2014年12月21日

オオカミは嘘をつく/BIG BAD WOLVES

 イスラエル映画なんて『迷子の警察音楽隊』以来かも。 あの映画では「この国には独自の文化なんてないわ」という感じの台詞がやけに印象に残っている。
 実際、イスラエルについて何か知っているかと聞かれれば・・・「ユダヤの国だよね」としか答えられない自分。 とはいえ政治的な部分は抜きにして、どんでん返しありのサスペンス・スリラーということで見たかったわけで。 タランティーノ大絶賛、というコピーも付いておりますが。

  オオカミは嘘をつくP.jpg あなたの価値観が崩壊する
   善良そうな容疑者 過剰な被害者 乱暴な刑事 本物の‘悪(オオカミ)’は誰だ!?

 とある町はずれの廃屋で、かくれんぼをしている少年少女たち。 ふと気付くと、赤い靴を片方残して一人の少女が行方不明に。 その後、森で惨殺死体となって発見される。
 刑事のミッキ(リオル・アシュケナージ)は中学教師ドロール(ロテム・ケイナン)を容疑者と断定し、空き倉庫で違法に尋問するが、その様子を居合わせた高校生のスマホで映像に撮られ、YouTubeにUPされてしまい、捜査から外される。 しかしドロールを犯人と信じるニッキは独自に捜査を行うが、そこに被害者少女の父親ギディ(ツァヒ・グラッド)が割り込んできて・・・という話。
 オープニング、少女が行方不明になるまでの過程とタイトルが出るまでのシークエンスは素晴らしい! そのセンスがずっと続いてくれていればよかったのに。
 残念ながらかなり序盤でネタ割れをしてしまっているので、どんでん返しにも驚けず、「あーあ、やっぱりね」で終わってしまう・・・。
 緊張と緩和的なギャグの入り具合が「あー、こういうところ、タランティーノ好きだろうな」と納得できますが・・・ミステリとしてはそもそもミッキがドロールを疑う根拠がはっきり提示されていなくて(刑事仲間と「目撃証言が」どうのみたいなやりとりがあるのみである)、消化不良だ!

  オオカミは嘘をつく4.jpg 娘を殺された父親・・・という立場には同情するが、これで「42歳」とか言われたら笑うしかなくない?
 メインの登場人物が少ないし、ある時期からはギディが用意した山小屋だけが舞台になるので、演劇的に演出してより人間の心理に踏み込む方向もあったと思うけど、いかんせん俳優たちの演技力が微妙(?)で、いろいろ活かしきれていない面も・・・あぁ、全体的にもったいない。
 ただ暴力に対してのハードルがものすごく低い、というのが、イスラエル社会を風刺していると思ったらいいのだろうか。
 でも、もっとミステリやサスペンスの基本は勉強してほしいところ。 ・・・ということは、イスラエルではミステリやサスペンスは人気のあるジャンルではないのか。 日常に暴力が満ち溢れていたら、娯楽として必要性がないのかも。
 そっちの方が、映画のラストより恐ろしいわ。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月20日

だまし絵U@兵庫県立美術館

 そして行ってまいりました、『だまし絵U』であります。
 2009年開催の『だまし絵』には行ったんだっけ? 確か行ったよな、ポストカード買ってるし、と微妙にうろ覚えではありますが、好みの絵が結構多かった記憶はあります。 なのでわりと期待して!

  だまし絵アルチンボルト3.jpg ポスターに使うのはやはりアルチンボルトなのね。

 まず最初の部屋は、16〜17世紀の、いわゆる古典的なだまし絵が並ぶ。 あたし、こういうのがすごく好きですよ! ヘイスブレヒツの“トロンプルイユ 理髪師の道具のあるレターラック”が最高! しばしその絵の前にたたずんでニヤニヤする(しかし、そういうやつに限ってポストカードが売っていないってどういうわけなの・・・)。

  だまし絵ピアーソン2.jpg まぁ、近い雰囲気であるピアーソン
   “鷹狩道具のある壁龕”の画像とポストカードはあります。 こっちの方が一般的な評価は高いのだな・・・。
 しかしその部屋を抜けると現代アートの香りが強くなり・・・勿論、トリックアートも好きなのですが、つい絵画のほうを期待していたので微妙にがっかり感が。
 でも、これにはちょっと感動しました。

  だまし絵ケイガン2.jpg ラリー・ケイガン“トカゲ” 2008年
 壁にぐるぐる巻きにされた鋼のワイヤーが張り付けてあるだけ、と思いきや、ある方向から光を差し込むとトカゲの姿が現れる・・・実際の展示では4方向ぐらいから順番に光が当てられていて、うち3つはなんだかわからない影しかできないんだけど、突然それがトカゲの形をとる・・・という衝撃。 他にも同様な作品で蚊も現れましたけど、トカゲのほうが好き。これでカエルやペンギンもつくってほしいなぁ(あるのかもしれないけれど、展示されてはいないので)。
 後半の方になると「あれ、このへん、前の『だまし絵』のときもなかったっけ?」というような見覚えのある作品が。 まぁ、マグリットやエッシャーはいつ見てもうれしいからいいんですけど。 そしてマグリットの“白紙委任状”は何回か見ているんだけど、見るたびに「あれ、こんな小さい絵だったっけ?」と思ってしまいます(『パタリロ!』のエピソード『白紙委任の森』のせいかもしれません)。
 そんなわけで、意外な驚きもありつつ、でも若干期待しすぎたかも・・・という感想。

posted by かしこん at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台・演劇・芸術・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月19日

美術館の上にいるカエル

 兵庫県立美術館の上には、カエルが住んでいる。
 確か名前も付いていたはずだが・・・忘れた。
 いつも写真に撮りたいなぁ、と思っていたのだが、車で行ったりすると見える角度が違うので無理だったり。 時間が遅くて暗かったり。 なので今回初めて撮影に成功!

  CA3A1801.JPG 駅からまっすぐ歩いて、歩道橋を渡るのが多分ベストポイント。

 サーカスっぽさが拭えませんが・・・何故このようなカラーリングになっているのかは不明。 開館当初はいなかったけど、いつの間にやらマスコットキャラクターとして登場。
 長く続く歩道橋を歩いていくと、じわじわカエルが近付いてくる。
 ふと気づけば、歩道橋の向かって右わきに、不自然に意図的な半円形の出っ張りが。
 はっ、もしやここが、カエル鑑賞ベストポイント?

  CA3A1803.JPG かなり見上げる感じに。
 だけど、その出っ張り(展望台?)に立つと、下を車がびゅんびゅん通るためにめちゃめちゃ揺れます・・・。 なかなか落ち着かない鑑賞ポイントで、もしかして撮影用なのか?
 そんなわけで、まんまと写真を撮ってしまったのでした。

posted by かしこん at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 趣味・小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月18日

アバウト・タイム〜愛おしい時間について/ABOUT TIME



 あ、これも『誰よりも狙われた男』同様、ちょっと見たいと思っていたのに神戸で



上映しないのか・・・と思ってがっかりしていたところ、急遽シネ・リーブル神戸で上映



決定! うれしいけど、だったら『誰よりも狙われた男』も公開してよ・・・(『裏切りの



サーカス』
、それなりにヒットしたじゃん・・・あたしも執念深いぜ)。 まぁ、こちらも



『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス監督作品(もともと本業は脚本家なので、



監督業は今回で引退といっているそうな)、ということで、ハートウォーミング系ラブコメ



なのは保証付き。



 なにしろビル・ナイである。 これは彼の映画といっても過言ではない!



   今日という日を生きる。 それが人生を素敵にする――。

    大切な人と観てほしい 世界中が涙した、愛と時間についての物語



 イギリス南西部・コンウォール地方にある一家が住んでいる。



 長男のティム(ドーナル・グリーソン)は21歳の誕生日の朝、突然父親(ビル・ナイ)から、



この一家の男たちにはタイムトラベル能力を持っていること、女性には遺伝しないことを



告げられる。 戸惑いながらも受け入れて、この能力を素敵な彼女を見つけるために使うと



決意。 その後、ティムはロンドンに出て、メアリー(レイチェル・マクアダムス)という女性と



運命的な出会いをするが、ロンドンでの同居人の危機を回避するために過去にさかのぼる。



そのため、彼女と出会った時間と場所に行けなかったことで、そもそもメアリーと出会って



いなかったことになってしまい、「僕は彼女を知っているのに、彼女はまったく僕を知らない」



という状態に・・・という話。



 タイムトラベルと言っても、自分が生まれる前には行けない、だから歴史も変えられないし



地味なもんだよ、とお父さんが笑うほどに、<時間旅行>を扱いながらいい加減な設定が



逆に突き抜けていて・開き直りすぎてて面白い(SF的には許せないところですが、あくまで



物語のエッセンスとしての設定なので)。 これでSF的に正しい方向に持っていったらもっと



重い話になるわ〜。



   父の告白シーンも全然深刻じゃないし。



 主役なのにほぼオーラがない感じのドーナル・グリーソンが大変地味でよろしい(ハリポタ



シリーズに出ていたらしいが・・・誰? あの双子?)。 この実にイギリス映画らしい地味な



キャスティングがたまらない。 ちなみにお母さん役は『ウィークエンドをパリで』の妻役



だった方で、雰囲気が全然違うので最初気づかなかった。



 そこへレイチェル・マクアダムスなので、キュートさが光るよ!



 でも彼女をつかまえるためだけにタイムトラベル能力を利用する話だけだったら、上映



時間全部は持たなかったと思う。



   そのあたりのエピソードはドタバタで、

                     笑えるところですが。



 全体的にイギリスらしい、皮肉まみれの家族・仲間の会話にニヤリ。



 ラブコメを装いつつも、時間という流れの中でしなければならない決断の重さ(普段は



気にしていないことでも、後になって振り返れば重要だったな、と思わされる誰もが持って



いるであろう体験)をさらっと見せつつ、一日一日のいとおしさを描きながら、実は父と息子の



物語ってのがにくいね!



   海辺の散歩、という日常。



 そう、本質は結構重い。下手をすると人生の真髄に近いところを描いているかも!、という



ぐらいに。 でもあくまで軽やかに、笑いを多くして、さりげなく前向きに。 そんな押し付け



がましくない感が、大好きです。



 オムニバスっぽくなっていない点で、『ラヴ・アクチュアリー』より人物造形が深くて、



ずっと好きかも。



 コンウォールの風景も見られたのも収穫。



 ちょっとうるっときつつ、あたたかで穏やかな気分で映画館を出られる、そんな映画でした。


posted by かしこん at 05:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月17日

今シーズン、初



 午前10時過ぎぐらいであろうか、ふと仕事場から窓の外を見れば、白いものが



ちらちらと舞い散っている。



 おぉ、今シーズン初の、雪!



 やたら盛り上がってしまったが、数分でやんでしまった・・・。



 ま、所詮神戸の海側ってこんなもんよね、と思って気象庁のHPを見れば、あまり



見たことのないような気圧配置になっており・・・北日本・日本海側大荒れの余波が



こっちにも飛び火?!、という翌日の天気予報(なんと神戸市に雪マーク、最低気温



マイナス1℃)に驚く。 あたしが神戸に来てから、マイナスになったことなんてほんとに



指で数えるくらいしかないのに。



 「かしこんさん、薄着過ぎ!」と今の仕事場の人にも言われ、特に女性が多いので



心配される・・・明日はせめて心配されない格好で行った方がいいかしら。 しかしこれと



いうコートの類を持っていないあたし。 ちょっと、何を着るか考えなくては・・・。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月16日

今日は4冊。



 明らかに明日は天気が悪い気配が濃厚である。



 低気圧が迫ってきているせいか頭が痛い。 だから仕事も定時でがんばって帰るぞ!、



という気合十分で臨んだものの、そういう気合は得てして空回りするものなのよね。



 そんなわけで、気分転換に本屋に寄るのであった。



   もう年はとれない/ダニエル・フリードマン



 『このミス』海外編にランクインしている作品(文庫の場合)のほとんどは、買っているか



図書館に予約してるかであった。 ただこれは気になりつつも悩んでいて・・・買ってなかった



のですよ。 87歳、元警官が主役のハードボイルドって面白そうなんだけど、スタンダードな



ハードボイルド世界にあたしがはまれるかどうか、というのがとても気がかりで・・・発売は



8月くらいだったと思うけど、それでも今までずっと気になっていたのだから、ま、いいか、と



いうことで購入。 これから図書館予約となると、結構待たされそうだし(いや、あたしがすぐ



読むとは限らないんだが)。



   シスターズ・ブラザーズ/パトリック・デヴィット



 めでたく文庫化、そして単行本のときにインパクトのあった表紙もそのままなので、買う



ことにする(表紙・装丁って重要よね)。



 このオフビート感はシティボーイズのコントに使ってほしいほどだ(ま、すでに彼らには



20年近く前に西部劇をコントにしているけれども)。



   ブラッド・ソング 1 血の絆/アンソニー・ライアン



 多分誇大広告だとは思うんだけど(過去にそれで結構騙されてきたし)、でも<ジョージ・



R・R・マーティンの衣鉢を継ぐ若手登場!>
みたいな煽り文句が帯についてたら素通り



できないわけですよ・・・。 一応これもとりあえず三部作ということなので(続巻は来年3月と



6月)、あまり期待せずに普通のハイファンタジーとして楽しめればいいな、と思います。



   ディーセント・ワーク・ガーディアン/沢村凛



 わりと早い時期の<日本ファンタジーノベル大賞>出身者はレベルが高くて、酒見賢一や



佐藤亜紀がここ出身なんて知らない人も多いんだろうな〜、ですが、沢村凛氏もここ出身



です。 地味に名作『リフレイン』があたしの出会いでしたが、最近仕事の幅を広げている



ようで、これはお仕事小説らしい!



 働く者として読んでおきたい! そんな気持ちになりました。


posted by かしこん at 04:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月15日

選挙の日は・・・



 特に応援している人とか支持政党などまったくないのであるが、選挙特番はつい



遅い時間まで見てしまいがち(おかげで翌日の仕事に微妙に響く)。



 この前の衆院選のときの池上さんがホストのテレ東系の番組がやたら面白かったので、



今回もそこを中心に見ていこうと思っていたのだが、なんだかんだと気がつけば21時近く



なっていて、「しまった、もう始まってるじゃん!」とあわててテレビを地上波に戻す。



 途中から見たせいか、期待してしまうとそうでもなくなってしまうからなのか、いまいち



盛り上がれなかった・・・それは、選挙の“熱度”とも関係するのかも。



 これは深夜枠だったから別の局であるが、若者たちに「何故選挙に行かないのか」を



聞いていて・・・「どこでやってるか知らないし、どうやって選挙する(投票する、の意味と



思われる)のかもよくわからない」という答えがあって・・・義務教育の意味ってなんだ!、と



つい考えてしまいました。



 で、自分の子供の頃を考えてみると・・・親が投票所に行くのについていって、勿論自分は



投票できないんだけど、どうやって投票するのかといった仕組みのようなものはなんとなく



わかったような気がする。 つまり、若い人々は「親に連れられて・・・」といった経験自体が



ない、ということなのであろうか。 それとも子連れで行くのが大変な環境になっているとか?



 それにしても、選挙区で落選して「よっしゃ!」と思った人が比例で復活当選するのって、



なんか感情的にやりきれないものが。



 それにしてもこれは国政選挙なのに、<地元の利益>について堂々と語られるってのは



どうなのか。 国会議員なら国のことを優先すべきで、地元のことを考えて実行するのは



県議会などなんじゃないのかな。 なんでも国会議員頼りにしてるから、県議会や市議会に



沢山のバカが湧いて出るのではないのだろうか。 しかしこの意識改革は相当根深そう



(コメンテーターがテレビで普通に発言しているのに誰もつっこまないもんなぁ)。



 と、結局ダークな気持ちになってしまうのだが・・・何故見てしまうのだろうか。


posted by かしこん at 05:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

天才スピヴェット/THE YOUNG AND PRODIGIOUS T.S. S



 あ、原題切れちゃった、“THE YOUNG AND PRODIGIOUS T.S. SPIVET”(英題)



“L'EXTRAVAGANT VOYAGE DU JEUNE ET PRODIGIEUX T.S. SPIVET”



(仏題)
です。 あたしが見た方は台詞は英語・英題でした。



 ジャン=ピエール・ジュネが3Dにかけた魔法!、みたいなことを予告で言っていましたが、



神戸市内では(というかシネ・リーブル神戸では)2Dのみ上映ということで、会員サービス



デイに1000円で鑑賞。 というか、いつもあたしはサービスデイ狙い(もっぱら金曜日)



なんですけれども。 それでも3D感、2Dでも十分堪能できました。



   泣き方だけが、わからない。

     10歳の天才科学者、都へ行く。

     弟の死で、家族の心にポッカリと空いた穴を埋めるため――



 モンタナ州のある牧場に暮らすスピヴェット一家。 天才的なひらめきと、すでにそれを



理論化する術を持つ10歳の少年T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)だが、年頃の



子供としては自分が普通ではないことも知っていた。 まったく似ていない双子の弟とは



仲がいいが、あたかも時代に遅れてきたカウボーイである父のお気に入りで、母は虫を



追いかけてばかりの学者、姉はアイドルを目指してテレビ番組三昧。 家庭内でもT・Sの



居場所はないように思える。



   でも一応、しあわせな家族の風。



 そんなある日、弟が父の猟銃で遊んでいて、誤って死亡。



 家族内の空気は一気に変わり、特に父の最愛の息子であった弟の死は、T・Sに「ぼくが



死ねばよかった」と思わせるほど。



 だから、スミソニアン学術協会からベアード賞(その年のもっともすぐれた発明に贈られる



公募賞)受賞の知らせを受けたT・Sは、黙って家を出て、モンタナから首都までの旅路を



行くのだった・・・という話。



 一見、ほのぼの話に思えるけど(勿論、そういう要素もあるんだけれど)、よく考えたら



かなりブラック。 T・Sも頭脳明晰だけれど所詮10歳なので他人の心を慮ることができない



(つまり完璧な“いい子”ではない)、というエクスキューズはあるものの、結果的に「親が



しっかりしていないとそのツケは全部子供にまわる」という話なのだ! それもまた、本物の



銃を子供のおもちゃにしてしまう(実際に子供の手の届くところに銃が存在する)アメリカ



社会への風刺、なのであろうか。



   3D効果は、T・Sの空想・想像を表現する手段。



 そのへんが飛び出す絵本のようでとても楽しい。 T・Sのひらめきを現実に反映させる



のにも効果的。 結構コメディ要素も強いし、さりげなく詩情もあったりして。



 母親役のヘレナ・ボナム=カーターは、ヘンな扮装していなければ普通にいい感じなので、



この映画でもやりすぎることなくいい感じで。 でも虫の分類に命をかけるようなヘンな人



なんだけど。



 息子の内緒の冒険がきっかけで一家が再生する、という話ではあるものの、もともとの



家族がまともではないので・・・むしろ、T・Sが精神的に自立する物語、なのかも。



 映像的にはかわいらしくてファンタスティックなのに、本質にダークなものが詰まってる。



そのアンバランスさが実にジャン=ピエール・ジュネなんだろうなぁ。


posted by かしこん at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月13日

トネイロ会の非殺人事件/小川一水

 短編3つのさほど厚くない本、しかもそれぞれ面白い、となると、短い通勤時間&誰かと一緒にならない休憩時間で、サクッと読めてしまうものなんですね。

  トネイロ会の.jpg イラストレーター、見てみたら中村佑介だった・・・。
    あたしは誰と間違えたのか・・・。

 一編目『星風よ、淀みに吹け』は、月面上での作業を想定し、地球上につくった完全閉鎖環境の中で生活する6人の男女のなかで起きる殺人事件、という“クローズドサークル”ものだけど、設定そのものにはSFマインドが。
 二編目、『くばり神の紀』はなんだか高階良子『竜神氏の遺産』を思わせるものが。
 しかし今作のヒロインは助け手の導きに従うなんてこともなく、自力で謎をほぼ解明するというたくましさ。 バイオホラーになってもおかしくない内容なのに、どことなく日本の民話調というか、どことなくほのぼのした読後感に。
 『トネイロ会の非殺人事件』が分量的にはいちばん多いのかな(それでもせいぜい20ページ多いくらいか)。 ここではSFぽさはゼロ、人間の心理的駆け引きで全編引っ張り、いくつかのどんでん返しを挟みつつ、“殺人事件”を扱いながら妙にさわやかというか、『星風よ、淀みに吹け』もそうなんだけど、ちょっと青春ミステリ的な香りがするのですよ。
 ハヤカワ文庫で読む小川一水とちょっと違って、興味深く面白かったです。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月12日

最近、ネットが不調

 どうもこの頃、「インターネットに接続できません」なことが多い。
 そのたびにルーターの電源を引っこ抜く(無線LANのルーターもあるので二つ分)。
 一応、<J:comのほうの電源を抜き、次に無線LANルーターの電源を抜く> → <10秒以上待って、逆の順番でコンセントを差し込む>という手順がよい、と最初に聞いたような気がするのでそれを地道に守っています(それでも直らない場合はサポートセンターに電話、で、これまで2回ほど、J:comのルーターを取り替えてもらっています)。
 で、ここ最近も<電源引っこ抜く>で解決はしているのですが・・・その頻度が明らかに高くない?、と。
 部屋の空気が乾燥しているから、静電気がたまりやすいんだろうか・・・(洗濯物を部屋干しとかしてるんだけどな)。
 それにしても、あまり時間のないときや疲れ気味なときに、パソコン立ち上げたらネットつながらないって・・・電源引っこ抜く気力もわかないときが(PCの部屋とルーターのある部屋が別なので)。
 最近、更新が遅れ気味なのはそのせいもあります。 いや、基本、自分の怠惰のせいなんですけど。

2014年12月11日

ニンフォマニアック Vol.1&2/NYMPHOMANIAC:VOL.T&U

 ラース・フォン・トリアーにはこれまでにも痛い目にあわされてきたので、「今度こそ!」みたいな気持ちになり、あたかも仇打ちのような気分で新作を追いかけてしまう。
 しかし今回、<色情狂と自認する女性の物語>と紹介されちゃったら抵抗がないわけではないのだが、結局2週にわけて前・後編を見てしまいましたよ(意外に、というか女性の一人客が多くてうれしかった)。
 窓から見える裏路地に降りしきる雪、しかし無音という画面がしばらく続き、突然ほとばしるエレキギターの音。 ハードロック?!、ラース・フォン・トリアーがハードロック使う?!、ということにまずびっくり(冒頭からね)。 これまでの作品とはちょっと違うぞ、と言われている感じ。 どこか『ドッグヴィル』を思わせるセット感の強い裏路地を画面は動きまわり、ボロ布のように倒れている女性をあたかも死体のように映し出す。 結構ここまで長いですが、『アンチクライスト』『メランコリア』ほどではなかったな〜(ついオープニングに仕掛けがあるのではないかと身構えるあたし)。
 そこを通りがかりの男セリグマン(ステラン・スカルスガルド)に助けられ、彼の家でお茶を振る舞われ、意識をはっきりさせたジョー(シャルロット・ゲンズブール)は、彼を相手に「何故このような状態になったのか」を彼女の幼少期から遡って語り始める・・・という話。

  ニンフォマニアックP1.jpg 愛なんて、教わっていない。

 ジョーのナンパ話に対し、大真面目に魚釣りとの類似性を語るセリグマン。 思わず『娘たちのための狩りと釣りの手引き』を思い出してしまったのはあたしだけ?
 自虐的に、バカにしてほしくて過去を語るジョーなのに、すべてを学術的視点に近い形で受け止めようとするセリグマンの姿勢にあたしは大変好感を覚え。 知的好奇心のなせる技というか、知りたい気持ちを追及するが故にやたら真剣になるあたり、ステラン・スカルスガルドが好きなので久々に彼にぴったりというか、不器用なキュートさを醸し出す役柄にあたったよ!、というよろこびがありました。
 なので、ジョーの若き日を体現するステイシー・マーティンが脱ぐまくって文字通り身体を張っているものの、エロさよりはユーモアの度合いのほうが強くて、「どうしたラース、病気、治ったの?」と思ってしまったり。 人間嫌いで過度のうつを発症していた人の手になるとは思えないおおらかさと力強さ。 過去の自己作品のパロディまで入れてくるし(それは過去の自分を肯定できているということか?)。 ということはジョーの遍歴は、実は監督本人の映画遍歴の投影なのかもしれず。

  ニンフォマニアック2.jpeg 1と2を通じて、実質的な主役は彼女(ステイシー・マーティン)であるような気がする。
 セリグマン宅でのジョーとセリグマンの会話は舞台劇の趣き、回想シーン(というか二人の言葉がイメージ映像化される形)はヨーロッパ映画の感じ。 でも音楽はちょっとアメリカ、というごちゃ混ぜ感も悪くなかった。
 あ、Vol.1の続きがそのままVol.2なので(2で1のダイジェスト的なものは一切ない)、パワーのある方は引き続き見てください(あたしはスケジュール的な問題があって2を翌週に見ましたけど、映画館では1のあとに2を続けて上映していたので、一日で見た人たちがどちらの日も何人かいらっしゃいました)。
 で、実はなかなかの豪華キャストでして。
 トリアー組常連さんたちに加えて、意外な新顔も!

  ニンフォマニアックP2.jpg 性に目覚め、性に溺れ、愛を忘れた。

 まさかシャイア・ラブーフをここで見ようとは! 一時期プライベートでの素行不良でいくつかの企画から外されたとか噂があったけど、その間ここで修行(?)して心を入れ替えたんですかね? ジョーにとっての“運命の相手”ジェロームというかなり重要な役柄(勿論、彼もバンバン身体張ってます)。
 ジェイミー・ベルは「ぎゃー、なにやってんの!」と叫びたくなるような役柄で・・・でもあの名作『ディア・ウェンディ』の脚本はラース・フォン・トリアーだったからつながりがないわけではないのよね・・・と納得。
 いちばん不思議だったのは、ジョーの父親役でクリスチャン・スレーターが出ていたことでした(なんかすごく久し振りに見たかも!)。
 まぁ、エログロてんこ盛りで相変わらず悪趣味要素はあるものの、珍しく美しく物語が閉まるんじゃない?、と期待したあたしがバカでした。 閉ざされた白い扉が不自然なほど長く映され、「やめてー、そこ、扉、開いちゃダメ〜!」というあたしの心の叫びもむなしく扉は開き、そうなるような気はしていたけどそうなってほしくない怒濤の終幕へと。
 ・・・まぁ、それでこそラース・フォン・トリアーなんですけど。
 ステラン・スカルスガルド、当たり役!、と思っていただけにダメージは大きい・・・。
 結局、あたしはまた負けを抱えたような気がする。

ラベル:外国映画 映画館
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2014年12月10日

今日は2冊。

 今日は仕事で、神戸市内の某大学へ。
 ついでに大学生協購買の書籍部を見せてもらったら・・・なんと『このミス』の在庫が2冊!
 思わず、案内してくれた職員の方に聞いてしまう。
 「これは、売れたから今は2冊だけですか? それとも最初から入荷が2冊?」
 なんと、入荷が2冊だったのである(発売日なのに!)。
 かなりそこそこな規模の大学で、これ? うちの近所のブックキオスクでももっと置いてあるし、あたしが大学生のときはそれこそ大学生協の書籍部で毎年買っていたけれど、いつも10冊以上は平台に積まれていたような・・・。 「大学生が本を読まない」と言われて久しいですが(あたしのときも言われてた)、実際、その傾向はどんどん進んでいるのかも。
 それとも、『このミス』の価値が下がっているということかも。

  このミス2015.jpeg このミステリーがすごい! 2015年版
 最近はあたし自身も惰性で買ってるところ、ありますし・・・「あぁ、12月だなぁ」という季節の風物詩的な。 出版各社の<来年の隠し玉>(目玉となる海外翻訳ものの紹介)コーナー目当てで読んでいるといっても過言ではない。 それにしても読んだことのない日本人作家、どんどん増えてるなぁ、と毎年感じるのであった。

  トネイロ会の.jpg トネイロ会の非殺人事件/小川一水
    この表紙の人、昔、赤川次郎の表紙をよく描いていた人では。

 小川一水が『殺人事件』と名のつくものを書くなんて!
 中身は短編3つ収録。 内容的にはミステリらしい。 最近手薄なSFミステリ分野を広げてくれるならよろこばしいことですし、ミステリならばそれはそれでOKです。

ラベル:このミス 新刊
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2014年12月09日

ころもがえ

 最近、どうも冷えるなぁ・・・と家の中で感じておりましたが、まぁそれもそういう季節だから仕方がないかと考えていて。
 ふと気づいたら部屋着&パジャマが春夏物のままだった!
 そりゃ冷えると感じるわけだよ、と、以前購入しておいた(セール品)ボアフリースのパジャマを出してきて着替える。
 ・・・なんか、暑い! ( ← 慣れていないので)
 スキーウェアか!、ぐらいのモコモコ感(まだ最初の一回しか洗濯をしていないため、そのうちそれも弱まると思いますが)。
 こういううっかりで風邪などひいたら泣くに泣けない、と思いました。
 いまのうちに気づけてよかった、ぐらいの気持ちで、今シーズンはこれを着倒す所存。

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2014年12月08日

むしのほん/エドワード・ゴーリー

 なんと、ゴーリーの新作(未訳本)が!
 クリスマス商戦なのか絵本コーナーが拡充されていると思ったら、新作が出ているとは!
 実はゴーリーブームなのかしら(『ハヤカワミステリマガジン』でもエドワード・ゴーリーを特集してたし)。 これで柴田元幸さんが(というか河出書房新社が)本腰を入れてくれたら、ゴーリー本は全部邦訳されるのでは?!(いや、さすがに全部は無理だろ、100冊以上あると言われているのだから、と自分ツッコミ)。

  むしのほん.jpeg やたらキュートな雰囲気だし。

 『キャッテゴーリー』にも似たほのぼの感が表紙からも感じられ、前作『蟲の神』と同じく<ムシ>を題材にしながらここまで違うか!、という驚きがある(とはいえ訳者あとがきにもあったが、“bug”“insect”では別物感が強いようだ)。
 今回のコピーは、<生きていくことの怖さと哀しさと美しさを虫たちに託して描いた特別な一冊>。
 ゴーリーにとって初期作品というせいもあるだろうけど、背景が執念深いまでに描きこまれることもなく、シンプルでキュートなライン、なにしろカラフル!
 “あおいむし”・“あかいむし”・“きいろいむし”・“くろいむし”が登場するのでやはり色は重要です。 そんな虫たちのほのぼの日常を描きつつ、日常に入った亀裂とその残酷な対処法がさらりと提示され、またほのぼの風に終わるという・・・。 シンプルながらやはりゴーリー節は全開なのでした。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月07日

今日は7冊。

 読むのが追い付いていないのに、またしても本を買ってしまっています・・・。
 なんなの、「もう12月」ってことにちょっと焦っているのかしら。 今年、あと何冊読めるかしら的な。
 いえ、そもそもの目的はこれだったんです。

  災厄の町新版.jpeg 災厄の町【新訳版】/エラリイ・クイーン
 クイーンの<国名シリーズ>の新訳版は創元推理文庫で買い揃えてきておりますが、ついに<ライツヴィルもの>にも新訳が! こっちはハヤカワ文庫で読んできたので、ハヤカワを買う。 やっぱり読み慣れたというか、親しみのある方を選んでしまいますね(ちなみに創元推理文庫ではエラリー、ハヤカワ文庫ではエラリイ表記になってます)。
 実は『配達されない三通の手紙』のほうを子供のときに金曜ロードショーで先に見ているわけなのですが、比較的原作に忠実なのに同じ作品とはまったく思えない、という素晴らしいことに。 ちょっとドロドロしてますが、あの映画はあの映画であたしは好きです。
 しかしこの勢いで<ライツヴィルもの>の新訳が出続けたら、きっとあたしは買ってしまうんだろうな・・・。 ま、どうせ読み返すなら、新訳のほうがいいし♪

  ホテルピーベリー.jpeg ホテル・ピーベリー/近藤史恵
 『さよならの手口』が面白かったので、鮎哲賞つながりで思い出した近藤史恵新刊。
 あの頃は北村薫・加納朋子・若竹七海・有栖川有栖などと鮎哲賞関連出身者はレベルが高かった、というか好みでした。 世間的には近藤史恵は『サクリファイス』と思われますが、あたしには『凍える島』のイメージなのです。

  さすらい赤川次郎.jpg さすらい/赤川次郎
 そんな懐かしイメージに刺激されて。 国を追われた作家が放浪するという、赤川次郎としてはめずらしい社会派作品、みたいなことが帯に書いてありますが、かつての『プロメテウスの乙女』なんかもそうだったと思うけど・・・ユーモアミステリーのイメージを出版社が押しつけた結果、異色の作品と言われてしまっているだけで、実際はそんなに異色ではないのでは? 確かめるために、購入。

  最後の敵.jpeg 最後の敵/山田正紀
 実は最近、電子書籍のセールで山田正紀の初期の作品群をちょっと買いこみましてですね・・・(あと光瀬龍とか半村良とか、そういう時代のやつを)。 第3回日本SF大賞受賞作、復刊!、ということで、ある時点での山田正紀SFの集大成だな、と思い、初期作品と読み比べてみたい感じで。

  ソクラテスの妻.jpeg ソクラテスの妻/柳広司
 そしたら柳広司の新刊も出てるんだもんね! 手に取ったらあまりに薄くてびっくりしたけど。 ギリシャ哲学関係の小話集ということで、多分あたし好みでしょう。

  ジーヴス.jpg ジーヴス狂騒紳士録/勝田文
 P・G・ウッドハウスの<ジーヴス・シリーズ>のコミック版、新刊。 コミックスとしてはこれが最終巻になるらしい。 まぁ、結構絵的に似たようなエピソードになってしまうから、すべての物語をマンガにするのは不可能だとは思っていましたが思ったより早かったかも。
 そういえば最近、舞台化されましたが、ジーヴス役が里見浩太朗ということにすごくうけた・・・(『リーガル・ハイ』の感じにちょっとした冷淡さが加わればぴったり!)。 バーティーはウエンツくんだそうで、それも似合う。 WOWOWで放送してくれないかな、と実はひそかに願っている。

  堕天使のコード.jpeg 堕天使のコード/アンドリュー・パイパー
 そのへんでやめとけばいいのに、結局翻訳ものをもう一冊。
 <国際スリラー作家協会・最優秀長編賞受賞>とか帯に書かれたら気になって仕方がない。 しかも舞台はベネツィア、ミルトンの『失楽園』がらみ、行方不明になる11歳の娘、とかあらすじからいかにも要素満載!
 で、こちらは新潮文庫なのですが・・・いつからしおりひもが金色に?!(多分黄色なんだけど、鮮やか過ぎて金色に見えるよ)
 新潮文庫創刊100周年というチラシが入っていたのでそのせいだと思われますが・・・いつからあたし、新潮文庫買ってなかった? それとも読んでないから気づいてなかった?
 いろんな意味で、自分にがっかり。

ラベル:マンガ 新刊
posted by かしこん at 10:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする