2014年11月27日

ドラキュラZERO/DRACULA UNTOLD

 ヴァンパイアブームもヴラド大公に遡るまで行きついたのか、というのが映画館でこのチラシを見たときの率直な感想。 そもそも“ドラキュラ=吸血鬼”という意味として子供の頃から使ってましたけどね(クリストファー・リーのドラキュラ映画を、日曜の午後とかテレビで見てたし。 それであたしは『サスペリア』とかも見ていたんだから、まったくいい時代でしたね)。 基本的にはホラーも好きだし、歴史絡んだヴァンパイア物なら尚のことだし、おまけに主役は『ホビット 竜に奪われた王国』で非常にいい味を見せてくれた(三作目の予告でもう泣きそうです)ルーク・エヴァンスとなれば、時代モノの雰囲気が似合いそう!、ということでちょっと期待して出かけました。
 こういう映画こそ、レイトショーだぜ。

  ドラキュラゼロP.jpeg その男、悪にして英雄。

 時代は15世紀半ば。 トランシルヴァニア地方を治めていた大公ヴラド・ドラキュラ(ルーク・エヴァンス)は、平和を愛し、国を栄えさせ、領民からも慕われていた。 が、彼には幼少時にオスマン帝国に人質として送られ、徹底して殺人術をたたきこまれて“串刺し公”と呼ばれるほどの残忍さを戦場で発揮した過去があった。 だからこそ平和を愛し、自分の家族・領民にはそんな目には遭わせないと固く誓っていたのだが、当時の戦場仲間で現在はオスマン帝国の皇帝となったメフメト2世(ドミニク・クーパー)がやってきて、ヨーロッパ征服のために兵となる少年を、ヴラドの息子を含めて千人差し出せと言ってきた。 頑として断るヴラドだが、家臣の者たちは「あれだけの大国に逆らう力がこの国にはありません」とオスマン帝国のいいなりになろうとするばかり。 追い詰められたヴラドは、先日異変を感じた洞窟に再び赴き、古代よりの“絶対的な闇の力”と契約を交わすことに。

  ドラキュラゼロ6.jpg そんなわけで、こいつら大変イヤなやつらです。
 メフメト2世がものすごくふてぶてしいし、オスマン帝国の軍人たちは兵力をかさにきてみんなムカつくやつらばかり。 逃げ道のないヴラドがかわいそうになってしまうのですが、あまりにもオスマン帝国側をひどく描き過ぎてて、「これってイスラム側を叩きたい口実?」とか勘繰ってしまいたくなるほど。 <太古の闇の存在:ヴァンパイア>の悪の度合いがかすんでしまうほどなんだもん(そこをフォローするためにあのエンディングをつけたのかな? おかげで歴史物が一気にB級映画になったけど)。

  ドラキュラゼロ5.jpg その代わり、闇の力を得てからの“串刺し公”再び、の描写や、予告CMでも使われていたコウモリの大群が集合してヴラドになるなどの場面は大変素晴らしい。
 ルーク・エヴァンスも大変かっこいいし!
 ただ、ヴラド・ドラキュラという人物については魅力的ではあれど、契約を交わしてしまった段階でもうそこがオチといっても過言ではないわけで。 どう決着をつけるのかなぁ・・・というもっとも重要なところがいまひとつかなしい感じで。 本来の歴史との整合性はあるものの、なんか駆け足だなぁ、という印象。 そう、オープニングもヴラドの息子による少々早口のナレーションで背景設定説明をさらっと流してしまっていたし。
 なんか、時間配分間違った? 編集をミスった? そんな気がしないでもなく・・・もっといいものができたような気がしてならない。 もったいない!
 ただ、“ドラキュラ=ドラクル(竜)の息子”という意味であることは再三強調され、それがわかったのはよかったです。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする