2013年07月09日

再読・『夢の碑』



 どうしても、『雪紅皇子』が読みたい!



 という気持ちは結構前からあったんだけれど、そのときには品切れ状態でもう手遅れ



だった。 実家に行けば全部あるんだけど・・・。



 まぁ、話は覚えてるからいいんだけどさ、で、ごまかしごまかしここまで来ましたが、



ついに古本屋で全巻セットに出会った!!!



   夢の碑(全20巻)/木原敏江

     さすがに外伝はなかったのです・・・全編、“オニ”をテーマにした連作集。



 これが¥3,800−だというなら、買うしかないでしょ!



 が、本編が全部あるとなれば、それ以外にも読みたいものはあるわけで。



 しかし『雪紅皇子』に飛びついて読むのはあまりにはしたない。 次に好きなのは



『風恋記』なんだけど、4巻半ぐらいの長さだし読んだら絶対泣くのはわかっているので



一冊で終わる『ベルンシュタイン』『煌のロンド』収録の第3巻にまず手を伸ばした。



今回、タイトルには<再読>と書いておりますが、中・高校生時期にもう何回読んだか



わからないんですけどね。 でも何年ものブランクを置いてまた読むという意味で。



 ある意味ウォーミングアップ、というつもりで読み始めた3巻で、こちらの予想以上に



あたしは泣いてしまい、「あれ?!、こんなに泣けちゃったっけ!」と狼狽。



 ・・・思い出しました、泣いてました。



 その勢いで最後の話『淵となりぬ』を読み、あの頃も泣いちゃったけど今になって



わかったこともあって、となると物語に入り込むことを止められず、ティッシュの箱を横に



置きながら耽溺しました。



 あぁ、なんて切なくて、苦しくて、美しくて・・・そして濃密で見事に構成された物語だろうか!



わかっていたつもりだけど、改めて思い知る。 そして多分高校生のとき以上に泣いている



あたしって・・・。



 『鵺』のあとに『青頭巾』を読んだら、当時はただのナルシストだとしか思っていなかった



秋篠の心情が見えてきたような気がして、他の物語でも脇役にすぎない人たちにもしっかり



その人の人生や生き様が反映されているのに気づいて余計に泣いてしまう。 木原敏江



マジックというか、この方の語り、言葉数の響きが美しいリフレインに負ける。



 平安〜鎌倉〜室町、南北朝、江戸という時代が舞台だから、歴史に関しての理解が



あの頃よりも深まったということかもしれないけど、でもやっぱり『風恋記』の実朝さまが



いちばん好きだったりするのよ。 『雪紅皇子』の映さんは少し実朝さまに似てるよね。



 と、そんな感じでどっぷり漬かりました・・・。



 多分大長編にできるだろう題材を4巻前後でまとめあげる腕前、潔さ。 その濃度の



物語を次々繰り出すパワー、マンガ家も体力勝負なんだとわかる。 だからいい時期に



描き上がった素晴らしい名作だと思う。 なのになんで絶版状態なのか・・・。


posted by かしこん at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする