2013年06月08日

出遅れシアター → 代償行為



タワーリング・インフェルノ/THE TOWERING INFERNO



 1974年映画。 子供の頃、テレビでやったのを見た記憶あり。



 あたしのパニック映画好きのスタートは、『ジョーズ』とこの映画なんじゃないかと思う



くらい当時盛り上がったような気がする(古い映画だから、と期待していなかったんだけど、



すごく面白かったんですよね)。



 先日、地上波の深夜で放送があり、つい見たら思いっきりカットされまくりの短縮版で、



「つまらん!」と腹を立てていたのだが、BSジャパンで金曜日に3時間24分枠で放送する



のを発見。 こりゃノーカットじゃないか!、と録画を試みた。



 当然のように日本語吹替版だったのですが・・・新しい方々で吹き替え直されていたので



びっくり! なんとなく、子供の頃に見た吹替版を見るつもりでいたので(それはそれで貴重



かもしれない。 ポール・ニューマンは羽佐間道夫さんだった気がする)。 子供心に「主役の



ふたり、雰囲気似てる・・・片方が消防士の制服着てくれててよかった」と思ったものだが、



改めて見てみても、ビル設計士役のポール・ニューマンと消防隊チーフ役のスティーヴ・



マックイーンは似たタイプだ・・・さすがに今は区別がつくけど。 今回の吹替ではてらそま



まさきと小山力也という、違うんだけどどちらかといえば声の質が似た二人にこの役が



振られていて、「似てると思ってるのはあたしだけじゃないんだな!」と妙な共感を覚えて、



面白かったです。



 大都市サンフランシスコ。 建築技術の粋をつくして完成させた<グラス・タワー>、地上



135階の高さを誇る超高層ビル落成パーティーの日。 しかしその<グラス・タワー>は



設計士の意図とは違い、電気配線などいたるところから予算を削るため建築基準ぎりぎりの



ものが導入されていた。 ショートから始まった出火はじわじわと人知れず燃え広がり、手に



負えないものになっていく、という話。



   事態に気づく頃には、もう手遅れ・・・。



 今回オープニングを見て気づいたのは、原作が二種類あるということ。 なんでも20世紀



フォックスとワーナー・ブラザースが別々に立てていた企画が似ていたので、いっそのこと



一緒にやろうってことになってこの超大作が実現したらしい。 今もそういうことしたらいい



のに(今だってポスターから設定までよく似た映画が続々公開されているではないか)!



 オールスターキャスト映画なので、いわゆる『グランドホテル形式』を採用。 現在で製作



されたならカットされてしまうかもしれない登場人物のささやかな交流なども丁寧に描写。



かといって不意に訪れる<死>は比較的平等に、お涙頂戴演出は排しているところは



非常にクール(むしろ、こんなに人が死ぬシーンがあったんだなと驚いた。 しかもいい人が



生き残るとは限らないし、むしろいい人が死んじゃったりするし)。 ちなみに新しい吹替版も



映画の雰囲気に合わせてあり、過去の記憶と照らし合わせてもそれほど違和感がなかった。



台本、一緒なのか? というか、そういう演出だったんだろう。 声の方も脇役に至るまで



ベテラン揃いだったのも素晴らしかったです(スタジオジブリには声の演技指導もまた



演出家の仕事であることを肝に銘じてほしい)。



   火がCGじゃないんだよね〜。 ってことは

  ほんとに燃やして撮影したのか。 消防士さんたちの迫真の演技は半分リアルなんだ!



 極限状態では人間の本質が出るわよね、ということで逃げようと我先に争う人間の醜さと



愚かしさに見ていて顔がゆがみますが、果たしていざというとき自分はどうなのか・・・と



考えると落ち込む。 でもそれを知っておきたくてあたしはパニック映画を見るのかな、と



思ったり。



 火が手に負えないというのもすごいが、水の勢いもまた人間には全く歯が立たない、と



いうことで、まさに『バベルの塔』だなぁ、とラストシーンで思ったのは以前と同じなんですが、



冒頭で消防士への敬意が込められているので・・・40年前の作品だけど911後にも通じる



(というかこの映画から得られた警告がまだ足りていなかったのであろうか、という)悲しみが



あります。



 あぁ、いつかノーカット字幕版をスクリーンで見たいなぁ(『午前十時の映画祭』第二弾で



公開したらしいですが、神戸市内ではその企画、やってない・・・)。



 そして、『ダイ・ハード』ではこの映画からのオマージュシーンが結構あるな、ということに



今更ながら気づく。







ヴァルハラ・ライジング/VALHALLA RISING



 『ロイヤル・アフェア』が見たかったのに見に行けないままで上映が終わってしまった・・・



そのかわりに、マッツ・ミケルセン主演の別の映画を、と思ってこれを。



 『ドライヴ』(録画してるけどまだ見てません)で一躍注目の的になった(確かカンヌで賞を



とったような)ニコラス・ウィンディング・レフン監督の、その前の作品ですが・・・とにかく



意味がさっぱりわかりません! でも面白い。 多分低予算なんだろうなぁ、と感じさせつつ、



あえてそれを逆手に取ってつくりあげられた映像美に感嘆!



 構成が章立てになっているのも面白い(でもそれがなかったら余計メリハリがつかなく



なってわけわからんかも)。



 “ヴァルハラ”って大雑把に<黄泉の国>というイメージでしたが・・・厳密には、北欧



神話に出てくるオーディンがアルスガルドに建てた<戦死者の館>のことらしい。 古代



ノルト語では、<倒れた戦士の住居>の意味になり、つまりヴァイキングたちにとっての



天国。 勇敢な死の果てにヴァルハラがある、ということのようだ。 靖国神社ってこと?



まぁ、そういう発想はイスラム教にもありますよね(と、絶対唯一神の宗教を信仰している



方に読まれたら炎上しかねないことを平気で書いてることに気づく。 すみません、これが



多神教の人間の考え方です)。



   一言も発しない、隻眼の戦士(マッツ・ミケルセン)の

    存在感があってこそ成立した映画でもあるかも。



 キリスト教徒か否かで殺しあう人々、聖地エルサレムを目指しながら辿り着いたのは



地獄?、な展開など、心を浮き立たせる要素は一切ありませんが・・・なんなんでしょう、



なんだか目が離せなかったです。



 北欧神話に似た話があったかな・・・と思い出してみるものの、よくわからず。



 よくわからないままでもいいや、この映画は!



 とりあえず、マッツ・ミケルセンは素晴らしい、ということで納得(そりゃー、「デンマークの



至宝」と呼ばれますよね)。



 しかしあたしがわからないのは、「ライジング」の訳し方である。 上昇中・成長過程・発展、



というような意味合いであることはわかるが・・・日本語って難しい!


posted by かしこん at 22:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする