2013年07月08日

ローマでアモーレ/TO ROME WITH LOVE



 これまた微妙にふざけた邦題である。 内容が軽くふざけてるからいいのか・・・。



 が、とても驚いたのは、観客のほとんどがシニア層で占められていたことだった。 そして



ウディ・アレンが映る度、彼が面白くもないジョークを披露する度、どっと笑いが起きる。



もしかしてみなさん、ウディ・アレンファンの世代ですか?



 これまで、本人が出てない映画(『ミッドナイト・イン・パリ』や『人生万歳!』など)を見て



きたあたしですが、たまたまタイミングがという可能性もあるけれど、やはり本人が出て



ないのと出ている作品ではお客さんのカラーがなんか違うよ・・・。 むしろ、この日の



お客さんたちはジェシー・アイゼンバーグやエレン・ペイジのことなど知っているのだろう



か?、という気持ちにさえなるほど。 同時代の強みというか、そこから外れたものには



わからぬ連帯のようなものがここにはあったような気が。



   すべての愛<アモーレ>はローマに通ず



 『ミッドナイト・イン・パリ』に続く「頼まれたのでその街を舞台に映画を撮りました」第二弾。



今回の舞台はローマです。



 ローマに観光に来たアメリカ人の学生が現地の男性と運命的に恋に落ち、婚約をした。



娘のために嫌いな飛行機で音楽プロデューサーのジェリー(ウディ・アレン)は妻とともに



ローマにやってくる。



 ショッピングモールの建築家として大成功を収めている男(アレック・ボールドウィン)は



商談のためローマに訪れていた。 貧乏な学生時代この街に住んでいた彼はかつての



アパートを探していると、かつての自分のような建築学生ジャック(ジェシー・アイゼン



バーグ)と知り合い、家に入れてもらう。 ジャックは恋人と同棲中だが、その恋人の友人



モニカ(エレン・ペイジ)がやってきたことからジャックの心は乱れ始める。 建築家は



「やめておけ」と大人の忠告を繰り返すが・・・。



   この二人がなんかよかったなぁ。



 新婚旅行&親戚縁者へのお披露目の意味で片田舎からローマにやってきた若夫婦。



が、妻は入り組んだローマの街中で道に迷い、ちょっとしたトラブルから夫はデート嬢



(ペネロペ・クルス)を妻だと紹介しなければならなくなる。



 ただの凡人、とナレーターにも言われてしまう男レオポルド(ロベルト・ベニーニ)は、



ある日突然マスコミに取り囲まれてみんなの話題の人になってしまう。



   これって筒井康隆の『おれに関する噂』とほぼ同じ。



 と、そんな4つのエピソードが同時進行に織りなされる映画なのだが、この4組の登場



人物たちがストーリー上まったく交錯することがないのが残念。 これがピタッとはまった



ならもうちょっと盛り上がれたのにな、と思う。 ま、オペラがらみのエピソードは会場が



大爆笑なほど面白いですけれども。



 ただ、どちらかといえばシニカルな語り口が特徴のウディ・アレン作品にしてはなんだか



底抜けに明るいのは、やはりイタリア・ローマという土地とそこに住む人々の陽気さのせい



だろうか。 スノッブさ全開でアメリカ的価値観をローマの人に押し付けまくるジェリーに



ムカムカしながらも最終的ににくめない範囲で終わるのは、「ま、いいじゃないか」と受け



入れる娘の婚約者の父親(テノール歌手のファビオ・アルミリアート!)の存在故だし。



まぁ、そこまで引きずらない内容(映画館を出たらあとには残らない)だからかもしれない



けど。 そういう軽さも、ときにはいいかな。



 そうそう、あたしがウディ・アレン苦手なのは、「僕は当然スノッブじゃないから、こうやって



実にうまくスノッブを演じられるんだよ」って態度が露骨に感じられるからだとわかったのは



収穫だったかな〜。 つまりは<アメリカ人>という価値観をずっと追求しているのがウディ・



アレン映画だということなのかも。


posted by かしこん at 05:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする