2014年09月30日

海を感じる時

 原作は未読。 “文学上の事件”と呼ばれた衝撃作とのことですが・・・すみません、知りませんでした(1978年発表だそうで、そりゃ覚えているはずがない)。  最近(でもないが)でいうとしたら、『蹴りたい背中』『蛇とピアス』が芥川賞を同時授賞したときみたいな感じ?(もはや比較対象が正しいのかすらさえあやしい)
 「君が好きな訳じゃない。 ただ女の躰に興味があっただけなんだ」と言い放つ先輩・洋(池松壮亮)に、かつてから抱いていた淡い恋心が明確な恋に変化してしまった主人公・恵美子(市川由衣)の、後悔のないほど見返りを求めない愛に殉じたある時期と、そこからの自立を描いた作品、とでも言ったらいいのでしょうか。

  海を感じる時P.jpg 充たされたいのはこころ。

 二人は高校の新聞部の先輩後輩なのだが、この二人が住むのは地方の海辺の町。
 しかし、散歩していて堤防に辿り着くまで“海辺の町”であることに全然気付かなかった! あたしはわりと海が近いところに住んでいたので、風や雲や空や、何かで海が近いことを感じさせるものに気づけると思っていたのでショックを受けた・・・まぁ、低予算映画なのでロケが難しいとか物理的な理由があるような気がするが、だったらせめてさりげなく台詞などに込めてほしかった。 はっきりと海が出てきて、『海を感じる時』ではあまりに直接的すぎる。 文学ってそういうもんじゃないでしょ、的な。
 内容としては・・・主人公の行動をどこまで理解できるか、理解は無理でも共感できるか、理解も共感もできなくても「あぁ、そういうことってあるかもね」と見る側が感じられるのかどうかにかかっている(そうでなければ、主人公はただのイタイ女か都合がいいだけの女になってしまう)。
 あたしはなんというか・・・「好き」って先に言った(もしくは自覚した)ほうが恋愛においては負けなんだな、ということを改めて実感(「恋愛は勝ち負けではない」と言い切れる人は、もはやそれだけで勝者といえよう)。
 彼女は恋情を告白した。 彼がいかにつれなくしようと、追いかけ続けた。
 見返りは求めず、ただ彼の求めに応じ続けた。
 それって、片想いと同じようなもので、つらいけど実は楽なのです。 ただその分、自分の中でどんどん「愛とは何か」的疑問が膨らみ、思考が先走る。
 しかし彼は男なので、そして自分から好きになったわけではない(と思っている)ので、その関係性がとても楽に感じられて、次第に彼女への思いを自覚し始める。 でもその頃には、彼女と彼の間では思いの種類や深さが相当違ってしまっているのですよ。

  海を感じる時1.jpg だから、ぶつかる。
 女は思い詰めすぎ、男は深く考えなさすぎ、とよく言われたりするが、これもまたそういう話だったといえるのかも。 中上健次『軽蔑』にも通じるテーマですかね。 というか、男と女の永遠のすれ違い、というのは世界中の文学の主要のテーマの一つなのでしょう。
 彼女は覚悟を決めて、この愛に殉じることにした。 しかし彼の思いはそこまで研ぎすまされているの? 私に匹敵するほど私を思っているの? これまでのつれない態度をチャラにしてのんきに先に進むつもり?、というような理不尽感が彼女の全身からあふれてくる終盤は、まさに若さ故の傷つきやすさや繊細さ・不器用さのあらわれで、見返りを求めないと心に決めていても、その潔さに自分の価値を見出したいと思っていても、わずかな期待は残ってしまう。 あーあ、相手を許すこと・受け入れることを学べば、幸せになれたかもしれないのに。 でも、幸せってなんなんだろう。 好きな彼と形だけでもつきあっていたというのに、後半は同棲もしていたというのに、彼女は全然幸せそうじゃなかった。 むしろ自分自身でかけてしまった呪縛にずっととらわれて、彼の変化に気付かなかった(認めたくなかった)ようにも見えた。
 純粋な片想いを、終わらせたくなかったのかもしれない。 それは自分にとって、特別なものだから。
 そんな風に思えるほど、恋愛感情に疎いあたしでですらもトシをとった、ということなのかもしれません。 多分、高校生のときにこの原作を読んでいたら、すごく腹が立っていたかもしれないし。 でもそれも含めて、70年代の空気、なのかも。 今はいろんな意味で恋愛はかなり自由になったように思えるけれど、昔ながらの固定観念もまだまだ幅を利かせているから、2014年にこの作品を問いかける意味があると思ったのかも。
 あぁ、なんか、「かも」ばっかりだわ。
 多分、ラストシーンは冬の海を想定していたんだと思う。
 しかしスクリーンに映る空は夏だった。 彼女がキャミソール姿で海に足を浸しても、気持ちよさそうにしか見えない。 寒さや冷たさに耐えて目を覚まし、新しい道を歩き出す彼女の決意表明には見えない。 あぁ、最低限そういうところに予算を回さなきゃいけないなぁ、と思わされた(あたしは映画をつくる予定はありませんが)。
 低予算映画でがんばっている方々は、もって他山の石としてください。
 高校生から20代半ばくらいまでを演じた市川由衣の気合いはとても感じました(ある時期から顔が変わっていたからね)。 池松君もカラダ張った役が続いていますな。
 70年代という時代にこだわった美術などはがんばっていたと思いますが、こだわりが明らかに見えるが故に、あの頃にこんな大輪のガーベラが普通のお花屋さんに売っているかな?、など細かいところが気になってしまいました。
 やはり純文学を映画にするのは、難しいと思う。
 とりあえず原作を読んでみようか、と図書館を検索すれば、結構な予約者がいた・・・原作を読ませよう、という意図からは、この映画は成功といえるのかもしれない。 でも映画単品としては・・・描ききれないものが多すぎるなぁ、という印象。 ま、この映画をきっかけにあたしはいろいろなことに思いを馳せたりしてしまいましたけど。

ラベル:映画館 日本映画
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2014年09月29日

だったらもっと早く・・・

 仕事場の話です。
 Aさん(お局様)が退職する、と発表された。
 8月・9月とかなり出勤日程減らしても、扶養控除内に収めるのが難しいのでは、とご主人さんの会社から厳しく言われてしまったとのこと。
 なんだよ、だったらもっと早くに決めてくれよ!、と思う反面、「あ、あたしのせいか・・・?」と思う自分もいたりして、気持ちが千々乱れております。
 Aさんの後任は新規採用するのではなく、大阪の本部(?)のほうから人が異動してくることに。 ・・・その人も大変な人だったらどうしよう(汗)。
 まぁ、自分たちの仕事をしっかりやるしかないのですけどね。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月28日

今日は7冊。



 いくら文庫でも、分厚いと重いですね・・・。



   ピルグリム 3 遠くの敵/テリー・ヘイズ



 ついに完結編が発売されてしまいました。 しかし訳者あとがきによれば、これは



三部作構想の第一作目なのだとか! 流行っているのか、三部作。



   預言/ダニエル・キイス



 今年6月のダニエル・キイス急逝をふまえての緊急文庫化、というよろこんでいいんだか



どうなんだか、の事態。 彼にとって最後の長編作品(驚異の700ページ越え! 上下巻に



しなかったのがえらい)。



 最初、カバーを一瞬見たとき、上部がワニの上半身に見えてしまったあたしは、ロール



シャッハテストを受けたら恐ろしいことになりそうです。



   瘢痕/トマス・エンゲル



 <北欧から新たにネオ・ハードボイルドの新星登場!>だそうで・・・なんとも言えない



不吉っぽいタイトルに惹かれて。 こいつも600ページ越えの厚さで、ハヤカワの新刊



この三冊で、片手は結構ずっしり。



   悪意の糸/マーガレット・ミラー



 先月の新刊ですが、なんだかずっと気になってて・・・結局、購入。



 マーガレット・ミラーもあたしには名前だけでしか知らない作家(しばらく前からほとんどの



邦訳本が品切れ重版未定状態)。 これを読んでピンときたら、図書館で昔の本を探して



みようというもくろみ。



   ロセアンナ <刑事マルティン・ベック>

       /マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー 柳沢由実子訳




 やっと出ました、マルティン・ベックシリーズの新訳。 『笑う警官【新訳版】』の奥付を



見たら、発行日は去年の9月25日になっていた・・・一年に一冊のペースですか?(汗)



   Papa told me 〜 ココハナver.3

                      薔薇色の休日/榛野なな恵




 着々と新刊がこちらも出ております(ペースはゆっくりですが)。 このゆっくりさ加減も



また、この物語にふさわしい感じがする。



   今月のわんこ生活 4/遠藤淑子



 帯に<最終巻>とあり・・・若干イヤな予感(冷や汗)。



 いや、最近ネタがマンネリになってきたから、“「日常を描くマンガは終わらない」by室山



まゆみ”のように、一区切りつけただけかもしれない、と思うことにして、買う。 それとも、



桑田乃梨子の『ねこしつじ』と巻数を揃えたのか?



 ネコ派が多い気がするマンガ家の中で、イヌ派のマンガ家って珍しく、かつ犬中心の



エッセイマンガも珍しかっただけに、「マンネリかな?」と思いつつ人の犬バカぶりを読むのは



楽しかったのに。


posted by かしこん at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月27日

クライマー パタゴニアの彼方へ/CERRO TORRE



 山モノ、となったら見ずにはいられない。



 しかし今回の舞台はパタゴニアで、基本的にあたしが読む山ルポはアルプス・ヒマラヤ



系統なので今回に関しては知識ゼロ。 ま、ドキュメンタリーだから必要最小限のことは



説明してくれるだろ、と完全受け身で鑑賞。 涼しい光景が見たかった、という気持ちの



方が強かったかも(あぁ、同じような理由で一昨年は『ザ・グレイ』を見たのだったでは



なかっただろうか、そう振り返れば一年・二年はあっという間ですなぁ)。



 そしてドキュメンタリーは、見始めたら続くなぁ(このあと、『アンナプルナ南壁』



控えております)。



   そこにまだ見ぬ世界があるから。



 まずは<難攻不落の山>として有名であるらしいセロトーレについて。 やはりそういう



山(というか岩)にはそういう人が惹かれるのか、“疑惑の初登頂問題”について結構



説明が割かれる。 が、あたしはまず「標高を教えてほしいな・・・」とそれが気になって



仕方がなかった(もしかしたらただあたしが見逃しただけかもしれないのだが、あとで



チラシで確認したら3102mでした)。



 クライミング世界大会で若くして優勝を繰り返すデビッド・ラマは、父親がネパールの



シェルパ族という血にも恵まれたのかクライミング界にたちまち名を馳せる。 彼が次に



選んだのがパタゴニアにあるセロトーレ。 最低限の安全確保のために使うロープ(命綱)



以外は道具はなにも使わず、素手で登頂(登攀?)することを明言した挑戦を追いかける



ドキュメンタリー。



   顔立ちにアジア系を感じます。



 でこぼこを利用して手と足だけで登る、というのは室内でやるボルタリング(?)の延長線



上にあると言えなくはないが、自然の岩が人間の思い通りにでこぼこをつくってくれるとは



限らないわけで。 才能があって挫折を知らない人にありがちな失敗を、デビッド・ラマも



する。 クライミング能力が自分より著しく落ちる相手だけど、仲の良い親友をパートナーに



したのだ。 で、実際に登ってみて、彼が自分の足を引っ張ることに愕然としている。 え、



これまで室内でしかやったことないのか? 実際の山壁に挑戦したことなかったのか!



 というわけで一回目の挑戦は失敗。 二回目は自分と同じくらいの能力を持ち、相性の



合う相手を探して他の山を一緒に登ったりしてから挑戦することに。 普通、一回目も



そこからだろ・・・。



   風雪に煙るセロトーレ。



 ついあたしは8000m級の生存極限状態におけるふるまいの方に興味を持ってしまう



のだけれど、セロトーレでは心配されるのは滑落などだけで、高山病その他の危険は



なさそうなことを感じ取った。 だからあとは、涼しげな雪景色を堪能しました。


posted by かしこん at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月26日

宇宙兄弟 24/小山宙哉



 『宇宙兄弟』の新刊、出ました〜。



 復刻された過去の名作を読んでいると、「こんな短さでよくもまぁ大河ドラマが紡げる



ものだ」と感心してしまうんだけど、ある程度の長さが必要な作品もある。 『宇宙兄弟』は



そんな作品のひとつだと思います(青年誌連載作品は長いものが全般的に多いですけど)。



   今回の主役は、カルロ。



 ムッタも入っている月ミッションチーム“ジョーカーズ”のメンバー、カルロが突然失踪。



原因は彼の過去にあり・・・という話。 カルロのイタリアに戻ってのエピソードは「まるで



浦沢直樹か!」(『MONSTER』のときの)というくらいの完成度。 でも基本、いい話



なのですよね、『宇宙兄弟』は。



 すっかりカルロに持っていかれたかと思いきや、終盤ではシャロンが登場し、ムッタが



主役らしくきっちりと締める。 じんわりと、胸に広がる叙情。



 連載を読んでいるわけではないので、そして週刊誌連載だから単行本の発売ペースも



決して遅くないのですが、やはり続きが待ち遠しいのであります。


posted by かしこん at 04:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月25日

メディアスクラムは何故解消されないのか



 昨日夜中のネットニュースを見て、「むむむ!」と思う。



 TVのニュースを見ればメディアスクラムになっているだろうから、それは見るに堪えない



ので文章のみをチェック。



 会社に行けば、その話題で持ち切り。 小学生のお子様を持つ方もいらっしゃるためも



ある。 「あまりに猟奇的な・・・」というご意見多し。 かつてのサカキバラ事件を思い出す



方もいらっしゃった(あたしはその当時地元にいたので、阪神淡路大震災同様、地元の人の



言葉が聞けるのは内容は残念なことだが貴重な経験であった)。



 お昼前頃、イントラネットでスケジュールを確認していたときに(今の仕事場で使うイントラ



ネットには隅っこに天気とニュースフラッシュ的なものが出る)、「容疑者逮捕」の文字を



見つける。 思わずクリックしてしまった。



 周囲の人に伝言ゲーム、「犯人、捕まったみたいですよ」。



 みな、それぞれパソコンからネットニュースをチェック。



 お昼休みに感想会が開かれる。 「診察券が入ってるってどうなの?」、「推理小説なら



大概真犯人の罠だったりしますけどね」、「捕まりたかったのかなぁ」、「それとも精神障害



的なものをアピールして責任能力なしを狙ってるとか?」、「兵庫県警もメンツがかかって



いるから、確実な証拠もなしに逮捕はしないでしょうけど」



 同じ市内の出来事とはいえ、逮捕されてよかったね、とは誰も言わなかった。



 それだけで済む問題ではないとみな感じていたからだろう。



 そして、誰も遺族やご近所の方々のことには触れなかった。 話題にするまでもなく、



想像がつくからだ。 そしてそれを口に出すことが、こちら側もつらいからだ。 それを、



何故マスコミはわからないのか(いや、現場の人たちはわかっているんだろうけど、



「ヨソが行くんだからウチも行け」の論理から抜け出せないのは、大事件の度に起こる



メディアスクラム検証番組を見ていていいかげんわかる。 そしてそこから先に議論が



進まないのも)。



 帰ってきて、ネットのニュースをしっかりチェック。 むむ、知的障害的なキーワードが



載っているものもある・・・あぁ、げんなり。


posted by かしこん at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月24日

フルスロットル/BRICK MANSIONS



 映画館ロビーの画面で、この映画の予告編が流れていた。 通りすがりの男の子



(小学校低学年?)がじーっと見入ってて、「かっこいい!!」と呟く。 「おとーさん、



おかーさん、見て見てー!」と走って、駐車場に向かう両親を引きとめた。



 その少年の気持ちにつられて、「あー、レイトショーの時間に間に合うな。 見ちゃおう



かな」と思ってしまった(そのとき、あたしは映画館のチラシをもらいに来ただけだった



のだが)。 ポール・ウォーカー最期の主演作ですし(正確には『ワイルド・スピード』



新作
の撮影途中でなくなったのだが、完成している最後の作品はこっち、ということで)。



   身体能力【全開・フルスロットル】で跳べ。

          究極の“ゼロG”(無重力)アクション誕生!!



 少年と一緒に予告を見ていて、「この動き、見覚えあるんだけどな・・・」と記憶を引っ張り



出す。 『ヤマカシ』? 見れば製作総指揮・脚本はリュック・ベンソンである。



 あ、これって『アルティメット』じゃん!



 舞台は近未来のデトロイト。 “ブリック・マンション”と呼ばれる一角がギャングたちの



巣窟と化し、市はバリケードを築いて通行を管理している。 ギャングのボス・トレメイン



(RZA:ウータン・クランの人)は有力者にコネもあり、侮れない。 潜入捜査官である



ダミアン(ポール・ウォーカー)は、トレメインがデトロイト市民300万人に向けて中性子



爆弾をセットしていることを知らされ、阻止するためにブリック・マンションに送り込まれる



ことに。 ブリック・マンションを隅から隅まで知りつくしていて、恋人をトレメインに拉致



されて取り戻そうとしている男リノ(ダヴィッド・ベル)と協力することになるが、リノは圧倒的な



身体能力を持っていた。



   凸凹コンビ、誕生。



 基本的に話は『アルティメット』と同じ(ハリウッドリメイクだそうな)。



 ただ映像技術が向上し、男の子に「かっこいい!」と叫ばせた滞空時間が長く見える



ジャンプとか、素早すぎる足運びがしっかり視覚化できているとか、そういう点がブラッシュ



アップ。 ストーリーにはリュック・ベンソンらしき荒唐無稽さが随所にあって、そこは割り



引いて見ておかないとです。



 それにしても、潜入捜査官でアクション映画・・・『ワイルド・スピード』と初期設定が



一緒だよ!、と思いつつ、画面狭しと駆け回るポール・ウォーカーはかっこよかった。



こういう役が似合うんだから仕方がない! でも今作ではあまり車は運転しませんが、



リノの動きにできるだけついていく彼の身体能力(学習能力)の高さもすばらしくかっこよい!



   シンクロする動きにまで成長。



 ダヴィッド・ベルさんがすごいのは元からなんですが、『ヤマカシ』から結構時間が経過



していることを考えるとその維持具合がすごいです(『ヤマカシ』にご本人が出演している



わけではありませんが、チームリーダーだったはず)。



 純粋にアクションを堪能する映画。 そしてラストはなんとはなしにハッピーエンド。



ストーリーのアラを気にしちゃいけません!



 エンディングロール直前に、<ポール・ウォーカーに捧ぐ>というコメントが出た。



 またそこに映る彼の顔は撮影中の役の顔じゃなくて、ちょっとはにかんだようなあたかも



素の笑顔。 なんて絶妙な写真を選んだんだ!、と、現実に引き戻されてちょっと泣いて



しまった。 これが最後になるなんて、あたしには不本意だよ!


posted by かしこん at 02:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月23日

39.88℃!



 なんだか、ふらふらするなぁ、と思ってはいたのだ。



 歩くたびによろよろするし、物を持とうとするとやけに落とす。



 なんでだろう?、と、とりあえず熱を測ってみた。



 39.88℃!



 ・・・見間違い? ・・・体温計壊れた?



 もう一度測ってみた・・・結果は同じ。



 あー、だからやけにふらふらするわけね、と納得。 しかしのどが痛いわけでも、頭が



痛いわけでもない。 仕事場で蚊に刺されまくってはいるが、噂のデング熱でもなさそう。



 食欲がないわけでもない。 いつものようにバナナ入り豆乳青汁を飲み、ちょうど冷蔵庫に



あった梨(解熱作用あり)をシャリシャリと食べ、ロキソニンを飲んで寝た。 さすがに高熱の



せいで寝ることはできるのだった。



 5時間ほど寝て・・・起きたら、36.89℃



 下がってるじゃないか・・・やはりのどや頭に異常はない感じ。



 あれはいったいなんだったんだ。 まぁ、36.89℃でも、普段のあたしにしてみれば



微熱の域ではありますが。 なので、今日は体温の推移を見守ろうと思います。


posted by かしこん at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 体調 好不調の波 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月22日

今日は2冊。



 秋の新刊ラッシュが始まりました。



   アグルーカの行方 129人全員死亡

             フランクリン隊が見た北極/角幡唯介




 図書館でハードカバー版を読みましたが、文庫化により購入(装丁は文字の並びが



変わっただけだよ・・・)。 文庫オリジナルあとがきによると、筆者には「家族ができた」



らしい。 かつてエッセイで「探検家という肩書は合コンでは一切役に立たない」的に



もてない自虐ぶりをネタにしていたのに・・・大人って嘘つきだわ。



   誰よりも狙われた男/ジョン・ル・カレ



 『裏切りのサーカス』に感銘を受けまくったときに「ジョン・ル・カレを読もう!」と決心



したのに、『ドイツの小さな町』を読んだだけでそのときは終わってしまったあたし・・・



いや、あきらめたわけではないのです、読む気はあるんですけど、つい後回しになって



しまってて。 というわけで、映画を見る前にこっちを読んでおきたいな、とは思って



おります(しかし映画の公開は10月17日・・・)。



 当然、帯には映画の情報が載っているのですが、<名優フィリップ・シーモア・ホフマン



最後の主演作!!>とあるのが悲しい・・・。


posted by かしこん at 04:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月21日

イントゥ・ザ・ストーム/INTO THE STORM



 メジャー系の竜巻映画といえば『ツイスター』が印象深い。 主人公がストーム



チェイサーになる理由とか、生きた牛が竜巻に巻き上げられるビジュアルとか、



ディザスター映画としてはかなりのインパクトがあった気がする。 この映画は、



それを超えなくちゃならないわけだ。



 どうするんだろうなぁ、と思ったら、POV形式を導入!



   地球史上、最大の“怪物”。



 竜巻多発地帯に存在するシルバータウン。 だが今回は、直径3,200メートル・



秒速135メートルというこれまでにない規模の竜巻が誕生する。 <竜巻の目>を



映像にとらえたいストームチェイサーたち、卒業式当日の高校生たち、おバカをやって



YouTubeに投稿するアホどもなど、この竜巻に否応なく巻き込まれる人々の姿と



大竜巻の姿を描く。



   車のガソリンに引火した炎が、

    竜巻とともに舞い上がる。 間近で見たら地獄のような光景かも。



 そんなわけで竜巻映像がひたすらウリの映画ですが、アメリカ映画らしく家族愛を



盛り込むことを忘れない。 なんというか、王道ですな。 だからこそ、スクリーンで



見る方が迫力がある。



 なんと、『ツイスター』から20年たっているらしい。 世界的気象の変動は竜巻にも



変化を及ぼしている。 『ツイスター』で効果があった対処法でも、今はもう無効の



ものもある。 それがいちばんスリリングなことかも。



 メガネでお固い高校の副校長(息子二人が無茶をするので振り回されて大変な目に)が、



メガネが吹っ飛ばされてからは「あら、結構ハンサム?」と思わされ、エンディングロールで



リチャード・アーミティッジだと知る。



 えっ、『ホビット』の新しい王の人? 全然気づかなかった!!



 ちなみにストームチェイサーに同行する気象学者は『プリズン・ブレイク』のサラだった



りと、さりげなく見覚えのある方多数。 ディザスタームービーには実力派俳優の存在が



絶対必要です、そうじゃないとB級映画になってしまう・・・。



 思い返せば、予想よりはあまり人は死んでないかも(町などを襲った際の被害がどれ



くらいなのか具体化されていないけれど、登場人物の生存率は高い方では)。 そういう



意味でも、あまり後味は悪くない。



 日本でも竜巻の発生率は以前より格段に上がっていることを知ってはいますが、やはり



あたしには竜巻はまだまだ他人事と感じているのだとわかった。


posted by かしこん at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月20日

クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落/THE QUEEN OF



 原題はそのまま、“THE QUEEN OF VERSAILLES”



 あ、ドキュメンタリー映画を見に行くの、久し振りかも。



 <タイムシェア>という不動産ビジネスによって大富豪となったデヴィッド・シーゲルと



その妻で元ミセスフロリダという経歴を持つジャッキーは、ベルサイユ宮殿に魅せられ、



同じような家を建設することに。 総工費100億円以上、現在のアメリカで最大の自宅と



なる新居の建設過程をドキュメンタリーで追っていったら、その最中にリーマンショックが



やってきて、建設は中断。 それどころか会社も危ない。 さぁ、どうする?!



   金持ちだって楽じゃない!



 ポイントは、この撮影の主旨が「アメリカ一の大邸宅をつくろうとしている夫妻に密着する



こと」だったこと。 リーマンショックその後はまったくの偶然というか、予想外の展開だった



にもかかわらず、撮影続行を許可するという夫妻の大胆さ・豪快さというか・・・ある種の



鈍感さというか・・・アメリカ人だなぁ、と思ってしまう。



 お金があるから子供をどんどん産む(子守りを雇えるから)。 ペットもどんどん飼う(沢山



いる方が楽しいから)。 子供たちにもたくさんプレゼントを買う(子供がよろこぶと思うから)。



何事にもそういう思考のジャッキーは<成金の妻>というイメージにありがちなバカ女では



なくて、高校時代、地元で生きていくためにはIBMに就職するしかない(そこしか働ける



企業がない)と察し、エンジニア資格を取るなど現実的な女性。 しかし夫が事業のすべてに



ついて妻には言わないことと、いろいろと満たされなかったのであろう子供時代の影響で



「まわりを満たすことで自分も満たされる」という自己充足を見つけてしまっただけで、それを



即実行できてしまう富を持ってしまったからこういう形をとるようになってしまい、本質的には



普通の人と変わらないような・・・それが喜劇でもあり、悲劇でもある、みたいな。



   建設中の“自宅”。

           中はバリアフリーとは程遠い。



 なんでアメリカ人は家族の人数よりもはるかに多い部屋数の家をほしがるのか? ウサギ



小屋に住んでいると揶揄されようとも、そこが日本人には理解しにくいところ(それに、子供は



早々に自立することを奨励されているわけだし)。



 ヘアサロン貸し切りにして、子供たちのカットを一気に済ませているときに、「おなかが



すいた」という子供たちのために注文するのはチキンナゲットにフライドポテト(マクドナルド



ですか?)。 ペットの犬たちも十分しつけられていると言えないし(それともアメリカでは



犬をしつけないのか?)、子供たちへの教育面が十分かどうかこの映画では伝わっては



こなかった。 映画としてはこの一家を羨望のまなざしで見るわけでも、批判的な目を向けて



いるわけでもなく、淡々と映しているだけなのが救いだが。



 一生、大金持ちの子供でいられたらいいだろうけど、このあとはどうなるんだろうな・・・と、



子供たちの今後に不安を覚えなくはない。 まぁ、いろいろ事情は日本と違うことはわかって



いるけど。



 大富豪といっても、銀行からの融資をまわしてビジネスを続けるからこそ生み出される富。



資本主義では結局、カギを握るのは銀行という存在なのね。


posted by かしこん at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月19日

ネイビー・レースアップウイングチップ@Dixsept Dixsept 1717



 ようやく秋めいてまいりました。



 やっと、本腰を入れて買い物をする気になってきた時期(とはいえ、あたしにはまだ



暑いのですが・・・)。



 とりあえずローファーがほしかったのです。 今の仕事場は服装に加えて靴にも



うるさくてカジュアルシューズもダメなようだし(というか、それはお局様ルールな気が



するのだが)。 そこで思い出すのが、高校時代から愛用していた、以前働いていた



会社でもよく履いていた、HARUTAのコインローファー(ときにタッセルローファーに



なることも)。 色はバーガンディ一択で、これまで5足ぐらい履き潰してまいりました。



 しかし、昨年秋から続いている紺〜ネイビーブルーのブームは流行では終わらず、



定番化しそうな勢い。 今ならそういう色のローファーの種類が多いから、買えるいい



チャンスかも!(多色展開の靴ブランドでは確かに手に入れることは可能ですが、



お値段があたしにふさわしくない・・・)



 でも、コインローファーだとして、マットな革か、それともそこは流行りを取り入れて



パテント加工のやつにするか。 そんな気持ちでデパートの靴売り場をぐるぐる回って



いましたらば・・・同じくネイビー系のレースアップも結構ある!、ということに気づく。



 わっ、どれがいいだろう!!



 ・・・しかし、ぱっと見て色がきれいなやつはお高いよ・・・



 ぐるぐる回っていろいろ履いて歩いてみて、これに決定!



   Dixsept Dixsept 1717という、神戸のブランド。



 写真の都合でちょっと黒っぽく見えますが、太陽光の下ではしっかりネイビーブルー!



 中敷きには低反発素材を使用。 革が意外と柔らかいので靴擦れにもなりにくそう(実際、



半日歩き倒しましたが、足は無事)。 若干靴紐がゆるみやすいですが、それはあたしの



結び方にも問題ありかと。 だんだん、ほどけなくなってきたし。



 パテント素材はあんまり好きな方ではないのだけれど、こういうトーンならばつるつるしてて



かわいい!、と思えることを自覚。 そこはやはり、カバンではなく靴だからかしら。



   ウイングチップが踵にも。



 3万円、4万円、それ以上の靴を見ていたならば、とても安く感じてしまうお値段だった



(でも消費税8%足したら、1万円で小銭しかお釣りがこなかった・・・)。



 でもMade In Japanですよ! デパート、マジック!



 あー、これは大事に履かなきゃ。 そして何かあったら修理に出そう(修理代のほうが高く



つくような気がするが・・・)。 値段じゃなくて、このデザインがこの色でまた買えるかどうか



わからないから。


posted by かしこん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味・小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月18日

神は細部に宿るのよ 1〜3/久世番子

 上の妹から前触れもなく、ものすごく久し振りにメールが来たと思ったら、内容は「萩尾望都の『なのはな』は買うべき?」であった。
 うーむ、あれは売上を震災復興支援にまわすためにハードカバーにして出版したようなものだからなぁ。 『ここではない☆どこか』シリーズとしてそのうち文庫になるのではないか、と返事。 むしろ今は『Away』を読みなさい!

  AWAY01.jpg まだ1巻だけど、大傑作の予感だから!

 で、後日『Away』を読んだ妹から「半分で読むの止めちゃった姉の気持ち、わかるわ。そこまでだったら結構早くまとまりそうな気がしたけど、後半読んだらいくらでも続けられる話になりそうな気がした」とのこと。 そうなんだよ〜、2巻がいつ出るかわからないから後半を読むのが怖いんですよ、あたし(続きがいつ読めるのかわからないため、気持ちが宙ぶらりんのままでいるのはつらいのです)。
 と、そんなこんなでしばしマンガ談義を。 姉妹だからというか、ある程度の年齢になってみると、幼少時から同じマンガを読んできた仲間のような感覚で話が通じてしまい、結局お互いの近況のことはまったく話さないままメールのラリーが続いたりする。 世の中の姉妹としては少数派でしょうか、普通でしょうか。

 で、あたしが薦められたのがこちら。

  神は細部に宿るのよ01−03.jpg 神は細部に宿るのよ

 かつて、書店員としての日々を綴ったエッセイコミックは読んだことがありますが、この作品のテーマはファッション(というか、“服飾”?)。
 ファッションに敏感なお洒落女子を<川上の住人>と設定し、お洒落好きなんだけど失敗したりうまく着こなせないなどの屈折を持つ側を<川下の住人>として、川下から見た流行やファッションについて語っています。
 多分作者の方と年齢層が近いので、「あー、あるある」ネタ多し。
 ていうか、あたしも川下の住人だし!
 あたしは服が結構わからないので、腕時計・カバン・靴といった小物系に走ってしまう・・・そこらへんを押さえておけば服の変なところをカバーできるかな、という感じで。
 悩んでる人はいっぱいいるのね、と川下の住人に勇気を与える本です。 年内に4巻目が出るとのことで、楽しみ。

ラベル:マンガ
posted by かしこん at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月17日

NO ノー/NO

 ガエル・ガルシア・ベルナルの新作ですね!、と思って深く考えずに飛びついたら、実体はコメディ感あふれる社会派ドラマだった・・・。 またしても、現代史を知らない自分を実感。 舞台は1988年のチリ、ピノチェト独裁政権の信任を問う国民投票をめぐる賛成派・反対派の選挙キャンペーンがメインに描かれる。

  NO−P.jpg CMは世界を変えられるのか!?

 チリ、軍事独裁政権を敷くアウグスト・ピノチェト将軍に対する世界的な非難が高まり、形だけでも国民投票を行うことで民主主義が働いていると世界にアピールすることに。
 そこで独裁政権に反対する<NO派>の中心人物ウルティア(ルイス・ニェッコ)は、反対意見もあったが、知己である腕利き広告マンのレネ・サアベドラ(ガエル・ガルシア・ベルナル)にCMキャンペーンをまかせることに。 清涼飲料水のCMなどをつくってきたレネは、「メッセージそのものをダイレクトに伝えるよりも、イメージ戦略がまず大事だ」と、“<NO派>が新しくてかっこいい”という空気を国民に広めようとする。

  NO−2.jpg イメージカラーは虹。 「自由って素晴らしい!」を刷り込んでいくが、真の自由を誰も手にしていない。
 9:16のスクリーン画面比に慣れてきた身としては、3:4の画面はなんだか寂しく感じる。全体的にレトロっぽい映像も、当時のニュース映像と混ぜても違和感がないように、という心配りだったのかな、と思う(でも、アンジェイ・ワイダは9:16で同じことやってたけどな〜)。
 <YES派>(スペイン語なので正確には<Si派>だが)は<NO派>の戦略に焦ってレネの上司を雇ったり、実はレネの妻がバリバリの反政府主義者で何度も警察に逮捕されていたりと、なんだかんだ言いつつ結局は独裁政権下であり、彼らの思う“自由”は薄氷の上にしか存在していないと思い知らされるシーンにははっとさせられる。

  NO−1.jpg レネの妻の女闘士ぶりが、あたかも彼女を妻ではなく姉か叔母のように見せてしまう、というのが切ないですよ。 レネが童顔だということにしてもです。
 歴史的事実が基なので、どっちが勝ったのかは明らかだが、CMやイメージ広告が今回はいい方向に行ったから(国民が的確にイメージを受け取り行動したから)よかったけれど、一歩間違えれば何が起こるかわからないんだよな・・・ということも考えさせられて・・・情報が少なく制限されるのも問題だが、多すぎて全部出ているのかどうかわからない(誰かによって都合の悪いことは隠されてしまう)という現状もどうなんだ?、と思わざるを得ない。
 結局のところ、誰もが<賢明な一市民>になるしかない、ということなんでしょうけど。
 ウルティアが徐々に政治家然としていく、というか、力強いリーダーっぽく見えてくる過程は面白かった。 ルイス・ニェッコという俳優さん、要チェックだ!

  ※ またしてもメンテナンスのことを忘れ、いつもの時間に更新できませんでした・・・。

posted by かしこん at 19:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月16日

グレートデイズ!−夢に挑んだ父と子−/DE TOUTES NOS FORCES

 <『最強のふたり』の感動再び!>とか<『最強のふたり』の制作陣が送る>というのがあれ以来フランス映画につくいちばんの宣伝文句になっているような気がする。 制作陣というのは便利な言葉だ、制作プロダクションが同じなだけで使える。 でも、そういうふうに宣伝しないとお客さん入らないのかな〜。 それはそれで切ない。
 個人的には<フランス映画祭2014オープニング作品>という肩書(?)に惹かれました。

  グレートデイズP.jpg さぁ、行こうぜ相棒。

 いまいち不器用で息子に向き合えない父親と、反抗期をこじらせている息子とがなんだかんだあってアイアンマンレース(ニースで開かれるトライアスロン大会)に挑戦する・・・という話。 ちょっと違うのは、息子が車いすに乗っている、というくらい。 フランス映画のこういうちょっとドライなところ、好きだな。 日本映画だったらほぼお涙頂戴系になってしまうところだろうけど。
 不器用な父親、というのも、オープニングで結構な高い山のロープウェイの鉄骨をたった一人で溶接工事しているという姿から読み取れる。 腕は確かなんだろうけど、そもそも人とのかかわりが得意じゃなさそう。 そんなポール(ジャック・ガンブラン)だからこそ(仕事で家を離れている期間も長そうだし)、車いす生活を送る17歳の息子ジュリアン(ファビアン・エロー)と腹を割って話したこともなさそう。 ジュリアンの世話はもっぱら妻のクレア(アレクサンドラ・ラミー)に任せきり。 ジュリアンはいい加減、そんなポールの態度に腹を立てており、どうにか事態を打開したいと思った彼はたまたま物置でポールがかつてトライアスロンの選手であった事実を知り、二人でレースに出たい!、と言いだすが・・・という話。

  グレートデイズ3.jpg 無骨であるがいいお父さんなんだけどね、よそから見れば。 でも実の父親ならば腹が立つのであろう。
 何故ジュリアンは車いすなのか、という理由はまったく説明されることはなく(もしかしたら小児麻痺かなぁ、と推測)、それもまたフランス映画っぽい。 過去は、原因はどうでもいいのだ、大事なのは今とこれから、という主張が潔い。
 ジュリアンの通う学校には様々なハンディキャップを持つ人たちがいるが、学校の設備は充実していてそれぞれに適したケアが受けられるのがすごい。 日本もこのレベルまでいけてるのかな、と感じる。 ジュリアンをはじめ実際にハンディのある人たちが演じているので、健常者(という言葉を使っていいのか悩むところだが)より使う・使える筋肉が違うせいか、とても指が長く見えたり、耳が大きく見えたり、腕が長く見えたり。 でもそれがとても優雅で美しく映ることにはっとする。 勿論、ジュリアンを「普通じゃない」扱いをするババアなども登場するが、彼女らを否定することもない(しかし描写が浅いということでささやかに非難が込められている)。 あぁ、個人主義だなぁ。
 レースなんて絶対無理だ、と反対するポールとクレア(反対する理由は微妙に違う)に対し、「僕を大人扱いしてよ!」とぶちぎれるジュリアン。 結局レースに参加することは観客はわかっているので、ここのやりとりをあまり長くとりすぎないのがよかった。
 車いすといっても最近は電動だし、好きなスピード出して走っているようにも見えたけど、ジュリアンが初めて自転車に乗ってスピードを体感する描写には、自分がチャリで爆走していた時期の記憶もよみがえり、「あぁ、やっぱり違うんだ〜」となんかジーンとした。

  グレートデイズ1.jpg 違うのはスピード感なのか、風を切って走る感覚なのか。
 練習を通じて、はじめはぎこちない二人の距離がぐっと縮まっていく感じがすごく自然で、ポールはポールで内に秘めていた責任感をはっきり表に出すようになるし、“家族の再生”と呼ぶのは大袈裟かもしれないけれど、気持ちが通う瞬間とか、信頼という姿とか、形のないものがはっきり見えるすごさってあるわけで。
 まわり全部を山で囲まれている住環境といい、「うわぁ、こういうところでしばらく住んでみたいなぁ」と思ってしまうくらい空気がすがすがしそう。
 さわやかな感動、って、いいなぁ。

posted by かしこん at 03:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする