2014年12月13日

トネイロ会の非殺人事件/小川一水

 短編3つのさほど厚くない本、しかもそれぞれ面白い、となると、短い通勤時間&誰かと一緒にならない休憩時間で、サクッと読めてしまうものなんですね。

  トネイロ会の.jpg イラストレーター、見てみたら中村佑介だった・・・。
    あたしは誰と間違えたのか・・・。

 一編目『星風よ、淀みに吹け』は、月面上での作業を想定し、地球上につくった完全閉鎖環境の中で生活する6人の男女のなかで起きる殺人事件、という“クローズドサークル”ものだけど、設定そのものにはSFマインドが。
 二編目、『くばり神の紀』はなんだか高階良子『竜神氏の遺産』を思わせるものが。
 しかし今作のヒロインは助け手の導きに従うなんてこともなく、自力で謎をほぼ解明するというたくましさ。 バイオホラーになってもおかしくない内容なのに、どことなく日本の民話調というか、どことなくほのぼのした読後感に。
 『トネイロ会の非殺人事件』が分量的にはいちばん多いのかな(それでもせいぜい20ページ多いくらいか)。 ここではSFぽさはゼロ、人間の心理的駆け引きで全編引っ張り、いくつかのどんでん返しを挟みつつ、“殺人事件”を扱いながら妙にさわやかというか、『星風よ、淀みに吹け』もそうなんだけど、ちょっと青春ミステリ的な香りがするのですよ。
 ハヤカワ文庫で読む小川一水とちょっと違って、興味深く面白かったです。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする