2015年06月03日

ホーンズ 容疑者と告白の角/HORNS

 この映画も結構前からシネ・リーブル神戸のロビーで特大ポスター(というか垂れ幕というか)が飾ってあり、チラシやステッカーなどでかなり告知に力の入った感じなれど(この映画は予告見てないんですが)、微妙さ全開の雰囲気に、「絶対早く終わっちゃうだろうな」と予測。 どう考えてもB級映画(この説明調のサブタイトルもいかがなものか)、ラドクリフ君、「ハリー・ポッターの」の冠が取れないし、チラシでは独特の映像美を強調していたけれど、こんなポスターじゃそれも微妙・・・それを観に行くあたしは確かに物好きでしかないな、と自覚。 でもジョー・ヒル作品、『角−ホーンズ』だけ持ってないしな、という気持ちもあり。

  ホーンズP.jpg 角よ、恋人殺しの謎を解け――。

 ある日突然、幼馴染で恋人のメリン(ジュノー・テンプル)を何者かに殺害されてしまったイグ(ダニエル・ラドクリフ)は、最も近しい者であるが故に犯人と目され、マスコミに追いかけられ町の人たちからは白い目で見られる日々。 恋人を失った悲しみと、自分の無実を証明できない・真犯人を見つけられない苦しみに、次第に感情的で衝動的な言動を繰り返してしまうイグは、ついにメリン発見現場に供えられた花やキャンドルを踏み荒らし、メリンのための祈りの場を穢してしまう。 そのせいなのか、その日以来イグの額には角が生え出し、次第に大きく成長していく。 だがその角には、向かい合った相手の心の奥底に秘められた真実を語らせてしまう力があることがわかり、イグは角の存在に恐れおののきながらも真犯人を探し出そうとする・・・という話。

 はっきり言って、120分もかける内容ではないのである。 100分以内でまとめたら、もっとタイトでシャープな作品になったかもしれない。 登場人物の誰もが深く考えずに行動するので見ていて結構げんなりするし(二度手間・三度手間だよ!、ということが何度もある)、なんでツノ? なんでヘビ?、とキリスト教的知識がないと理解できない点が結構多くて・・・やはり原作を読むべきなんだろうか。

  ホーンズ2.jpg 医者に見せに行くけど、その医者も自分の秘密を堂々とイグに暴露。
 うーむ、R15+なのはグロいからだと思っていたけど、無意味にエロくもあるのですよね。“秘密の暴露”がなんで揃いも揃って下ネタなんだ・・・とげんなりするも、監督は『ピラニア3D』のアレクサンドル・アジャ。 あれは「ピラニア映画作法に則って」だと思っていたけど、基本的にこの監督はそういう方面が好きなんだな、と納得。
 イグたちの少年時代の回想シーンは、「ちょっと時代があとの『スタンド・バイ・ミー』」という感じがあり、鮮烈な残酷さがあってよかったです。 そう、スティーヴン・キングよりあとの時代なんだな、とつい思ってしまうのはジョー・ヒルがキングの息子だと知っているせいか、時代が多少違えどもアメリカの田舎町で少年時代を送るものはみんなあんな感じなのか、どちらだろう。 でも同じく少年時代を描いたホラー作家、ロバート・R・マキャモンやダン・シモンズ、ピーター・ストラウヴなんかと比べても、断然キングの方に近い印象。 まぁ、それは、映画をつくる側が意識したものなのかもしれないけど。

  ホーンズ3.jpg イグの兄でミュージシャンのテリー(ジョー・アンダーソン)とも突然殴り合いのケンカを始めたり。 みんな情緒不安定。
 ある人が出てきた瞬間に「絶対、こいつ犯人!」とこっちはわかってしまうので、ぐるぐるしているイグがじれったいというか・・・「ちゃんと頭を働かせろ!」と叱責したくなるのです。 勿論、最愛の人を失ったばかりの人間に「普通にしてしろ」というのは酷ではあるのですが・・・だからって無軌道でいても何の解決にもならないわけで。 <真犯人を見つける>という目的を定めたら、とりあえずそれを優先しようよ。 でもツノ生えちゃっているからなぁ、理性を問うのは無理なのか。
 天使と堕天使の組み合わせとか、なんとなくそうなのかな、と思う部分はあるものの、キリスト教的モチーフは多すぎて難しいなぁ。
 あ、メリンの父親役がデヴィッド・モースだったり、町のダイナーの美人ウェイトレスがヘザー・グレアムだったりという要所を押さえたキャスティングはさすがで(特にヘザー・グレアムの扱いがひどくて、申し訳ないが笑ってしまった)。 その点で、ラドクリフくんはもしかしたらキャスティング第一候補ではなかったのかもしれないけど、彼は彼なりに『ハリー・ポッター』のイメージを覆そうとがんばっているのだな、という気はしました。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする