2014年07月21日

またしても、訃報。

 ものすごく久し振りに、東京創元社のHPを見に行く。
 なんでも創刊60周年記念企画として、『愛の裏側は闇』(全3巻)/ラフィク・シャミ(酒寄進一訳)2014年8月の発売に先駆け、特別先行試し読みができるということで・・・他にもヘニング・マンケル新作の紹介とかあって、結構前から気になっていたのだけれど、一通り読むとなるとそこそこ時間がかかるので、ついつい後回しにしていました(記事が更新されたら前のが読めなくなるというわけでもないので尚更)。
 が、右隅のトピックに驚愕の文字を発見!

    2014.6.23. 翻訳家・東江一紀先生逝去

 声も出ないほど驚いて、うまく動かないマウスに苛立ちつつクリック。

小社でウィンズロウ『ストリート・キッズ』ほかの〈ニール・ケアリー〉シリーズや、ラングレー『オータム・タイガー』を訳された翻訳家の東江一紀先生が6月21日、逝去されました。62歳でした。
北海道大学を卒業後、翻訳家の道に進まれ、主にエンタテインメント小説やノンフィクションの分野で活躍されました。2010年には、翻訳家が選ぶ第1回翻訳ミステリー大賞を訳書の『犬の力』が受賞しています。
〈ニール・ケアリー〉シリーズの大評判は、東江先生の伸びやかな訳文を抜きにしては考えられません。
どうぞ安らかにお眠りください。

 ・・・『犬の力』のあとがきでだったろうか、それとも『このミス』の近況報告欄であっただろうか、ちょっと思わぬ病気のせいで原稿が遅れたみたいなことが書いてあって、いつもの洒脱な明るい文章なのであまり心配はしていなかったんだけど、手術したのかな、長くかかる病気なのかな・・・というのは言外に感じさせられていて・・・ドキドキしてた。
 でもそのあともドン・ウィンズロウ2作訳してたし(新しい『夜明けのパトロール』シリーズを他の訳者に譲ったのは、自分一人では未訳分全部に手が回らないからだろう、と判断)、調査が結構必要なノンフィクション系のも訳していたし、あの時感じた心配は杞憂だったのかな・・・と思っていたところだったのに。
 海外ものを多く読むあたしとしては、出会いのきっかけは翻訳者であることが多くて。
 多分東江さんとの出会いは『ストリート・キッズ』なんだけど、彼が訳していれば安心、とまったく知らない作家の本(たとえば『ストーン・シティ』とかね)にも手を出して、結果的に読むジャンルが広がっていく。 それは小学生のときからの福島正実の影響が大きいなぁと自分でも思うのだが。
 その大事な窓口を、あたしはまたひとつ失ってしまった。

posted by かしこん at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする