2015年01月13日

暗い越流/若竹七海

 『さよならの手口』の作者あとがきで、葉村晶モノの短編が収録されている本が出ていることを知って、図書館に予約(単行本だったので)。 わりと早めにやってきました(あたしが文庫本以外のチェックを怠りすぎである)。
 5編収録の内、巻頭の『蝿男』と巻末の『道楽者の金庫』だけに葉村晶は登場する。
 なるほど、これを先に読んでいれば『さよならの手口』の彼女の状況をもっとすんなり受け入れられていたはず(そして傍迷惑な富山店長がこの頃からあのことを考えていたのね、と『さよならの手口』のラストにもっとしみじみできたかも)。
 思いのほかほろりとしちゃいましたよ、あたし。
 葉村晶の苦悩や生き様を堪能するなら長編だが、後味悪い切り口を重視したいなら短編であろう。 それはノン・シリーズである他の3編でも同様。

  暗い越流.jpg 2編目の『暗い越流』と3編目の『幸せの家』には同じ人物がサブキャラクターとして登場するので、語り手である“私”・“わたし”が同一人物なのかと一瞬どきりとした。

 これがまた、どきりとする内容なのである。 そういう意味では連作短編集ではないのだが、通して読むことによって読者を幻惑させる効果を仕掛けている(だいたい、悪天候だったりするし。 台風と地震がキーワードだ)。
 一作だけ趣の違う『狂酔』は、酔っぱらいのたわごとを聞かされている気分でいたらとんでもないことになるタイプ。 むしろ葉村晶モノのほうがおとなしく(?)感じられてしまう今日此頃。
 そんなわけで、一日ちょっとで読了。 予約待ち図書なので、余裕で返せるぜ! 

ラベル:国内ミステリ
posted by かしこん at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする