった。
 なのでよく考えれば『ジュラシック・ワールド』とは時間の長さも気合いの入り方も違うわけで(『新・スパイ大作戦』からだったら20年以上はたっているけれど。 あ、でも『T』の公開は1996年なので19年たっているんだけど、あたしは映画館では観ずにレンタルか金曜ロードショーで観たような)。
 だから「あれ?」と拍子抜けしたような感じがしたのは、きっとあたしは何かを勘違いしていたというか、『ジュラシック・ワールド』並みのノスタルジーを期待してしまったからだろう。
 間違ってた、『ゴースト・プロトコル』はせいぜい4年前くらい。 だって本作は決して面白くない出来ではないのだから。
 ちなみに、いつの間にかあたしはトム・クルーズを結構好きになっています。

  ローグネイションP.jpg 絶対不可能に挑め。

 前作から引き続き、正体不明の謎の集団“シンジケート”をひそかに追っていたIMFのエージェントのイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、ロンドンで敵にとらえられてしまう。
 一方、アメリカでの公聴会ではIMFの存在がやり玉に挙げられ、CIA長官(アレック・ボールドウィン)がブラント(ジェレミー・レナー)を引きずり出してIMF解体を叫んでいる。よってイーサンのチームメイトながら公に行動できないベンジー(サイモン・ペッグ)とルーサー(ヴィング・レイムス)は影に隠れてイーサンをサポート、“シンジケート”の謎に迫る・・・という話。
 なにしろCMでバンバン流れている旅客機にしがみつくシーンがオープニング扱い(つまりあってもなくても本編には関係なし)というのがすごい。 というか、そこにいくまでの「動いている飛行機の翼に飛び乗る」のをさらっとやってのけるイーサンにびっくり!
 すげーな、トム・クルーズ、と素直に感嘆。

  ローグネイション3.jpg これ、簡単にできないよ!
 ただ、このシリーズの特徴として、007なんかと比べてイーサン・ハントは決して完璧ではないし完璧であろうとしない(特に自分を助けてくれた美女を無条件に信用してしまう傾向あり)というところがあり・・・そこがイーサンの人間的な魅力でもあるからチームのみんなは彼を支えようとするわけなんだけど、だからってちょっとは学習して!、と観ていて言いたくなるのは否めない。 スパイにしては甘い、というのがイーサン・ハントなんでしょうけど。
 今回の敵は各国のスパイ組織から脱走したエージェントたち(だから各組織では死亡もしくは行方不明扱いとなっている)が集まった<ローグ・ネイション>(ならず者集団)と影で暗躍するMI6とIMFという、最近珍しい欧米のみなさんで完結する話で、ストーリーの骨格は“古き良きスパイ映画”の世界。 これ、カンパニーマークに中国資本が絡んでいるのと関係ある?、と思わず勘繰ってしまうあたしは考えすぎでしょうか。

  ローグネイション2.jpg 今回も敵か味方かわからない美女をあっさり信用し、翻弄されてます・・・でもいつも結果オーライ。
 以前007でもそんな場面あったけど、劇場で公演中の舞台裏&舞台袖で要人暗殺阻止(もしくは客席にいるはずの誰かを探す)のシーンはスリリングですな! こっちが舞台裏がどうなっているかをちょっと知っているせいもあるかもしれませんが、何の関係もない客に気づかれないよう舞台の進行も邪魔しないように、というハラハラ感も含まれているせいかもしれないですが。 しかしスパイ映画と舞台の生公演中って相性がいい組み合わせかも(しかも今回、上映されていたのは『トゥーランドット』でしたよ)。
 相変わらずベンジーはお笑い担当ながら、どんどん役割も出番も増えているのがうれしいですねぇ(その分、ジェレミー・レナーのブラントくんが明らかに減ったよ)。
 どんどんイーサンに対してタメ口、ときには罵倒してしまう遠慮のなさが、仲間感を強めているなぁ(まぁ、助手席に乗っているのに無茶を越えた運転されれば、誰でも叫びたくなるでしょうけどね)。

  ローグネイション5.jpg 公演パンフレットを開いたらノートパソコンになるのがかっこいい!!!
 今回の悪役(ローグ・ネイションのリーダーというか創始者というか)の外見が微妙に地味なところもよかったですね(これまでは結構顔の知れた大物俳優さんが多かったから。 でもイギリスの俳優さんで舞台系という感じがする実力を感じさせる)。 また声にもドスがきいてない感じもリアルっぽくてよいです。
 しかし、ならず者とは・・・結局、スパイとして生きていく・生きていける種類の人間たちは基本的には一般社会に適応が難しい(もしくはそのように訓練されてしまった)から、信頼できる仲間たちとチームとしてやっていけるなら<信念を貫くスパイ>でいられるけれど、一歩間違えればはぐれ者になってしまう、という危険性をイーサン・ハント以下全員が持っているわけで、今回の戦いは同病相哀れむというか、骨肉相食むというか、善と悪との戦いという単純な対立軸では語れないことはかなり前からわかっていることですが、これもまた「深淵を覗く者は深淵からもまた覗かれている」ということなのかもしれない。
 水中のアクションシーン、「なにやってる、イーサン!」と彼のうっかり度が炸裂している場面なれど、実はリアルにノーカット長回しで撮ったとあとから知り、「もっとちゃんと観ておけばよかった・・・」と後悔。 あ、今回3Dにしなかったのも好印象です。
 やはりリアルで冷や汗をかきそうなアクション、時折こぼれるユーモアとチームプレイ、それがこのシリーズの魅力なんだなぁ。 原点回帰を持続してくれて、よかった。
 そして、アレック・ボールドウィンの役者としての完全復活を目撃!、という感じ。

 今作公開記念ということで、WOWOWが過去4作品一挙放送をしたのですが・・・一作目って監督がブライアン・デ・パルマだったんですね!
 改めて観ればオープニングから無意味な血しぶきがあったり、夢と現実が混濁したり、螺旋階段に長回しとデ・パルマ節が爆発してました。 トム・クルーズを主演に迎えてのTVシリーズのリメイク映画なのに、自分のスタイルをまったく崩さないデ・パルマ監督、さすがです。

ラベル:外国映画 映画館
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吸血鬼/佐藤亜紀

 もう20年以上も前のことであろうか、『バルタザールの遍歴』を初めて読んだ時の衝撃は今でもよく覚えていて、“佐藤亜紀”という作家はそれ以来あたしの中の特別枠にいる。 しかしその後、『鏡の影』『1809』などには歯が立たず(あたしに欧州的教養が不足していたのが原因である。 なにしろ日本史選択だったからね!)、大変悔しい思いを(その点、『戦争の法』のほうがまだ理解できたかな)。 それでも少女マンガ的設定を華麗に彩った『天使』には狂乱したのだが(続編『雲雀』もいいですよ)、「でもやっぱり難しい・・・」という印象はぬぐえず、好きなんだけど読むときはどうもつい構えてしまう。 あたし自身が前からどれだけ成長したのか試されている気がするから。
 でも『ミノタウルス』はびっくりするくらいわかりやすくなっていて、この変化をどう受け止めていいのか戸惑った。 自分がそれだけの教養を身につけた自信はかけらもなかったから。 でも、面白ければそれでいいのかも、とも思ったり。
 その後は短編集が続いた感がありますが、久々に大作の気配。

  吸血鬼佐藤亜紀.jpeg 『吸血鬼』というあまりにストレートすぎるタイトルに、絶対ヴァンパイアものではない、と確信が持てるほど。
 そして皆川博子さんが帯に献辞を・・・。 もうそれだけで、胸が熱くなりますわ。
 舞台は独立蜂起の火種が燻る19世紀のポーランド。 その田舎の小さな村に赴任するオーストリア帝国新任役人のヘルマン・ゲスラーとその美しき妻エルザ。 領主は、かつて詩人としても知られたポーランドの愛国者、アダム・クワルスキだが、その村には奇妙な風習があり・・・とあらすじを説明しても多分あまり意味がない。 すべて現在形で綴られるその文に、じわじわと広がる禍々しさと美しさに、恐ろしさと流麗さにただ酔えばいいのです。
 300ページに満たない、長編と呼ぶには少々短いものですが、そこに込められた濃密さはもう語り尽くせないほど。 ちょっとした描写にも「うおっ」っとのけぞってしまいそうになり、でもその「ちょっとした」描写自体がただごとではない選び抜かれた言葉ばかり。 名詞を動詞として使う場合送り仮名を使わない、普段は平仮名にしてしまう言葉も漢字で、というのもここの世界観にはぴったり。
 ちょっと服部まゆみ的なところも感じ取れてしまったので、あたしとしては非常に満足で(作者が意図したものとは思えないので、多分同様の嗜好が産み出したものかと)。
 こんなもの書いちゃったら次はどうするんですか!、と心配になるほどの素晴らしき結晶。
 多分受け付ける人・受け付けられない人がくっきりわかれる作品だとは思いますが・・・あたしは大好きです。
 多少時間はかかるでしょうが、これを超える次作を期待してしまいますよ。

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2015年08月24日

今日は10冊(その2)。

 引き続き、ハヤカワ文庫新刊から。

  ヨハネスブルグの天使たち.jpg ヨハネスブルグの天使たち/宮内悠介
 『盤上の夜』に続く2作目、こちらも連作短編集。 今回は日本製のロボットが狂言回しになっているようですが・・・『盤上の夜』以上にすごいという噂はすでに耳にしているので、読むのがとても楽しみであり怖いです。 この人はどこまで行ってしまうのだろう、みたいな。

  復讐者たち.jpg 復讐者たち【新版】/マイケル・バー=ゾウハー
 著者のマイケル・バー=ゾウハー氏はスパイ小説の巨匠だそうなのですが、あたしは読んだことがなく、むしろ『ミュンヘン』『モサド・ファイル』といったルポルタージュ・ノンフィクション系しか読んだことがなかったのでてっきりルポライターだと思ってましたよ(しかも読み始めたきっかけは映画『ミュンヘン』だという・・・)。 でもおかげでイスラエルとパレスチナの問題がだいぶわかるようになりまして。
 本作は時代がちょっと前に戻り、生き延びたナチス戦犯を追い詰めるユダヤ人たちのドキュメンタリーとのこと。 パレスチナ人も恨みは忘れないとよく言われるけど、ユダヤ人も相当だよ・・・と思ってしまうのは、忘れっぽくて恨みの感情があまり持続しない日本人から見ているからでしょうか(こっちの方が世界標準なのか?)。
 あぁ、ハヤカワから7冊も買ってしまった・・・(これでも絞ったのである)。

  02チェット 誘拐された犬.jpg 誘拐された犬/スペンサー・クイン
 <名犬チェットと探偵バーニー>シリーズ第2弾。 第1弾『助手席のチェット』が面白かったのでこれは即買い。 東京創元社からは今回はこの1冊ですが、29日あたりにまた新刊が出るので、そこで3冊ほど狙ってます(新刊を一気に出さないところが、あぁ、印刷所も小さいところと組んでやっているんだろうなぁ、という気にさせられて、つい応援したくなります)。

  87クロッカーズ07.jpg 87CLOCKERS 7/二ノ宮知子
 まだまだ物語の途中、という感じ。 様々なキャラクターが出てくるのは面白いのですが、この物語の着地点がまったく想像つかない・・・ラヴストーリーとして終わるのはちょっと違う気がするし。 やはりオーバークロックという自分には未知の世界なので、自分の経験や体験が適用されないですな。

  セケンノハテマデ03.jpg セケンノハテマデ 3/サラ・イネス
 いつも間にかもう3巻ですか!、とびっくり。 やっとこっちもキャラクターに慣れてきた気がします。 でもワイド版ではなく青年コミック普通サイズということにまだ慣れません。

ラベル:マンガ 新刊
posted by かしこん at 06:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月23日

今日は10冊(その1)。

 またもたくさん買ってしまいました。 いや、もはやたくさん出すからこういうことになった、ということにしておきます。

  双生児文庫1.jpg双生児文庫2.jpg 双生児/クリストファー・プリースト
 今回は大半がハヤカワ文庫となっておりますが、その中でもあたしの中の目玉はこちら。
 「やっと文庫化されました!!!」なわけです。 ハードカバーは2007年4月刊行ということなので(あたしは図書館から借りて読んだのでもうちょっとあとになりますが)、文庫になるまで8年以上かかったことに・・・待っていた甲斐がありましたよ。
 でもハードカバーのときと表紙がまったく違うので・・・なんだか作品の雰囲気も違った感じに受け取れて。 多分、いやきっと、また読んだら「あれ?、こんな話だったっけ?」となるに違いない。 読み始めたら一気なのですが、仕掛けがいっぱいあるので注意深く読まないといろいろ読み落とす、大変危険な作品でもあります(でもラストシーンでひっくり返されるのが気持ちいい、“語り/騙り”の物語です)。 彼の『魔法』、特に『奇術師』に気持ちよくだまされた人、必読!

  九尾の猫【新訳版】.jpg 九尾の猫【新訳版】/エラリイ・クイーン
 その昔、あたしはこれを大変ハラハラしながら読んだ記憶があるのですが、細かい内容をはっきり覚えていないという・・・(そのあとに読んだものといろいろ混ざっちゃった感が)。
 しかし1949年刊でシリアルキラー物(当時はそういうジャンル名称もないわけですが)を描いてしまうエラリイ・クイーン、恐るべし。 この表紙の猫、顔怖いし〜、早く読みたいよ〜。

  黙示1.jpeg黙示2.jpg 黙示/サラ・ロッソ
 飛行機事故がきっかけで世界の破滅の予兆が・・・というあらすじには、先日観ちゃって「やられた!」と思った映画『レフト・ビハインド』を否応なく連想させられたのですが(タイトル自体キリスト教用語でもありますしね)、帯に<マイクル・クライトンの興奮+シャーリイ・ジャクスンの戦慄>って書いてあるんですもの。
 多分褒めすぎだとは思うんだけど・・・この二人の名前を出されたら、素通りできませんでした。 基本的にあたし飛行機ネタ好きですし。
 ハヤカワ文庫はまだ終わりではありません。 その2に続きます。

ラベル:新刊
posted by かしこん at 23:59| Comment(4) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月22日

映画ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム /SHAUN THE SHEEP THE MOVIE

 またしても原題が切れました。 “SHAUN THE SHEEP THE MOVIE”です。
 ひつじのショーンは『ウォレスとグルミット、危機一髪!』に出てきたゲストキャラで、あたしはショーンを大変かわいらしく思っていた(もともと脇キャラが好きというのもあるけど。『チーズホリデー』ならばスキーをする自販機とか、『ペンギンに気をつけろ!』であれば無表情で邪悪なペンギン、そもそもウォレスよりもグルミット派だし)。
 そのショーンが主役で映画なんて!、と盛り上がったけれど、実はショーンを主役にしたTV用ミニシリーズが存在することを、この映画を観てから初めて知ったのだった・・・(現在Eテレにて、毎週土曜日の朝放送中!)。
 そんなわけで、『危機一髪』後のショーンが引き取られた先の牧場での日々が描かれているのでした。 ほぼ台詞なしのクレイアニメですが、ウォレスとグルミット初期三部作の完全手作業感に比べるとかなりCGを使っているんだけど、手づくり感とのバランスがうまくとれているようで、「背景がきれいになったな」ぐらいの認識の差ですむかもしれない。
 全部手作業だったらTVシリーズ量産できないよね・・・。

   ショーンP.jpg 大都会で大メェ〜走!

 郊外の牧場で仲間たちとともに生活しているひつじのショーンだが、来る日も来る日も変わらぬ仕事(?)・タイムスケジュールに辟易し、牧羊犬のビッツァーの目を盗んで羊の仲間たちとともに牧場主にいたずらを仕掛け、一日眠ってもらって休暇を満喫するつもりだった。 しかし手違いで牧場主が乗ったキャンピングカーが動き出し、都会へ向かってしまう。 あわてた彼らは牧場主を追いかけるが、キャンピングカーが止まったときの衝撃で牧場主は記憶喪失になってしまう。 果たして彼らは再会を果たせるのか? 無事に牧場に帰れるのか?!、という話。

  ショーン5.jpg なにも考えることがなかった、穏やかな日々。
 実は、<行きて帰りし物語>という『ホビット』と同じテーマであり、更に言えば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』とも同じ話であるというすごさ。
 それを日常世界から離れず、「繰り返される毎日は退屈ではなく平穏な日々なのである」ということをやんわり伝えて大人の胸を思わず熱くさせる作品なのであった。
 かといって大人向けというわけではなく、当然ながら子供向けなのである。 比較的遅めの時間帯で観たけれど、それでもお子たちは何組かいて、大変盛り上がっていた。
 ふむふむ、子供たちの笑い声が響くのはいいねぇ(映画と関係ない余計なお喋りだったら気になっちゃうけど)、としみじみしましたよ。 あぁ、これってトシとった証拠かしら。
 ビッツァーはグルミットと同じ二足歩行をする犬だけど、グルミットほど賢くはないけれど有能な牧羊犬。 羊たちとは役割が違うから時に立場は衝突するけど、やはり仲間は仲間なので絆は強い。 ビッツァーとショーンのタッグは実に心強い(勿論、その過程ではハチャメチャは起こるわけですが)。

  ショーン1.jpg 結果的に同じ保健所?に捕獲されちゃうけど、都会で知り合ったブサカワ犬の協力で脱出。
 ショーンたちと知り合う都会で出会ったそれぞれの動物たちにもそれぞれのしあわせが訪れる、っていうのも粋だよね。 おいおいおい、とつっこみたくなる無茶な展開も、そもそも動物が人語を解するあたりでリアリティは無視なわけで、でも世界観は私たちと繋がる日常という意味では完全なるファンタジーでもない、という絶妙なバランスが、台詞がなくてもストーリーも面白さも通じる普遍性なのであろう(生活文化に共通点がある、という条件付きではあるが)。 日常から一歩踏み込めばこんなにもハラハラドキドキの冒険が待っているというのは、先の人生への希望にもなるかな。
 やはり羊は群れる生き物、英単語で複数系が存在しないだけのことはあり、ショーンともっと小さい子羊以外の羊たちの区別がつかない(場面によっては人数?が違うんじゃないの?、というところもあった気がするので制作陣も区別がついていないのか? あえてつけていないのか?)。

  ショーン6.jpg 小さい頃から苦労しただけあって(?)、ショーンの度胸はリーダー向き?
 エンドロールまで楽しめる仕掛けは、劇場が明るくなるまで席を立たせないための工夫でもあるのかも。 最後まで観ます、という習慣を子供の頃からつけてたら、そういう大人になるもんね。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月21日

シティボーイズ特集を終えて 1

 今週月曜日から始まったWOWOWでの<シティボーイズ特集>
 最終日となった土曜日は、2時間のスペシャル企画生放送を経ての、本年度公演“シティーボーイズ ファイナルPart.1 燃えるゴミ”の初OA。
 生放送のぐだぐだ感は予想どおりでしたが(別に女子アナ的な人はいらないから、司会進行はいとうせいこうがいれば十分だよ、と思っていたのにやはり進行役の女性がいた。 有料放送だし見るのは“わかってる”人たちばかりなんだからそういうのいらないのに。 それとも、そういう人に付き合って初めて見る人がいるかもしれないという配慮?)、どうせぐだぐだならいとうさん+3人の過去公演を振り返るフリートークでもよかったよなぁ。 そのほうが濃度は濃かったかもしれない。
 過去公演も改めて観たりしたんですが(時間がないので観ないままDVDに落としちゃったのもありますが、おいおい観たいと思います)、久し振りに見ると妙に新鮮。
 そして『燃えるゴミ』を観たわけなんですが・・・今回は東京公演のみだったので参加できなかったあたしですが、これでファイナルだというのなら不完全燃焼だよ!
 実際の舞台を観るのとテレビ画面で観るのとは違いがあるのはわかっているけど、「これなら東京まで観に行かなくてもよかったな」という印象を持ってしまった(でもパンフレットはほしいです)。
 小劇場の定期公演なら合格点の内容でも、36年のシティボーイズライヴの幕を引く作品ではない、と思った。
 ま、つまりは、来年かどうかわからないけど「またやります」ということなのだろう。
 次回は関西にも来てくださいよ。
 劇場少ないので会場を押さえるのが難しいとは思いますが。

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2015年08月20日

フレンチアルプスで起きたこと/TURIST

 わー、雪だ〜、ということでよろこび勇んで観にいく。
 フレンチアルプス、といいつつ実はスウェーデン映画だったのも意外なヨロコビ。
 舞台はあるフランスのスキーリゾート地。 夫・妻・娘・息子という典型的家族構成のスウェーデン人一家がバカンスにやって来た。 一日中スキーを楽しみ、ひとつのベッドで仲良くぐったり眠る、という理想的な休暇のはずが、2日目の昼食のために景色のよいテラスでテーブルを囲んでいると人工的に起こした雪崩が轟音を立てて目の前で起こる。
 それが思いのほか大きなものだったので、テラスにいた人々はパニックに。 結果的に大事には至らなかったものの、夫トマス(ヨハネス・バー・クンケ)の取った行動のため、家族の“絆”はバラバラなってしまうことに・・・という話。

  フレンチアルプスで起きたことP.jpeg 僕が、君たちを守るから・・・
   スウェーデンからやって来た幸せな一家をおそう突然の危機。
   バカンスは5日間、彼らの運命は?

 ヨーロッパのスキーリゾート地って、設備とかすごいなぁ、とまず度肝を抜かれる(雪国出身のくせにスキーは学校の授業でしかやっていない・ウィンタースポーツあえてする気がないあたしには、知っているスキー場の印象は本、ドラマか映画しかないけれど、こんなのはこれまで全く見たことがない)。 特に息子が行った男子トイレ(子供用?)の美的センスと性能の融合は、さすがヨーロッパ!って感じ。
 スキー場からホテルへの帰りがチューブ状の通り道になっていたり、リフトのゴンドラもちょっとお洒落だったり・・・。 ホテルの客室も、通路からはすべて同じに見えるけど中は何室あるのか、というくらいの広さ(洗面台の鏡の広さもすごいけど、これは映画的演出のために必要だったような気もするし、ロケ現場がそうだったからこその追加演出なのかも)。
 スキーはしないけど、単純にリゾートホテルには泊まってみたいかも!
 そんな素敵ホテルを擁するスキー場なので、常にスキーとお客に問題が起こらないように積雪量も適度にコントロール。 人工的に雪崩を起こす設備もばっちり。
 勿論、自然は完全にコントロールできないので、不慮の事故は起こり得るんだけど、事故の程度の具合を軽減させることはできるだろう(特にホテルのすぐ近くならば)、と雪国育ちのあたしとしては思う訳なんですが・・・(あ、規定コース外とか山スキーとかだったら無理ですよ)、このお父さん(含む他の客)には無理だったようで。

  フレンチアルプスで起きたこと1.jpg テラスにまで迫りくる雪崩。
   多分あたしなら「おーっ」っと言いつつその場に座ってるな(料理が来ていたならば皿の上をナプキンで覆いたいところ)。
 ただ、このシーンは短時間に一気にたたみかけるような演出なので、あえて観客にもパニックを伝染させようという意図が見える感じにはなっているんですけどね。
 おかげで、その後のなんでもないシーンですらも「何かが起こるのではないか」という不穏な空気がすぐそばにある感じで、この映画のジャンル分けを難しいものにしている(ジャンル分けをする必要は別にないのだが、「どういう映画?」と人に聞かれて一言では答えられないという・・・)。
 映画の中的にいちばんの問題は、夫トマスが自分のした咄嗟の行動を覚えていないこと(覚えていないどころか完全否定する)。 最初は認めたくなくてなかったことにしたいのかなと思っていたのだけれど、どうもほんとに覚えていない・もしくはそんなことはなかったと思い込んでしまっているらしい。 ある意味、男性的な脳の防御機能である。 しかし妻エヴァ(リサ・ロブン・コングスリ)は典型的女性脳で、完全に覚えているしそのときの感情も一緒に記憶に。 子供たちもその場にいて見ているから、一晩眠って詳細がわからなくなっても、両親の間にあるぎくしゃくしたものを感じ取って神経過敏に。 あぁ、これはつらい。

  フレンチアルプスで起きたこと2.jpg 揃って眠ることはもうない。
 トマスが認めて謝罪すればすんなりおさまる話なのに、それができないから話がこじれ、エヴァの気持ちのもやもやはますます募り、子供たちに伝染する。
 うーむ、小学校以下?の子供を持つ夫妻にとっては最も避けたい状況ではないだろうか。あたしには直接関係ないシチュエーションですが「トマス、何故認めない?」とついイライラしちゃったので、お子様のいるご夫婦などは結構身につまされるのではないか(女性側は過去のいざこざなどを思い出してしまって夫婦喧嘩のもとになるのではないか)、と気になってしまうほどのリアリティを醸し出しております。

  フレンチアルプスで起きたこと3.jpg だから、友人の部屋で「この人、私たちのこと見捨てたのよ」とあっさり爆弾発言するエヴァ。 そんなこと言われた方も迷惑・・・。
 なんとなく不思議だなぁと思ったのは、スウェーデン含む北欧は人権意識も高いし、当然男女同権の考えも進んでいるだろうに、「男が女(子供も含む)を守る」という意識もまた強く刷り込まれているのだ、ということ(これはレディファースト的観点?)。 トマスの記憶捏造は自尊心保護のためだったんだろうけれど、エヴァは容赦なくそれを打ち砕く。 それは「何故認めてくれないのか」という怒りからくるものなのだけれど、それ自体が実はかみ合ってないという恐るべき心理スリラーなのでした。
 そんな二人がいかにして関係を修復するのか・・・それは観てのお楽しみですが、ラストシークエンスから見てとるにエヴァの恐怖心は完全に取り払われたわけではなく、この先の日常生活でもトマスは夫として、父として更にがんばらなければいけないことを象徴しているようでした。
 でも、ある調査によれば「とっさの危険を感じたとき」なりふり構わず逃げるのは女性より男性の方が圧倒的割合で多いそうです。 きっと本能的なものなんでしょうね(男は遺伝子を守り、女は家や子供を守る)。 現代社会においてはいかにして本能を抑え込み、理性的に行動するかが求められているから、ほんのちょっとしたきっかけで責められ、居場所を失くす危険がありますよ、という警告の映画だったのかな、これ。
 あたし個人的には、雪を満喫できましたよ。

ラベル:外国映画 映画館
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2015年08月19日

今日は5冊で。

 最近すっかり上空の大気が不安定で、いきなりゲリラ豪雨が来たり、天気予報では降らないといっていたはずなのに不意にちょこっと振ったり。 カバンや靴にも気を遣います。 人に借りた本を返すタイミングにも困る・・・ビニールで幾重にもくるんではあるけど、天気悪い日に荷物持たせたくないしな、と悩んで返しそびれているものが・・・えふさん、すみません。
 しかし自分の場合は別。 買うときは買う!

  花冠の2−07.jpg 花冠の竜の国2nd.7/中山星香
 いつの間にやら最終巻でした。 先行作品である次世代編とのつじつま合わせにご苦労された様子・・・。 そう思うと、オリジナルの『花冠の竜の国』に盛り上がれたあの時代は、あたしにとってとても幸運な邂逅だったのだな、としみじみしたりして。

  ちはやふる28.jpg ちはやふる 28/末次由紀
 かるた部に新入生が入って、新生かるた部となる過程が中心ではあるのですが・・・微妙に不完全燃焼か。 個人的にぐっとくる場面が一読してなかったせいかも・・・27巻から続けて読むべきだったかなぁ。

  太陽の石.jpg 太陽の石/乾石智子
 <オーリエラントの魔道師>シリーズ3作目ですが、直接の続きというわけではなく、同じ世界観の中で起こる出来事、という感じ。 解説にも各作品で登場人物たちによる魔道の解釈が異なっている(呪文の意味も違ってる)的なことも書いてあるし、作品自体を“タペストリー”と表現されることが多い作家の方ですが、まさにそうやってシリーズの世界をタペストリー状に編み込んでいくのがこの作者の目論見なのかな、という気がします。

  禁止リスト1.jpg禁止リスト2.jpg 禁止リスト/コーティ・ザン
 これはもう、表紙と帯に「おぉっ!」と思って手に取ったら一冊が薄い! 250ページほどである。 だったら一冊にしてよ!(それでもせいぜい530ページくらいでしょ!)
 分冊にする場合は一冊300ページ以上からにしてくれないかしら。 本棚に背表紙を向けて並べるとなんだか心もとないわ(そして分冊にされたことで値段も高くなっていると思うとさ)。
 かつて誘拐・監禁された少女たち。 うち一人は殺されたが死体が見つかっていないため、犯人が保釈されそうと知った被害者たちが連帯して、仲間であった少女の遺体を探そうとする・・・という変則的『スタンド・バイ・ミー』的話かと思ったら、それどころじゃない闇が潜んでいそうで、被害者たちは更に無傷ではいられそうにない。
 これ、読むときにはこっちもある程度パワーがあるときでないと・・・。

ラベル:マンガ 新刊
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2015年08月18日

短期集中・海外ドラマ一気見!

 今週、WOWOWでシティーボーイズの特集をするため、HDD容量をできるだけ減らさなければ!、と、撮りためていた海外ドラマを夏休み中にできるだけ一気見。

HOMELAND シーズン4
 シーズン3があまりにも・・・な終わりを迎えたため(いや、どのシーズンのときも終わりはひどかったけど)、あれで終わったものと思っていたのだが、シーズン4あったのね・・・。

  ホームランド シーズン4.jpg あたしには珍しく字幕版を観ております。
 アメリカと周辺関係国(主に中東・南アジア)をめぐるリアル諜報戦なので、一話分の情報量とスピード感はすごいんだけど、観ていてすごく気持ち的に疲れるので、シーズン後半が手つかずのままでした。 それを一気観したら・・・ものすごく疲れた・・・クレア・デインズの鬼気迫る演技に飲み込まれてしまうようで。
 しかも最終回、これまでのように手ひどくはないものの、その分宙ぶらりん感がすごく、「え、これで終わり?! シーズン5はあるの?、ないの?」と冷や汗をかく感じに。
 それにしても、人というのはよかれと思って結果的に相手の信頼を裏切る行為をしておきながら、自分が同じことをされるとすごく傷つくし腹が立つ生き物なのですね。

パーソン・オブ・インタレスト シーズン4
 シーズン3最終回からシーズン4第一話への流れは緊張感にあふれていました。 でもその後は比較的いつものペースに戻り、安心していたら中盤からの急展開に驚愕、まだ最終回だけ観残しています・・・(だって観るの勿体無いというか、知りたいけどその先を知るのをできるだけ先延ばししておきたいような)。

  パーソンオブインタレスト シーズン4.jpg なんか今回、リースくんちょっとがっかりな場面が多かったような。
 その分、ショウさんとルートの友情というか同志愛的なものに重点が置かれていて、二人のかわいらしさが炸裂です(これって“女子から見た女子の関係のキュートさ”かしら?)。 またファスコ刑事がときどきいいことを言ったりするからぐっとくるし(ファスコ刑事、好きだなぁ〜)。 ジョンがたまに彼のことを「ライオネル」とファーストネームで呼ぶところ、すごくいい。 フィンチは相変わらずのようでいて、でも自分の根本的な理想というか思想というものへのこだわりをはっきり表明するようになったなぁ。
 それにしてもサマリタン(側の人間たち)、腹が立つわ。
 AI(人工知能)を神とあがめる人々をより描くことで、キリスト教的な発想がいちばん感じられたシーズンかも(まだ最終回を観ていないので、実は違うかもしれないけど)。

メンタリスト シーズン6
 まだ始まったばかりですが・・・このシーズン全体でレッド・ジョンの正体まで引っ張るのはいくらなんでもつらいなぁ、と思っていたら制作陣もそう考えていたらしく、8話目ぐらいで正体が判明(放送も今のところこのあたりまで)。
 なんかここまで来ると仕掛けが大掛かり過ぎて「誰が真犯人か!」ってわかってもあまりすっきりとしない・うれしくないというか、「何故わざわざあんなことまでやったのか?」という動機の方が知りたくなってきてしまう。 サイコパス・快楽殺人者にノーマルな範囲の人間が理解できる動機を求めても意味がないのはわかっていますが。
 今後はパトリック・ジェーンがどうやって立ち直っていくか(完全には立ち直れないだろうけど)がしばらくメインになるのかしら。

ラベル:ドラマ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | WOWOW・CATV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする