2013年12月31日

鑑定士と顔のない依頼人/LA MIGLIORE OFFERTA

 イタリア映画ですが、『THE BEST OFFER』という英題がついた方のプリントで見ました。  ジュゼッペ・トルナトーレ監督・脚本、エンニオ・モリコーネ音楽、主演はジェフリー・ラッシュで美術品にまつわるミステリー。 そう知ったら見ずにはいられようか! そして世間ではジュゼッペ・トルナトーレといえば『ニュー・シネマ・パラダイス』なのだろうけれど、あたしには『題名のない子守歌』のほうが評価は上! ミステリーと銘打っているからには最期まで解けない謎がさぞ散らばされているのだろう、という期待もあって。

  鑑定士と顔のない依頼人P.jpg ある日、舞い込んだ、ある屋敷の美術品鑑定依頼。
   待ち受けていたのは、壁の向こうから姿を現さない女――。 トルナトーレが仕掛ける極上のミステリー。

 天才的な審美眼で世界でもトップレベルにいる美術鑑定士でありオークショニアのヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)だが、プライベートでは極度の潔癖症で人間嫌い。 絵画の美しい女性に囲まれる時間を憩いにしているという、映画開始数分で観客の誰もに「こいつ、イヤなやつ!」と思わせるタイプ。 そんな彼は当然携帯電話も持たないし事務所の電話も当然出ない。 しかし、「誕生日に鳴った最初の電話はいい知らせ」ということわざ(?)のため部下に薦められてたまたま出た電話で、若い女性から資産家であった両親が遺した屋敷中の美術品を査定してほしいという依頼を受ける。
 あっさり断ろうとするものの「掘り出し物があるかもしれない」という下心が働き、とりあえずそのヴィラを訪ねてみることに。 しかし見事にすっぽかされ、ヴァージルは怒り心頭! その後も口実をつけては依頼人は姿を現さないのだった。

  鑑定士と顔のない依頼人8.jpg これがそのヴィラ。 外見は古びているが。
 しかしこれ以上書くとネタばれになりそうだよ・・・いや、ミステリーと宣伝してしまっている段階でかなりのネタバレなんですけど(まぁ、コピーでここまでは書いてあるし)。
 とりあえずあやしい人がたくさん登場するんですよね・・・特にドナルド・サザーランドとジム・スタージェス。 で、ヴァージルもすぐ人を疑って癇癪を爆発させるんだけど、それが誤解とわかったり何か事情があったと知ればすぐ謝罪してまた信じる。 ヴァージル、どこか甘いんだよ! しかし、それは彼の人間嫌いの裏には他の人を信じたい・自分も受け入れてほしいという欲望が隠れているからなんですけど。

  鑑定士と顔のない依頼人9.jpg “覗き見”というモチーフはトルナトーレ作品によく登場するよなぁ。
 そしてストーリーはあたしの予測通りに進む。 こうなってほしくはないんだがなぁ・・・、という方向に。 それでも引きつけられて見てしまうのは、ひとえにジェフリー・ラッシュがうますぎるのと、「愛が芸術なら贋作もあり得るのか。 贋作の中にも美しいものはある。 偽りの中にも真実がある」という言葉のせい。
 冒頭でイヤなやつと思わせられたヴァージルが姿を見せない依頼人のために奔走するうちに、いつしか自分より優先するものができていく過程を見せられて変わっていく様子を見ていっているあたしは、次第にヴァージルに対して同情の念でいっぱいになってしまったのだった。 多分これ、監督の思う壺よね。

  鑑定士と顔のない依頼人0.jpg 絶対カギを握ってる顔だよなぁ。
 ラストの10分ほどは細切れのカットの積み重ねで、時間軸がわからないようになっている。
 だから見る人によってそれは究極のバッドエンドにも映るだろう。
 でもあたしは違うと思う。 自分が決める“美”という基準にがんじがらめになっていたヴァージルは、これまで積み上げてきたものを失ってしまったけれど、でも“彼の美”という呪縛からは自由になって、自分が予想もしなかった美しさを感じられるようになった。
 だからハッピーエンドなのだと、あのラストシーンは希望に続いているのだと思いたい。
 一般的に、男性は度し難いロマンティストだと言われるが、あたしもまたそんな人々にちょっと理解を示すほどにはロマンティストであるらしい(でも基本的にロマンティストの個人差の枠は大きいですけどね)。
 リピーター割引実施中ですが、そしてよくわからない部分はいくつかありますが(たとえば彼が選んだ指輪の台はゴールドに見えたけど、次に彼女が指にはめたカットではプラチナに変わっていたりとか。 そもそも指輪を渡すシーンもない。 本来ならば“あるべき場面”がいくつか抜けている感じもあるけど、そういう部分をこの映画は説明する気なさそうなので)、ストーリーはほぼ補完できたし謎は謎のままでいい部分もあるし、次はWOWOW放送でもう一回観たいかな〜。
 これは謎を解くミステリーじゃない、むしろ進んで騙されたい映画。
 もしくは、人生こそがミステリーという、美しさには陶酔と苦痛と悲嘆も混ざっているという、そんなひとつの真実。
 あぁ、素晴らしかった。

 これにて、今年のあたしの観た映画は終了。
 例年に比べて数は少なかったけど、満足度は大きい。
 今年も長い記事にお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
 それでは、みなさまよいお年をお迎えください。

ラベル:映画館 外国映画
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ハンナ・アーレント/HANNAH ARENDT

 哲学は比較的好きだが、あたしの専門(?)は主にギリシア哲学。 デカルトやニーチェぐらいまでは面白いし理解もできるのだが、カントあたりからあやしくなってくる。 いわんや現代思想をや、である。 そんなわけでハンナ・アーレントに対するあたしの知識は少なく『全体主義の起源』の著者であること、師であるハイデガーと17歳のときからしばし不倫関係に陥っていたこと、ぐらいであろうか(しかもこれはハイデガー絡みの記憶だし、本によってはハンナ・アレントと書かれている)。
 現代社会を語るのに彼女の著作からの引用が普通に行われている現状から、彼女の思想が今も物議をかもしているなんて知る由もなく、全世界から非難を一身に浴びていた時期があったとは知りませんでした。 そのためか、本編始まる前に状況を説明する簡単なテロップが出ます。

  ハンナアーレントP.jpg 彼女は世界に真実を伝えた――

 1960年、ナチス親衛隊(SS)幹部でユダヤ人の強制収容所移送の責任者であったアドルフ・アイヒマンがイスラエル諜報部に逮捕されたというニュースは、ドイツ系ユダヤ人ながら現在はアメリカに亡命し、ニューヨークで暮らす著名な哲学者ハンナ・アーレント(バルバラ・スコヴァ)のもとにも届く。 ハンナは<ニューヨーカー紙>に、是非彼の裁判を傍聴してレポートを書きたいと自ら売り込む。 新聞社側も「あの、ハンナ・アーレントが書きたいというのなら」と快諾。 ハンナはイスラエルに向かい、彼女が見たアイヒマンの姿・裁判の様子から思索を深めて手記を発表する。 だがそれはアイヒマンを希代の怪物として断罪したい大多数の人々の期待を裏切る、彼はただの官僚で小物にすぎないと断定したものだった。 そこから、世間の非難は一気にハンナへ向かう。
 時期の問題もあっただろう(ハンナ自身も強制収容所に送られていた時期があるのだが)、ナチスの戦争犯罪に加担した一部のユダヤ人がいたことを指摘したのも、その当時に蔓延していたであろう「ユダヤ人を非難するのはNG」という世間の空気を逆撫でしている。
 実際彼女はハイデガーの弟子時代からの研究仲間からこんな言葉を投げかけられる。
 「イスラエルへの愛は? 同胞に愛は無いのか?」
 それにハンナはこう答える。 「一つの民族を愛したことはないわ。 ユダヤ人を愛せと? 私が愛すのは友人、それが唯一の愛情よ」
 これが全体主義と個人主義の端的な違いを表しているような気がした。

  ハンナアーレント2.jpg ハンナはヘビースモーカーだが、その姿がこんなにも似合う女性はそうはいるまい、と思わせるほど。
 ハンナは基本英語で、けれど古くからの仲間とはドイツ語で、そして夫と二人きりのときはフランス語で会話する。 亡命という手段とはいえ、様々な国で暮らしてきたことも彼女の思索のベースになっているのであろう。 仮に同胞に排除されたとしても、彼女を認めてくれる友人たちはいるから(アメリカ人の作家メアリー・マッカーシーを演じるジャネット・マクティアの力強さというか頼りになり具合ときたら! 心意気に惚れるわ)。
 で、あたしにはハンナ・アーレントの主張は至極もっともに聞こえて。
 ごく普通の人が、むしろ人間的には“いい人”の部類の入りそうな人が、特殊状況下に置かれて判断停止に陥り、命令されるままにどれほど残酷なことも良心の痛みを感じることなくやってしまう・・・というのは日本のオウム真理教事件を例に出すまでもなく今や自明の理である。 だからナチ党員だからといってすべてが生まれながらの悪ではないとした“悪の凡庸さ”という言葉でアイヒマンを説明する。 そしてその要素は私たち誰の心の中にもあり、それに対抗するためには思索を続けることしかない、と結ぶ。
 まことにごもっともでございます。
 けれど、彼女は傍聴しての感想を発表しただけなのにこんなに責められることに納得がいかない。 裁判官がそのような判決を下したのなら「被害者の立場になれ!」という叫びが出るのはわかる。 哲学者が裁判を題材に哲学的思索を深めて何が悪いのか?
 ――あー、これって現代におけるネットでの度重なる炎上とか、個人的な鬱憤晴らしのために伝言板に書きなぐられる形だけの民族主義の利用とも繋がっているのね・・・考えることをやめるな、判断停止になるな、というメッセージなわけですね。
 ハンナの主張は胸に迫るし、大学での学生たちを前にしての8分間のスピーチは確かに素晴らしい。 けれど、ハンナ・アーレントという一人の人生を描くものと考えると少し物足りない面もなきにしもあらず。

  ハンナアーレント3.jpg ハイデガーが死の床に近づいている、と聞いて駆けつける。 お洒落しているのが女心。
 ハイデガーは確かに哲学界の巨人・現代思想の祖とも言える人物だが、ナチに入党していた過去があり、映画で描かれたこの時代、ハイデガーをよく思っている者は直接の弟子でも少ない。 ハイデガー自身もナチ党員という過去を明確に定義づけたり謝罪したりなどしていない気配。 戦後、まさに師は判断停止してしまったのだ。 そのことに彼女はどう折り合いをつけたのかがあたしにはよくわからなかったよ・・・(ハイデガーのこと嫌いになったわけでもないし、彼の名誉回復のために奔走したようだし)。
 まだまだ人生の修行が足りない感じ。
 ドイツ・ルクセンブルグ・フランスの合作映画ということで・・・なんとなく見たことある方が結構いらっしゃるんだが名前がわからない。 ハンナの秘書は多分『白バラの祈り』のゾフィー・ショルだと思うんだけど。 結局英語圏の名前にいちばん聞き慣れ感があるあたしは外国語を知る上でまだまだだな、と実感。
 映画としてはスタンダードなつくり。 だから役者のみなさんの力量が光ります。

ラベル:映画館 外国映画
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2013年12月30日

天冥の標T−メニー・メニー・シープ/小川一水

 どこまで読んだんだっけ、と上巻をぱらぱらめくるだけのつもりだったが、しっかり読んでしまったよ・・・しかしこういうことができるのも、本棚を整理して未読本もすぐ手に取れるようにしたおかげ。 というか、どんだけ貯め込んでるんだ!、という話(そろそろ増設した本棚の空白もなくなりつつある・・・)。
 物語の舞台は西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープ。 今年で入植300周年となるが、臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に植民地全域に配電制限などの弾圧をし、住民たちは反感を強めていた。 そんな折、東の端セナーセー市に住む医師カドムは、“海の一統”である親友のアクリラから緊急の呼び出しを受ける。 ある地域で謎の疫病が蔓延しているというのだが・・・というのが話の出だし。

  天冥の標1−1.jpg天冥の標1−2.jpg 小川一水のライフワークだそうな。

 そもそも何故移民船シェパード号がこの地に来ることになったのか、地球からどれくらい離れているのかなどについては一切不明、まぁそれは続巻で過去が描かれることになるからいいのですが、そういうことを差し引いても、読んでて何度も「うひゃーっ!!」ってなりました。 これはなんなの、今度も登場人物にあまり感情移入してはいけないってこと?
 メニー・メニー・シープの政治体制はどことなく『復活の地』を思い出させるものがあって懐かしかった。 単純な悪役や正義のヒーローが登場しないのもよい。
 だがしかし、「ここで終わるかー!」というところで終わる。
 作者あとがきにも、<「ちょ、おいィ!?」と叫んでいただけましたか。 これはそういう本です。>とあって、はい、出た言葉は違うけど叫びましたとも・・・。

 ちなみにこの本を買ったのは2009年9月です。 いくらある程度続きが出るまでためておこう、と思っていたとはいえ、すごく出遅れ感が・・・リアルタイムで読んでいた方が新刊が出るたびドキドキ・ワクワクできたんだろうか?!
 引き続き『天冥の標U−救世群』の序章を読んでしまい、待てー、休み中に先に読むのは『竜との舞踏』だったはずでは! いや1月4日に予約本引き取りに図書館に行くから『捜査官ポワンカレ』『バーニング・ワイヤー』だろ、でも来年中に続巻が出ることがわかってる北欧やドイツミステリのシリーズにも手をつけておきたいのだ・・・という葛藤がぐるぐるしている。
 あぁ、何故本を読みながら別の本を読むことができないのだろうか。

ラベル:SF
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2013年12月29日

王妃マルゴ 2巻/萩尾望都

 やっと買えて、やっと読めた・・・。
 1巻目(特に前半)は情報量が多く、話についていけるだろうかとの不安を覚えたが、後半はいつもの萩尾作品を読んでいる気分になっていたので、時間的に余裕があれば1巻から読み返すところだが、そのまま2巻を読んでみる。 すると記憶がよみがえってくるというか、思いの外するすると読めてしまったのでありました。

  王妃マルゴ02.jpg 表紙はアンリ・ド・ギーズ
 マルゴが少し大きくなったせいもあり、彼女中心で物語が動くのでわかりやすくなってるし。
 入り乱れる国や権力者、政治という思惑のもとで動く人々の中で、真実の愛だけを求めるマルゴは特異な存在で、だから一部の周囲には純真に、その他にはおろかな小娘に見えてしまうんだろう。 ただ、どっちも正しくはあるんだけど。
 メアリ・スチュワートが幽閉されたとき、マルゴはまだ15歳。
 一体何巻まで続くのか、これでまた生きていく目標ができた。

ラベル:ドラマ 新刊
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2013年12月28日

ゼロ・グラビティ/GRAVITY

 <宇宙空間を体験!>という看板に偽りなし! 2D字幕版を見ましたが映画館の前方に陣取ったので十分あたし自身も宇宙にいるような感覚が味わえました。 この映画は自宅で見るのでは魅力半減(すごいホームシアターをお持ちの方なら別だけど)、是非映画館で体験した方がいい! 多分これは現在、全世界最高レベルのアトラクション。

  ゼログラヴィティP.jpg 宇宙の 暗闇を 生き抜け

 舞台は地球から600km上空の宇宙。 ミッション遂行中であるメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)と船外遊泳時間の記録更新中のベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)ともう一人が宇宙服を着て船外活動をしていた。 そこへ、ヒューストンから緊急連絡。 ロシアが老朽化した衛星をミサイルで吹っ飛ばしたそうで、破片が流されていくルートが現在位置に重なりそうだという。 大至急船内に戻れと指令が出るが、デブリのスピードは想像以上に速く到着してしまう、それも隕石なみの速度で。 ぶつかったものが破損し、それがまた次の何かにぶつかることを繰り返す破壊の連鎖反応(チェーンリアクション!)に巻き込まれた二人は、宇宙空間に放り出される・・・。
 いやー、怖いのなんの。
 慣性の法則に逆らおうとするには人間の力はささやか過ぎて話にならない。 これが初めての宇宙であるストーン博士の動揺ぶりというか、パニックを起こしそうだけどどうにかギリギリのところで踏みとどまっている感じがすごくリアルで、こっちまで息苦しくなってくる。 その時間がとっても長く感じるし、ところどころにある完全無音状態や(全体としては音楽や効果音などが使われている割合は高い)、宇宙服のヘルメット部分に自分のはいた息が白く映る加減など、たった一人で慣れ親しんだものからどんどん遠ざかっていく恐怖というより虚無に飲み込まれそうな感じが、本当に怖い。 あたし、宇宙、無理。

  ゼログラヴィティ02.jpg そこで、助けに現れるコワルスキー。
 ジョージ・クルーニーは演技してないんじゃないか、実は素なのでは?、と思わせるほどの「いつものジョージ・クルーニー」なのですけれども、これが笑っちゃうくらいにかっこいいんだな! コワルスキーって、ロシア系ですか? ソユーズのことにも詳しかったし。 もう、ジョージの見せ場には常にニヤニヤ、だからこそ途中の決断が響くんですけど、本人はあくまで軽い。 ほんとかっこいいよ!! 惚れ直した!

  ゼログラヴィティ06.jpg この感じで「ISSまであと4分」とかわかるのがすごいよ。 あたしは距離感覚がつかめなかった。

 ベテラン宇宙飛行士として、ここに来るまではただの医師の一人であったライアンに「生きて還ることが義務」だと少ない言葉でみっちり伝える。 だからこそライアンは、どうしても帰らなければならないわけで、でもその道のりは険しい。 あきらめた方が楽だって、思っちゃうよね。 日常生活においては多少あきらめても不都合は生じない、次がんばればいいかと思えるけど、宇宙でのあきらめは死に直結するし、また死が相当身近なものであることも事実。 これって8000m峰を登る人たちの気持ちに近いんじゃないかな?

  ゼログラヴィティ04.jpg どうにかISSに潜り込んでも・・・。
 内部は無重力状態なので、足元を軽く蹴ったらステーション内をぐるっと回れるほどの力で身体が直線に動く。 このあたかも流れるような動きが美しくて、宇宙は無理でもこの動きだけやってみたい・・・。 宇宙服を脱いだらタンクトップに短パンって、『エイリアン』のシガニー・ウィ―ヴァーへのオマージュ? 他にも『2001年宇宙の旅』などを意識したカットがありました(でも気づいたのは映画が終わってからなんですよ。 相変わらず長回しだったなぁ、どうやって撮ったんだろう?、の不思議も全部あとから)。 ただあたしは宇宙空間にいて、目の前で起こっている出来事に手も足も出ない、ずっとそんな感じ。
 邦題は『無重力』だけど原題は『重力』、その違いというか意味がラストシーンでわかる。
 それに、はっとさせられる。 “グラヴィティ”というタイトルにテーマは集約されていた。
 髪も短く切り、宇宙空間ではまるで男でも女でもないように見えたライアンが、地球に降りたって女である自分に気づき直したような・・・。
 エンドロールでヒューストンからの声がエド・ハリスと判明(なんか声が聞いたことがあると思ってた!)。 『アポロ13』からずっと管制官やってるのかしら、と思ったら笑ってしまうんだけど・・・、これまでの宇宙開発に携わってきた人たちのことがぶわーっと頭をめぐった。
 大気圏突入に失敗してしまった人たち、訓練中の事故で命を落としてしまった人たち・・・そんな人々に思いを馳せてしまい、じわじわと涙が止まらなくなってきたのであった。
 笑いながら泣いていたあたし、傍から見たら不気味。 近くに誰もいなくてよかった。
 宇宙に国境はないとはいえ、日本が自前の宇宙ステーションを持ってなくてごめんなさい、という気にもなったし(でも実際にミサイルで古い衛星を爆破するのは中国の方であろう、というやり切れない思いもあるんだけどさ)。
 なんだろう、この素晴らしい満足感。
 今年の映画はこれで終わってもいいか!、ぐらいの気持ち。

ラベル:映画館 外国映画
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2013年12月27日

時間旅行者の系譜/ケルスティン・ギア

 ドイツでベストセラーのYA(ヤングアダルト)小説、三部作(といっても普通に続きもの)。
 タイトルは『時間旅行者(タイムトラベラー)の系譜』と読んでください。
 一作目『紅玉(ルビー)は終わりにして始まり』というタイトルの響きが気に入って読んでみることに。 一瞬驚いたのは、作者はドイツ人なのに舞台はイギリス・ロンドンであること。 そうか、YAジャンルとは日本にとっての少女マンガを持たない国々にとって同じ役割を果たすものなのね(その分、日本ではYAは定着しきれてない感があるな・・・児童書ではないしライトノベルとも少し違うし、ジュブナイルなら近い気はするが、一般書の範囲が広すぎるのかもしれない)。

  時間旅行者1ルビー.jpg 『紅玉(ルビー)は終わりにして始まり』
 語り手・あたしことグウェンドリンはタイムトラベラーの遺伝子を持つ者が出現する家系。
 実際はいとこのシャーロットが継承者と目され、タイムトラベラーとしての勉学や訓練に励んでいて、グウェンドリンは幽霊が見えて会話ができるという特殊能力を持っていることもあり(誰も信じないけど)、一族の中では半端者扱い。 家族だけがグウェンドリンのよき理解者、あと親友のレスリーもね!
 ある日、学校のカフェテリアでめまいに襲われたのがそもそもの始まり。 突然過去に飛んでしまって・・・自分がタイムトラベラーなんて!、と驚愕するグウェンドリンの現代の女子パワーが炸裂するお話。

  時間旅行者2サファイア.jpg 『青玉(サファイア)は光り輝く』
 アリストテレスの時代からタイムトラベラーの出現時期は予言され、<監視団>という秘密結社的なグループが存在し、タイムトラベラーが歴史に干渉しないように動いている(なんと創始者はサン・ジェルマン伯爵!)。 もう一人のタイムトラベラーであるギデオンは気絶しそうなほどステキなんだけど、あたしのことなんかばかにしてる。 あたしだって好きでタイムトラベルしてるんじゃないのに!、シャーロットがやればいいじゃないの!、というグウェンドリンの不平不満はたまりまくって、すべては秘密と監視団に言われていても親友のレスリーには当然なんでも話してしまう。 そしてレスリーもグウェンドリンのために監視団の歴史や他のタイムトラベラーのことなどを調べ上げ、協力!
 時代を決めたタイムトラベルにはクロノグラフと呼ばれる特殊な道具が必要なのだけれど、それにタイムトラベラーたちの血液を読みこませないと作動してくれない仕組み。 遺伝子を持つ12人全員の血を読みこめば円環は閉じると古く言い伝えられてているが、その意味はなんなのか?、など謎はいろいろあるのだが(2つあるクロノグラフのうち1つを持って過去に逃走しているトラベラーもいるし)、グウェンドリンにとってはギデオンの一挙一動のほうが気がかりだという・・・。 乙女心はジェットコースターなんです。

  時間旅行者3エメラルド.jpg 『比類なき翠玉(エメラルド)
 と、ドタバタロマンティックラブコメでありながら、すれ違いタイムトラベルものとしてのサスペンス加減も維持(タイムパラドックスについては深く言及されていない)。
 たとえばグウェンドリンが初めて18世紀にタイムトラベルしたとき、今の彼女にとってはそれが初めての18世紀なのだけれど、未来の彼女がそれより少し前の時間に時間旅行していれば、初めて訪れた場所で彼女は自分のことを知っている人に出会ったりしてしまわけで・・・そんな記憶は全然ないのに。
 そういう、未来の自分が勝手なことして今の自分に迷惑がかかる、自分のしていることなのに理解できない奇妙さ。 何故こんなことが起こるのかを追いかけていくうちに結局自分も同じ行動をしてしまっている不思議さ。
 「卵が先か鶏が先か」みたいなことを矛盾点なくまとめきったのはすごい!
 ドイツでは売り上げが『ハリポタ』を越え、当然のように三部作で映画も公開されているようなのだが・・・そんな噂、全然日本に入ってきてないんですけど。 ギデオンなんかちょっと前のキムタクにやらせたがる人、多かっただろうに、というキャラクターだし。
 あたしはタイムトラベル先の風俗に合わせた衣装をつくり、かたくなに着こなしの決まりを守らせたがる女史が大好き!
 ほんとに少女マンガにありそうなありそうな話だもん、うまく仕掛ければ『トワイライト』より売れるよ!

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2013年12月26日

利休にたずねよ

 どうも此頃、時代劇が続いている。
 中でもこれは正統派時代劇の趣だが、冒頭から<利休 切腹の朝>とテロップが出ることになんだか萎える。 更に中谷美紀がナレーションをするという、まさに時代劇のパターンなのだがちょっとがっかり。 『清須会議』のテロップなし・ナレーションなしをあたしは気に入ってしまっていたらしい。 だからこの映画でも人物に名前のテロップを出さないのはよかったです。
 利休についての細かな知識があたしにはないのだが、どうやら映画は利休切腹後の妻・宗恩(中谷美紀)の回想として進むようだ。 だから“利休”の名をもらう前からのことも、妻は彼を利休と呼んでいる。

  利休にたずねよP2.jpg この男 歴史を 狂わす

 豊臣秀吉(大森南朋)の命により切腹の覚悟を決めている千利休(市川海老蔵)。
 傍らに寄り添う妻(中谷美紀)から、「ほんとうは、あなたには、他に想い人が?」という問いが発せられる(なにも最期の日に聞くことはないではないかと思ったが、そう軽々しく聞けない、最後のチャンスだからこそ聞かずにはいられないという女性の立場の弱さと執念深さのせいですかね)。 それにより、利休は来し方を回想する・・・という展開っぽいのですが、死ぬ前だから過去を振り返るのは当然なわけで、『利休にたずねよ』という題名の意味がよくわからなかった(見る前は、礼儀作法から政治的なことまで様々な人々が利休に教えを請いに来るからこういうタイトルなのだと思っていた)。

  利休にたずねよ1.jpg 中谷美紀がまるで明子ねえさんのよう。
 織田信長が伊勢谷友介だったり(出番は多くないけどかっこよかった!)、登場人物やキャストが『清須会議』と微妙にリンクしているのもつい比較してしまう原因で。 でも大泉洋が「マジで!」と叫んでも全然気にならないんだが、こっちでは秀吉のことをやたら「人たらし」と表現することに違和感。 結構新しい言葉ですよね? あたしが子供の頃は「女ったらし」という使われ方しか記憶にありません。 しかもせいぜいここ十年くらいのビジネス用語な気がするし・・・。 あと、利休が若かりし日に高麗から売り飛ばされてきた若い女性の世話をすることになったとき、「こちらの食事が口に合わないのだろう」と市場で唐辛子を大量に買い込む姿にもびっくり。 朝鮮半島にトウガラシが伝わったというか、日常の食事に利用されるようになったのは秀吉の朝鮮出兵以降ではなかったですか(ちなみにあたしの頃は<朝鮮出兵>と覚えましたが、最近の一部歴史教科書では<朝鮮侵略>となっています。 失敗してるのに“侵略”っていう?)。 もめ事のきっかけになった利休立像のクオリティも低かったし。 綿密な時代考証を謳われてしまうと、細かいところが気になります。

  利休にたずねよ6.jpg 利休側視点だからでしょうが・・・
 秀吉の小物っぷりが痛々しくて。 「人たらし」とさんざん石田三成(福士誠治)が褒め称えているのに、しかも天下人なのにいいところなしのただの小物という・・・。 こんな人がトップで、まわりの人たちがみんな気を遣っている・癇癪を恐れているみたいなのって哀しすぎる・・・(だから三成もすごくダメな人っぽい)。
 まぁ、大事なのは利休の美学なのでしょう。
 使われている茶器などはいいモノっぽかったし、<侘び>を画面で切り取ろうとする努力は感じられた。
 ただ、「美とは恐ろしいものです」という台詞が何人かの人から再三出てくるのですが、その恐ろしさを映像に出し切れていないというか・・・あー、台詞で語って終わってしまったかなぁ、というのが残念。 トータルでも「残念な映画」という印象かも・・・切腹の年だけ急激に老けこんだ利休の姿とか(それが十二代目團十郎にそっくりだったんで笑ってしまったりするんだけど)、大森南朋が痛々しいとか、東映がんばれって思ったりとかが印象深い。

ラベル:映画館 日本映画
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2013年12月25日

さらっと4冊。

 やっぱりあれを買っておこうかな、とふらふら本屋へ。

  ルーティーン.jpg ルーティーン 篠田節子SF短編ベスト
 最近、篠田節子を読んでないなぁ、というのと、“SF短編ベスト”というくくりが面白いなぁ、と。 ジャンルを横断する作家は分類が大変ですね。 あたしとしては『神鳥−イビス』『夏の災厄』『アクアリウム』あたりが好きなんですが、どれもSF要素ありだしホラーでもあるよなぁ。

  廃園のミカエル.jpg 廃院のミカエル/篠田節子
 なのでついでにちょっと前の新刊的な位置にあったこれも。
 ギリシア、修道院、ミツバチとSFタッチ的ホラー要素を感じるではないですか。

  金田一耕助に捧ぐ.jpg 金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲/アンソロジー
 これ、新刊として出たときにほぼ買うところまで行ってたんですけどね・・・何故か土壇場でやめてしまった。 あたしのアンソロジー苦手な意識が出てしまったからだろうか、どうせ好きな作家だったらやっぱり長編を読みたいよ、短編では物足りないと感じるかもしれない、と思ったのだろうか。 今回、改めて見てみたら1ページの作者紹介があり、服部まゆみの項には“逝去”の文字が。 知りたくなかったから、無意識のうちに回避したのかな。

  スヌーピームック.jpg SNOOPY IN SEASONS
 ムックものは中身に当たり外れがあり、値段のほとんどは付録代だということはタンタンブームのときに学んだのであるが、このウッドストックにやられてしまいました。
 ヴィンテージコレクション、と呼ばれるかつてのPEANUTSグッズ(おけいこバッグとか、ハンカチとか)を見ていたら、「あたし、これ持ってたかも!」というもの発見!
 な、懐かしすぎる・・・多分、捨ててないよなぁ。 実家のどこかにあるんだよなぁ、と思うとなんだか不思議な気持ちになる。
 これで今年の本は買い納めかなぁ、と思ったら26日あたりに『王妃マルゴ』2巻が出ることを知る。 まだまだ、買い納めは先です。

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2013年12月24日

なかなかない出来事

 今日の帰り道のこと。 23時近かったが、近所のスーパーによって買い物をした。
 レジを済ませてエコバッグに買った品物を入れていると、あたしの次に並んでレジを終えたらしき男性に声をかけられた。 そういうことはあまりないので、「これはどうやって調理するんですか?」的なことを聞かれるのかな、と思った。
 「そのヘビ革の財布、どこで売ってるんですか?」
 ――えっ? 聞かれると想定されていないことを聞かれると、頭が一瞬固まりますね。
 「これですか?」、と、あたしはカバンから財布を出した。 へび年の締めくくりにはヘビ革にしておくべきか?、と11月に入ってから財布を入れ替えていたのだった。
 「えーっと、三宮の、国際会館はご存知ですか?」とATAOの場所を教える。 他にもヘビ革のお財布を扱っているお店はあるだろうが、あまり詳しくは知らない。
 「なるほど。 ――そして、それはいかほど?」、と、その男性は場所を確認した上で、声をひそめて値段を聞いてきたので、あたしも声をひそめてお答えした。
 なにか、ヘビ革に興味でも? クリスマスイヴだから誰かにプレゼント?、などと聞きたい気持ちになったが、さすがにそれは踏み込み過ぎだろう、と遠慮(そしてプレゼントにしては準備遅すぎだし。 ← 余計なお世話)。
 「いやぁ、どうもありがとうございました」
 「いえいえ〜」
 と、やたらフレンドリーなその方はあたしより先に荷物をまとめて去っていった。
 そんなことってあるんですねぇ。 なんかちょっと、びっくりした。

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2013年12月23日

47 RONIN/47 RONIN



 この企画の話が出たとき、「そ、それはダメだろ」と思ったあたし。



 何年も前のことですけどね。 忠臣蔵でキアヌ・リーヴス、もう何からつっこんでいいか



わからなかった。 しかしとうとうその映画が完成して、ついに日本公開といわれても・・・



スルーする気満々だった。 けれど公開が近くなり、映画館に張ってあった巨大垂れ幕に



<字幕監修:冲方丁>という文字を見て・・・不意に気づいた。



 あぁ、そういうことか!、と。



 忠臣蔵だと思うからまずいのだ。 それはきっと江戸時代と侍に材をとった伝奇ロマンに



違いない。 つまり、『里見八犬伝』だ!(そういえば真田広之も昔、出ていたな〜)。



ならば、真田広之がドラマ『リベンジ』の契約継続を断ってこちらの映画のほうに本腰を



入れたというのもわかる気がする・・・ということで、一気に見に行く気持ちが盛り上がる。



 世間では大コケといっているが、関係ないさ!



   この冬、未体験が、あなたを斬る。



 まずは重厚なナレーションがその当時の鎖国していた日本、将軍を中心とした封建制度と



武士について説明。 そこからなんだかちょっとずれている気がしたんだけれど、長々と



時間をかけて説明したってしょうがないよね、だって外国の人は細かい違いとかわかんない



だろうし、と割り切る。 いろんな意味で割り切る姿勢がこの映画を見る上で大事です。



 実り豊かな赤穂の国ではこの度、将軍を国元に迎える名誉を担い、そのために国内を



荒らす怪物を征伐することに。 腕自慢の侍たちが苦戦する中、やっつけたのは下人である



青年カイ(キアヌ・リーヴス)。 彼は幼少の頃、行き倒れているところを助けられたが混血の



見た目から「鬼子」と呼ばれて蔑まれていたが、藩主浅野内匠頭(田中泯)とその娘



ミカ(柴咲コウ)はカイが領内に留まることを認め、カイはその恩を胸に抱いて差別に耐え



ながら働いていたのだった。



   色彩感覚が

                     どうしても古代中国っぽいんだよなぁ。



 将軍役の人が田山涼成さんに似ていてつい笑ってしまい、どうせならご本人にやって



いただきたかった感が。 あやしげな妖術使い・ミヅキ(菊池凛子)の衣装も髪型もメイクも



秦の時代っぽいのだが、繰り出される妖術はあたかも山田風太郎の世界。 これだこれだ、



これはありだ〜!、とニヤニヤ笑いが止まらない(ちなみに冒頭に出てくる怪物は、



『もののけ姫』の邪悪なおっことぬしかと思いました)。 伝奇ロマンって英語でなんて



いうのかなぁ、結局<ファンタジー>なのかしら。



 吉良上野介(浅野忠信)はぐっと若くて実は幕府転覆を狙っており(天下人への野望に



燃えている)、大石内蔵助(真田広之)はちゃんと昼行燈なことに驚く。 正しいポイントは



押さえているけれども日本人ならば絶対しないであろう改変を大胆に行う、それを見ることで



あたしはいかに固定観念を持っていたかを思い知るのであった。



   とりあえず真田広之、かっこいいです。



 鎧を着てしまうと古代中国っぽいのだが、彼らが浪人になってからは割と正しい日本の



着物のイメージ。 日本刀の扱い方もしっかり日本式の殺陣である(キアヌ・リーヴスも)。



アクションは当然のことながら、人の名前を呼ぶときは日本語のイントネーションで、それ



以外はかなりナチュラルな英語で語り、その差に不自然さを感じさせない真田広之が



かっこいいよぉ、と見とれます。 浅野忠信も『マイティ・ソー』のときに比べたらだいぶ



英語がうまくなっている感じがしましたが。



 ただ、後半はかなり話を簡略化してしまっているというか・・・多分3時間ぐらいあったものを



2時間ちょっとに編集されられたんだろうな、というのがまるわかりの説明不足。 残念だ・・・



フルヴァージョン見たかったよ。



 ちなみにカイの名前、血判状で<魁>と書いたときには盛り上がったよ!



 キアヌは書道の練習もしたのだろうか。 あ、思いの外キアヌは違和感がなかったと



いうか、最初から粗末な着物なので彼一人いちばん日本人ぽかったのでした。



 そんなわけで些かご都合主義に陥ったり、天狗が少林寺入ってたりカメだったり不可解な



ことは多々あれど、忠臣蔵の本質というかテーマはしっかりと語られているのであった!



なんだか胸が熱くなっちゃったよ・・・。



 なのであたしはこの映画を擁護する。 日本を舞台に異世界ファンタジーをつくりあげて



もらったことに感謝したいぐらいだ。 “日本人的感覚”は日本人にしかわからないのでは



なくて、世界に通用することを証明してくれたんだからね。



 だからこの映画はヒットしてくれた方がいいんだけど・・・『忠臣蔵』への思い入れが



日本人は強すぎですね。 自分もそうだったけど、なんだかごめんなさい。


posted by かしこん at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月22日

地味に、2冊。



 特に予定のない三連休をいいことに、生活スタイルが乱れまくっているあたしである。



普段ならカフェインの取り過ぎを気にするところだが(眠れないと困るので、夜は飲まない



とか)、関係なく飲んでいる。 それも、WOWOWプライムが『クリミナル・マインド』



6・7シーズンを夜中連日一挙放送とかするからである(第8シーズン放送直前ということで



・・・既に一回見ているんですけどね、あたし)。



 『ER』なんかもそうなんだけど、何故海外ドラマって過去に見ているものでも放送されて



いるとつい見入ってしまうのだろう・・・長く続いているドラマほど危険。



 このままでは三日間引きこもりになり、連休明けの社会復帰に支障をきたしそうなので



(とはいえどうせあと一週間で年末年始休みだし、と思うと別にいいかなという気もするの



だが)、徒歩15分以内の本屋さん&図書館に行くのであった。



   イヴの息子たち【新装版】2/青池保子



 青池作品には『エロイカより愛をこめて』から入ったあたしは『イヴの息子たち』



のちのち文庫で読むことになり、当時はこのナンセンスギャグ度合いがよくわからなかった



(しかしニジンスキーは大好きだった)。 でも、今読むとわかります! ちゃんと成長して



いるな、あたし!



   天冥の標Z 新世界ハーブC/小川一水



 ついに第七部まで刊行(全十部完結予定)。 なんかもう、長い作品を書く人はそう簡単に



完結させてくれないイメージがあたしの中にあり、これも最初は「ライフワークか?」と終了



までに10年以上かかると思って第一部の途中で読むのをやめていたのですが・・・結構



順調に続巻が出ているのですよね。



 しかも第一部が物語上の“現在”で、第二部以降は時間を遡って第一部に至るまでを



追いかけていて・・・ついに辿り着いた今回のサブタイトル<新世界ハーブC>は第一部



『メニー・メニー・シープ』で人々が住んでいる惑星の名前。 おぉ、なんか一回りした



感じ? そろそろ第一部から読み始めてもいいかも〜(しかしあたしはそんなこと言ってる



シリーズをいくつ抱えているのだろう。 でも、どうせならまとめて一気に読みたいでは



ないか。 ――これって絶対、田中芳樹後遺症だと思う)。





 多分、年内最後の図書館訪問。



 加納朋子『無菌病棟から愛をこめて』ジェフリー・ディーヴァー『バーニング・



ワイヤー』
レナード・ローゼン『捜査官ポアンカレ 叫びのカオス』を借りる。



 『ブラックライダー』は予約待ち多数のため延滞不可。 最後まで読み終われなかった



ので別の機会を待つ。



 こちらも年末年始体制のため、貸出期間がいつもより長くなっていてありがたい。



 ジェフリー・ディーヴァーはいつも周回遅れなんだけど、それくらいの方がゆっくり読める



(というか、好きな時期に借りられる)のです。 あと<ポアンカレ>の名前にはなんか素通り



できなかったので予約していたらちょうど来たのだった。 中・高・大学とずっと数学には



苦しめられ続けてきたのに奇妙な話(よくわからないけど複雑系は大好きなんです)。



 家に帰って来てから、実はそのあとに予約図書がもう一冊届いていたと知り・・・脱力。



来週中にもう一回行けるかなぁ。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月21日

この前のCDのつづき



 まとめて買いこんだCD、残りの二枚をご紹介するのを忘れていました。



   Best Od Bond...James Bond



 007映画の主題歌集(といってもアデルの“Skyfall”は収録されず)。



 改めて聴いてみると、「こんな人が主題歌を担当してたのか!」という驚きが。



 初期の頃の映画は子供の頃にテレビで見ているだけなので音楽と映像のマッチングに



誤差がある(多分、シリーズ全部は見てないし)。 ルイ・アームストロングは合っている



のかどうなのか・・・。 やはりこちら側に「007の音楽はゴージャスで、重厚」という



イメージがあるせいなのか、ポール・マッカートニーの曲はえらく軽い雰囲気に聴こえて



しまう。 映画ではアレンジを変えて使われている可能性もあるしね。



   Momentum/Jamie Cullum



 マイケル・ブーブレがブレイクした後、「イギリスから新たなジャズ界の貴公子」として



現れたジェイミー・カラム。 マイケル・ブーブレの歌いっぷりに心酔していたあたしには



当時のジェイミー・カラムのヴォーカルは線が細くて頼りない印象で、アルバムを買う



ほどには至らなかったのでした。



 でも相当先日、このアルバムを視聴したときに・・・なんだか力強くなっているなぁ、と。



サウンド的にはジャズというよりポップスに近づいた感じがするけど・・・そう、ピアノを叩く



姿が浮かんでくる感じがして、<ピアノマン>、ビリー・ジョエルっぽくなってない?



 アルバム10曲目“Save Your Soul”がトヨタ・アルファードのCMに使われていることを



あとから知る・・・確かに、CMソングに使われていいほどのフックのある曲が多いかな。



 個人的には「アイランドレコード、まだあるんだ」というのがうれしかったです。 彼も



今後は追いかけてみようっと。


posted by かしこん at 20:48| Comment(2) | TrackBack(0) | Music! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月20日

低体温だ・・・



 連日の本格的な寒波&悪天候に対して油断をしていたのか、いつもの睡眠不足が



こたえてきたのか、いつも以上に低体温&貧血の状態になっております。



 電子体温計がエラーを出すとはどういうことだ・・・。



 何回か測って、35.06℃でございます。



 やっぱりしっかり湯船に入らずシャワーですませていたのがまずかったか。



 とりあえず体温を上げる方向で。 でも貧血気味なので、まず、寝ます。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 体調 好不調の波 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月19日

よりぬき毎日かあさん/西原理恵子



 “よりぬき”とは『サザエさん』『いじわるばあさん』など長谷川町子作品にのみ



使える表現かと思ってました・・・『毎日かあさん』『サザエさん』ばりの国民的アニメに



なってきてるってこと?



   さすがに本編よりはソフトな装丁、低価格。



 基本的には傑作選ですが、ページ数の都合で単行本未収録のものもあり。 ボツになった



ネーム原稿がメモ程度に配置。 しかしいちばんの売りは、実際にネタにされている二人の



子供たちへの本人インタビューであろうか。 葛藤はあるだろうに、達観したかのような



「母親の仕事に利用されるのはしょうがない」という苦笑の強さがすごい。



 勿論、ある程度誇張されているのはわかっていたが、まるっきり嘘ネタもあったとは驚き。



半エッセイマンガというスタイルにだまされていたよ・・・。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月18日

年賀状は出さないけど・・・



 前にも書いたかもしれませんが、あたしは年賀状を出さない主義。



 しかし人からいただくことはいただくのでそれでは失礼だし、でも年賀状では(元日に



届くのはいいシステムだと思うけど)意志疎通がお互い一方通行。 なのでまったく



クリスチャンではないあたしですが、クリスマスカードというか、年末のご挨拶状を出して



います。



 毎年12月の21・22日あたりに到着すればいいな、と近畿圏外の宛先のは18・19日、



近畿圏の人には19・20日あたりを目処にここ何年かタイミングを合わせて投函するように



していたのですが・・・今年は21・22日が土日だよ!、ということに最近気づいて。



 今年、なんかカレンダー的にタイミング悪いよ! 仕事おさめは27日になっちゃうし、



年末休みのレディースデイが31日って・・・出かけたくないし!



 とにかく、いつものペースでは間に合わない。 近畿圏とそれ以外、という区別をつける



余裕もなく怒涛のように3日ほどで仕上げる(書けた順からどんどんポストに入れていく)。



最後のやつを水曜日の夜のうちに投函したので、木曜日(19日)の朝一に回収されれば



遅くとも21日には届くであろう(23日が祝日だから、普通郵便も土曜日は配達されるはず



という希望的観測)。 それほど枚数が多くないとはいえ、宛名書きも含めて全部手書き



なので今回はすごく自分でもがんばった感。



 しかしその分、パソコンを開けない日もあり・・・更新も遅れ気味になっております。



 あと、メールを書く人が何人かいるな・・・まだ何か残っていそうなんだけど、微妙。



 毎年のことなんだけど、年末感が薄いまま年が明けてしまいそうです。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする