2013年06月17日

コレクター/THE FACTORY



 最近やたら老けたよね、と思いつつ、あたしはジョン・キューザックが好きなのです。



彼の主演映画が続けて2本、<ジョン・キューザック・スペシャル>と題して公開されると



あらば(しかも神戸市内で上映あり!)、見に行くに決まってるじゃないですか!



 かつてはトム・クルーズと同期の青春スターだったという彼、『ハイ・フィディリティ』の



ような愛すべきダメ男をやらせたらヒュー・グラントとはまた違う度合いのキュートさを見せ、



『コン・エアー』のようなアクション大作では正統派二枚目路線を継承し、そしてついに



『“アイデンティティー”』ではB級サスペンスの帝王に! やはり大作よりもクセのある



作品に出たいという性格上か、低予算だが見どころのある若手監督の作品に率先して



出る感じもあり、独特な立ち位置にいる人である。 中でもホラー寄りのサスペンスやサイコ



サスペンスは彼の得意なジャンルということになるだろうか、この映画もそんな作品です。



 でも、『コレクター』ってありがちなタイトル、なんとかならんか・・・。



   不気味な地下工場があった。

   6人の娼婦が 拉致 レイプ 監禁 拷問 殺害 解体 嗜食・・・これは「実話」である。

   世界中を震撼させたケイリー・ハイドニック猟奇事件を生々しく描破した

   衝撃のリアル・サイコ・サスペンス!



 これは事実にインスパイアされた物語、と最初に出る。 「事実をもとにした」よりは話の



自由度が高いということかしら? 舞台は真冬のニューヨーク州北部の都市バッファローで、



もしや『羊たちの沈黙』に出てくる連続殺人犯<バッファロービル>の名前はここから来てる



のかな?、と思い出してみたり。 でもケイリー・ハイドニックって名前は記憶にないのです



(いろいろ読んでるはずなのに、覚えていないだけかしら)。 実際の事件は1980年代だ



そうですが、映画は完全に現代設定です。



 冬の限られた期間にだけ起こる連続娼婦失踪事件を追い続けて3年の刑事マイク(ジョン・



キューザック)は相棒のケイシー(ジェニファー・カーペンター)とともにまた冬の訪れを憂う。



これまで容疑者は上がったが、アリバイがあるため釈放せざるを得なかった。 そして



遺体も見つからない行方不明者たちはどうしているのか。 苦悩するマイクは一連の事件に



のめり込むあまり家庭を顧みなくなる傾向に。 が、ある日、マイクの娘で17歳のアビー



(メイ・ホイットマン)が行方不明になったと連絡が入り・・・という話。



   刑事である前に父親? 父親であると同時に刑事?



 そんな苦悩するジョン・キューザックが見られます!



 ジェニファー・カーペンターってどこかで見たことあるなぁと思ったら、『エミリー・ローズ』の



子がこんなに成長したよ。 おまけにマイクの妻(ソーニャ・ヴァルゲル)は『LOST』のひと



だし、娘のBF役の青年も見覚えあり。 そして雪がすべてを覆い尽くさんばかりの凍てつく



寒さ、荒涼とした地域、みたいなものをしっかり映してあるのが好印象。 シリアルキラー



もので冬そして雪という組み合わせ、珍しいんじゃないかしら。



 全貌が見えてくると、タイトルは確かに“THE FACTORY”のほうがいいんじゃないかと



いう気がしてくる・・・(ただサイコサスペンスで“工場”がしっくりこないのもわかるが)。



 でも全体的にいろいろ定番だなぁ、とか、マイク、何故その手掛かりに気づかない!、と



見ている側は大変にイライラさせられるのであるが、実はそれ自体が大掛かりなミスリードで



あったと最後のほうで気づかされ、やられました!



 きれいにだまされた!



 実はすべての手掛かりはフェアに観客に提示されているのである。



 あたしもしっかり見ていたし、気がついていたのだが・・・ジョン・キューザックのあまりの



おたおたぶりに気をとられ、うまく結び付かなかった。 多分、ジョン・キューザックのことが



好きな人であればある程、だまされる率は高くなると思われる(彼に対して何も思っていない



人は素直に真相が見抜けるかも)。



 解決編部分の描写が『SAW』っぽいのではありますが、「うわー、あの複数の違和感の



正体はこれだったか・・・」とあたしは素直に反省しました。 B級だと侮っててごめんなさい、



ちゃんとしっかりどんでん返しのあるミステリーでした。 最近は途中で読めるものが多い



のであえて追求せずにニュートラルな気持ちを意識して見ているのですが、だまされると



気持ちいいですねぇ。



 最後のオチから考えると、『コレクター』というタイトルはあながち的外れでもない・・・わぁ、



邦題ってむずかしい!


posted by かしこん at 05:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする