2015年01月12日

マップ・トゥ・ザ・スターズ/MAPS TO THE STARS

 今年最初に観た映画がデヴィッド・クローネンバーグになるとは・・・。
 モチーフが近親相姦・幼児虐待・火事(放火)・ヤケドの痕などだというのに、驚くほど映像的にはさばさばしているというか、乾燥(?)気味。 ドロドロ・グチャグチャだった時代のクローネンバーグは終わったんだなぁ・・・としみじみした。

  マップトゥザスターズP.jpg その祈りは、永遠の呪い。

 かつては一世を風靡したが今では落ち目の二世女優ハバナ(ジュリアン・ムーア)、セレブ相手にヨガ&気功的セラピーを売りにするスタッフォード(ジョン・キューザック)、人気子役だったがクスリに手を出し、リハビリ施設から出てきて復帰を狙うベンジー(エヴァン・バード)とそのステージママ(オリヴィア・ウィリアムズ)、俳優・脚本家志望だが売れないのでリムジンの運転手として糊口をしのいでいる男(ロバート・パティンソン)などなど、セレブ以外にも様々な人が住むハリウッド。 そこに、全身にやけどの跡がある少女・アガサ(ミア・ワシコウスカ)がやってくる。 ツイッターで友人になったというセレブからの紹介で、ハバナの付き人になったアガサ。 ハバナの母クラリス・タガート(サラ・ガトン)は伝説のカルト女優で事故で焼死しており、ハバナは日々母の幻影に悩まされつつも、顔のやけどをあえて隠さないアガサにひきつけられる。
 登場人物の誰ひとりとして感情移入はできないのだが、その行方に目が離せないという意味では『悪の法則』以上か(こっちの方が寓話性が強いので、後味はずっといいです)。
 ジュリアン・ムーアの露悪的なはじけっぷりが半端ないので彼女が主役なのかと思いきや実はサイドのほうであるという驚き。 年齢不詳なミア・ワシコウスカはやっぱりいいなぁ(今回の設定では18歳)、とうっとり。 よく考えたらこの二人、『キッズ・オール・ライト』で親子役ではなかったか。 醸し出す空気感から違いすぎてて素晴らしいぞ!

  マップトゥザスターズ2.jpg とても同じ二人とは思えない。
 おかげでせっかくのジョン・キューザック、なんか印象が地味・・・でもこの映画で語られていないだけで、この状況に至るまでには『屋根裏部屋の花たち』的な何かがあったんだろうなぁ、といろいろと背景を想像させられるのは楽しい。
 <ハリウッド・ゴシック>と呼ばれる作品は何作か観たと思うけど、これがいちばんゴーストストーリー色が強いように見えつつ、でも生きている人間のほうが何をしでかすかわからない恐ろしさを秘めている。
 まぁ、「ハリウッドに巣くう人種はまともじゃないよ」という皮肉もあるわけですが。
 説明しろって言われても大変難しいこの映画ですが、あたしはとても面白かったのです。 でも人を選ぶだろうな・・・いびきかいて寝てた人、いたし。
 タイトルの“スターズ”はウォーク・オブ・フェイムに敷き詰められた星型の映画スターのネームプレートと、夜空の星(に詠った詩?)とのダブルミーニングかな。

posted by かしこん at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする