2014年01月04日

バーニング・ワイヤー/ジェフリー・ディーヴァー



 思えば、リンカーン・ライムとの付き合いも長い。



 シリーズ一作目である『ボーン・コレクター』を読んだのは映画を見に行く前のことだから



1999年。 映画はそれなりの出来ではあったけど、原作を先に読んでおいてよかったよ、



という気持ちに。 その後、シリーズをずっと読んでいるわけですが、そのくせリンカーン・



ライムのあたしの脳内イメージはデンゼル・ワシントンだという不思議(でも何故かアメリア・



サックスはアンジェリーナ・ジョリーではない)。 だから何作目かでリンカーン・ライムが



黒人ではない的な描写に出くわしてひっくり返ったことがある。 先入観はおそろしい



(それでもやっぱりデンゼル・ワシントンのイメージで今も読んでしまう。 最近の彼ではなく、



映画のときのちょっと若い感じで)。



 さて、シリーズ9作目に当たる今回の敵(というか凶器?)は電気。



   人が死ぬには100ミリアンペアで十分なんですよね。



 送電システムの急激な異常により、電力がひとつの変電所に集中。 爆発的な放電が



発生した結果、アークフラッシュが路線バスを襲う。 が、これは事故ではなく、電力網を



あやつる犯人によるデモンストレーションだった。 犯人はニューヨーク市への送電を予告



なしに50%削減することを要求し、のまなければ更なる犠牲を出すと言ってくるが・・・。



 犯人の名前が割れるのが早すぎないですか!、と思えば勿論ちゃんと意味があるわけで、



流れがわかっているのにハラハラしてしまいますよ!



 今回は久し振りにFBI覆面捜査官のフレッド・デルレイにスポットが当たり、彼のバック



グラウンドがこんなに語られるのなんて初めてでは!、とうれしくなる(もう、シリーズものの



レギュラーメンバーには長く続いている海外ドラマばりの親しみを感じる)。



 そして電気の専門家としてゲスト登場のチャーリー・サマーズがすごくいいキャラで!



 あと電話でしか出てこないけど、メキシコ連邦警察副長官であるロドルフォ・ルナがやたら



かっこいい! 結構人は死ぬし、ウォッチメイカーの追跡はまだまだ続いているので展開が



容赦なく、そういう部分で読者としては気持ちを盛り上げるしかなく。



 また、犯人の手記らしきものに「電気が今の半分でも十分人間たちがやっていけると



わかれば、こんなに苦しむ人は出なくてすんだ」的記述があり・・・グサグサ刺さった。



そうですよね、あの節電意識で猛暑を乗り切っていたことを思えば、フクイチは継続運転



しなくてよかったですよね・・・そうすれば3.11のときはとっくに動いてなかったですよね



・・・なんかすみません。 再生エネルギーの話とか、環境テロとか絡んでくる部分もいちいち



日本に置き換え可能なところが切ないわけで(本筋とは微妙に関係がないところですが)。



 『CSI:科学捜査班』への悪口(?)が今回も出てきたり、エンタメ系の時事ネタ(?)が



毎回織り込まれているのは楽しく、お約束です。 その反面、ウォッチメイカーの件は反則



ではないかとも思ってみたり(でも、それを言ってしまってはディーヴァーは常に反則である



ことになる)。



 エピローグでは今後のリンカーン・ライムに大きな変化が起こりそうな予兆!



 シリーズの展開も変わりそう。 でもまたそれは、もう少し先の楽しみである。



 さ、そのうちキャサリン・ダンスシリーズの新作も読もう!


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする