2015年06月06日

春にはすべての謎が解ける/アラン・ブラッドリー

 化学大好き少女、フレーヴィア・ド・ルースシリーズ第5弾。 あぁ、ついに現段階で邦訳されたの全部読んでしまった! また続きを待たされるのね・・・。
 今回、フレーヴィアは12歳になるまでもう少し、と思ってる。 おぉ、物語内ではちゃんと時間が流れているのね! 子供扱いされるのには業腹だが、子供であることの利点をフルに使うフレーヴィアにとって、“11歳”がギリギリのラインなのかしら。

  春にはすべての謎が解ける.jpg 今回、原題とはかけ離れた邦題なのですが・・・最後の一行でその意味がわかる。 衝撃! 次作が待ちきれない!

 復活祭まであとわずか。 考古学研究のために、教会に眠る聖人のお墓が発掘作業のために開かれようとしているのをフレーヴィアが見逃すはずがない。 大人に邪険にされつつも、最初に覗きこんだフレーヴィアは、最近行方不明になっていた教会のオルガン奏者・コリカットさんの遺体を発見してしまう。
 一方、フレーヴィアの家であるバックショー荘の財政状況は改善されないどころか更に悪化し、売却の危機に立たされる。 否応なく子供ではいられないフレーヴィアはまさに自分の足元が崩れ去ってしまうような気持ちに・・・という話。
 これまでの“小生意気さ”は健在なれど、フレーヴィアは勿論、バックショー荘に関わる人々の今後の不安定さも絡まり、これまででいちばんページ数が多い巻でありながら「実は前後編なんじゃないの?」という疑惑も浮かぶほどいろいろ投げっぱなし(殺人事件自体は解決しますが)。 ドガーは相変わらずかっこいいけれど、それでもフレーヴィアをすべてから守りきれるわけじゃないし、フレーヴィアもそれを望んでいるわけでもないし。
 “大人になる”ってこんなに苦くて切ないものだったのかしら。
 シリーズ1作目の著者あとがきで書かれていたフレーヴィア誕生のシーンが、まさにこの巻で描かれていて、ちょっと感慨深かった(著者はもともとアダムという青年を主人公に小説を書いていて、アダムが道端でメモをとっている少女に出会って名前が浮かんだ瞬間、彼女が主人公だ!、とひらめいたとのこと)。 おかげで今作が初登場のアダムも扱いが微妙である・・・これも自作に持ち越し?
 ともかくも、6冊目が待ち遠しい!、という結論に変わりはないのであった。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする