2014年08月24日

ジゴロ・イン・ニューヨーク/FADING GIGOLO

 ウディ・アレン苦手なんです!、と何度も言っていますあたしですが、ジョン・タトゥーロはキライじゃないのです(『バートン・フィンク』のイメージが強いですが)。 うっかりウディ・アレン作品と思われがちなこの映画、実はジョン・タトゥーロ監督・脚本・主演なのです。 だからあえて見てみるか、と思った次第。

  ジゴロインニューヨークP.jpg ジゴロ、始めました。 寂しい夜は、是非お電話を――

 ブルックリンの本屋の店主であるマレー(ウディ・アレン)は父親から店を引き継いだものの、不況とビジネスの才能のなさから経営不振に苦しんでいた。 ある日、レズビアンの美人女医(シャロン・ストーン)から「3Pをしてみたいから魅力的な男性を教えて」と言われ、長年の友人で職を転々とし、現在は花屋で働いているフィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)をジゴロにしてエスコートビジネスをしようと思いつく。 勿論フィオラヴァンテは反対するが、マレーに押し切られてしまう。
 もしかしてこの二人、長年の友人? 脚本もほとんどはアドリブか普段の会話を展開してる感じ? そう思うくらいマレーのキャラクターはあたしがイメージするところのウディ・アレンにぴったり。 演技じゃなくて、地?、ぐらいの。
 その分、フィオラヴァンテが困ったさんに振り回される気のいい男に映り、職業が次から次へと変わってきたのも彼の器用さを証明する形になって、女性にもてもての<ジゴロ>として頭角を現していく。 そんなジョン・タトゥーロがなかなかキュートです。 最近は「え、これ、シャロン・ストーン?!」みたいな地味な役が多かった彼女も、久し振りにゴージャス美女ぶりを見せつけてくれてうれしい。

  ジゴロインニューヨーク3.jpg 住む家も服装もすべてにお金と趣味が注ぎ込まれている感じ。 それでも埋められない寂しさ、あるのね。
 しかしユダヤ人地区に住む司祭の未亡人(ヴァネッサ・パラディ)を相手にしてから、いつしか職業意識は吹っ飛んでしまい・・・という話。
 このユダヤ人地区描写が、わからない者にはまったくわからない・・・。
 ユダヤ教の戒律に従って(それこそアメリカの法よりもそちらを重んじている)暮らしている人たちのようだが・・・ある意味、都会の中にあるアーミッシュ的扱いなのか?(確かウディ・アレンもユダヤ人だったと思うが、このあたりを笑いにするセンスってありなのか?、とかも悩むところ)。 しかも未亡人として日蔭者のように生きている・・・(警察官役のリーヴ・シュレイヴァーは彼女に恋しているが、今一歩踏み込めず)という役をヴァネッサ・パラディにさせるなんて! いや、すごく雰囲気あって好演なんだけど、ジョニー・デップと別れたこと思い出しちゃうよね・・・(余計なお世話)。

  ジゴロインニューヨーク4.jpg ほのかな、たゆたうような恋心。
 音楽もほぼ全編ジャズで、そのあたりも“ウディ・アレン映画”と誤解されかねないポイントですが、アレンジがずっと現代的だしお洒落! 映画にしっくり合ってる!
 これならサントラ買ってもいいかも、というくらい(ウディ・アレンのジャズ選曲はクラシックすぎるんだよな・・・)。

  ジゴロインニューヨーク1.jpg なんとも言えない“男の友情”はくされ縁ですか?
 ぱっと見、冴えない男の風情だがいけばなアレンジを手土産にしたり、自分の話はしないで女性の話に耳を傾け、常に相手を引きたてる心配りを忘れない。 背が高くスマートで、気が利いている。 なるほど、もてますよね。
 それにしても、ただの“ポン引き”しかしてないくせにチップまでギャラの3割を持っていくとは・・・マレーの図々しさにはあきれるぜ(年寄りだから許されると思うなよ!)。 しかしそんな彼をウディ・アレンファンは「人間味あふれてかわいらしい」と表現するわけだから・・・ほんと、人の好みは千差万別です。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 19:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする