2014年08月06日

トランセンデンス/TRANSCENDENCE

 最初に予告を見た段階で、てっきりクリストファー・ノーラン監督の新作だと思っており(だって内容もそれっぽいし、モーガン・フリーマンもキリアン・マーフィーも出てるし)。 実はクリストファー・ノーランは製作総指揮で、監督はウォーリー・フィスター(『インセプション』『マネーボール』などの撮影監督で、今回が初の映画監督作品)だったのね。
 微妙に宣伝に騙されたというか、あたしが誤解してしまった感があり。

  トランセンデンスP.jpg もし、コンピュータに科学者の頭脳をインストールしたら――

 人工知能研究の世界的な権威である科学者のウィル(ジョニー・デップ)と妻のエヴリン(レベッカ・ホール)が画期的な開発を発表する。 が、その人工知能PINNの万能性に対し「神をつくりだす気か」と反対を叫ぶ過激派団体によりテロ行動が連鎖的に起き、研究所が爆破されたりウィルも銃撃される。 次第に死へと近づくウィルに耐えられず、エヴリンはウィルの意識をPINNにアップロードしようと試みる。 研究仲間であるマックス(ポール・ベタニー)やジョセフ(モーガン・フリーマン)は何が起こるかわからない危険性を指摘するが・・・という話。
 『her/世界でひとつの彼女』と同じく人工知能が題材なのは偶然? あっちが主人公を中心とした半径100m程度の物語だったのに対して(AIはネットを介して世界中をめぐるけれど、それは人間たちにはよくわからないこと)、こっちは文字通り世界規模の大スペクタクルに発展。 ま、SF的にはこちらの展開が普通というか、定石通りではあるんですが。

  トランセンデンス05.jpg 安定演技のお二人。
 キリアン・マーフィーはテロ事件を担当するFBI捜査官で(珍しく?正義の側の人!)、PINNにアップロードされたウィルの指示で新たにつくられる研究拠点となる田舎町で働く人にクリフトン・コリンズ・Jr、ジョシュ・スチュワート、ルーカス・ハースなど、個人的にはなかなかツボなキャスティングにニヤリ。 特にポール・ベタニーはすごくおいしい役でした。
 こういうのを見てつくづく思うのは、絶対唯一神信仰のあやうさというか、多神教を容認する風土で育った人間にはいくらがんばっても理解できないことがある、ということ。
 <人工知能が人間を越える>として、何が悪いのか。 人間にしかできないこともあると思うし、人間にできないことを人工知能がやってくれるというのならばそれでいいんじゃないのかな、と考えたり。 結局、テクノロジーの進化をどう使うかは人間次第、という結論になってしまいがち。

  トランセンデンス04.jpg 科学者なのにエヴリンは感情で動いてしまったのが残念。 結局女性ってそんなもんよね、となりかねないように見えて。
 PINNに脳の機能をアップロードしたウィルは、そもそもウィルと同じ存在なのか、という実存性の問題のほうが重要だったのか?(あたしはアシモフの“ロボット三原則”を思い出しました)
 大きなテーマをぶち込み過ぎて、そのあとは観客に考えてもらう姿勢は一神教の方々に対しては意義ある提言になるんでしょうけど、こっちからすると結構よくある話っぽく感じてしまったのは物足りなかったかな。 でも結局は愛の物語として締めくくってしまったので、インパクトは薄れたか。
 あ、映像技術はすごかったですけどね。
 そこはやはり映画館のスクリーンで見て、よかった感じ。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする