2014年06月21日

WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜



 矢口史靖監督自ら「僕の最高傑作です!」と言っていたので・・・それにつられて見に



行って参りました。



 林業という一般的でないお仕事トリビア満載映画を期待しましたが・・・それなりには



あるものの、期待したほどではなく(原作は未読)。 あたしがかつて農学部にちょっと



いたせいか・・・(専門は林学ではないが)、つまり、そういう接点や興味がない限り、



ほとんどの日本人は林業についてカケラも知らないままなのか。 それがちょっと、



衝撃でした。



   少年よ、大木を抱け。



 大学受験に全敗し、高校卒業後の進路が決まらないままの勇気(染谷将太)は、偶然



パンフレットの表紙の美女(長澤まさみ)につられてほんの軽い気持ちで1年間の林業



研修プログラムに参加することに。 しかしその研修先は、携帯電話が当然圏外の山奥。



動機も経験もまったく違う同期の研修生たち、口も態度も悪い先輩ヨキ(伊藤英明)の



厳しい指導、虫やヘビなどにも慣れていない都会っ子には日常生活そのものが過酷。



更にハードな林業の現場にも「無理!」と考えた勇気は逃げ出そうとするが、そこで謎の



美女に出会い・・・という話。



 染谷くんは高校生とか18歳とかいつまでやるんだろう・・・似合うけど(そして最初は



へらへらしたいかにも“いまどきの若者”なんだよね)。 研修はすごく親切丁寧なのに、



早々に落第する人たちはなんなんだ?、と思ってしまうのは、あたしがそっち系の体験者



だからなんでしょうか(ちなみに農業で、畝をつくり直すときにスコップで土を軽く掘って



いるときにミミズもたくさんサクッと切断してしまい、その場では騒がなかったけど、その



あと熱を出しました・・・)。 でも地方出身者は第一次産業の大切さをある程度実感として



理解しているような気がするんだけどね。



   初めて一人で木を切り倒しましたよ〜、の笑顔。



 だから「林業ってどんなものか見せてください〜」ってピクニック気分でやってきた都会の



大学生の態度に大変腹が立ったし、そいつらを一喝してもらってとても気分がよかった



(しかしやつらは何故怒られたのかよくわからないまま、場合によっては第一次産業を



笑いのネタにし続けるんだろうなぁ、と思うとそれも腹が立つのであるが)。



 だからといって映画は田舎万歳ってわけでもなくて、人間関係が狭くて何もかも筒抜けな



件とか(ま、これは事実なんで仕方がない)、田舎はなにもすることがない、それこそ恋愛や



子づくりしかないよね、的な描写には田舎出身者としてげんなりなんだが、まぁ、それが



<生きる力>ってことなんですかね。 ヨキさんも海猿っぽさはかけらもなくて、「あぁ、



こんな人、いる」って感じがしたし、光石研さん演じる先進的な能力のある社長さんも必ず



いるし、伝統を盾にして頭の固い(それは義理がたく礼儀にうるさく融通がきかないから



なのだが)町会長さん(柄本明)みたいな人も絶対いる。



   でも彼らにか確実な技術と知恵があるからね。



 都会の人が田舎の人に偏見を持っているように、田舎の人も都会の人に偏見を持って



いる。 でも、お互いの精一杯がその垣根を取り払い、お互いに影響しあうところがさらっと



描かれているのはよかったです。



 自然を神ととらえる日本人の本能的な考え方を説明しすぎずに表現しているのもいい感じ



です。 神様の大仰じゃない“存在”も、多神教ならではのもの(こういう感覚を一神教の



人たちにわかってほしいと思うのは難しいのだろうか・・・あたしも一神教についての知識は



あるけど、共感としての理解は難しいもんな。 ただ、違いがある、ということはわかっている



つもりだけど)。



 そんなわけで、村の新年の神事は前振りが長かっただけになんなんだろうと期待していた



のだが、実情は「とんまつりじゃないか!」と絶句した。 トムとジェリー並の何故怪我しない



のか不思議なくらいの無茶さにも引いたが、山の神様が見守っていてくれているから、と



いうことで納得しよう。 山の空気の清涼感、よく出ていたしね。



 一般社会から見たら「えーっ、なにそれー」と言われてしまうような世界も、その面白さを



自分が知ってしまったらもう戻れない。 それが自分の価値観。 自分の居場所は思いも



かけない場所にあったりするから、「やりたいことを仕事にしたい」と考えている人に「それは



ちょっと違うよ!」という意味でこの映画を見てほしいかな。



 タイトルは『ウッジョブ!』だけでよかったような気も。



 「なあなあ」の意味もはっきりと示されてないし(なんとなくわかるけど)、でもはっきりと



定義できない感じでいいんだろう、方言ってそんなもんだし。 あ、原作との関連を持たせる



ためにこの副題は必要か・・・。



 それにしても最近のマキタスポーツの活躍にはびっくりだよ!


posted by かしこん at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする