2013年08月10日

バーニー みんなが愛した殺人者/BERNIE

 先日の『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』を見て、「やっぱりジャック・ブラック、いいなぁ」と再認識したので、ちょっと悩んでいたこれを見に行くことに。 『スクール・オブ・ロック』の監督&主演コンビ8年ぶりの復活!、とのことでしたが、ああいう映画ではないことはポスターからわかってますから。

  バーニーP.jpg テキサスで起こった嘘みたいなほんとうの話

 舞台は「アメリカの田舎」とも言われるテキサス州の中でもさらに田舎町のカーセージ。どこからともなくこの町にやってきたバーニー(ジャック・ブラック)は、エンバーミングの技術と人柄を買われて葬儀社に就職。 お客さまへの態度と葬儀の見事な仕切り、なにより誰かによろこんでもらえるのが自分のよろこび、といった彼の生き方が町のすべての人々に愛されるまでさほど時間はかからなかった。 
 が、一方でその町には金持ちの未亡人で偏屈の見本みたいなマージョリー(シャーリー・マクレーン)がおり、町の人々から嫌われていた。 だがバーニーだけはマージョリーに愛情深く接し、二人の間にはいつしか信頼関係が生まれる。

  バーニー3.jpg マージョリーに生きるよろこびを思い出してもらうため、旅行に連れ出したり。 当然費用はマージョリー負担。

 彼女の銀行口座の管理を任されるまでになったバーニーだが、彼の奉仕の対象は町の人たち全員。 徐々に独占欲をむき出しにしてくるマージョリーに、不意にバーニーは怒りにかられ・・・という話。 ベースが実話ということで、進行の端々に町の人たちのインタビュー映像が挿入されて、「いかにバーニーがいい人か」を力説するドキュメンタリータッチ(というか再現ドラマ風)のつくり。 語っている町の人たちも実在の人たちなのか役者の方たちなのかよくわからないという不思議。 あたしはなんとも面白かったけど、それはやはり主役がジャック・ブラックだったからではないかなぁ、と思う。
 実話だし被害者いるし、ってことでこの映画はバーニー側・マージョリー側どちらかに加担しているわけではない。 こってりとキャラをつくってジャック・ブラックの素の部分を一切封印、コメディ演技もなしでただただバーニーを演じているのも、彼のチャーミングな部分を表に出してしまうとバーニー優勢になってしまうから(それでもキュートな部分はにじみ出てしまうんだけど、バーニーの過去をまったく描かないことで観客の感情移入も排しつつ、町の人が惹かれたバーニーの魅力に近づこうとしている)。 で、嫌われ役のマージョリーをシャーリー・マクレーンにやってもらうことで憎々しさを緩和?

  バーニー4.jpg マシュー・マコノヒーも自分の役柄のパロディのようなキャラ。

 マージョリーが姿を見せなくなっても誰もバーニーを疑わない。 ただ唯一疑いを持ったのが野心的な地方検事(マシュー・マコノヒー)。 後半は裁判劇となり、『評決のとき』が遥か昔の映画なんだな、ということを実感。
 しかしこの映画の真価は実はエンドロールにあった!
 多分ほんとの町の住人が、この事件を基にしたバーニーの歌を披露。 見事なカントリーソングだったんだけれど、「そういえばカントリーの歌にはわりと“殺した・刺した・逃げた・消えた”みたいな歌詞があるけど、結構現実の出来事を歌っているからか?」と気づかされ、<カントリーソングの別の意味での奥深さ>に慄然とした(でもあれ以来、♪Oh Bernie, oh Bernie♪のサビがぐるぐる頭を回って離れない)。
 そして、バーニーご本人とジャック・ブラックの刑務所での面会場面がほんの数秒。
 そこに映っていたのは何者にもなっていないジャック・ブラック本人だった、というのが衝撃というか、なんだか面白かったのです。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする