2015年04月05日

声優魂/大塚明夫

 久し振りに新書を買ってしまった。
 それくらい、“大塚明夫”という名前にはあたしにとってインパクトがある。 というか、あたしの記憶の中では気がついたら彼はすでにベテランであった印象で(むしろあたしは山寺宏一さんの声と名前が一致するほうが遅かった)、それだけ、明夫さんの声は唯一無二というか、聞いたら忘れられないものなのである。
 ちなみに、あたしにとっていちばん付き合いが長い明夫さんのキャラは海外ドラマ『ER』のピーター・ベントンでした。

  声優魂.jpg ほんとは、タイトルを『声優だけはやめておけ』にしたかったのでは。

 本書は、そんなベテラン声優・俳優による若手声優志望者への“喝”であると同時に、ある種のアーティストとして生きることを決めた者は普通の生活なんかできません(望むことがそもそもの間違い)、という覚悟を説くものである。
 なので「声優界裏話」的なものを期待すると肩すかしをくらうし(しかし男気あふれる明夫さんがそもそも個人的エピソードを具体的に披露するはずがない。 山ちゃんとの関係は特別なようで、そのあたりは少し書かれてはいるが)、父・周夫さんとの関係も必要最低限しか書いてないし。 そのかわり、ギャラ問題などには遠慮することなくしっかり書かれてる(だからこそ、新作アニメ1クール主役になっても、それだけでは生活できない、という具体的な数字に説得力が)。
 あぁ、のんきなこと言ってやるべきことをしない中高生、これを読め!
 そして内容は俳優・声優の世界に限られてはいるが、「覚悟を持って仕事しろ」というのはどのジャンルの職業についても言えることだし。 いやー、なんだかすっきり。
 仕事場のお昼休憩時に読んでいたら、同様に大塚明夫という名前にひかれたお仕事仲間から「次、貸して〜」と言われる。 日本の声優文化を理解し、大事に思う人たちは結構たくさんいるのである(あたし自身は「“声優”ニアリーイコール“舞台俳優”」だと思っています)。
 そんなわけで速攻、読み終わったので、速攻、お貸ししました(なので今、本はあたしの手元にはない)。
 その人とは、バブル期周辺に各テレビ局が独自につくっていた洋画吹替のひどい例について語り合って、盛り上がりました(例:織田裕二&三宅裕司による『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など)。

ラベル:エッセイ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする