2013年09月09日

追憶の殺意/中町信



 『模倣の殺意』以降、東京創元社が復刻により力を入れている中町信作品。



 これはかつて『自動車教習所殺人事件』というそのものズバリだが、いまいち味も



そっけもないタイトルで1980年に出版された物の改題復刻版。



 表紙はすごく素敵になった!、と思う。



   だからといって『追憶の殺意』というのも一瞬考えて

           「なるほど」となるタイトルなので・・・題名って、難しい。



 埼玉県のとある自動車教習所。 まずは配車係が死体で発見されたのち、技能主任が



密室状態で殺されると事件が続く。 一体、何が起こったのか! 自動車教習所で働く人と



通う人との間には過去にどんな因縁が・・・みたいな話。



 めずらしく、というか警察側の足取りが丹念に描かれている印象です。 それはやっぱり



密室トリック&アリバイ崩しがメインだから!? いやー、考えましたよ。 そして事件の



方向性が当たるとニヤリとしてしまいますよ。



 中町信特有の“プロローグ&エピローグの衝撃”は今回はありませんが(なにしろ最後は



<終章>になっていますので)、最初から最後まで<本格推理>ラインから外れません!



遺体発見現場の見取り図だけではなく、時刻表や容疑者のドライブルートの図などまで



丹念に載せられている(なんだかそれだけで盛り上がる部分あり)。



 そしてあたしは実は運転免許を持っていないのですが(身分証明書になるものがない



ため、様々な面でとても苦労しています)、かつて友人たちがこぞって自動車教習所に



通っていた頃にいろいろ聞いた話を思い出してしまいましたよ〜(だから余計に通いたく



ないと思ったのだった)。



 いまは少子化だし運転免許を取ることがかつてのように当たり前のことではなくなって



きたので、横暴で無茶苦茶な指導教官は減ってきているとは思いますけど。 でもかつて



自動車教習所に通い、ちょっとでもイヤな経験をした人はこれを読んだらいろいろと頷く



ところがあるのではないのだろうか・・・と勝手に予想しています。



 ある意味、これもシチュエーション・ミステリかな、と思ったりもします。


posted by かしこん at 05:57| Comment(4) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする