2014年10月22日

アンナプルナ南壁 7400mの男たち/PURA VIDA

 ドキュメンタリー、続いています。 山モノも、また。
 今回の舞台はヒマラヤ山系のアンナプルナ。 2008年5月に起こった、山頂へ向かう途中に高山病で倒れた高名な登山家を救出しようとしたサミッターたち12人の行動と、その後にそのときを振り返るインタビューで構成。 リアルタイムの映像が結構残っているのが、さすが最近の出来事って感じ(登頂した証明として自撮りしている方々が多いのであろう)。

  アンナプルナ南壁P.jpg 一人の男を救うために、世界10ヵ国の登山家が集結した。
     “生きること”を感じる、感動のドキュメンタリー!

 アンナプルナは8000m峰としてはわりとギリギリの8,091m(世界で第10位)。
 なのに別名“キラーマウンテン”と呼ばれるほど死亡率が高い(10人中4人の割合で死んでいるらしい。 実際、最近も雪崩で多くの人が亡くなりましたよね・・・)のは、東西50kmにもわたる連峰で山頂へのルートはほぼ壁、雪崩が発生しやすい構造でもあるため。 エベレストを何回も登頂している人でもアンナプルナには歯が立たないなど、難易度的には最高峰といわれる山。 なんでそんなところに登りたいんですかね・・・ということで、いつもの動機により鑑賞。

  アンナプルナ南壁1.jpg こんなところを登るなんて・・・想像するだけで眩暈が。

 スペインのベテラン登山家イナキは、アンナプルナへのアタックの途中、7400mあたりで高山病の兆候を示す。 同行者のホリアがベースキャンプにSOSを出し、ベースキャンプからイナキ救出作戦依頼がネパールのツアーガイドに入り、たまたまアンナプルナ周辺にいたサミッターたち12人がそれぞれの登山計画を打ち捨てて、勿論ノーギャラでイナキの救出に向かうのであった。
 サミッター(8000m峰以上の山を主に狙う人)たちは全体数がそれほど多くないせいか、友人だったり、知り合いだったり、顔見知りだったりする。 そして山の上では何が起こるかわからないとわかっているからか、とるものもとりあえず駆け付ける。 でも本人たちは当然のことをしていると思っている。 あとからあの事故を振り返るインタビューでは、自然体あふれる名言が満載で、「なんで山なんか登っちゃうんですか?」というあたしの失礼すぎる疑問になんとなくの答えをくれたように思う。

  アンナプルナ南壁4.jpg 普通の人だけど、求道者の本質が。

 彼らは山に登ることが特別だ、とは思っていない。 あくまで日常生活の一部で、人生の全部ではない、と淡々と語る人が多い。 でも結果的には些細な日常の一部で命を落とす可能性もあるわけで・・・でもそれは、山登りをしない人が事故にあったり、いきなり心臓発作を起こして倒れたりするのと一緒、と思っているってこと?
 それはつまり・・・あたしにとって本を読むことや映画を見ることと、彼らの“山登り”は同じような存在なのか!、と、ある意味、カルチャーショック(いや、同じ次元で話していい話題ではないことはわかってはいるのだが)。 今の本を読んだら次の本を読む。 別に多大な決心のもと本選びをしているわけではなく(その時々の気分で左右されることはあるが)、あくまで本を読むのはあたしの生活の一部というか習慣というか、やってて当たり前のこと。 彼らにとっても、そういうことなのか・・・。
 なんだかこれまで登山関係の本をいろいろと読み漁ったり関連する映画を見倒したりしてきましたが、初めて心から腑に落ちた、という気がしました。 勿論、彼らのほうがずっと人格的にずっと高潔ですけどね。

posted by かしこん at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする