たとえばジェフリー・ディーヴァーの新刊が並ぶと「秋だなぁ」と思う。 実は本屋の新刊棚にも季節感が存在する。 多分、定期的に書店に通う人ならそれぞれの季節ポイントをもっているはず。 そして11月・12月の定番ともいえるマイクル・コナリー新刊も、来週出るみたいです。
リンカーン・ライムシリーズ、キャサリン・ダンスシリーズと、最近は周回遅れで読むことが定番化しつつあるあたし。 でもドン・ウィンズロウがトレヴィニアン『シブミ』の前日譚を書いたものを買ってしまっているので、なんとなくこれも持っておこうかな、みたいな。 なんなのあたし、コレクター?
なんとものすごくお久し振りに葉村晶が帰って来た! しかも文庫書き下ろしとは、ラッキー! あとがきによれば、前作『悪いうさぎ』は13年前だそうである・・・。 出てすぐ読んだわけではないのであたし自身はそこまでのインターバルではなかったけど、洒落にならない後味の悪さはしばらく引きずりました。 若竹七海は“日常の謎”系統の作品でデビューしたし、初期の頃は甘さもあったし、コージー的作品も多くあれど、誰しも<心の中の冷たい何か>を持っている、という手ひどい読後感が彼女の真骨頂ではないかと思う。 でもクールさが救いというか、あざとさがあまり感じられないのが昨今隆盛気味の<イヤミス>とは一線を画すところ、ではないかしら。
つまり個人的には湊かなえは読もうとは思わないけど、若竹七海は読もうと思う、ということです(ドラマ『Nのために』はドキドキして見てますけど)。
ついにハヤカワ文庫も皆川博子の短編集を出すように(親本は講談社)。
ハヤカワでは長編のイメージがあるのですが、<皆川博子推し>のためには短編集もほしいところですかね。 あたしは『双頭のバビロン』と『アルモニカ・ディアボリカ』の文庫化をお待ちしております。
タイトルはボーイスカウト第52隊の意味でしょう。 “カタカナ+数字”というタイトリング、結構あります。 <14歳の少年たちを襲った恐怖を描く正統派ホラーの傑作>という裏表紙の言葉に惹かれ。 600ページ弱のボリュームをそれだけで引っ張れるのか?!
ちなみにニック・カッターとはクレイグ・デイヴィッドソンの別名義だそうである。
まるで対をなすような、こっちは少女たちのひどい話。 そして同じくらいの厚さなんだな、こっちも。 是非読み比べたい!
これはまだ文庫になるとは思っていなかったのでびっくり(ハードカバー出てから一年半ぐらいしかたっていないのでは?)。 『虐殺器官』・『ハーモニー』のアニメ映画化決定への勢いに乗っかる感じかしら。 あたしにはありがたい誤算でしたけど。
伊藤氏生前の円城氏との対談を読んだことがある身としては、円城氏によるあとがきに、そんなに仲が良かったわけではないみたいな感じのことが書かれていることに驚いた。 つきあいは短かったかもしれないけど、すごく二人に通じるものがあったような記憶があるから(だから編集者も中断したこの作品の続きを書く相手として円城氏を選んだのであろう)。 が、伝説となった存在と引き合いに出されるのはつらい、という本心なのかもしれず。 芥川賞もらっても、勝った気にはなれないんだろうな。
なんだかしみじみしてしまったり、後味悪そうなものばかり買うことになっちゃったよ、ということでお口直しに。 もともとの本は以前、妹から借りて読んだことがあるのではあるが、多分結構忘れてるし。 「本が好きなら本屋で働けばいいじゃない」と言われることもあるのだが、そうしたら多分あたしは今以上に本を買いこんでしまうことになるであろうし、書店業界にもある黒い話(書店員さんのPOPは大半やらせ・仕掛けであるなど、今でもやんわり耳に入ってくることをもっとダイレクトに知ってしまうのだ!)に踏み込んだら逆に出版社不信になりそうなのは明白。 なので今の仕事を失ったとしても、書店員にはならない! 同様に、映画館で働く気もない(ただで映画は見られるらしいが、そんな時間はあまりないらしい)。 好きなものを支えるためには、客でいることがいちばんの貢献になるかと。
結構お金、使っちゃいましたし。