2013年10月10日

許されざる者



 実はしばらく前に見ていたのですが、どう言っていいのかわからず・・・。



 面白かったのか、面白くなかったのかすらよくわからない。 大変判断に苦しむ映画です。



でも好きな人は好きみたいだしな・・・何が合わないのだろう。



   人は、どこまで許されるのか。



 1880年の北海道(蝦夷地?)は開拓民の移住も進んでいたが、新政府軍から逃れて



きた旧幕府側の人間もいた。 生き延びるために新政府軍を多数殺し、雪の中に消えた



男がいた。 10年後、その男・十兵衛(渡辺謙)は二人の子供とともにひっそりと暮らして



いたが、寒さと作物の生長をたやすく許さない過酷な環境に貧困を極めていた。 そんな



ある日、昔馴染みの金吾(柄本明)が不意に現れ、「賞金稼ぎの件があるが、金は折半



するから一緒にやらないか」と話を持ちかける。 ここで出会ったアイヌの妻との生活で、



もう二度と刀は持つまいと誓っていた十兵衛だが・・・という話。



 そもそもオリジナルのイーストウッドの『許されざる者/UNFORGIVEN』も、なんだか



よくわからなかった印象が・・・。 当時のBS−2の放送で見たのだけれど、それはあたしが



まだ若かったからなのか。 アカデミー賞を獲ったのは、マカロニ・ウェスタンで世に出た



イーストウッドが本家本元の“西部劇”を脱構築したからだということも後付けで理解した



ところがあるし。 「前振りが長い割にクライマックスはいきなりで、あっさりだな」という記憶



しかございませんでした(リメイク版を見る前にもう一度見ておけばよかったのだが、



タイミングがなかった)。



 映画の内容としてもいろいろと、納得できない点がある。



 日本に賞金稼ぎってあまり似合わないことと、今回はその原因が遊女の顔に刃物を



ふるったからということで女郎屋のおかみが仇討に賞金をかけているのだが、その町に



うじゃうじゃと腕に覚えのある人間たちが集まってくるほど噂が広まっているなら、そんな



危なっかしい店に客は来るのか? それでも女郎たちは賞金を用意できるのか?



 北海道の原野の冬の風景に期待すれば、なんとなく見たことある感じ・・・新しい切り口の



荒々しい自然はなかった。 ところどころ、「あれ、これって北海道オールロケだっけ? 庄内



映画村?」と思ってしまうところがあって。



   まぁ、見られるものとしてはこれくらい。



 なによりいちばんの違和感は、この土地には勝者が一人もいないということだ。



 そもそも当時、北の大地に行くなんてのは行き場のない人々がほとんど(身売りされて



いる女たちはほとんど親に売られている)。 新政府軍から保安官を任命されている大石



一蔵(佐藤浩市)も薩長の出として中央で華々しい仕事をしていてもいいのに、まるで飛ば



されたように蝦夷地にいる。 部下たちも無理やり連れてこられた感がある。 さらにアイヌは



和人に好きなようにされている。 そんな、揃いも揃って“負け組”同士で何を争っているの



だろう、何故争ってしまうのだろう。



 そんなんなので、オリジナルではただただ憎々しい保安官(ジーン・ハックマン)だが実は



目的のために手段を選ばないというだけの男だったものを、佐藤浩市が現状に不満そうに



演じたことでなんだか「哀しい人」に見えてしまう。 十兵衛と大石は本質的に似た者同士



だと感じるほどに。



   佐藤浩市の髪型もヘンだった。



 誰が許されざる者なのか、という問いかけ自体が空虚なものに思えて。



 あと、柄本明の棒読みぶりにはびっくり! お国言葉で話せば元賊軍であったことが



ばれるから、あえて平坦な喋り方をしているのかもしれない、といい方に考えてみたが、



それでも拭いきれない違和感。 渡辺謙が普通に喋っているので余計に目立つ、気になる。



 ううむ・・・あたしにはまだわからない、もしくはずっとわからないかもしれないある種の



男の世界、ということなのだろうか。



 銃で撃ち合うよりは刀で斬り合う方が日本的、ということだけわかりました。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする