2014年06月14日

ディス/コネクト/DISCONNECT



 これはシネ・リーブル神戸でチラシを見たときに「おっ!」と思い、予告を見て尚更



「おおっ!」と感じ、是非見なければ!、と確信した。



   今も誰かと“接続”してますか?

                       誰かと“つながりたい”ですか?

     SNSで起きた事件をきっかけに、心の絆を取り戻そうとする人たち

       ――ネット社会を生きるすべての人に贈る、胸をゆさぶるヒューマンドラマ



 いろいろと悪さをする少年たちが、SNSツールを使って標的に決めた少年を“ほんの



イタズラ心”で追い込む。 子供を失った心の隙間を、ネットのチャットで埋めていたら



個人情報を盗まれ、ある夫婦は銀行残高をからにされてしまう。 オンラインカメラを



利用したポルノサイトに出演している未成年の男性に接触するTVの報道リポーターが



引き起こしてしまう事態。 警察のサイバー犯罪部署を長年担当後、退職してネット犯罪



専門の探偵となった人物を仲介に(彼も実は関係者だったりするのだが)、接点があったり



なかったりする人々・家族の姿を描く。



 すぐそばにいる家族よりも、会ったこともない人とオンラインで会話するほうが繋がって



いると実感できる、というのはインターネットの原罪ではなく、その昔ペンフレンドブームが



あったように人間が持つ社会的な欲望であるようだ。 ネット時代になって、双方向性・



即時性を伴った故に、そして一気に広まったが故に危険性が認識されないまま利用者が



増え、犯罪に使われる。 関わっていても、自分がしていることが犯罪だと気づかない



パターンが多い。 アメリカでは一日に2万人の個人情報が盗まれているらしく、「うおぉ、



ネットって怖いよ〜」と実感させてくれる映画でもある(自分も使ってるけど、気をつけてる



つもりだけど、ほんとに大丈夫かな、と反省する)。



   だまされた夫婦の夫役は、はじめはあまりに

     イケてないので気づかなかったが、アレクサンダー・スカルスガルドであった!



 群像ドラマなので、思いもかけないところで思いもかけない人が出てきて観客としての



あたしは動揺する。 彼らが自分たちをはめた人間を探し出して見つけたのは、ミカエル・



ニクヴィスト(スウェーデン版『ミレニアム』のミカエル役の人)だし! TVレポーターは



アンドレア・ライズブローだし、未成年ポルノサイトの親玉は、何故かマーク・ジェイコブス!



← 「なにやってんだ、この人?」、って思っちゃいました。 他にも、名前は知らないが見た



ことがある人たち多数・・・あたしの中では結構豪華キャストです。



 なんだか<絆>という言葉に胡散臭いものを感じるようになってしまった昨今ですが、



失いそうになって初めてわかるその価値、という王道のテーマを説教くさくなく、押しつけ



がましくなくいいバランスで描いている素晴らしさは、中高生にネットリテラシーの教育の



一環として見せたらそれで十分ではないか、と感じるほど(勿論、全世代に見ていただいて



問題ないですが、普通にスマホやタブレットが存在している若い世代ほど心掛けが大切。



親を教育してからでは間に合わない)。



   教材として素晴らしいのは、映画としてよくできているから。



 多分、教育映画としてつくっていたら駄作になってしまうだろう。 チャットなどの仕組みに



ついて説明する描写もないし、その会話は声に出された言葉ではなく打ち込まれた文字で



出る。 エンターキーを押す前に消された文字、返事を出す前に一瞬ためらう表情、など



など、演技力とドラマ性が映画を引き締める。



 そして人は意図しないままに犯罪・暴力に巻き込まれてしまう、という説得力と、ネットの



怖さを描きつつもただ闇だけをあぶり出すのではなくしっかり“希望”をも同時に描くあたり、



すごく現代的でありつつ、人間というものの本質に迫っているのだ。



 どうして、「つながりたい」と人は思ってしまうのだろう?



 すぐそばに、わかってくれるはずの人がいても。 それは“理想”や“永遠”を追い求めたく



なってしまう(手に入ったものには興味がなくなる?)という宿命なのか。



 いやー、面白かった。


posted by かしこん at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする