2014年03月13日

“主席警部アラン・バンクス”シリーズ

 ピーター・ロビンスンのアラン・バンクスシリーズを4作目まで順番に読んできたのですが、イギリスのドラマになった話に一向に当たらない・・・。 まぁ、シリーズが長く続いていれば一作目からドラマにするとは限らないし、一作目が映像化されても二作目以降が続くとは限りませんからね。

  バンクス04夢の刺.jpg 夢の棘/ピーター・ロビンスン
    ↑ そんな4作目。 『ゆめのいばら』と読みます。
 舞台はヨークシャーなれど、更に郊外にあるスウェインズヘッド丘陵の懐深い懸谷で、かなり腐敗した遺体が発見される。 他殺であることは疑いがないが、被害者の身元がまったくわからない・・・という話。
 狭いコミュニティでの悲劇が、また描かれます。
 これはこれで面白いのですが・・・しかしドラマのイメージと全然違うのよねぇ。
 ドラマではバンクス警部は妻に出て行かれたやもめ。 事件を介して知り合った巡査部長(のちに警部補となる)アニー・カボットとお互い憎からぬ感情を抱くが、アニーが配置換えになりバンクスの直属の部下になったことで二人の仲は進展せず。 ファーストシーズンのラストではアニーからバンクスへの愛の告白ともとれる台詞で幕を閉じたのだが、セカンドシーズン冒頭でアニーは妊娠していることが視聴者に告げられる(バンクスの子供ではないが、父親は不明)。
 しかし、原作の今の段階ではバンクスにはサンドラという妻がいて、夫婦仲は割合良好。
 事件で知り合った心理学者ジェニー・フラーとバンクスはお互い惹かれあうものを感じ合っているが、妻を愛しているので、とバンクスはジェニーの誘いを断っている。 どっちにしろもてるな、バンクス!(ちなみに、ドラマにはジェニーは登場していない)。
 一体どうなってるんだ、と気になって、ドラマの原題から原作を探すと、ドラマの第一話『地下室の悪夢』はシリーズ12作目“Aftermath”(邦題『余波』)だとわかる。
 しかもシリーズ全部が邦訳されていないと知り、もう順番いいや!、と思ってしまう。

  バンクス11余波1.jpgバンクス11余波2.jpg 余波/ピーター・ロビンスン
    版元変わってるし・・・東京創元社がシリーズを途中で手放すなんて。
 冒頭に起こるのは、確かにドラマと同じ事件。 しかも、バンクスは妻サンドラに去られている! 離婚を迫られているが納得いかなくてサインしていない状態。 アニーはすでに登場しており、なんかバンクスと付き合ってるし! 5〜11作目の間に何があったんだ!
 そういうことが気になってしまうということが、シリーズものの罠。 ま、それもまたよし。
 原作でいちばん重要な設定がドラマでは完全無視されていたことにも驚いたが・・・まぁ、だからこそ原作を読むよろこびが大きいと申せましょうか。 たかだか90分の映像化ではすべてのエッセンスを消化するのは無理、だから大胆に刈り込むのもありだと感じるようになってきたあたし。 映像でこそできる表現もありますからね。
 それにしても、ショッキングな作品でないと映像化に向かないということなのかしら。
 これまでに読んだシリーズの中でもいちばん手ひどいエピソードだ・・・。 イギリス人、シビアで残酷なドラマを好むのかしら(思い返せば、かつてNHK−BSで見た『心理探偵フィッツ』『捜査官クリーガン』などもなかなかひどい話ばかりだった)。
 もうシリーズを順番に読まなくていい!、と自分に言い聞かせることにする。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする