2014年04月25日

グランドピアノ 狙われた黒鍵/GRAND PIANO

 これは予告を見たときからB級サスペンスの香りがあふれており、あたし好みの気配濃厚で是非見たかった。 それに<イライジャ・ウッド×ジョン・キューザック>なんて、現B級サスペンス映画の帝王からの橋渡し?!、と個人的に大変盛り上がりました。

  グランドピアノP.jpg 一音でも間違えたら殺される・・・。
    天才ピアニストの運命は――

 世界屈指の若き天才ピアニストと呼ばれるトム・セルズニック(イライジャ・ウッド)だが、5年前のコンサートで大きなミスをして以来隠居状態だった。 しかし新進人気女優のエマ(ケリー・ビシェ)と結婚したことで彼への注目が高まり、また妻にはげまされたのもあって、今は亡き恩師の追悼コンサートに参加を決めるが、シカゴへ向かう飛行機の中から後悔でいっぱい。 しかし今回のコンサートでは、師が大切にしていた特別仕様のベーゼンドルファーを弾くのだ。
 イライジャ・ウッドは意外と神経細いというか、神経質なキャラが似合う。 追いつめられる感じが絵になるからかもしれない。 しかし、ストーリーに入り込む前に違和感。 カメラの動きがなんだか不思議。 やたらな長回しの多用、本来すっと流すべき、特別な意味があるとは思えないシーンを直前にカット、パーンも普通に斜めに動かせばいいのに、妙にジグザグとした動き。 低予算だからかしら、キャリアの浅い監督なのかしら、と思ったけど、かといって全部が全部そうではない。 それもまた、目くらましなのか?

  グランドピアノ1.jpg イライジャ・ウッド、自分でピアノ弾いているように結構見えるよ! 足のペダルは全然動いてなかったが。

 映画はトムの葛藤と克服を描くのではなく、突然会場に狙撃犯(ジョン・キューザック)が現れ、トムに難曲“ラ・シンケッテ”を一音もミスすることなく弾き抜けと要求。 さもなくばボックス席にいる妻を殺す、と脅迫。 “ラ・シンケッテ”はトムのトラウマ曲で、ミスなしで弾けるわけがない・・・と蒼ざめるトムは、どうにかして事態を打開しようとする、という話。
 狙撃手の存在は赤外線スコープの赤い点、インカムから聞こえる声の指示のみ。
 そういう意味では『フォーン・ブース』的ワンシチュエーションスリラーかと思いきや(あっちでは狙撃手をキーファー・サザーランドがやっていたので、やはり声だけの演技だからこそのベテラン起用)、トムくん、ステージから降りて楽屋やステージ裏を走り回る!
 オーケストラ演奏の場合、自分の楽器の出番が長くないときは席を外したりするのは結構よくあることですが、それにしても観客から不信感を買う席の外し方だった。
 はた、と気づく。 サスペンス映画に見せかけているが、これはコメディだったのか?
 もしくは、演奏会とピアノにまつわる話と見せかけて、実は全然違うものを描いているメタ映画?
 と、つい深読みしたくなるのは、ジョン・キューザックが出演OKしたのだからどこか新しいなにかとか、意外性があるに違いないと思いたいからだ・・・。

  グランドピアノ4.jpg ラスト近くでやっと登場したと思ったら、微妙にカッコ悪かったよ・・・ジョン・キューザックファン泣かせ?

 なんというか、スリリングなコメディ映画だったなぁ。 なかなか面白かったというか、結構笑っちゃったんだけど。 “ラ・シンケッテ”って楽曲も、現代音楽っぽいのにところどころロマン派・・・。 なんともいえないつぎはぎ感、それは映画全体の印象にもつながっているかも。 だからああいうカメラワークだったのかな?
 演奏会で携帯電話の電源を切らないとひどい目に遭う、という教訓映画でもあったかも。
 そしてあたしは、お気楽でお調子者な指揮者さんがちょっと好きだった。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする