2013年12月17日

キャプテン・フィリップス/CAPTAIN PHILLIPS



 なんとなく、見なくても予告だけで話はわかってるよなぁ、という感じがしたのだが、CMで



試写を見たらしき人たちが次々「感動しました!」と言っているのを見て、「そんなはずは



ないだろう(だって、監督はポール・グリーングラスだよ!)」と感じた自分の勘を確かめて



みたくて。 実際、“感動”というキーワードはなんか違ってたと思う・・・そう宣伝しないと



売れないと思われている世の中なんでしょうか。



   「生きて還る――」 勇気だけが彼の希望となった。

  2009年、ソマリア沖。 20人の乗組員を救うために海賊の人質となった船長の4日間。



 冒頭から映像のタッチがもうドキュメンタリー。 次の航海に出るリチャード・フィリップス



(トム・ハンクス)は妻に送られて空港へ。 そこでの会話で「現在はすっかりサバイバルの



時代だ。 自分の頃は真面目にやっていれば当たり前に船長になれたけど、子供たちは



仕事が見つかるかどうかわからない。 まったく、何が起こるかわからない時代になった」



みたいなことを言ってしまうベタ加減にびっくりする。 実話ベースだから実際のご夫婦が



こういう会話をたまたましていたのなら仕方ないが、あえて創作した会話ならあざとすぎ



ではないですか? しかし映画はあと、ほとんど海の上でだけ展開するので・・・この事件が



どうアメリカで報道されてどんな騒ぎになっていたのかは映像として出てこないので、ここは



妥協点なのかもしれない。



 コンテナ船であるマークス・アラバマ号はアメリカ船籍だが民間会社なので武器は持って



いない。 そのかわり船の全周囲に向けて放水できるホースを備えており、それが唯一の



武器か。 出港前に全体を点検したり、船が出てからも予告なしで訓練を実施するなど、



フィリップス船長は危機管理を考えている有能な船長であることがわかる。 でもこの放水



ホースって、日本の海上保安庁の船がつけられるものと原理は同じだよね・・・マークス・



アラバマ号の船員の方々は武器がないことにご立腹(?)でしたが、民間船がつけている



ものしかつけられない海上保安庁の立場って・・・、とあたしは悲しくなってしまった。



   イヤな予感が的中し、海賊がやってくる。



 ソマリアの海賊側にも事情があるということは語られるのですが、だからって「あいつを



撃ち殺せ!」って言いながら銃をぶっ放すのはダメだろ。 海賊側のリーダー格・ムセは



賢い男だが、寄せ集めの人員で海賊をやらされているのでチームワークがなってないし、



すぐに「殺せ!」っていうバカがいるのも困りもの。 自分たちが襲った船がアメリカ船と



知って喜ぶ・・・いや、下手にアメリカ人を殺そうものならアメリカ海軍総攻撃の口実を自ら



与えることになるって気づいてる? 知恵と船員一丸の協力でどうにか海賊から逃れようと



するキャプテンの判断と、見込みが甘すぎる海賊側の両方の描写に大変ハラハラしました。



   結局、乗りこまれてコクピットは占拠されるけど・・・。



 絶望的な状況の中で、「この船をよく知っているのは我々の方だから」と士気をくじかない



キャプテンはかっこいいね! でもそう思ったのは映画を観終わってから思い返したときで、



見ている最中は緊張感にこちらもびくびくしていた気がする。 もともとは漁師だったのに、



外国の大型船が魚をごっそり獲っていくから自分たちが魚を獲れなくなった、漁師として



食っていけないというソマリアの方々もつらいが、でも誘拐や海賊がビジネスになってしまう



ようでは国としてまずいだろ!、と海賊行為を指示する“将軍”とやらに怒りが爆発。



 ソマリア人にとっては“リッチの代表”とも思えるアメリカも実際はそんな余裕はなくなって



きているわけで、それでも俺たちよりはましだろうとでもいうか、なんでしょう、この間違った



グローバル化が世界をよりややこしくしているのでは・・・。 あぁ、なんか『シリアナ』のときと



変わってない、もしくはもっとひどくなっているんだなぁ、と実感。



 アメリカ海軍だけでなくネイビーシールズまで投入され、全権限が渡された人物は『ザ・



ユニット 米軍特殊部隊』
の人で、この前は『パシフィック・リム』にも出てたじゃん!、と



笑ってしまった。 軍人顔なのかしら。 ともかくも、ここまでやるのがアメリカよねぇ。 軍が



動いたと知って「自分も含めて全員死ぬかも」と覚悟したキャプテンは、正しいアメリカ人の



姿なんだろうか。



   一応、交渉もします。



 賢そうなムセも、正確な国際情勢というかトップがどう出るかによって自分はあっさりと



お払い箱にされる可能性があるということは意識しなかったんだろうか。 うーむ、知識と



いうか教育というか、そういうのがやはり大事というか、遠回りに思えてイライラするけれど、



それしか世の中を変える道はないのであろうかと思わされた。



 実は、フィリップス船長役はトム・ハンクスではなくてもよかったのではないか、結構誰でも



そこそこ演じられたのではないかと見ながら思っていたのだけれど、ラスト約10分の、放心



状態・茫然自失のリアルさには度肝を抜かれた(全編リアルさの追求だったというのに!)。



あぁ、この部分の演技のためのトム・ハンクスだったのか、この部分のための本編だった



のか、と思ってしまうほど。



 あたしも、放心状態を疑似体験。 だから感動どころじゃないよ!



 やはりこの映画、限りなくドキュメンタリーを目指していたのね。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月16日

REDリターンズ/RED 2



 予告でアンソニー・ホプキンスがあまりにキュートなご様子を見せてくれたので、



それを楽しみに。 一作目がそこそこ面白かったということもあるし、なにしろヘレン・



ミレンが相変わらずかっこよさげだったのです。



 元CIAエージェントだったフランク(ブルース・ウィリス)は一連の騒動の後、恋人の



サラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)と共に平穏で静かな暮らしに戻り、平凡さを



楽しんでいた。 しかしこんなところにかつての仲間マーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)が



現れ、以前関わったある極秘計画がウィキリークスに流失し、フランクとマーヴィンの



名前が表に出たのでヤバいと言い出す。 平和な生活を壊されたくないフランクだが、



実はサラはそんな日々に飽き飽きしており、刺激を求めてマーヴィンに味方する。



 そうしてまたフランクの望まないところで、事態は動きだしていくのだった・・・という話。



   若造に世界が救えるか!!

   ※RED(=RETIRED EXTREMELY DANGEROUS):引退した危険な年金生活者



 とりあえず、出てくる人たちがみなさんやりたい放題なのです(引き続きの人も、新しく



出てきた人も)。 特にサラは年金課に勤めてた普通の公務員だったのに、「危険な状況



大好き!」な人になってしまっていて困りもの(前作では唯一の素人なのに足を引っ張る



存在ではなかったことがプラスに働いていたが)。 ボケまくりの人たちに対してブルース・



ウィリスひとりでツッコミ役なのは力不足だよ・・・やはり前作でモーガン・フリーマンを退場



させたのは早すぎたな。 平常心な人が一人ほしい。



   フランクを囲む元カノと今カノの争いもあり。



 そんな余裕ないというのに、元カノで元ロシアのスパイ・カーチャ(キャサリン・ゼタ=



ジョーンズ)も遠慮しない人だし、彼らの暗殺を依頼された最強と言われる殺し屋ハン



(イ・ビョンホン)はフランクのかつての弟子だったりするし、あなたたちの中の私怨で



ぐるぐるしてなければもっと早く片付いたのでは?



 ま、それを言っちゃおしまいなんですけど、REDのみなさんのはじけっぷりというか



自己パロディ精神が見どころになっちゃってます。



   ベイリー博士(アンソニー・ホプキンス)は

    精神病院に32年間監禁されていた設定。 ほとんどご陽気なレクター博士でした。



 それにしてもヘレン・ミレンはいいわぁ。 電話しながらお風呂場で酸を使って遺体処理



とか(画面にはリアルなところは映らず)、アンジェリーナ・ジョリーばりのカーチェイスに



二丁拳銃とか、それでいて優雅な物腰。 「私はクイーンよ!」とか言っちゃうのも素敵。



 しかし全体的により大味になった感は否めない・・・途中、中だるみもあるし。 しかも



ラストは世界を救ったことになってないし!



 うーん、これは『3』はないかもしれない。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月15日

ついに電子書籍か・・・

 角川書店から出ている服部まゆみ作品が、比較的電子書籍になっていることがわかる。
 で、手に入る種類が多いのはやっぱりキンドルなのよね!
 ってことで、ぐずぐずしていましたがニューモデルも出たことだしKindle Paperwhiteを買おうかな!、と決心。 しかし普通のWi-Fiタイプでいいのか、3G+Wi-Fiにするべきかで迷う。 自宅ではWi-Fi入れてないのよね(そしてあたしはガラケーである)。
 3Gついている方が便利だとはわかっているが、お値段が五千円高くなるのよね・・・それに一応あたしは都市部に住んでいるわけだから、公共のWi-Fiポイントが結構あるわけで、ダウンロードはそこに移動してやればいい気もするし・・・それはずるいですか?
 ただ、3Gつきの方が「1〜2ヶ月以内に発送」になっている・・・待たされるのに対して、Wi-Fiのみタイプは「在庫あり」。
 どうしよう! すごい困る?!
 なにしろ『時のアラベスク』『罪深き緑の夏』が図書館でも書庫に入れられちゃっている状態では、いつ廃棄されるかわからないし・・・いや、あたしは持ってますけど、文庫初版だから(そして何度も読み返しているから)結構ボロいのです。 でも天野喜孝の表紙は貴重!

posted by かしこん at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・読書 reading books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月14日

大ショック・・・



 先日、作家の服部まゆみについて言及したところ、通りすがりの方からご指摘を



いただきました。



 「服部まゆみは2007年に死んでます」



 ―― ・・・ 。



 えっ!



 心臓が一瞬、止まるかと思い、そのあとすごい勢いで暴れ出しそうになる。



 と、いうことは、『ラ・ロンド』が遺作ってこと?!



 『レオナルドのユダ』の文庫を「読み終わるのもったいない〜」とにやにやしながら



電車の中で読んでいたのは、あれはいつのこと?!



 心底、動揺。 どうしよう、ショックで何も手につかない。


posted by かしこん at 20:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月13日

ちはやふる 23巻/末次由紀



 続きものマンガの続巻が、年末を駆け足するかのように出現する。



 結構刊行ペースが重なるときがある『宇宙兄弟』もつい探してしまったが、それはまだの



ようであった。



 『ちはやふる』は一冊読んでも物語内の時間はそれほど経過していないので困る



(続きが早く読みたくなってしまうじゃないか)。



 この23巻も、前半の主役はほぼ原田先生です! かっこいいぞ、原田先生! ちっとも



おとなげないところが潔くて素敵!



   それに対して、今回の千早は動揺してばかり。



 「手放したくないからこそ手放す」などいいことも言っておりますが、新の一言に動揺し



まくり、周防名人の意地悪にもいいようにやられ、沈んでます。 まぁそのうち復活するで



しょうが、キャラ的に悩む姿が似合わないってのが主役としてすごいなぁ、と思います。



 それにしても周防名人の屈折度がまた判明して、「イヤな人だ・・・」感全開。 しかし



そんな人に魅力を感じる太一、危険だ!



 今回も机くんと大江さんに癒されました・・・。



 どうでもいいけど机くんは社会人になってからモテそうなタイプ、婚活市場で大人気に



なりそうな感じだなぁ、と見ていてほのぼの(?)してきます。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月12日

今日は4冊で。



 12月ってこんなに新刊出たっけ?、と首をかしげたくなるほど、なんだか今年は多い



感じが。 あたしが買いすぎなのでしょうか?



   人類資金X/福井晴敏



 あぁ、結局映画は見に行けなかったな・・・。 <映画では語られなかった真実の幕が



開く>そうなので、完結ペースに合わせて読もうかな(希望)。



   なぞの転校生/眉村卓



 うわっ、懐かしい! 『ねらわれた学園』はまだなんとか踏みとどまれたけど、これは



難しいよ。 眉村作品で最初に読んだのは、多分『天才はつくられる』だと思うんだけど、



その次ぐらいに『なぞの転校生』を読んだ感じがする(さ、30年くらい前か?)。 ほぼ



この2作で、眉村卓ジュブナイルの多くは語れるような気もする(そしてその集大成が



『とらえられたスクールバス』ということで)。



 来年1月から岩井俊二プロデュースでドラマ化されるようだ。



   ぐるぐる猿と歌う鳥/加納朋子



 <ミステリーランド>の文庫化を待ってました。 講談社はこのシリーズ、一回ノベルズに



落としてから文庫にするので6年以上待たされたことに・・・。 でも表紙の雰囲気はハード



カバーのよりずっとよろしい。 待ってたかいがありました。



 『ななつのこ』からずっと読んでおりますが、作品数はそれほど多くないし、そんなに早く



書く人でもない。 でも思い出した頃に新作が届く、そんな人でこれからもあってほしい。



   醜聞の作法/佐藤亜紀



 そうだ、あたしには佐藤亜紀もいたではないか! 皆川博子とは耽美の方向性が違う



けど、ドキドキする流麗な文体がここにはある!



 でもちょっと難しいときがあるのよね・・・しかしこれはコメディタッチっぽい!



 と、めずらしく全部講談社文庫、そしてどれも全部薄い。 こんなに薄くていいのかと、



ふと心配になったあたしは結構重症(分厚い本ばかり読み過ぎ&買い過ぎ)。 だって、



お会計4冊で2千円ちょっとって安くない?!、とびっくりしてしまいましたからね。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月11日

ハーバーランド・イルミネーション



 まさかブロガリメンテナンスが朝6時を過ぎても終わらないとは思わず(予定時刻を



見たら7時までになっていた。 それはちょっとひどいと思う)、撤退。





 神戸ルミナリエが始まっていて、三宮〜元町界隈はお客さんと交通規制ですごいことに。



人ごみの苦手なあたしはそこから遠ざかります。



 今はむしろハーバーランドが平日は狙い目ですよ。



   毎年恒例の巨大ツリー、今年はこんな感じに。



 umieに改装したためにぶら下がっていた青色発光ダイオードはなくなりましたが、



その名残は巨大な雪の結晶として光っています。 それはちょっといい角度からの



写真が撮れず・・・携帯電話のカメラなので限界が。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月10日

このミステリーがすごい! 【2014年版】



 今年も、この季節がやってきた。



 本屋に『このミステリーがすごい!』(以下、『このミス』と省略)が並ぶと、「ついに



12月が来たんだなぁ」と実感する。 『このミス』も今年で26冊目だそうですが、多分



あたしは2冊目からずっと買っている気がする・・・だからここ何年かは読むところが



少なくなってはいるのですが、ほぼ習慣というか、季節の風物詩という感じで。



   表紙からはランキングに関係する書名は消してあります。



 とはいえ、店頭では『このミス』が並ぶのと同時に、ランクインした本には<『このミス』



○位! 週刊文春△位!>
という新しい帯が巻かれて近くに並べられたりするので、



読む前にわかってしまうことが多いんですけどね・・・。



 国内編は、あたしがほとんど読んでいないのでわかったとしても関係ないといえば関係



ないのですが(選ばれる作品はほとんどがハードカバーなので)。 今回も20位以内の



作品で読んでいたのは『ビブリア古書堂の事件手帖4』だけだったという・・・(ちょうど



『ブラックライダー』は図書館から借りて読んでいる途中だったけど)。



 問題は、むしろ海外編。 買っているけどまだ読んでない作品が多数ランクイン・・・。



それでも国内に比べればまだ読んでいる方で、20位以内なら『11/22/63』



『終わりの感覚』『ゴーン・ガール』『六人目の少女』。 番外なら『GATACA』



『ペーパーボーイ』『ビッグ・ドライバー』『小鬼の市』が。



 『GATACA』に寄せられたコメントにほとんど「あまりの大風呂敷に唖然」と書いて



あるのに大笑い(あたしもそう思いました)。



 あぁ、でもこれで上位作品には図書館の予約が殺到するんだろうな・・・既に何作かは



あたしが予約を入れている本もあるけど、そうなると延長が絶対許されなくなるから。



 読んでいない本に押し潰されそうだ(物質的にも、精神的にも)。 あと20年もこんなこと



してたら、“老後”だけでは間に合わないかもしれない。 セミリタイアへの道を模索しよう



かな〜。 でも去年の今頃もそんなことを思っていた気がする・・・。


ラベル:このミス
posted by かしこん at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月09日

悪の法則/THE COUNSELOR



 豪華キャストにスタイリッシュ風な予告を何度見せられようとも、所詮脚本はコーマック・



マッカーシーである(あの『ノーカントリー』の原作者で、しかも初めて書いたオリジナル



映画脚本)。 絶対ダークな話に決まってるよな、と覚悟を持って臨んだのだけれど、



ここまでダークを通り越して恐ろしいとは思わなかった・・・。 本編が始まる前に「一部の



スペイン語には制作者の意図を汲んで字幕を付けていません」的なテロップが出るのにも、



もうすでに嫌な予感全開。



   もはやキャッチコピーすらもありません。



 アメリカ、メキシコ国境にほど近い町で“カウンセラー”と呼ばれている弁護士(マイケル・



ファスベンダー)は、美しく気立てのよい理想的な恋人ローラ(ペネロペ・クルス)の存在に



盛り上がり、彼女との結婚生活のためにはもっと金が必要だと考えていた。



 彼はクライアントのひとりである実業家のライナー(ハビエル・バルデム)の申し出を受ける



ことを決意、裏社会のブローカーであるウェストリー(ブラッド・ピット)の紹介を受け、メキシコ



麻薬カルテル絡みの新しいビジネスをすることに。 たった一回。 それは彼に巨額の利益を



与えるはずだったが・・・人生の歯車はもう狂い始めていた、という話。



 意外にも、前半はほとんど会話劇。



 しかもその会話には深い意味があるようなないような、哲学的であるようなないような。



なるほど、これがオールスターキャストの理由か(喋っている人たちに華がないと、言葉の



波を受け止められる客は限られてきてしまう。 あたしはこれだけのキャストを前にしても、



途中で意識を失いそうになった。 序盤は台詞の意味のわからなさにぶっ飛んでいたのだ



けれど、それがずっと続くと驚きがなくなる・・・)。



 いちばん印象に残っているのは、ライナーの恋人を演じるキャメロン・ディアスのある台詞。



 「真実に温度はないわ」



 ・・・どういうこと!、である。



   アイメイクの力の入れ具合に、

            「コメディ演技はしないわよ」という彼女の覚悟がうかがえるようだ。



 カウンセラーは悪い人間ではない。 ちょっと贅沢したい、恋人にいいかっこ見せたい、



きっかけはそれだけのごく普通の人間である。 なのに選択を間違えてしまったことで引き



返せない泥沼にどんどん落ち込んでいく・・・という過程をずっと見せられるので「しんどい」



とか「ダーク」どころの騒ぎではない。 しかも彼には折々に手助けしてくれそうな人物が



現れるのであるが、その人物たちはまったく役に立たないアドバイスだけして去っていく



(「もう手遅れだ」とか「引き返す道はもう過ぎてしまったよ」とか)。 なんなんだよ!、と



理不尽さだけが残される。



   ブラッド・ピットの役に立たなさときたら、

      『バーン・アフター・リーディング』以上。 気取っているだけに余計腹が立つ。



 そしてメキシコ麻薬カルテルの方々の言っていることが全然わからない(ときに聞き覚えの



ある単語が出てくるが、それは事前にアメリカ人たちがその単語について「こういうもの



らしい」と語っているからだ。 でも意味がわかっても全然うれしくない言葉なんだけど)。



 『悪の法則』という邦題がついているが、実は悪にはそもそも法則がない、会話の通じない



相手が悪意を持っていれば尚更こちらの予想通りになんか物事は進まない、だから死ぬ



必要がないように感じる人たちまでもがバンバン死んでいくのである。 こんな恐ろしい話は



あるか!、という感じだが・・・メキシコの恐ろしさは『ボーダータウン』という映画でも前に



見せられたので、やっぱり、という感は否めない。



 ま、悪いことはするもんじゃない、という話ではあるのだが・・・自分で選択した人ならば



まだしも、巻き込まれただけの人にはいい迷惑。 悪というのは理屈もなにも通じない、



災害よりもタチが悪い、普通の人には太刀打ちできないどうしようもないものだという



絶望感。 そう、2時間越えるこの映画では延々と絶望を手を変え品を変え見せられるのだ。



 げっそりである。 よくこんな映画が大々的に公開されたな・・・しかも興行成績トップ10に



何週も入っていられるな〜、と<オールスターキャスト>の威力に驚く。 内容的にはミニ



シアター系なのに(そしてそこそこ埋まっていた客席だったが、上映後の観客はほとんど



無言で帰っていった)。



 予告に騙されたお客さんたちは、この映画をどう受け止めているのだろう。



 ただあの台詞回しは結構クセになるかも・・・戯曲が出版されているので、図書館に予約



してみた(買って手元に置くのはなんかいやだった)。



 でもあたしにとっては、『グランド・イリュージョン』のほうがずっとオールスターキャスト



なんだけどな。


posted by かしこん at 06:34| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月08日

あと、8冊。



 先日、『川原泉傑作選U』を買ったとき、当然一冊で終われないあたしは他にも



買ったのでございますよ。



   中国の壺/川原泉



 表題作のほかに、傑作選に含まれていない『殿様は空のお城に住んでいる』



『イントレランス』『かぼちゃ計画』収録のため。 多分、手元に旧版コミックスを持って



いない川原ファンは大概これを買っているのではないかと推察する。



   少女外道/皆川博子



 こちらは東京創元社の復刻ものではなくて、2010年に文芸春秋から出た短編集の



文庫化。 “少女”であり“外道”でもある、そんな表現をさらりと書いて許される(そして



似合う)のは皆川博子だけ! 解説を黒田夏子さんが書かれてますが、『abさんご』



人ですよね? 解説分でもひらがなの使い方が独特でした。 そういうスタイルの方なのね。



 中井英夫直系ということで皆川博子を愛するあたしとしては、「ふっ、世間は皆川博子を



知らないなんて、なんてかわいそうなの!」と思いつつ、わかってくれそうな人にはこっそり



本を貸して「すごいよねぇ」と感激を分かち合い(おかげで『倒立する塔の殺人』が行方



不明じゃ)、でも「誰だこいつ!」みたいなやつが「皆川博子ってすごいですねぇ」と言って



きたら、「どこがいいのか800字以内で述べよ!」、と問い詰めてしまいかねないほどの



マニアに変貌しつつある・・・。 最近服部まゆみさんが全然復活してくれないので、直接



エロではない耽美世界を描いてくれる人が少ないのだ。



   三秒間の死角

                 /アンデシュ・ルースルンド&ペリエ・ヘルストレム




 何ヶ月か前の新刊。 作者の名前に見覚えがあったのだが・・・でもそのシリーズは角川



文庫じゃなかったからとそのときはスルーしたのだが、気になって調べたらやはり、例の



『死刑囚』の作者コンビであった。 あれは武田ランダムハウスジャパンだろ!、と思ったら、



倒産していた・・・(涙)。 まぁ、それまでにもいろんなところと合併したり社名もコロコロ



変わっていましたからな。 つまり引き続きの版権を角川が引き受けたのか。 あぁ、だから



北欧ミステリにも遅ればせながら力を入れようと『マルティン・ベック』シリーズも新訳する



ことにしたのか。 うむ、商売はいくつかのタイミングが揃わないと始められないのね。



   リヴァイアサン 〜クジラと蒸気機関〜

                        /スコット・ウェスターフィールド




 <新☆ハヤカワ・SF・シリーズ>(通称:新銀背)、ついに文庫化開始!、ということで。



この告知が出たときは「全部揃えたい!」と思ったものですが、ハヤカワポケットミステリと



同サイズということであきらめた(しかしコニー・ウィリスの『ブラックアウト』『オール



クリア』
がそれで出たために買ってしまったのでその決意は曖昧に)。 でも文庫になって



くれるのならば、揃えますよ!



   第六ポンプ/パオロ・バチカルピ



 こちらも<新☆ハヤカワ・SF・シリーズ>から。 第一弾文庫化は2冊。 第二期の



<新☆ハヤカワ・SF・シリーズ>の刊行も始まっており(第一弾はグレッグ・イーガン!)、



この流れでもしばらく楽しませてもらえそう。



 そういうあたしは実はまだ、『ねじまき少女』を(買ってるけど)読んでいないのだが!



   三谷幸喜 創作を語る/松野大介



 一連の離婚・再婚によりあたしは三谷幸喜に対する興味を失ってしまったのだが、



それはプライベートの話。 これはあくまで仕事と作品について語るというので買ってみる。



まぁ、ソフトカバーで千円だし、一回読んで終わる内容なら早々に古本屋に叩き売っても



いいや、ぐらいの気持ちで。 今月いっぱいで無効になるポイントが結構あったもんでね。



   どくとるマンボウ航海記/北杜夫



 ポイントあるよ〜、となると気が大きくなるもので、書棚をうろうろしていて見つけたこれに



「懐かし〜!」と心の中で叫び、でも表紙変わってるよ!、と驚く。 当然だ、あたしがこれを



読んだのは小学6年生か中学1年生ぐらいだし、その当時の古本屋さんの100円均一棚で



買った気がする。 ぱらっとめくったら<改訂新版>となっているではないか。



 表紙のほのぼのさにもつられ、レジへ持っていく。



 懐かしいとか、結局自分がほんとに好きなものには変化はないわけで、つられるあたしが



悪いのか、そういうのを見越して商売している出版社の目論見にまんまとはまってしまう



からか・・・。



 『ブラックアウト』『オールクリア』『夢幻諸島から』も文庫が出たら買ってしまい



そうだし。 うむ、そのために働いているな、あたし。


posted by かしこん at 09:09| Comment(1) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月07日

清須会議



 どうせしばらくやっているからまだいいだろう、という油断があたしの今年の失敗(見に



行くはずだった映画がいつの間にか終わっていた)かもしれない・・・と今更ながらに反省。



こいつもどうせ、と思っていたこの映画を見ておくことにした。 それでなくとも12月は



毎週のように大作が公開されるのだからな!



   誰だ! 最後に笑うのは!



 本能寺の変ののち、織田家の家臣たちは後継者と領地配分を決めるために集まって



会合を開くことに。 それが“清須会議”である。



 あたしは歴史好きを自任しているわけではないが、高校のとき日本史をとってたし、



チャンバラ時代劇は結構好きだ。 時代小説というジャンルは進んで読まないけれど、



思い返してみたら「これは時代小説かも」と思えるものはある(『人形佐七捕物帳』



時代小説でいいですか?)。 だから歴史にまったく興味がない人(そんな人もときには



いるからびっくりだよな)よりは、多少知識があるはず・・・ということで特に予習はして



いかなかったが、なんとかなった。 しかしナレーションもテロップもこの映画には一切



ないので、自信のない方はさらっとおさらいしておいた方がいいかも。



 でんでん扮する織田家の実務を務める家臣(それがのちに前田玄以であるとわかる)が、



会議が行われるであろう広間で絵巻物を勢いよく広げ、そこに描かれている建物にクローズ



アップして火矢が射かけられる・・・だからそこは本能寺だ、と視覚でわかるのは面白い



(しかし説明テロップはないのでほんとに何も知らない人はまったくわからないだろうが、



これを見に来る人なら本能寺の変くらい当然知ってますよね、ということなのであろう)。



 ただ、その絵巻物の絵が大変しょぼい・・・桃山文化的な豪奢さまでは要求しないけど、



美術館に飾られているぐらいのレベルは期待したよ。 でも絵が素晴らしければ実際に



建物のカットに切り替わったとき、そのセットのしょぼさが目立ってしまうので同じような



感じにしたのかもしれないが。



   何人絡もうとも、結局は秀吉と勝家との対決である。



 織田家の家臣のうち、有力な者たちは宿老と呼ばれた。 そのときの宿老は筆頭家老でも



ある柴田勝家(役所広司)・羽柴秀吉(大泉洋)・丹羽長秀(小日向文世)・滝川一益(阿南



健二)だったが、滝川が清須城に現れず、人数合わせのために池田恒興(佐藤浩市)を



急遽抜擢、4人で誰を織田家の後継者にするか話し合いつつ裏でそれぞれが根回しを



していく・・・という話。



 大泉さんは『わが家の歴史』で三谷幸喜に、場が煮詰まると彼を投入してとんでもない



ことをやらせ、話のつじつまを合わせるために都合よく使われてしまった印象があったので、



「今回もそうなのだろうか、もしくは罪滅ぼしに素晴らしい役にしてくれるのだろうか」と若干



不安があったが、全体として素晴らしい感じに! 大泉さん、助演男優賞では!、という



くらい。 しかしあたしは丹羽さまが好きだったよ・・・。 ほぼ全編仏頂面か真顔のみなのだ



けれど、そこからにじみ出る彼の人間性と苦悩が理解できて。 一切笑いを取らない(情け



ないところがない)小日向さん、かっこいい!



 役所広司がうまいのはわかってるからあえて何も言うことはないが、重厚さだけではなく



軽さを伴う役はやっぱり素敵ですねぇ、と思うしかない(役柄的には全然違うんだけど



『三匹が斬る』なんかを思い出しちゃいます)。 そして「保身がいちばん大事!」みたいな



役なのにさらっと笑わせてイヤミがない佐藤浩市も素晴らしい。



   織田家のみなさまは特徴的な鼻が遺伝。

       三男の信孝(坂東巳之助)と次男の信雄(妻夫木聡)



 まぁ、オールスターキャストなのでみなさんそれぞれ見せ場はあり、でも群像劇なので



同じ重心で見たいと思ったらいささか物足りない面はあるものの、映画では仕方がない



(それこそNHK大河ドラマで一年かけるしかない)。 監督のこだわりがあるだけに、



それでも描かれた方だったんじゃないだろうか。



 歴史として伝わる事実を、観客はもう知っている。 清須会議でいちばん得したのは誰



なのかわかっている。 それでも最後までこの映画を見てしまうのは、彼らが間違いなく



その時代を生きていたから、彼らは未来のことなど知らないからであろう。



 時代劇(チャンバラに限らず、現在よりも過去を描くもの)の面白さと切なさは、そこに



あるのでは。 見る側は彼らの未来を知っている。 気持ちよく別れた彼らのその行方を。



 だから映画も秀吉の快哉では終わらない。 ふと不穏な何かを感じ取る柴田勝家の



表情を追い、すっきりとした青空を映しながらも戦支度をする人々の声が遠くから聞こえて



くる。 彼らのその後だけでなく、現代まで続く<争い>を暗示するかのように。



 あぁ、せつない。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月06日

ワタシの川原泉U/川原泉傑作選



 今朝はJ−comのサービス一時停止区域にあたり、いつもの時間にネット接続が



できませんでした。 ネットにつながっていないパソコンでは大してできることが今の



あたしにはない・・・ということがわかっていささか哀しくなりました。





 さて、あれからあっという間に一ヶ月。



 <川原泉傑作選>の続巻が発売されたのでございます。



 持った瞬間、「重い! そして厚い!」 お値段¥820−。



   あー、おだんごだ〜。



 今回はカラーカットが少々追加されてはいるものの、いきなり『オペラ座の怪人』から



始まるという暴挙。 わかっているのに滂沱の涙。 週末、仕事のつかれもピークで



よれよれのあたしがなんでこんなに泣いているのか(泣くって結構体力がいる)、自分でも



わからない。



 続いての『架空の森』にもなんだか泣いてしまったし。



 『愚者の楽園』には否応なく高校時代を思い出す(夏休みに講習に行っていたから)。



そしてこんな幸せな出会いなどなかったが、アグリカルチャーライフに偏見がないのは



この作品のおかげかも。 『3月革命』は初めて読んだ当時にはわからなかったものが



あったんだなぁ、と自分の来し方を振り返ってしまいます。 「熱海に行くのよ、わたしたち」は



でもずーっと印象に残る台詞だった。



 しかし『ヴァンデミエール−葡萄月の反動』で、またあたしは泣いてしまうのである。



「先の事考えるとムネがつぶれそーだ」と、いつも前向きでお気楽な人から放たれるそんな



言葉にこっちのムネが潰される。 でもその先に救いがあって本当によかったよ。



 『不思議なマリナー』『パセリを摘みに』はお気楽話なのでありがたく、涙も目の



はれも収まりましたよ。



 『笑う大天使 特別編』(単行本初収録)ではダミアン視点で30代になった三人の



再会が描かれますが・・・もう、主役はダミアンです。



 作者による<自作解説風インタビュー>もついておりますが、特にこれといって・・・今の



シリーズを続けて、次の単行本を早く出してくださいよ、というのが読者としての今の



あたしの願いであります。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月05日

“Winter is Coming” , again!

 アマゾンから荷物が届いていた。
 「え、特に頼んでないけど・・・」と、箱を開ける。
 それは『ゲーム・オブ・スローンズ』第二章のDVD−BOX!
 え、もう発売だったっけ? 忘れていた出費だ〜!

  ゲームオブスローンズ第二章.jpg 結構前に予約していたのでした。

 「12月だからまだ先だなぁ」と思っていて、自分の中で勝手に12月後半に発売だと思いこんでしまっていたようです(どうせ見れるのは年末年始だろうと考えていたので余計に)。
 第一章のとき同様に、全10話と特典映像ディスク付き。 主な登場人物6人のポストカードと、今回初の付録としてスターク家のしるし大狼<ダイアウルフ>のピンバッジがついております。 こ、これをどこに、なににつければいいのか・・・。
 まぁ、スタークでよかったよ。 バラシオンやラニスターはちょっと。
 スターチャンネルでは年末年始に一気に第一章から再放送するようですが・・・仮にその間だけスターチャンネルに加入しても、いつも録画してる番組と時間帯がかぶったら困るもんね!、と負け惜しみ。
 しかしサブタイトルを見てみると、ドラマの進みは結構速いのです。 原作、そのうち追いつかれるんじゃないのか?!
 いやいや、このドラマにも原作者は結構深くかかわっているので、それに時間を取られて原稿が進まないという噂も出ている。 作者の構想が広がっているのは映像化とも無縁ではないのかも。
 とりあえず<氷と炎の歌>(原作のほう)の第6部をよろしくお願いします。

ラベル:ドラマ
posted by かしこん at 06:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味・小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月04日

エンダーのゲーム【新訳版】/オースン・スコット・カード

 ぱらぱらめくってちょっと読んでしまったら、「あれ、こんな感じだったっけ?!」と自分の記憶の曖昧さにおののき、結局最後まで読んでしまいました。 敗因としては、邦訳されているシリーズ全作を読んでいるのでバトルスクールで知り合ったエンダーの仲間たちの記憶が強すぎ、もっとバトルスクールでの時間が長かったような印象があったから。
 新訳で読みやすくなりましたが、前の方が勢いがあった気が・・・それはやはりあたしが読んだ年齢によるものであろうか。 全国の中高生は読んだ方がいいぞ!

  エンダーのゲーム新訳0.jpgエンダーのゲーム新訳1.jpg この表紙は、「敵のゲートは下だ!」を表現しているのかしら。

 地球は昆虫型異星人バガーとの二度にわたる侵攻をかろうじて回避・撃退したが、まだ戦争は終わる気配はない。 バガーと地球人とはコミュニケートできず、ひたすら容赦なく人間を殺戮するので地球側も戦い続けるしかない。 その第三次攻撃のために、優秀な艦隊指揮官を育成すべく設立されたバトルスクールには地球上から選りすぐられた才能ある子供たちが集められていた。 その中でも逸材として期待を集めるのがアンドリュー(エンダー)・ウィッギンであった。 しかし大人たちからそれだけ期待されているということは彼にとっては重圧であり、同じく期待に応えたいバトルスクールの他の生徒たちにとっては嫉妬の対象であった・・・これはエンダーの、孤独と苦悩の戦いの日々の記録。
 エンダーにはピーターとヴァレンタインという兄姉がいて、どちらも優秀なのだがピーターは性格が攻撃的・残虐的すぎ、ヴァレンタインは温厚すぎという理由で、二人の性格を両方バランスよく持っているとみなされたエンダーが選ばれることになるのだが・・・彼らの両親のエピソードがあたしの記憶からすっぽりと抜け落ちていて、「こんなところあったんだ!」と驚きました。 分量的には大したことないから、そしてエンダーのその後の人生にもあまり両親のことは出てこないからかな?
 原著は1980年代半ば刊行ですが、地球上でピーターとヴァレンタインが変名で思想家として名を売っていくあたりはインターネット時代の予測になっているのはすごいのですが、やはり東西冷戦の尾は引きずられていて、アメリカ中心のIFとワルシャワ条約機構との二項対立軸になっているところは古さを禁じえない・・・イスラム教圏についての言及はわずかにあるものの、アジア全般は置き去りです。
 とはいえ、この物語の面白さの本質はそこではない。
 いわゆる“セカイ系”と呼ばれる作品群の基礎になったとも言われているけれど、集団生活におけるイジメの要素や天才の技能の引き出し方、戦争というものに対する贖罪までも描かれている点であろう。
 読みどころはエンダーがどうやって信頼できる仲間を見つけていくか、という部分なんだけど、やはり最終章があるのとないのとでは大違い。 映画はそこまで描いてくれるのであろうか! 時間足りるのか!、とより不安が強くなったじゃないか・・・。

ラベル:SF
posted by かしこん at 07:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月03日

赤と白のせっけん

 先日の12月1日はファーストデイだったので、映画を見に行かねばならぬという気がしたのだが、日曜日なので多分込んでるだろうな、と気後れし、ほんとは『キャプテン・フィリップス』『REDリターンズ』が気になっていたのだが、別なので手を打った。
 ちなみに『キャプテン・フィリップス』『かぐや姫の物語』『SPEC』は回によって満席札止めになってました。
 前もって予定を組んでいるときにはインターネット予約でチケットを取るので、OSシネマズミント神戸に到着したときには何が変わっているのかすぐにはわからなかった。 まぁ、人波のせいもあったかも。
 カウンターが、自動券売機になってる!
 OSシネマズハーバーランドと同じ仕様になったわけですが・・・これって人件費削減だよなぁ。 バイト、クビになった人、いるんだろうなぁ、となんだかブルーになった。
 12月になったということもあるのか、三宮は結構な人出で、クリスマスプレゼントの買いだし&下見な方々をあちらこちらで見かける。 しかしあたしはまず、自分のための買い物。

  2013冬せっけん.JPG マークス&ウェブの、季節限定石鹸。

 去年買いそびれた、“ローズヒップ&紅茶”が復活!
 乾燥肌用。 クラリセージ精油配合で、さらにローズヒップ油と、保湿作用のある紅茶エキスを配合とのこと。 透明な赤がすごくきれい!
 そしてもうひとつはまったくの新製品で、“モミ&ヘーゼルナッツ”
 こちらはストレス肌用。 「深い森の中にいるような感じがしますよ」と店員さんお薦め。
 ヘーゼルナッツ油にはエモリエント効果があるそうです。 モミ精油はクリスマスツリーだから、季節の香り重視でしょうか。
 しかしお風呂場にはまだ使いかけの“ヘチマ&オレンジ”が残っている・・・。 早々に新しいせっけんをおろすべきか(もしすごく気に入ったら売り切れる前に買いだめしておかねばなるまい)、まずは今のを使いきるか。 悩むところである。

ラベル:雑貨
posted by かしこん at 05:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味・小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする