2015年06月25日

ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男/GET ON UP

 ジェームス・ブラウンといえば、赤いサテンのスーツにパーマの長髪、「ゲロッパ!」なイメージなのは、時代的に晩年にあたる時期しか知らなかったからなのね。 と、この映画を観てつくづくそう思ったのでありました。 ジェームス・ブラウンの伝記映画、という体裁をとってはおりますが、この映画は実はファンクの魅力を伝える内容!
 あぁ、やっぱりあたしファンク好きだ〜!、と実感してしまいました。

  JBP.jpg いまこそ感じて欲しい、魂(ソウル)の叫び――。
   音楽の歴史を変えた男の栄光と挫折、そして知られざる友情を描いた真実の物語。

 ファンクの帝王として大スターとなったJB(チャドウィック・ボーズマン)。
 しかし少年時代は親に捨てられ、劣悪な環境で育つ。 しかし彼の救いとなったのは、近所の教会で歌われていたゴスペル。 その後、窃盗罪で刑務所に入ってしまうが、慰問に来たゴスペルシンガーグループのリーダー、ボビー・バード(ネルサン・エリス)に才能を見いだされ、出所後は音楽・ショービジネスの世界に進むという目的ができる。
 ヴィオラ・デイヴィスやオクタヴィア・スペンサーが続々登場!、と思ったら、監督は『ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜』の人で納得。 特にヴィオラ・デイヴィスはJBの母親役で、晩年の老女の姿はその背中と肩化の落ち方とか歩き方とかほんとに老女で、「あなた、いったいいくつですか?!」と毎回その年齢不詳ぶりに驚かされる。 素敵な女優さんです♪
 かなりスムーズにスターになっていったように描かれているように感じたのだけれど、まぁ、時間が足りないからだろうな。 番組のトリをまだ新人のローリング・ストーンズに譲らなきゃいけない、みたいな場面はあったけど(ちなみにこの映画のプロデューサーはミック・ジャガーです)。

  JB4.jpg “白人”だけど、JBを支えるマネージャー(ダン・エイクロイド!)。
 JBには奇行癖がある、というイメージがあったけれど、人生の流れを見せられちゃうと「ある程度は仕方ないかなぁ」と納得できてしまうからすごい(でも奥さんへのDVはいかがなものか、ではあるのだが、彼自身がそういう家庭で育っているから、当時は虐待の連鎖という概念はなかったかも)。 歌手でありつつもアイディアマンであり先駆者でもあるから、理解してくれる者が少ない(まして本人は周りに理解してもらおうと説得する意識すらない−わからない方がおかしいと思っているから)。 ライヴシーンに力を入れた分だけ人生のエピソードは若干ぶつ切り感はあるものの、でもこうまとめるしかないよなぁ、という構成の苦労を感じた。 人種差別に関わる部分も必要最低限に伝えられ、音楽の熱を奪うことはない。 時期によって自分の衣装のテーマカラーを決めていたことも初めて知った。
 で、勿論JBの伝記映画ではあるのだが、彼の親友であるボビー・バードとの友情が横軸となり、それが胸に迫る。 天才であるが故、頂点に立つ者であるが故の孤独と、天才を目の前にして自分が凡人に過ぎないと自覚してしまった悲哀の対比。

  JB3.jpg 素直になることはスターにとって、弱みを見せることになるのだろうか?
 天才の気まぐれと傲慢さに振り回され、多くの人が彼の元を去るけれども、彼だけは絶対離れないだろうという盲目的な信頼がときにお互いを苦しめるのだけれど。 でも、ともにある時期を過ごした、という絆は一生消えないものなのだろう。
 歌、すごいうまいなー、と思っていたら音源はJB本人のものらしい。
 あぁ、だからこそこんなにもライヴシーンが素晴らしいのか。
 こっちのファンク魂にも火がついてしまうのか。
 しばらくファンクのリズムが鳴りやまない。
 次はブライアン・ウィルソンの伝記映画が待機中なので、それも楽しみ!

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする