2015年05月14日

インヒアレント・ヴァイス/INHERENT VICE



 109シネマズHATの<今後の上映予定>をチェックしているときに、「うーむ、70年代



ヒッピー文化か・・・あたしにはいまいちピンと来ないジャンルかなぁ、とスルーしかけたの



だが、監督がポール・トーマス・アンダーソン(略してPTAと呼ばれる男)だと知り、「こりゃ



観ねば!」と思ったのだが・・・怒涛の残業時期と重なり、観に行けないままついに最終週。



これを逃したらもうアウト、ということで映画館まで走りました。 ギリギリ間に合った・・・。



汗を拭き拭き、予告編鑑賞。



 結果的に、観終わった後、何の予告編を観たのか思い出せないくらいな感じに。



   ヒッピー探偵、元カノの愛人の大富豪を救えるか?



 1970年、カリフォルニア・LA。 私立探偵のラリー・“ドック”・スポーテッロ (ホアキン・



フェニックス) のもとに突然元カノのシャスタ (キャサリン・ウォーターストン) が現れる。



現在自分は地元の不動産王の愛人をしているのだが、その不動産王の妻にも愛人が



いて、彼に対してよからぬことを画策しているようだからなんとかしてほしい、とのこと。



突然姿を消した忘れられない女性からそんなことを頼まれ、複雑な心境のドックだが、



ノーと言えずに依頼を受ける。 その後、腐れ縁の警官・ビッグフット(ジョシュ・ブローリン)と



いざこざに巻き込まれる事態に。



 はっきり言って、意味がわからない。



 主人公は大概(常に?)ラリってるので、彼目線で見える世界はほんとの世界そのもの



なのか、幻覚が混ざっているのか区別がつかない(というか、区別をつける必要性を感じて



いないというか)。 いや、そもそも明確なストーリーなどないと思ってもいいのかもしれない。



 一応、私立探偵が追いかけるべき謎はある。 FBIがからむ陰謀も存在するようだ。 でも



普通の探偵小説なりハードボイルドが辿るべき道を辿ることはまったくない。 特にあたしは



ほとんど前知識無しでの鑑賞だったので、突然現れてくるジョシュ・ブローリンやベニチオ・



デル・トロなどの豪華キャストにのけぞりそうになったり。



   リース・ウィザースプーンもいました。



 そして特に女性たちのファッションがこれまで雑誌で見たことのある70年代そのままで、



「あぁ、そんなアクセサリー、どこで売ってるの?!」と思うこと多々。 使われている音楽も、



当時のヒットチャートからそのまま引っ張ってきているような感じもありあり(音楽担当は



ジョニー・グリーンウッドなんですけどね)。



 物語はぶつ切れなんだけど、楽曲はフルコーラスかかる不思議。 当時は今よりもずっと



音楽が時間を、人生を語ってくれていたのだろうか。



 そして70年とはアメリカにジャパンムーブメントが最初に流行り出した年? 



瞑想に禅とか京都のお寺の庭の話が出てきたり、ビッグフットが「ハイ、チョット、モット、



パンケーク!」と日本人が経営している?飲食店でパンケーキをおかわりしている(繊細な



味らしい。 常連なのか)。 そして店内のBGMは坂本九の『スキヤキ』。 アメリカ映画で



日本の歌が流れているのがすごく新鮮(というかびっくり。 初めてかも)。



   ジョシュ・ブローリンが片言なれど

                  日本語を叫んでいるのがやたら楽しい。



 でもこれは、観る側が日本人だから楽しめる部分で、単なる当時の風俗描写に過ぎない



のだろう(でもおかげで迷子になっていたあたしの目が覚めました)。



 これはもう雰囲気と、役者の技を楽しむ映画。 理屈を考えちゃダメ。



 しかし、この映画にあるこれまでのPTA映画とは異質の浮遊感はなんなんだろう?、と



ずっと考えていたら、エンドロールに答えが。



 原作:トマス・ピンチョン、と・・・。



 あぁ、これか、原因はこれか!



 というか、トマス・ピンチョンの作品をよく映画にしようと思ったなぁ・・・そう考えればかなり



形になってるなぁ(多分原作よりわかりやすくなっているんだろうなぁ)、と納得。



 さすが、PTA。 技を持ってます。



 そして、『ザ・マスター』から引き続き出演のホアキン・フェニックスがいるから、もしも



フィリップ・シーモア・ホフマンがいたなら、どの役をやったのだろうとか、まったく違う役と



して登場したのだろうか、と思いは尽きない。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする