2014年01月12日

出遅れシアター → “仁義なき戦い”シリーズ一挙放送 その1

 今月のWOWOWの目玉のひとつは『仁義なき戦い』シリーズの一挙放送。
 何故新年からこれなのかはいまいちよくわかりませんが(どうもリマスターしたものを映画館で一挙上映という企画もあるようなので、それに乗っかっているのか)、実はまったく見たことがないあたし。 深作欣二再評価の流れも昨今ありますし、プログラムガイドにはこのシリーズをほめちぎるコラムも載っていたし、とりあえず見てみようじゃないか、と思ったのであります。

仁義なき戦い
 シリーズ第一作(というか、これを制作中にシリーズ化が決まった模様。 公開年度を見てみたら1973・74年の2年間で5作品。 どんだけ撮影が早いのか、それとも並行して撮影していたのか?)。 実話がもとで広島が舞台、ということは知っていたのですが、冒頭のショットで原爆のキノコ雲を捉えているのに度肝を抜かれる。
 あぁ、そういう時代なんだ!

  仁義なき戦いP.jpg なんだかもうポスターから怖い(というか時代を感じる)。
 敗戦直後の広島県呉市。 復員兵である広能昌三(菅原文太)は女性に無体をはたらく進駐軍に殴りかかり、度胸のよさと正義感を買われて地元組織(のちの山守組)にスカウトされる。 成程、進駐軍への反感からヤクザが組織化されたのか、と一瞬考えたあたしだが、日本人同士で縄張り争いをしている描写(日本刀でばしばし斬ってるし)でがっくり。 まぁ、敗戦という国全体を覆う空気が影響していないとは言えないだろうけど。
 <日本暴力団抗争史上で最も多くの血を流した“広島ヤクザ抗争”を、ドキュメンタリー・タッチで描く>というだけあって、人がいっぱい集まって口々に騒ぎたてるシーンでは何を言っているのかよくわからない・・・方言がよくわからない、ということもあり。 おまけに今から見ても相当のオールスターキャストなのに、登場人物の誰ひとりの心情にも寄っていない徹底したドライ感。 斜めアングルや静止画などの多用によるスピード感はもはやドライヴ・グルーヴ感と言ってもいいほど。 「あぁ、この感じ、なんか見たことある!」と何度も思ってしまうのは、この映画が与えた影響が世界にも広まっているから?
 裏切りの連鎖というか、死が常に自分をつけ狙っているような感覚があるのに、結局のところ迎える“死”はあっさりとしたものというか・・・無力感が半端ない。

仁義なき戦い/広島死闘篇
 なのに引き続き見てしまったシリーズ第二作。 呉であんなことがあったあと、広島では・・・という番外編的なつくりなのか? 菅原文太の名前が最初にクレジットされますが、彼がちょこっと顔を出すからシリーズだと言えるのか? 主役は北大路欣也でした。

  仁義なき戦い広島P.jpg <見せる生の暴力!>ってコピーもすごいよ・・・。
 ちょっとしたことですぐキレて暴力に走る山中(北大路欣也)は賭博場での傷害事件がもとで刑務所へ。 出所後、無銭飲食のトラブルで大友連合会のメンバーに袋叩きにされ、その仕返しのため対立する村岡組の組員になることを志願する。
 なんとなく北大路欣也ってエリート的な育ちのよさとかインテリなところを感じさせる役者だと思っていたので(多分それは『八甲田山』の影響。 若い頃の作品はそんなに見ていないので)、感情を抑えられない愚鈍ぽさが似合わないように思えたのですが、顔つきが違うくらいの熱演(知っていなければ北大路欣也だとはわからなかったかも)。 おまけに前作とは違って完全に彼が主役という立ち位置で、血で血を洗う抗争と同時に村岡組長の姪との純愛物語まで描かれててびっくり。 山中にあたる人物が実在の人物だからか?
 が、勿論、北大路欣也一人の映画では全然なくて、大友連合会会長の息子を演じる千葉真一の針の振り切れっぷりはヤクザというより快楽殺人者の域に達しており、これまた度肝抜かれましたよ。 前作よりも若者たちの無軌道ぶりというか、やりきれない青春の暴走といった空気が強くなった感じ。 そのなかで、大人な成田三樹夫がかっこよすぎで。

 一挙放送のおかげで、映画終了後に次作の予告編(当時の)が流れるのですよ・・・となると次も見ないとね、という気持ちになっちゃうわけです。 三作目には一作目で死んだ方が続々出てくるようですが、時間軸が変わるのか? 別の人物設定なのか?
 ほら、それも気になるし。

ラベル:日本映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(3) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする