2013年09月04日

ペーパーボーイ 真夏の引力/THE PAPERBOY

 サスペンスやミステリーと聞くと俄然興味がわくあたし。
 だけどアメリカの南部って、苦手だ。 ということをこの映画を見てしみじみ感じる。
 ていうか、フロリダって南部だったんですね・・・アメリカの地理をいちからおさらいしないといけないわ。
 舞台は1969年の夏、フロリダで。 水泳の有力選手として大学に進学したジャック(ザック・エフロン)はあるトラブルを引き起こしてしまったため大学を辞めなくてはならなくなり、失意のうちに帰郷。 父親(スコット・グレン!)が編集責任者を務める地元の小さな新聞社の配達人のアルバイトをしていた。 ペーパーボーイとはその新聞配達人の意味。
 そんな彼の人生を変えてしまった出来事が起こった、夏。

  ペーパーボーイP.jpg 覗いてはいけない、禁断の闇
   全米熱狂のベストセラー小説、遂に映画化!
   ハリウッドスターたちが衝撃のタブーに挑戦した、あまりにもスキャンダラスな真夏のミステリー

 真夜中に保安官が殺された。 ほどなく犯人としてヒラリー(ジョン・キューザック)が逮捕され、死刑の判決が出た。 しかしニュースでヒラリーのことを知り、獄中との手紙でのやりとりだけでヒラリーの無実を信じて婚約したシャーロット(ニコール・キッドマン)が彼の手紙と彼女独自の調査内容を持って新聞社を訪れる。 ちょうどその折、大手新聞社の記者であるジャックの兄ウォード(マシュー・マコノヒー)が相棒のヤードリー(デヴィッド・オイェロウォ)とともに同じ事件を冤罪の可能性ありと調査のために戻ってきていた。
 役者は揃った。 そしてジャックはシャーロットに恋をしてしまい、運転手だけでよかった彼の仕事は事件に、人間関係にどんどんのめり込むことになってしまう・・・という話。

  ペーパーボーイ01.jpg “陰りを帯びたイノセントさ”がザック・エフロンに新境地を開いたか? いままでにないいい役でした!
 彼だけでなく本当にいい役者を揃えたなぁ、と思う。 正直なところ、役者が濃すぎてミステリー部分(誰が保安官を殺したのか)が結構どうでもよくなっている。 そしてフロリダの湿地帯(劇中では“沼”と表現)が舞台の中心となるのだけれど、ここの粘りつくような暑さがあたしには暑さを通り越して息苦しいまでのものに感じた。

  ペーパーボーイ02.jpg ザック・エフロンの兄ということで、ちょっと若づくりなマシュー・マコノヒー(マコナヘイ?)。
   なんだか『評決のとき』を思い出す。 役柄は全然違うのにね。
 ウォードもまた謎な人だった。 ダメな父親が兄弟に与えた影響(トラウマ)は本当に半端なくて。 また南部人の印象がまったくなかったスコット・グレンがもみあげをのばしてあごひげとくっつけるようなヴィジュアルで、偏見のかたまりでやる気のない男を悠然と演じており、出番はほんとに少ないですがスコット・グレンファンのあたしとしては泣きたくなった・・・カッコ悪すぎて(それが“巧い”ってことだってわかってますけどね)。
 カッコ悪いといえば、この人もまた別な方向にカッコ悪い。

  ペーパーボーイ05.jpg ジョン・キューザック。
 ハンサム度もいい人度もかなぐり捨てて、どこから見ても“キモい人”をどこか余力を残しながら演じているみたいに見えて、なんだか楽しそう(見ているこっちは楽しいどころではないが)。 喋り方や佇まいに知性のかけらも感じられないんだよね! こんなジョン・キューザック見たことないよ・・・できればあまり見たくないよ・・・それくらい、イカレてました。
 そして更に別方向にぶっ飛んでいたのがニコール・キッドマン。

  ペーパーボーイ03.jpg そのビッチぶりはすさまじい。
 『冷たい月を抱く女』や『誘う女』のときほどずる賢くなく、『イノセントガーデン』のときのように「自分はちやほやしてもらって当然」と思っているのともまた違い、教養もなく粗野なれど本質は愛を求める孤独な女、ということで同情が湧くのだが(でも多分彼女は同情されることを嫌うだろう)、だからといってジャックが惚れていい相手ではない。
 この人たちを、ジャックの親代わりのメイド・アニタ(メイシー・グレイだ、歌手の!)視点で10年先ぐらいからの回想と、その時点でのジャックの一人称が入り混じる。
 あ、これは原作が読みたいかも!
 俳優たちが素晴らしすぎてストーリーがどうでもよくなってしまったのは意図的なのかどうなのか、どっちにしろ後味が悪い話なので、そういうのが大丈夫な方には是非見届けていただきたい。
 やはり暑すぎる夏は人の理性をどうにかしてしまうのだろうか。 人生を変える出来事に出会うのは、春でも秋でも冬でもなく、夏がいちばん似合うから。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 05:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする