2014年05月12日

水時計/ジム・ケリー



 何度も中断してしまったこれ、やっと読み終わる。



 舞台はイングランドの東部の小都市イーリー、主人公は地元紙『クロウ』の新聞記者



ドライデン。 11月、氷結した川から車が引き揚げられると、トランクには銃で撃たれた上、



首を折られた死体が。 さらに改修中のイーリーの大聖堂の屋根の雨どいの中から白骨



死体が見つかり、どちらの現場にもほぼいちばんに駆け付けたドライデンが謎に挑む。



   この表紙の重厚さが好き。



 まさに伝統的なイギリスの推理小説!、って感じの、地道な描写と地道な展開。 派手さを



求める方には向きませんが、取材した人物がある人物の存在を教えて、そこを辿ってまた



新たなる関係性が見えてくる・・・という地味なRPGのようにも思えるけど、推理小説の王道



ですよ。 また、“水”がモチーフとして繰り返し登場する(イーリーにはフェンズと呼ばれる



沼沢地帯があって大雨が降ると洪水になる、ドライデンは子供の頃スケートをしていて氷が



割れて湖に落ちたことがトラウマになっている、ドライデンはかつて交通事故に遭い車ごと



川に転落し、自分は回復したが妻は昏睡状態のまま病院にいる、白骨死体があった場所も



雨水がたまるところだし、などなど)のも構成として完成度を高めている感じ。



 ドライデンのお抱えドライバーのようなタクシー運転手のハンフリー、完璧なクイーンズ・



イングリッシュが喋れるのに商売上のイメージのためにあえて中国訛りの英語を使う中国



料理店店主など、サブキャラクターの存在もなかなか。 シリーズが進むにつれて愛着が



わくようになってくれるのか、という期待が持てる。



 犯人の意外性とかはないですが・・・ここはやはり地道さを楽しむべきかと。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする