2013年11月30日

今日は4冊で引き下がる。

 大きな本屋に行ってみる。
 調子に乗って本を買いすぎだろ、あたし、と自戒しつつ、でも油断したら本は店から消えるし、図書館にだってすべてあるわけじゃないし、手に入るときに手に入れておいた方が(いつ読むことになるかはともかく)いいではないか!、ということで自分を納得させる。

  結ぶ.jpg 結ぶ/皆川博子
 先月の『鳥少年』に引き続き長らく絶版だった80年代短編集に未収録作品を追加したもの。 思わずこの2冊を中井英夫『とらんぷ譚』【新装版】(全4冊)と並べて置いて、ニヤニヤしてしまうのです。
 来月には『開かせていただき光栄です』の続編が出るらしい! でもハードカバーだよ、どうしよう! 文庫になるまで待つか・・・。

  夜歩く新訳.jpg 夜歩く/ジョン・ディクスン・カー
 『夜歩く』といえばあたしにとっては横溝正史なんだけれども、それは勿論こっちに捧げられたオマージュ。 カーの処女作であるこちら、あたしは読んだことがありません! 新訳が進んでくれているおかげで、かつて古本屋まわりをしていても出会えなかった古典ミステリ作品群がだいぶ本棚を埋めてきている。 なんだかうれしい。

  シルヴァースクリーム1.jpgシルヴァースクリーム2.jpg シルヴァー・スクリーム/デイヴィッド・J・スカウ編
 アンソロジーをあまり得意としないあたしですが、作者の一人にロバート・R・マキャモンがいたので即決! しかもテーマは<映画にまつわるホラー作品>と来た!
 これはあたし向きだろ。
 アンソロジーには知らない作家もいるけれど、扉裏1ページに載っている作者紹介が実は楽しみだったりする。 で、マキャモンの紹介文を読んだら・・・『魔女は夜ささやく』に続編4冊があるというではないか! 日本で訳されてないぞ! なにやってんだ、文藝春秋!
 そういえば『魔女は夜ささやく』の文庫化もされていないではないか(あたしは単行本、持ってるけどさ)。 思わず今、アマゾンで検索したらほとんどの邦訳書が手に入らない状態だ(一部、キンドル版はあります)。 あれ、あたし、『ミステリー・ウォーク』の文庫版持ってたよね、どこ置いたっけ(実家かも!)。
 なんだか、マキャモン熱に火がつきそう。
 『ノーベルの遺志』と『グイン・サーガ 131巻』はどうしようか本屋さんでものすごく悩み、荷物も多かったので今回は保留。 特にグイン・サーガは続きを読むべきなのか、そもそもあたしは読みたいのかどうか、に対して答えが出ていないので、しばらく考えます。
 本来は、考えるべきことじゃないんだろうことはわかっているんですけどね。

ラベル:新刊
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2013年11月29日

出遅れシアター → 予想外の設定



夜明けのゾンビ/EXIT HUMANITY



 「あぁ、ゾンビものか」と思って見始めたならば・・・近未来、地球上ではゾンビの猛威が



吹き荒れていた。 しかし過去に、ゾンビに立ち向かった男の記録が残っていた・・・、という



ことで、主人公の日記から回想される形。 なんとその時代は、アメリカ南北戦争後のこと



だった!、という。



 なので南北戦争後のアメリカの森? 林? 草原? みたいなところだけで話は進む。



ある意味時代劇だった! ゾンビたちと生き残ったバラバラの開拓民たちだけが登場人物



というなかなか割り切った低予算ものである。 ヴァンパイアに続いてついにゾンビをも



アメリカの歴史に絡ませ始めたか・・・とあたしは思ってしまいました。



 しかし主人公が逃げる・ゾンビが追いかけるなどの描写に低予算をカバーするために一部



イラスト・アニメーションを利用しており、これがなかなか効果を上げていて素晴らしい。



これがなかったら途中で見るのをやめていたかも。



 テーマとしては<ゾンビという突然の災厄に家族を奪われた男の悲劇>という感じ。



ゾンビである必然性が薄く、ゾンビブームに乗っかったのか。 それにしても南軍の残党が



ゾンビ以下の人間性と描かれていたのが興味深かったです。 結局、勝利した北軍側の



価値観がずっと続いていくのでしょう。







4:44 地球最期の日/4:44 LAST DAY ON EARTH



 ウィレム・デフォー主演ということにつられ。 このタイトルだから終末パニックSFかと



思って。 そうしたらもう、地球温暖化が原因でオゾン層が崩壊し、今から14時間44分後の



明日の朝4時44分に死の紫外線が降り注ぎ、地球は(というか人類は)滅亡します!、と



発表された後の人々の時間の過ごし方に重点を置いた映画であった。 どっちかといえば



文芸もの?



   ポスター画像など探してみたら、こんな感じで。

     『アンチクライスト』にイメージが似ていなくもない。



 ウィレム・デフォーは突然の理不尽さに嘆き悲しんだり怒りをぶつけたりと葛藤しております



が、ストーリー的に特に山場があるわけでもなく・・・90分に満たない映画なのにものすごく



長く感じて、つらかった。



 ニュースキャスターが「アル・ゴアが正しかったのです。 しかしそれに気づいてももう



手遅れなのです」みたいなことを言ったり、主人公がいろんな映像を流し放題にしている



中にダライ・ラマのインタビューがあったりと、現代風刺的な要素もあるのでしょうが・・・



しかしあたしには、<キリスト教徒の限界>見たいなものが見えた気がした。



 あぁ、タイトルだけで勝手に思い込んではいけません、という好例でした。


posted by かしこん at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月28日

海外ドラマは終わっても、次がまた始まる。



 放送が終了した(録画してあった)『メンタリスト シーズン4』『リゾーリ&アイルズ



シーズン3』
『堕ちた弁護士〜ニック・フォーリン シーズン3』を見終わる。 あ、



『パーソン・オブ・インタレスト シーズン2』の残り2話も見ちゃった!



 『堕ちた弁護士〜ニック・フォーリン』のみが最終シーズンで、他のドラマはまだ次が



あるんですが、みなさんクリフハンガーで終わるから困るよ!



 『メンタリスト』に至ってはアメリカ本国でまことしやかに「パトリック・ジェーンがレッド・



ジョン本人なのではないか」という噂がネットを駆け巡っているそうですが、そう思われても



仕方ないというか、あえてそういう風につくってるでしょ!、という感じがしないでもない。



あたしは、だまされませんよ。



 『堕ちた弁護士』ではニック(これもまたサイモン・ベイカー)にやきもきさせられましたが、



「こういう終わり方になるんだろうなぁ」という予想通りのラストシーンでよかったけど、そこに



至るまでが長かった。 成長しそうで成長しない彼の姿にときどき腹を立てつつも、「でも



大人って、そんなに簡単に成長しないよね」と自分自身を振り返らされました。 が、しかし、



それ以上にイライラさせられたのは同僚弁護士のルルだった!



 「ニック、こんな女とは早く別れろ!」と思うたび、「あ、そうだ、ニックもダメなやつだった



んだ」と思い直したり。 それにしても最終回のルルはほんとにひどい女だったよ・・・。



相談所の所長だった人物も最終的には自分のエゴに周囲を巻き込んだし、いちばん慈愛



深かったのがニックにとってずっと越えられない壁だった父親だったというのは皮肉だった。



 で、最近AXNが『LOST』のシーズン6〜ファイナルを連続放送し始めたので、改めて



見てみることにした(ファイナルシーズンは途中からあたしの時間がなくなってDVDに



落としてしまい、そのまま見ていないのであった。 そしてDVDも未整理なので探すのが



大変)。 シーズン6は過去に見ていますが、見ながら思い出すかなぁと考えて。



 それで「ベン、若いなぁ!」とちょっと驚いたり。 ベンを演じるマイケル・エマーソンは



『パーソン・オブ・インタレスト』でフィンチの役をやっていますが、やはり役柄の違いが



風貌に出るというか、ベンはちょっと邪悪(残忍? 冷静?)なところが滲み出ているんだ



けれど、フィンチは基本的にはいい人なことが佇まいでわかる。 どちらも感情をあまり表に



出す人ではないという共通点はあれど。



 で、終わるドラマがあれば新しいドラマも始まるわけで、今あたしがいちばん面白いのは



『キリング シーズン3』です! シーズン2のあとから何年たったのかはよくわからない



のですが、ずっと最前線にい続けていた刑事サラ・ルンドが、初回では犯罪分析室みたいな



内勤に転属希望を出しており、これまでの事件が彼女に与えた深い傷のことを思わずには



いられなかったですよ・・・。 今のところ第4話ですが、国家を揺るがす大事件という看板に



偽りない感じになっております。


posted by かしこん at 06:01| Comment(2) | TrackBack(0) | WOWOW・CATV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月27日

小鬼の市/ヘレン・マクロイ



 読んだのはだいぶ前ですが・・・感想書くのを忘れていました。



 時代は第二次世界大戦下。 この作品自体が1943年に発表されたというのもポイント。



舞台はカリブ海の島国サンタ・テレサで、オクシデンタル通信社の記者に応募しに行ったら



前任者がたまたま不審な死を遂げたばかりで、あとがまとして働くこととなったフィリップ・



スタークが主人公。 当然、謎めいた人物がいろいろ登場し、新たな死体も出る、そして



彼もまた狙われる・・・という、清く正しい王道のサスペンス。



   そして“小鬼の市−ゴブリン・マーケット”とは、

                               死んだ前任者が残した謎の言葉。



 なんとなく多島斗志之の『白楼夢―海峡植民地にて』を思い出す。 あれは1920年代、



日本では大正期にあたる時期の英国領シンガポールでの出来事だった。 植民地とか



戦争とか搾取とか、そういうのが好きなわけではないんですが、様々な文化が入り混じる



異国情緒というか、エキゾチックな感じは好きなんです。 これもそういう味わい、堪能。



 <ヘレンマクロイが生んだ、ウリサール警部とウィリング博士、二大探偵が共演>という



謳い文句が帯にありますが、それがなくとも楽しめる(むしろネタバレぎりぎりのライン)。



謎解きもあり、意外な事実もあり、最後にはどんでん返しありで、レトロな時代に隠されては



いても、しっかり王道の(そして時代を考えればとてもチャレンジングな)ミステリでした。



 というか、ウィリング博士がまるで明智小五郎だった。 かっこよすぎ!


posted by かしこん at 06:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月26日

フォッシル!



 久し振りに、腕時計を買ってしまった。



 フォッシルの正規店舗が神戸にできたので、なんだかうれしくてうろうろしてしまって



いたのであった。 しかしここ数年でフォッシルはデザインの方向性を一新しており、



あたしの好きだった“遊び心”は影をひそめ、シンプルカジュアル&ゴージャスなほうに



行ってしまっているんだけどさ(しかしメイン価格帯は以前とそれほど変化がないので、



ゴージャスといえども限界はあるのですが)。



 どちらかといえばデザイン性重視のヘンな時計が好きなあたしとしては物足りない



感じになっちゃったのだけれど、ブランドとしての正規店舗なので腕時計以外のものも



置いてくれているので見てしまうわけです。



 そこでつい気に入ってしまったのが・・・。



    こいつ。



 シンプルイズベストな文字盤(時間はっきり見やすい!)。 日付がないのが仕事的には



困りますが、秒針あるし、なにより革ベルトの色!



 写真ではちょっとわかりづらいのですが、青でも紺でもなく紫でもないという微妙な色、



今期のトレンドでもありますが、ありそうでなかなかない色なのよね!



 ってことで家に帰ってからはめてみる・・・余ってる革ベルト部分を通す革ループがちょっと



きついんですけど。 コツがまだつかめないのかしら。 しばらくやってみよう。


posted by かしこん at 06:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味・小物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月25日

ついに三冊、揃い踏み

 ピンポーン、とチャイムが鳴って、ヤマトのおにーさんが箱を差し出す。
 予約していた“あれ”が届きましたよ!

  氷と炎の歌ー5−3.jpg 竜との舞踏B<氷と炎の歌 第5部>/ジョージ・R・R・マーティン
 この表紙はジョン・スノウかしら?!
 カバー折り返し部分に書いてあるあらすじが全然わからない・・・知らない人の名前がバンバン出てるよ〜。 1巻からの旅の長さがそこに凝縮されているようで、読むのが楽しみなんですが、第6部はまだ書き上がっていない(しかももう第5部以上の長さを書いているのに終わりが見えないらしい)と聞けば、この続きは翻訳作業も考えれば4・5年は先だな〜と思うと、読み終わってしまうのもなんだかもったいない感じ。
 とはいえドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』第二部のDVDも予約しちゃったんだな!
 年末年始はじっくりこのドラマを見ようと思う所存。
 それにしても9月・10月・11月と、3ヶ月が経ってしまったんだな・・・速いわ。
 あとは別口で注文していたやつが、同じタイミングで届く(一緒に梱包してくれたらいいのに、数が多いからそんなこと言ってられないんだろうなぁ)。

  放課後よりみち委員会4.jpg 放課後よりみち委員会 4/桑田乃梨子
 最終巻です。 なんか桑田マンガではじめて<村上春樹的なもの>を感じた!
 しかしそれは村上春樹の影響力ということではなく、あたしの中に<村上春樹的なもの>という“何か”が形成されたためのような気がする。 しかもそれはあたしのイメージにすぎないので、ファンの人には語れない感じがする(怒られそう)。

  ジーヴス1.jpgジーヴス2.jpgジーヴス3.jpg プリーズ、ジーヴス 1〜3巻/勝田文 (原作:P・G・ウッドハウス)
 ジーヴスシリーズの残りを揃える(ちょっと前の発売なので揃うまで時間がかかりました)。
 これは小話的な感じなので、ちまちまと読んでニヤニヤしたいです。

ラベル:新刊 マンガ
posted by かしこん at 05:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月24日

ブロークンシティ/BROKEN CITY

 時間の都合で「見ても見なくてもどっちでもいいかなぁ」という映画はわりと見れることが多い・・・見たい気持ちの割合が高いものは時間の都合で見れなかったり。 ときに段々あきらめの気持ちが入ってきたりするとますます見に行けなくなる。 WOWOW・CATVに集中すべきなのだろうかと考えてしまう今日此頃。 否応なく一年をまとめようとする時期が近付いているということでしょうか。

  BCP.jpg “正義”が喰い殺されるこの街で、勝ち目0【ゼロ】の復讐が始まる!

 舞台は8日後に市長選挙を控えたニューヨーク。 7年前に市民に向かって発砲し、それが正当防衛か否かで大いに世間を揺るがしたビリー(マーク・ウォールバーグ)は警官を辞め、今は私立探偵として生計を立てていたが金にならない仕事ばかり。 その当時、自分を擁護してくれた現市長で次も再選を狙うホステラー(ラッセル・クロウ)から妻(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の浮気を調べるように依頼されたビリーは、金にもなるし恩返しにもなると深く考えもせずに引き受ける。
 調査の過程で、ホステラーの妻が秘密裏に会っているのは市長選対立候補の右腕であるアンドリュース(カイル・チャンドラー)であることが判明。 そのことを報告した後、何者かにアンドリュースが殺害されてしまう。 自分は何に利用されたのか、ビリーの新たなる調査が始まる・・・という話。

  BC5.jpg マーク・ウォールバーグはあまり苦悩する役が似合わない?
 個人的にマーク・ウォールバーグにそんなに入れ込んだことがない、というせいもあるでしょうが、むしろ対立候補役のバリー・ペッパーがちょっと老けこみ、まるでかつてのクリストファー・ウォーケンに似ている!、というほうが拾いものというか、気持ち盛り上がりました。 ラッセル・クロウが悪徳政治家とか似合いすぎだし。 警察本部長役のジェフリー・ライトがあえてハゲヅラをかぶってドライな人物を演じているところがやたらハードボイルドでちょっと笑えました。
 さすがニューヨーク! 市長選でこんなにも陰謀があって盛り上がるなぁ、神戸市は投票率が低いのに・・・と思っていたら「大統領選ならともかく、市長選なんかどうでもいい」的一般市民の台詞が・・・そこそこ大都市だからこその無関心は世界共通か(むしろ小さな市町村の方が死活問題なのかも)、とがっかりする面も。

  BC8.jpg しかし映画の本質は市長選挙ではない・・・。
 ビリーの過去への落とし前が重要なのでした。
 それにしても、探偵事務所のアシスタント、ケイティ・ブラッドショー(アロナ・タル)がとにかくいい感じ! 最初は秘書なのかと思いきや、探偵としても有能。 おまけにビリーのことが好きなのに言葉にも態度にも全然表さないところが素晴らしいのです! キャサリン・ゼタ・ジョーンズの出番がもう少し多くてもよかったような気もするが(そこはあたしの願望かも)、男くさい映画なれども女性が輝いているのがよかったです。 場合によっては女性が出てくるのが邪魔と感じる映画もあるのに・・・そこは監督の資質なのかなぁ。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月23日

11/22/63 /スティーヴン・キング

 「これは、スティーヴン・キングの最高傑作ではないか!」と思った。 上巻までは。
 そもそも物語は<過去にタイムスリップしてJFK暗殺を食い止める>、である。 なのに主人公の過去での生活、特にジョーディという小さな町に定住してからはその日々の方が面白い!、というか、読ませる。 読者の方も「もうJFK、いいんじゃない?」と思ってしまうほどに。 それがいいのか悪いのか、で、この本の評価が変わってしまうんじゃないかなぁ。
 でもトータルで、あたしは大変面白かったです。 映画4本分の価値は十分にあった、と思う(¥4,200+税だから)。

  19631122−1.jpg19631122−2.jpg あ、このオープンカーに乗っているのがケネディ夫妻か! ← 今気づくか。

 “ぼく”、ジェイク・エピングは2011年を生きる英語教師。 夕食をアルのダイナーでとるのがほぼ日課だが、アルのダイナーはハンバーガーの料金が安すぎるため「近所のノラネコを捕まえているのでは?」と噂が立って他の客が少ないこともジェイクには好都合。 味は間違いなくアメリカの伝統的なハンバーガーなのだから。
 アルに呼び出され、店に行った“ぼく”は一日で一気に老けこんだアルの姿に仰天する。 そしてアルから信じがたい話:実は店の作業場の奥には過去に続く見えない階段があり、その先はいつも1958年9月19日につながっている。 この店のハンバーガーが安いのは過去から挽肉を仕入れているから。 そしてジョン・F・ケネディ大統領の暗殺を防ぐために努力をしてきたが、自分ががんになって余命いくばくもないので、このあとをジェイクに引き継いでほしいことを話す。 つまり過去に行って、1963年11月22日まで5年以上を過ごし、リー・オズワルドを殺せ!、というのだ。
 この設定だけで『デッド・ゾーン』を思い出しちゃうじゃないか(これは映画版も大好きだ! キング作品で映像化に成功した稀有な例)。 それプラスタイムトラベル要素が入ってくるのだけれど、コニー・ウィリスのように時代を選んで移動できるわけではなく、ジェイクが<兎の穴>と呼ぶ見えない階段で行けるのはいつも決まった日時、そして場所も現在とまったく同じ。 一度現在に戻って、また過去に行こうとすればこれまで過去に行ったことはすべてリセットされる。 過去で何年過ごそうとも、現在に戻ってくれば行ってから2分しかたっていない(しかし本人は時間の経過を感じているのでその分、年をとっていく)。 リセットされる割には過去から物を持ちこめるし、タイムトラベルの理屈はさっぱりわからないので(ジェイクも「わからない」と匙を投げている)、実はキングにはSFマインドはなく、ホラー作家といわれているけれど彼はただ現実世界を描こうとしているだけなんじゃないか、サービス精神が旺盛なだけで気持ちは純文学作家と同じなんじゃないか、という気がしてきた(純文学というジャンルは日本独特のものだと言われてしまったらそうなんですが)。
 そんなわけでいろいろあって1958年に行くことにしたジェイク(過去ではジョージ・アンバースンという偽名を使う)。 上巻では『IT』の舞台であるデリーに行って<あれ>を体験した後の子供たちと出会う! ここはすっごくわくわくした!
 1950年代後半から1960年代前半にかけて、というのはキューバ危機なんかもあったけど、アメリカ市民的には“古き良き時代”だったのかな、と思わせる描写が“ぼく”の視点から多々感じられ、だからこそ彼も未来に帰る気をなくしたり、ジョーディでの日々が輝いてしまうんだろう。 おかげでJFK暗殺の事実が結構どうでもよくなった(でもこれはあたしがそのあと生まれた日本人だからで、アメリカ人にとっては「もし彼が生きていたら」というのは重要なことなんだろう)。
 ラストはそうなるしかないんだろうなぁ、と思ったけどそれを上回る抒情を連れてきており、まるでブラッドベリみたいだった。 まんまと泣かされました。
 あ、ちなみにこの話ではケネディ暗殺はオズワルドの単独犯行で陰謀説はなかったことになってます。 何らかの新事実を期待する向きにはそぐわないです。
 出番は少ないのですが、オズワルドの母親が怖かった・・・これも事実に即しているのかしら。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月22日

今日は、6冊。



 よく考えたら今日は11月22日、JFKが暗殺された日からちょうど50年である。



 『11/22/63』はむしろその日に読み終わった方がいいんじゃないか、と思って、



最終章をとってあります。 といっても帰って来てから読んだら、読み終わるのは23日に



なってるんでしょうけどね・・・。



 それはともかく、本日の成果。



   嘘解きレトリック 2/都戸利津



 無事に続巻が。 月刊誌に連載していて半年で単行本というのは順調なペースでは



ないかと。 人の心のドロドロした部分を扱いながらも基本的には性善説、という内容が、



甘っちょろいで終わらずに心洗われる感じ。 昭和初年が舞台なので、時代もあまり進み



過ぎないでほしい・・・戦争の影が見えない内でお願いします。



   <新装版>イヴの息子たち 1/青池保子



 この“新装版戦略”にまんまとやられている気がしなくもないが、文庫でしか読んで



いないので、このサイズで読めるのはちょっとうれしいなぁ。 しかし、全5巻、毎月1冊



刊行って・・・やっぱりずるい。



   ウォールフラワー/スティーブン・チョボスキー



 “新時代の『ライ麦畑でつかまえて』”というキャッチコピーは誇大広告の向きがある



かもだけど、映画を見る気になっていたので比較検討の意味も込めて。 それにしても



集英社文庫から出る映画の原作本の表紙は、みんないつもポスターと同じだわ。



   グランド・ミステリー/奥泉光



 これは「あ、買おうと思っていたのにすっかり忘れてた!」を思い出したパターン。 実は



ずーっと前にハードカバーで図書館で読んでいて、「奥泉光にしてはわかりやすいな、



長いけど」と結構気に入っていた記憶があり(その当時、メタフィクションものがマイブーム



だったせいもあるでしょう)、その後文庫化されたのですが上下巻の二分冊。 これは一冊に



なっている方が絶対いい!、とそのときは購入を見送り。 そうしたら先日(今年の9月?)、



一冊になって発売されたのです。 タイトルの由来と思しき『グランド・オダリスク』に表紙も



変わって。



   フラテイの暗号/ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン



 表紙の味わいがなんか気にいって。 作者の名前が長くて覚えきれないのですが、最近



注目度の高まるアイスランド・ミステリ。 タイトルの書体も色もいい感じ。



 こちらはドイツ語版からの翻訳ということで、アイスランド語専門の翻訳家がいない日本の



現状が垣間見えます(といっても北欧は基本的に手薄だし、専門であってもそれ専業で



やっていけるほど翻訳家が儲からない、という事実が哀しいわけで)。 あたしが翻訳書を



結構買ってしまうのは、品切れたら大概終わりということもあるけれど、まずは翻訳業界に



がんばっていただきたいからです。



   樽【新訳版】/F・W・クロフツ



 『樽』をあたしは多分小学校6年生ぐらいに読んでいるはずなのですが、その時期は



古本屋で見つけたもの手あたりしだいに読んでたし(クイーンの“国名シリーズ”とか、



ヴァン・ダインとか『赤毛のレドメイン家』などなど王道ミステリー時代です)、そのあと



読んだ鮎川哲也『黒いトランク』などと記憶が混ざってしまっている感じ・・・。



 なので改めて読んでみたいと思います。


posted by かしこん at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月21日

投げ売り?



 近所のスーパーで、ガリガリ君クリームシチュー味が一個¥59で売られてました。



 しばらく前から¥98だったのに。



 在庫が全然減らないのであろうか(実際、冷凍ケースのワンコーナーを占めていた)。



 もはや、投げ売り?!



 なんだかかわいそうになり、一個買ってみた(二個買おうという気持ちにはなれなかった)。



 しかし、ごろっとしたジャガイモがそのまま入っているらしい。 まだ食べる勇気が出ない。



話題になったコーンポタージュ味も食べないでスルーしたのになぁ。



 でもこの夏はガリガリ君にお世話になったし・・・。



 そういう気持ちでアイスを買うって、ないよなぁ。


posted by かしこん at 06:22| Comment(2) | TrackBack(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月20日

終わりの感覚/ジュリアン・バーンズ



 なんとなく装丁が好きな新潮社クレストブックスから。



 ジュリアン・バーンズの、4回目の候補にしてやっと受賞した2011年のブッカー賞作品。



 それだけで「ちょっと難解かな?」と思わせるけど、200ページに満たない長さと<私>に



よる一人称ということでハードルが下がった感じがして、読んでしまった。 一文一文読み



飛ばせないかすかな緊張感をはらんでいるので、中編なのに思いの外、時間がかかって



しまいましたが。



   “The Sence of an Ending”



 <終わりの感覚>・・・それは人生の終わりの気配を感じ始めたこと、年齢を重ねていく



ことで過去の自分がしでかしたことを違う記憶で塗り固めてしまったことすら忘れてしまう



こと。 過去の自分と今の自分は物体としては同じ人物なのだけれど、ある時点を境に



中身は別になってしまうこと。 それを成長と呼べるうちはいいのかもしれないが・・・。



 60歳を過ぎて仕事も引退し、現在はボランティアなどして時間をつぶしている語り手の



アントニー(愛称トニー)による、若き日々(主に60年代)をとりとめもなく回想していく物語。



高校で出会った悪友たちの中でも特別な存在のエイドリアンとのこと、生意気盛りの青年



未満たちが背伸びしてあえて挑発的な意見を教師たちにぶつけたり、当時はかっこいいと



思ってやっていたことが実に最悪な空気を生んでいたり。 大学に進んで、付き合い始めた



ベロニカとの日々は結局彼女に振り回されて終わったと認識しているけど本当にそうなのか?



 純文学テイストですが、<信用できない語り手>によりミステリ度が高まっています。



 ある日、ベロニカの母からトニーのもとに遺品が贈与されることに。 それによってトニーが



忘却の彼方に葬り去ってしまっていた・もしくは改変されてしまいこまれていた記憶が炙り



出される。 深い意味のない、当時の自分がそのときの感情の赴くがままに書いた手紙が



ある人物の人生に大きな影響を与えることになっていたとは・・・という恐怖。



 それはあたかも身近に起こるバタフライ・エフェクト。



 人と人との繋がりはときに微笑ましく、プラス面で語られることが多いけどそればっかりな



わけはなく。 いちいち覚えていたらこっちの気が狂うから記憶を変容させているけど、



沢山の人を傷つけてきてるんだよなぁ、その分、こっちも傷ついてるけど。



 トニーはインテリの割に実行力のない男性によくあるタイプで、彼の繰り事にはいちいち



同情できないが、しかし形は多少違えどそういう要素は誰にでもあるので、読んでいて



グサグサと突き刺さってくるものがありました。



 というわけで、大変ブルーな読後感であります。


posted by かしこん at 06:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月19日

出遅れシアター → HDDに発見!



キャリー/CARRIE <ブライアン・デ・パルマ版>



 『キャリー』のオリジナルヴァージョンを放送しないかな、とCATVのガイドブックを



目を皿にして見ていたが、実は自分のHDDにずっと前に録画してあったことをすっかり



忘れていた(HDDの残り時間が少なくなってきたために、DVDに落とせるやつはない



だろうかと映画のタイトル全部に目を通したのである)。



 というわけで、20年(もっと?)振りに再見。



 オープニングからの長回しなんぞ、いかにもブライアン・デ・パルマ。 シャワー室は



湯気がこもって見通しが効かず、イジメもより陰湿に感じられる。



 えっ、イジメ役のクリスが、ナンシー・アレンじゃないか! その彼氏はジョン・トラヴォルタ



だし! 前見たときは全然気づいてなかったぞ! 全体的に出てくる男は頭が悪そう!



 なるほど・・・リメイク版『キャリー』はオリジナルでは説明が不十分なところを補って作って



あるのね。 キャリーの母親の人物造形はリメイク版の方が詳しい。



   が、このシシー・スペイセクがね・・・。



 感情があるんだかないんだかわからないようなこの目は、クロエ・グレース・モレッツには



ないものだ。 だから家の崩壊も、彼女が望んだことなのかどうかよくわからない。 そこが



ラストシーンのスーの悲鳴につながるんだろうけど・・・“夢と現実の境はどこまでも曖昧”



なのをデ・パルマは好きすぎると思う。 『エルム街の悪夢』をやったらいいのに。







ノーベル殺人事件/NOBELS TESTAMENTE



 スウェーデン映画。 <『ミレニアム』三部作>のスタッフがつくってるそうで、夜の



演出がそれっぽい(一部、ロケ地も同じでは・・・と思わないこともない)。



   日本未公開です。



 毎年発表されるノーベル賞はスウェーデンでは大きな公式行事のひとつ。 その受賞



記念舞踏会で、取材に居合わせた新聞記者のアニカ(マリン・クレピン)の目の前で医学



生理学賞を受賞した学者と、選考委員長が撃たれる事件が起こる。 犯人らしき人物を



目撃したとして、アニカには警察から緘口令が敷かれ、記事も書けない。 別の方向から



アニカは調査を開始するが・・・という話。



 日本だと若い独身女性設定になりそうなアニカですが、夫もいて二人の子持ち。 夫が



普通に家事をする、基本は仕事より家庭優先な感じも北欧っぽい。 自分の子供がいじめに



あっているのに気付き(子供はなんでもないと言っているのに)、ついにはそのいじめている



子供を脅迫するあたりに、アニカの正義感が強いというよりは負けず嫌いの性格がばっちり



見えていて面白かったです(で、やりすぎだと夫に怒られるも本人は反省しない)。 その



へんも事件を追う原動力になるわけで。



 『ミレニアム』のリスベット同様、そういうはみ出た女性キャラクターが受けるのかしら、



動かしやすいのかしら。



 ミステリーですが、実行犯はプロの殺し屋で依頼主は誰か?、に重点が置かれてしまい、



謎に奥行きがない・・・。 “ノーベルの遺志”という原題に当てはまる部分まで描かれて



いるとは思えないこじんまりとしたサスペンスでした。 90分だもんな。



 これの原作なのであろう『ノーベルの遺志』の翻訳が今月創元推理文庫から出ますが



・・・上下巻なのでもっと背景まで書き込まれていると期待しようかな、どうしようかな、と



買うのを悩んでしまっている・・・。


posted by かしこん at 06:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月18日

小説オールタイムベスト100



 急に思い出したように、時折あたしはアマゾンで新刊チェックをするのですが(しかし



定期的にやるわけではないので手抜かりが多い)、さっきふと見たら<オールタイム



ベスト小説100発表>
というアイコンがあるのに気づいた。



 あー、なんだかそういうランキングをもうやる時期なのかぁ、と思いつつ、しかしオール



タイムとは大きく出たな、と思わずクリックしてしまうわけなんですが。



    <オールタイムベスト小説100> ← アマゾンに飛びます。



 え、1位は『永遠の0』なんだ!



 あー、ちょっと前に本好きの友人(しかしお互いに流行りものには滅法手が出しにくい



タイプ)と「そろそろ百田尚樹は読んでおかないとまずい感じになってませんか」という



話をしてたのですよ。 で、『永遠の0』は買ったけど読んでないんだよねぇ。 翻訳物は



ともかく、日本人作家の場合、自分が本を読み出したあとから出てきた人のものを読む



のってちょっと勇気がいるというか、よほど自分の興味をひかれるかなにかきっかけが



ないと手が出ないのです(すでに自分が知ってる作家だけでかなりの量だということもあり)。



で、あたしはSFというジャンルを愛してはいますが基本的にはミステリ読みなので、



ミステリを書かない人は読みません!



 とりあえずベスト小説100に目を通す・・・このように偏った読者なのでランキングに



かすりもしないかと思ったけれど、数えてみたら100冊のうち読んだことがあるのが



34冊(持ってるけれどまだ読んでないのが何冊か)。



 まぁ、こんなもんなんですかねぇ。



 同意できるものはジェームズ・P・ホーガンの『星を継ぐ者』、ダニエル・キイス



『アルジャーノンに花束を』、ロバート・A・ハインライン『夏への扉』、三浦綾子



『塩狩峠』、城山三郎『落日燃ゆ』、新田次郎『八甲田山死の彷徨』かなぁ。



 神林長平の『戦闘妖精・雪風』が入っているのはびっくりだ! アニメ化の影響か



・・・また読みたくなってしまうではないか。



 レイチェル・カーソンは『センス・オブ・ワンダー』なんだ、『沈黙の春』じゃなくて、



というのはちょっと意外。 伊坂幸太郎作品でランクインしてるのが『チルドレン』だと



いうのはうれしい驚き(伊坂作品全般を苦手としているあたしですが、これだけは許容



範囲なので)。 まぁ、沢山作品を出している人は票が割れるよね。



 となると、自分のベスト小説100を考えたくなってしまう・・・。



 しかしそんなことをしたら泥沼化するのは目に見えている。 優柔不断な自分には



撤退しか残されていない。 でも、ちょっと考えちゃうな〜。



 あぁ、ランキングって、罪つくり。


posted by かしこん at 05:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・読書 reading books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月17日

グランド・イリュージョン/NOW YOU SEE ME



 おぉ、これぞ、あたしが思うところの<ハリウッド映画!>でした。



 マジックの話はうまくいけば盛り上がるけど、そうじゃないと失敗することが多くて不安



なんだけどなぁ、と見る前はいささか心配があったのですが(配給元の角川映画も一時期



作品選びに迷走していたし)、でも豪華キャストだし(しかもあたし好みの方向で)、これは



是非見たかったのです。 結果として、大正解!



   この罠<トリック>に騙されるな



 個人のマジシャンとしてささやかな小遣い稼ぎをしていた4人を、ある一枚の招待状が



結び付ける。 その後、彼らは<フォー・ホースメン>と名乗り、スーパーイリュージョニスト



としてラスベガスの大舞台に踊り出ることになり、そのショーの最中にフランスの銀行の地下



金庫から全額奪うというイリュージョンを見せつけて一躍スターに。



 イリュージョンなんて信じないFBI側は<フォー・ホースメン>を逮捕するも、犯罪を立証



できずにあえなく釈放。 FBI捜査官のディラン(マーク・ラファロ)はインターポールから



派遣された捜査官アルマ(メラニー・ロラン)と共に彼らのショーを見張り、どうにかして



トリックを見つけ出そうとするのだが・・・という話。



   彼らが<フォー・ホースメン>だ!



 なにしろメンバーは、マジック全般に造詣の深いダニエル(ジェシー・アイゼンバーグ)、



催眠術(最近で言うところのメンタリズム)が専門のメリット(ウディ・ハレルソン)、脱出技が



お得意のヘンリー(アイラ・フィシャー)、ハンドマジック専門でどんな鍵でも開けてしまえる



ジャック(デイヴ・フランコ)。 勿論、マジシャンとしての基本テクニックはみなさん身に



ついた上なので、この4人が揃えば何もできないことはない!



 彼らのスポンサーとして大富豪のアーサー・トレイスラー(マイケル・ケイン)がいて、



彼らのイリュージョンのネタを暴露しようとする<伝説のトリック破り>のサディアス



(モーガン・フリーマン)もいて、「なんなの、この豪華な顔触れは!」とそれだけでも十分



盛り上がるのに、イリュージョンの演出も彼らの逃走劇もお洒落だし、細かなツッコミを



するのは野暮だぜ、という鷹揚な気持ちにさせてくれる。 あぁ、なんかすごく楽しい。



   ジェシー・アイゼンバーグがかっこいいし!



 これまでオタクっぽい役柄が多かった彼が、ちょっとワイルドっぽいハンサムキャラに



なっていて大驚愕! 早口なのは同じでしたが、ダニエルかっこいいよー!、と盛り上がる。



 しかもマイケル・ケイン&モーガン・フリーマンなんて<新『バットマン』三部作>



思い出させるではないか、と思っていたら、二人ともいいトシになってもエゴむき出しの



ちょっとイヤな人キャラで、全然印象がかぶらない(特にマイケル・ケインはいい人っぽさの



かけらもない)。 ウディ・ハレルソンだって『ゾンビランド』でジェシー・アイゼンバーグと



コンビ組んでるのに、全然思い出しもしなかった。



 芝居がうまい人が集まるって素晴らしい!



 特にマーク・ラファロが素敵。 「こんなFBI捜査官、ほんとにいるのかよ」っていうくらいの



単細胞系猪突猛進型で、キュート過ぎる。 なのに時折見えてしまう色気がなんなの!、



って感じで。



 <フォー・ホースメン>がニューオリーンズで仕掛けたイリュージョンの本質がわかった



とき、そしてこの4人を集めた理由が明かされたとき、もうあたしは泣きそうに。 あぁ、



そういう話だったのか!、と気づいたときには「この映画、大好き!」という気持ちになって



おりましたよ(まだ映画は途中だったのに)。



 だから映画を見るのはやめられないわ・・・。 もしかしたら今年のベストワンかもしれない。



 それくらい、心揺さぶられつつ爽快で、面白かったです!


posted by かしこん at 06:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月16日

怪奇大作戦 ミステリー・ファイル/小林弘利



 これは・・・ドラマよりこっちの方がずっと面白いよ!



 それはあたしがオールド小林弘利ファンだから、というだけではないと思う。



 やはりドラマでは時間の制約があるからと、特殊効果の安っぽさに目が行ってしまうから



でしょうか。



   ドラマと同様、4エピソード収録。



 今回、NHK−BSで『怪奇大作戦』のオリジナルを初めて見たのですが、“牧史郎=



岸田森”
なんですね! 十数年前にCATVで『血を吸う薔薇』を見て「日本人でこんなに



吸血鬼っぽい人、他にいないよなぁ」と感じたことを思い出します。 それ故に、牧史郎の



科学者としてのクールな姿勢・情に流されず事実のみを受け入れる、みたいな感じが



えらくかっこよく、西島秀俊が演じた『怪奇大作戦 セカンドファイル』での牧さんの



イメージの誤差に驚く(オリジナルを知らなかったので、西島さんはそれはそれでよかった



のです)。 今回のノベライズ、そして上川隆也が演じた牧史郎はオリジナルに原点回帰した



印象。 勿論、現代版にアレンジされていますけどね。



 ファイル01<血の玉>は、正直なところ海外ドラマ『フリンジ』とネタがかぶっているの



ですが、なんでこんなに違っちゃうんだろ!、という残念感が漂う哀しさ。 しかし、「過ぎた



愛情がモンスターを生む」という発想が多分日本人ぽいというか、円谷プロ伝統のストーリー



なんだろうな、と感じる。



 怪奇現象や、不可解に次々と人が死ぬ、という物語でありながら小林弘利的文体で随所に



懐かしい言葉(彼の小説でお馴染みの、よく出てくる言葉)に出くわすので、何故か心が



温まってしまう、という副作用があるのですが、それはオールドファンだからかしら。



 ファイル04<深淵を覗く者>は、いわゆるシリアルキラー物ではお馴染みのテーマと



なっておりますが、もうそんなことは常識だと思っていたけれど、常々問い続けなければ



ならないことなのだろうか・・・と自問自答。



 22時からのドラマも見たんですが、ノベライズとかなり違ってるよ! びっくり!



 最近、映像のお仕事ばかりですが(ドラマの第4話の脚本を書いているのもご本人ですが、



そしてもともと映画の脚本からスタートした人なんですが)、やはり小林弘利には小説の



方が向いているのではないでしょうか。 と、ファンとしては思うわけです。



 だって、ここでも<世界はまだおしまいになったわけじゃない>が出てくるんですもの。


posted by かしこん at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする