2015年01月28日

トラッシュ! この街が輝く日まで/TRASH

 スティーヴン・ダルドリー&リチャード・カーティスなんてイギリス映画界において夢のタッグでは! そんなこんなで特に予備知識もなく見てびっくり。 舞台はブラジルだし、台詞の大半はカンボジア語!(はっきり国の名前が台詞の中に出てくることはないが、ブラジル国旗がときどき映像の端に見えるから)
 ゴミ捨て場で拾ったものをお金に変えて生活するストリートチルドレンは、カンボジアなどだけではないのだな、としみじみした(そして『ダーウィンの悪夢』を思い出して一気にメロウになった)。

  トラッシュP.jpg ぼくたちはゴミ山で、世界の“希望”がつまったひとつのサイフを拾った。

 ゴミ拾いをしてどうにかその日暮らしをしている3人の少年:ラファエル、ガルド、ラット。
 ラファエルはある日、ゴミ山でおカネや他のものが入った財布を見つける。 しかしその財布を探しに警察がやってくるのを見て(現地の警察は汚職にまみれているのはある程度常識)、その財布にはなにか秘密が隠されていると悟る。 ガルドとラットと協力し、人道支援という立場でこの町にやってきている神父さん(マーティン・シーン)やボランティア女性(ルーニー・マーラ)の最小限のバックアップも得て、3人は真実を探り出そうとしていく・・・という話。
 しかしそこはリチャード・カーティス脚本、悲惨一辺倒な話にはしない。
 よく考えたら『シティ・オブ・ゴッド』な国なわけなんだが、全体に漂う雰囲気は『スラムドッグ・ミリオネア』にちょっと似ている。 イギリスが撮った外国、という共通点のせいであろうか。 メインの3人の少年たちは演技経験のない現地の子供ということだが(それこそフェルナンド・メイレレス監督がキャスティングをサポートしたらしい)、このすさまじいまでの精神的なたくましさはリアルだからなんだな、と納得。

  トラッシュ2.jpgラットと呼ばれるのは一人でドブネズミたちと一緒に洞窟?に住んでいるからだが、彼がいちばん聡く、見た目もよろしい感じが。
 ラファエルは「正しいことをしたいんだ」と言う。 だが、結構すぐにくじけそうになる。
 それに賛同する二人も“正しい行い”というものを実際には見たことがないし、何かを成し遂げることよりもこの子たちはいろいろとあきらめることばかり学んできたんだ、とわかってしまうのは非常に切なかった。 だからこそ、応援したくなるのですが。

  トラッシュ3.jpg なにかといえば、すぐに逃げなければ。 なにしろ相手は大人、それも権力を持った大人だからな。
 すべてのきっかけとなる人物、秘密の財布を投げ捨てたジョゼ・アンジェロ(ワグネル・モウラ)。 どこかで観たことあると思ったら、『エリジウム』に出てた人だ! 彼もいい役です。
 <この街が輝く日まで>、あとどれくらいの時間が必要なのかはわかりません。
 一つの(根深い)汚職が暴かれたからといって、根本的な貧困問題が解決されるとは思えない。 でも希望は子供たちなのであると、この映画は高らかに謳っているのであります(だからマーティン・シーンでさえも活躍は最小限)。
 偶然、あたしの座った列に小学5・6年生と思しき少年とその父親、な感じのお二人がいて、少年はまさに手に汗握るリアクションで映画に夢中になり、「面白かったね!」と言っていて大変微笑ましく、そこにも希望を見出したのだが・・・お父さんはお疲れだったのか映画がいまいちだったのか、同意の返事が聞こえてこなかった。
 がんばれ、大人。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 03:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする