2014年11月02日

ジャージー・ボーイズ/JERSEY BOYS

 予告で『君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You )』が使われていて、「この人たちがオリジナルなの!」と驚いて、見るのを決めた(しかも予告ナレーションは小林克也だったし)。 ブロードウェイミュージカル作品の映画化、とのことだが、クリント・イーストウッドならただのミュージカル映画にはしないだろうとの期待もあって。

  ジャージーボーイズP.jpg クリント・イーストウッドがあの傑作ミュージカルを映画化するなんて夢のようだ。
    夢、栄光と挫折――それでも僕らは歌い続ける。

 あのビートルズよりも先に、世界を席巻した自分たちで曲を書いて歌った4人組・“ザ・フォー・シーズンズ”。 彼らの人生をモデルにつくられたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』はトニー賞も獲り、2005年の初演以来現在もロングラン上演中。 それをあえて映画化する意味とは?
 でもイーストウッドは音楽とヴォーカルの大切さがいちばんだとわかっているかのように、メインキャストはブロードウェイ版と同じ人を起用(舞台と違って、映画で16歳設定から始めるのは無理があったけど・・・)。 オリジナルの<ザ・フォー・シーズンズ>を知らないあたしですが、大変楽しめました。 露骨にミュージカルじゃないのもよかったし。
 『ジャージー・ボーイズ』とはメンバーがニュージャージー出身であることから。
 1950年周辺、ニュージャージーの特に貧困地域に住んでいた彼らは、そこから抜け出すにはマフィアになるか軍隊に入るか、スターになるしか選択肢はなかった。 チンピラに過ぎないトミー(ヴィンセント・ピアッツァ)だが、スターを夢見て毎晩バーのステージに立つ。
 ある日、“天使の歌声”を持つフランキー(ジョン・ロイド・ヤング)が現れ、さらにシンガーソングライターの才能を持つボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)も登場し、ベース担当のニック・マッシ(マイケル・ロメンダ)とともに、無敵のハーモニーが完成する。

  ジャージーボーイズ2.jpg プロデューサーに新曲を電話を通じて聴かせることも。

 オリジナルはミュージカル、とはいえ、歌うのは歌手としてなのでほぼストレートプレイと変わりない。 <歌合せ> → <レコーディング> → <TV出演での発表演奏>と続く流れに、同じ歌が繰り返されるのを飽きさせないためか、本番中にメンバーの独白を入れてみたりと演劇的工夫が。 こういうミュージカルならば、大歓迎でございます。
 瞬く間にスターダムに乗る、というあたりは「みなさん、だいたい想像がつきますよね」とばかりに描き過ぎず、大胆に省略。 栄光からの転落部分も華やかさから遠い場所を描くことで伝える。 彼ら4人の信頼関係がどう培われ、どう壊れていったのか、むしろそちらに重点が。
 ここでキーマンになるのが町を牛耳る実力者ジップ・デカルロ(クリストファー・ウォーケン)。
 彼は最初からフランキーの才能を見抜いていた人だが・・・イタリア系に優しいし、もしかしてゴッドファーザーのモデルの人? そう考えるとマフィアと芸能界の深いつながりのようなものも見えてくる(ドラマ『ケネディ家の人々』では若きフランク・シナトラがマフィア(それともギャング?)の使いっぱしりとして出ていたし)。

  ジャージーボーイズ1.jpg それでも彼らは確かに一世を風靡したのだ。

 『君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You )』を初めて聴いたのは子供の頃、多分誰か女性グループのカバー。 ただの底抜けに明るいラブソングだと思ってた。 でも6・7年ほど前にミューズがカバーしたこの曲を聴いて、ノー天気な歌詞の奥に壮絶な何かが秘められているのを初めて感じて、この曲への認識を新たにした。
 そしてこの映画でこの歌がどうやって生まれたのかを知って・・・涙が出た。
 人に歴史あり、ですが、楽曲にも歴史あり。
 あぁ、これはサントラほしいかも。 改めて“ザ・フォー・シーズンズ”聴きたいかも。
 クリント・イーストウッド、なんて正しい音楽映画をつくってくれたんだ!
 エンドロールで、唯一といっていい“ミュージカル風演出”が取り入れられていた。 これくらいならば許容範囲です。 というか、音楽に合わせて軽快にステップを踏んでいるクリストファー・ウォーケン、キュートすぎ!

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする