2014年04月21日

リバーサイド・チルドレン/梓崎優

 調子よく本も読んでいたんですけどね・・・先週木曜日の一件以来、ぱたっと読む手が止まってしまった(思い出すと泣けてくるから、思い出さないようにしてるんだけど、そう上手くいくわけではないから)。 そんなわけで、今回も『ブラックライダー』は読み終われずに返却する運命だ・・・。 こっちはその前に読み終わっていたのでよかったけど。
 カンボジアでストリート・チルドレンとして生きる彼らの自由で穏やかな、しかし同時に過酷な日常。 日本人ながらある事情で父親に捨てられたミサキは、あるグループのリーダー・ヴェニイに拾われてそんな仲間として生きていた。

  リバーサイドチルドレン.jpg そんなミサキによる、一人称形式。

 感情を表現することをできるだけ排除していた『盤上の夜』を読んだ後なので、センチメンタリズムあふれる文体がちょっと過多すぎるように思えて、彼らを取り巻く過酷さがどこか牧歌的に映ってしまう部分も。 あえて夢と現実をはっきりさせない描写もあるので意図的なのでしょうが。
 しかしそれ故に、子供たちが次々と襲われる連続殺人にリアリティというか、悲壮感がないのがいいのか悪いのか。
 探偵役となるあの青年は、『叫びと祈り』のあの彼だと思っていいのかな?
 そういう“つづき感”はちょっと微笑ましいのですが、前作を読んでない人にとっては「こいつ、誰?」ということにもなりかねないのでは・・・。
 子供たちはたくましい、のですが、ストリート・チルドレンという存在に対して根本的な解決策は示されない。 外部の力で国の内部を変えることはできないし、内部の人の力でやらない限り国は変わらないだろうし、それには時間がかかるけれど。
 それでも希望があるのなら、まだ、いいのかな。

ラベル:国内ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする