2013年10月19日

パッション/PASSION



 ブライアン・デ・パルマ作品でレイチェル・マクアダムスとノオミ・ラパスが出る!、しか



前知識がなかったあたし。 最初の数分で、「あたし、この話、知ってる!」と思う。



 いったい、何故・・・オープニングのテロップに based on a film by と出て、納得。



フランス映画『ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて』だ! 日本未公開作品ですが、



しばらく前にWOWOWで見たよ・・・。



 というわけでオープニングからネタ割れしてしまったわけですが、基本的なストーリーは



オリジナル通りなのにすっかりデ・パルマ風味になっておりました。



   女の敵は、女。



 世界規模の広告代理店のベルリン支社で、野心的な女性クリスティーン(レイチェル・



マクアダムス)は重役の地位を勝ち取っている。 アシスタントのイザベル(ノオミ・ラパス)は



そんなクリスティーンに憧れを抱いていて、「一緒にプレゼン案を考えましょう」と自宅に



招かれ夢心地(何故か、彼らが宣伝を任されているのはパナソニックの携帯電話)。 家に



帰り、夢の中でアイディアを見つけたイザベルは自分のアシスタントであるダニ(カロリーネ・



ヘルフルト)に電話、二人で試作映像をつくりあげると、大評判に。 ロンドンでのプレゼンに



行ってきなさいとクリスティーンはイザベルを送り出す。 イザベルは自分の仕事を多くの



同僚や上司に認められ、敬愛するクリスティーンの恋人も自分のことを気にかけてくれて、



有頂天に。 しかし、不在の間に「このアイディアをつくったのはクリスティーン」という既成



事実が会社の中に出来上がっていた・・・。



   裏切られた、と知ったときの取り乱しようがすごかった。



 オリジナルのフランス映画では、イザベルをリュディヴィーヌ・サニエが、クリスティーンを



クリスティン・スコット・トーマスが演じていて、権謀術数得意な年上上司とセンスはあるが



まだまだ世間知らずな若い社員、という力関係の構図がはっきりしていた(会社も多国籍



企業で業務も多岐に渡っていた)。 だから素直に「クリスティン・スコット・トーマス、あくどい



なぁ」と思えたのだが・・・今回の配役では二人の間に明確な年齢差がないので(それとも



クリスティーンはすごく若づくりなのか?)、「その年齢でそうってことはクリスティーンは



相当あくどいことやってきてるな! 男も女も利用する変態度高めな感じ!」 ← この



へんがデ・パルマ節。



 社長やクリスティーンの恋人、他にもいる遊び相手などなど男性も一応出てきますが、



とりあえず影は薄い(後半に登場する刑事さんすらも)。 もう一人の女、としてイザベルの



アシスタント・ダニの存在が急浮上。 これはオリジナルにはなかった役なので、彼女の



存在がこの話をデ・パルマ風に変えた最大の要因かと。 クリスティーンはブロンド、



イザベルは黒髪、そしてダニは赤毛。 そういう記号もばっちり。



   そしてダニは常に、イザベルの味方。



 そして、ある出来事をきっかけに夢と現実とが区別がつかなくなっていく<悪夢>が映画



全体を覆い始める。 夢だと思って目覚めたらそれが夢で、もう一度目を覚ましたらそこは



悪夢のような現実、という。



 なんだかこの感じ、すっごく懐かしいぞ、と思い出せば・・・かつて金曜ロードショーで見た



『殺しのドレス』そっくりです。 作った本人が同じだからでしょうけど、つくづくブライアン・



デ・パルマってやっぱりこういうことがしたい人なんだなぁ、と実感。 ある意味80年代の



勢いをいまだに持ち続けられるのだからすごい。 アリバイとして使われるバレエ劇、



アレンジを現代風に変えた“牧神の午後”における性的要素のあからさまな誇示には



苦笑してしまいましたけどね。



 そんなわけでオリジナルとほぼ同じ場面もあるし、ストーリーの骨子は外していないん



だけど、まったく違う映画になっていた。 だから飽きなかったし、「おぉ、そう来るか〜」という



見方をしてしまったけれど・・・いやぁ、女3人の美しさがそれぞれ違ってて、面白かった〜。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする