2014年12月21日

オオカミは嘘をつく/BIG BAD WOLVES

 イスラエル映画なんて『迷子の警察音楽隊』以来かも。 あの映画では「この国には独自の文化なんてないわ」という感じの台詞がやけに印象に残っている。
 実際、イスラエルについて何か知っているかと聞かれれば・・・「ユダヤの国だよね」としか答えられない自分。 とはいえ政治的な部分は抜きにして、どんでん返しありのサスペンス・スリラーということで見たかったわけで。 タランティーノ大絶賛、というコピーも付いておりますが。

  オオカミは嘘をつくP.jpg あなたの価値観が崩壊する
   善良そうな容疑者 過剰な被害者 乱暴な刑事 本物の‘悪(オオカミ)’は誰だ!?

 とある町はずれの廃屋で、かくれんぼをしている少年少女たち。 ふと気付くと、赤い靴を片方残して一人の少女が行方不明に。 その後、森で惨殺死体となって発見される。
 刑事のミッキ(リオル・アシュケナージ)は中学教師ドロール(ロテム・ケイナン)を容疑者と断定し、空き倉庫で違法に尋問するが、その様子を居合わせた高校生のスマホで映像に撮られ、YouTubeにUPされてしまい、捜査から外される。 しかしドロールを犯人と信じるニッキは独自に捜査を行うが、そこに被害者少女の父親ギディ(ツァヒ・グラッド)が割り込んできて・・・という話。
 オープニング、少女が行方不明になるまでの過程とタイトルが出るまでのシークエンスは素晴らしい! そのセンスがずっと続いてくれていればよかったのに。
 残念ながらかなり序盤でネタ割れをしてしまっているので、どんでん返しにも驚けず、「あーあ、やっぱりね」で終わってしまう・・・。
 緊張と緩和的なギャグの入り具合が「あー、こういうところ、タランティーノ好きだろうな」と納得できますが・・・ミステリとしてはそもそもミッキがドロールを疑う根拠がはっきり提示されていなくて(刑事仲間と「目撃証言が」どうのみたいなやりとりがあるのみである)、消化不良だ!

  オオカミは嘘をつく4.jpg 娘を殺された父親・・・という立場には同情するが、これで「42歳」とか言われたら笑うしかなくない?
 メインの登場人物が少ないし、ある時期からはギディが用意した山小屋だけが舞台になるので、演劇的に演出してより人間の心理に踏み込む方向もあったと思うけど、いかんせん俳優たちの演技力が微妙(?)で、いろいろ活かしきれていない面も・・・あぁ、全体的にもったいない。
 ただ暴力に対してのハードルがものすごく低い、というのが、イスラエル社会を風刺していると思ったらいいのだろうか。
 でも、もっとミステリやサスペンスの基本は勉強してほしいところ。 ・・・ということは、イスラエルではミステリやサスペンスは人気のあるジャンルではないのか。 日常に暴力が満ち溢れていたら、娯楽として必要性がないのかも。
 そっちの方が、映画のラストより恐ろしいわ。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする