2014年03月02日

ウルフ・オブ・ウォールストリート/THE WOLF OF WALL STREET



 おかしいなぁ、あれだけ宣伝しておいていつまでたってもレイトショーにならないなんて、



と訝しく思い、よくよく見たら<上映時間179分>。 179分! さ、3時間!



 下手すりゃ『ホビット』より長いのでは・・・(おかしなことに『ホビット』であれば3時間は



既定路線です)。 109シネマズHATではレイトショー設定になっていましたが終わりの



時間が24時とかになるので、OSミント神戸19:00からの回に参戦。



 そしたら映画館ロビーには“『ウルフ・オブ・ウォールストリート』はR18+です”という



張り紙がばちばちと。 えっ、「ドヤ顔でアカデミー賞最有力!」っていうのしか記憶に残って



なかったんですけど・・・(どっちにせよあたしはもはやレーティングに関係ない年齢では



あるのですけどね)。



   <欲>を売り<夢>をカネに換えた男の、仰天人生エンタテイメント



 22歳で田舎から出てきたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、学歴や



コネもないのにウォール街の投資銀行で働きはじめる。 最初にウォール街の洗礼を彼に



浴びせたのは有力ブローカーのマーク・ハンナ(マシュー・マコノヒー)。 ヤクでもやらないと



やってられないよ、というぶっ飛んだ姿は、1980年〜90年代という時代を象徴しているの



だろう(日本のバブル期とかぶってる部分ありでは)。



   出番は少ないが強烈な印象。 『ダラス・

   バイヤーズ・クラブ』
の後なのか前なのか、まだ不健康なやせ方ですな。



 とりあえず「金を儲けるぞ!」が信条のジョーダン、上役にこき使われつつも株式仲買人の



資格を取り、今日からひとり立ちという日がブラックマンデー。 職を失った彼は失意の中、



妻のために「なんでもいいから仕事をするよ」というが、美容師である妻は「あなたの仕事は



株式仲買人でしょ」とそれ以外の仕事は許さず、求人広告のすみっこに載っていた<株式



仲買人募集>によってジョーダンの運命は変わっていく・・・。



 実は物語はジョーダン・ベルフォードのナレーションで始まり、それは最後まで進む。



 ときにジョーダンはカメラ目線で現状について語る。 で、初めの段階で二番目の奥さんに



べた惚れなことを話しているので、美容師の奥さんは早々に捨てられることに・・・でも彼女は



いい人だったのに、ジョーダンの岐路にいい助言をしていたのは彼女だったのにね。



 そんなわけで、全編バカどもの話です。



   いろいろあって、大儲け。



 でかい家を、車を買い、贅沢三昧のパーティーをして、仕事の合間に酒と女とクスリ。



 それ以外、お金って使い道はないんですかね?、と聞きたくなるようなベタな散財ばかり。



スピーチ上手のジョーダンにのせられて働く(遊ぶ)仲間たち・社員たちも含め、ほぼ出ずっ



ぱりのディカプリオはほとんど叫んでいるかラリっているかでテンション高く、見ていてとても



疲れる・・・。 この映画のあと、しばらく休養したいと言った気持ちわかるわ! こめかみの



血管とか何本も切れてそうだもん! ラリってるときの芝居も妙な気迫にあふれているし。



 そんなバカばっかりの中、ジョーダンの父マックス・ベルフォード(ロブ・ライナー)が唯一の



普通人で(いや、この人もちょっと変わってるんだけど、登場人物の中では相当にまともな



感覚を持っている人)、癒されました。



 ところでこのロブ・ライナーって映画監督のロブ・ライナー?



 ジョーダンに匹敵するバカ筆頭は、ドニー(ジョナ・ヒル)。



   まだジョーダンがせこい稼ぎをやってたときに

    ダイナーで知り合う。 ジョーダンの年収を聞いただけで、今の仕事を全部辞めて

    そのあとはずっとジョーダンについていくことに。



 思い切りがいいのか、バカなのか・・・。 とはいえ、それ以降はジョーダンにとっては信頼



できるパートナーであり、親友という存在に。



 まぁ、これだけやって目立たないはずがない(ジョーダン・ベルフォードには合法の範囲に



収めようとする意識はない)。 ついにはFBIの金融関係捜査官パトリック・デナム(カイル・



チャンドラー)にも目をつけられるがどこ吹く風で、余分な金はスイス銀行に預けることに



(このスイス銀行の担当者がジャン・デュジャルダンで、伊達者ぶりが大笑い)。



 なにしろ語り手であるジョーダンが基本酔っているかラリっているかなので、描写はかなり



大袈裟になりがち(ヨットを襲う悪天候も『パーフェクト・ストーム』並みだが、それが事実



ならみんな死んでいる)。 現実とヤクのフィルターごしの現実との区別のつかない感じが



笑えるところでもあり、恐ろしいところでもある。 こんな生き方してたら、何度死んでも追い



つかない(いや、それ、死ぬって!、と見ていて何度も思った)。 ジョーダン・ベルフォードが



今生きているのは、ほんとに悪運の強さだけだなぁ。 そしてクスリの恐ろしさもまた十分に



感じましたよ。 理性がなくなってるもんね!



 彼には善悪なんて基準は意味をなさなかったんだろう。 金儲けしたって無駄遣いしかして



ないし。 あ、そうか、好きなだけ無駄遣いがしたいというのが彼の人生の目標(?)なのか?!



ならば、彼はもう思い残すことはないんだろうな。 捕まったけど司法取引でかなり減刑して



もらったようだし、自分のこと映画にしてもらえちゃったし。



 でもどっからどう見ても、バカだけどね!



 『ディパーテッド』のような、どちらかに善悪の立場を背負わせるような内容よりも、そんな



ものは関係ない側にいる人たちの物語の方がスコセッシには映画を撮りやすいのかも。



 ディカプリオのずっとラリってる演技は確かにすごかったけど、こういう“アクセル踏みっ



ぱなし”のような役柄は他でも見たことあるし・・・となると今回も主演男優賞は難しいかなぁ。



 この映画がR18+なのには、激しく納得でしたが。



 あ、179分も、十分もちましたよ。


posted by かしこん at 10:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする