2014年04月27日

ローン・サバイバー/LONE SURVIVOR

 冒頭から、粗い映像でネイビーシールズの訓練の様子が。 あぁ、アメリカ海軍万歳、ネイビーシールズは家族です的宣伝映画なんだね・・・と気づかされるけど、その感じがあまりにストレートなのでびっくり。

  ローンサバイバーP.jpg この事実は、想像を超える。

 2005年6月。 ネイビーシールズは“レッドウィング作戦”というあるタリバン幹部の暗殺計画を実行に移す。 任せられたのは4人の精鋭(マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター)。 夜陰に紛れてパラシュート降下、山岳地帯を夜通し歩いてターゲットに近寄るが、山の中でヤギの放牧をしていた村人たちに見つかってしまう。 作戦中止か? 撤退か? 存在を知られてしまった村人を殺すのか? 殺さないのか? 無線状況が悪く、本部からの命令も仰げない4人は決断を迫られる。
 ま、タイトルが『ローン・サバイバー』ですので・・・彼らは村人たちを解放し、その結果200人のタリバン兵に囲まれることになり、生き残ったのは一人だけ、というのは最初からわかっている。 問題はいかにして生き残れたのか、そのディテールがほとんどすべて、と言ってもいい映画。

  ローンサバイバー1.jpg 山岳地帯、といっても日本と違い、木も生えてるけど大半が岩肌。

 4:200という圧倒的な差もあれど、なにより見ていて「ひえーっ」となったのはその場を回避するためにごつごつした岩壁を瞬時の判断で転げ落ちていくところ(しかも一回や二回ではない)。 頭を打ったら死ぬよ! 骨も折れるよ! 下手したら銃が暴発するのでは!(というか武器を持っていられる状態でもないからライフルなくすのでは?)、みたいな状態。 4人それぞれの擦過傷(っていうほど軽くないけど・・・)もなかなかリアルだった。 普通の人だったら死んでるんでしょうね、そこはネイビーシールズの訓練を潜り抜けてきた人たちだから、ということで。
 それにしても危機・また危機で、もうここで終わりだ!、と思ったら周囲の敵を巻き込んで玉砕、みたいなのはないんだなぁ、と驚く。 これが国民性の違いなのだろうか(タリバンであれば自爆するだろうし、日本人もその傾向が強いであろう)。 それとも、<最後まであきらめず、仲間を信じて全力で戦う>というのがネイビーシールズの精神なのだろうか。 それ故に、戦闘は過酷を極めるわけですが。
 そして4人が苦境にいると知った基地の人々・・・『プライベート・ライアン』的理不尽さ(一人、または数名を助けるためにそれ以上の人数が犠牲になる)が起こるのが戦場なのかもしれないけれど、これって心情的にも助けにいかないわけにはいかないし、難しいなぁ。
 結局、戦争をしないことがいちばんですね。 そういう意味では反戦映画にもなってます。

  ローンサバイバー4.jpg ほんとに全部実話ですか?、の奇跡の救出。

 悪いのは全部タリバンです、アフガニスタンの普通の村の人々はタリバン支配を苦々しく思って抵抗しています、という部分をしっかり入れることで、最初に受けた印象だった<プロパガンダ映画>という部分を避けようとバランスを取っているのか、それを含めてた上でのアメリカ主義宣伝なのか、実に巧妙。 いやいや、だったらタリバンと戦っている村々をアメリカは応援すべきなのでは?(しているのかもしれないが、この映画ではちょっとはっきりしなかった)。
 それにしても・・・言葉の通じない相手と戦っているって、なんなんだろ。 
 はるか昔から、人間は同じ間違いをしているとしか思えない・・・社会や、世界が複雑になればなるほど、単純なことが軽視されている気がしてならない。
 エンドロールは反則。 あれは泣かされる、ずるい。
 俳優の方々はモデルになった人たちに似せようと、あとアフガンにいる軍人的風貌ということでヒゲもじゃだったりしているのでエミール・ハーシュとか最初わからなかったよ。
 それでもマーク・ウォールバーグはマーク・ウォールバーグだった。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする