2015年07月04日

イタリアは呼んでいる/THE TRIP TO ITALY

 マイケル・ウィンターボトム監督、好きです。 だから「日本未公開映画をどこよりも早くお届けする」WOWOW<ジャパン・プレミア>にて『スティーヴとロブのグルメトリップ』としてすでに放送されていたこの映画の前作を録画・DVDに落とし済み。
 それは北イングランドが舞台だったのだけれど、一気にイギリスを飛び出しイタリアへ! そして日本でも劇場公開というめでたさに、なんとなく観てまいりました。

  イタリアは呼んでいるP.jpg 旅の友は人生の友?
     美しい海と太陽、5つ星ホテルと絶景レストランをミニクーパーで巡る男二人の珍道中。
     至福の6日間にグラッツィエ。

 もうこのコピーであらすじのすべて、という話ではありますが、その二人俳優のスティーヴ(スティーヴ・クーガン)とコメディアンのロブ(ロブ・ブライドン)が“ほぼ本人”、という役柄で登場するセミドキュメンタリータッチなのが特徴。
 イタリアをめぐるグルメリポートを依頼された二人が、ピエモンテからカプリ島まで走る。
 芸能人として盛りを過ぎた、と感じ、<中年の危機−ミッド・クライシス>にある自分自身を認めたくなくて笑い飛ばす方向に走る、という、「どうしてオヤジってオヤジギャグが好きなのか?」という疑問に一部答えてくれる内容ではありました。
 それにしても、「味のわからぬイギリス人」と長年揶揄されてきただけあって、パスタの食べ方とかがなってない! グルメリポートなのに写真もメモも取らない! タコなのに「イカだな」と勝手に納得して食べる! 料理がとてもおいしそうなだけに(市場近くの食堂から高級ホテルのレストランまで料理を出すお店も様々)、ほんとにお前ら味わかってんのか!、と説教したくなる(だって、車で走っているときのどうでもいいお喋りの流れを食事中もやめないから)。 メニューに集中しろ!、料理にも料理人にも失礼だ!、と美味しいものに敬意を払うあたしは思うが、そこは陽気なイタリア人たち、そんなことは気にしないのだった(それともイギリス人だから仕方ない、とか思ってる?)。

  イタリアは呼んでいる5.jpgイタリアは呼んでいる2.jpg わー、おいしそう!!

 しかしこの二人、ほんとによく喋る(よく喋るのはロブのほうだが、スティーヴが適切なツッコミをするから余計に盛り上がる)。 ロブが「ジュード・ロウみたいなハンサムになりたかったよ」といえば「だったらお前は若ハゲだ」と返されるし(それは思っていても公には言ってはいけないことでしょ!)、『ダークナイト・ライジング』におけるトム・ハーディの演技を揶揄しまくるし、アル・パチーノの真似をしてみても「全然似てない」と冷たくあしらわれるし・・・他にも多々その類のネタで盛り上がるが、こっちがイギリス人じゃないから全部はわからないな・・・という感じ。 ま、オヤジギャグにいちいち付き合っていられないので流すのがいちばん、なんですけどね。

  イタリアは呼んでいる4.jpg その間、厨房では黙々と、さくさくと、調理が進行していく。 そんなあっさりした描写がイタリア料理の神秘性をかきたてるかのよう。

 グルメ旅行のはずなのに、ロブはやたらバイロン卿にご執心で、バイロンとシェリーの足跡を辿りたかったり。 バカばっかり言っているという自覚があるからインテリに見られたいのかしらん? タイプ的にはスティーヴのほうがインテリだが(映画の脚本なんかも書いているし)、スティーヴはロブの能天気さを実はうらやましく思っていたり、といった毒舌の裏にある相手への友情や嫉妬、部屋で一人になったときの「自分の人生、これでよかったのか? これからもこれでいいのか?」という言葉になるまでもない問いかけなど、そんなシーンがちょこちょこあるのが、“ただのバカ男二人映画”で終わらなかった原因ですかね。
 そのあたりの感じが、さすがマイケル・ウィンターボトム!
 でも、個人的にはマイケル・ウィンターボトムにはもっと内的ドラマティックな物語を撮ってほしいので(『バタフライ・キス』のような映画はもう撮ってはもらえないのだろうか)、次回作に期待します。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする